ウォーター

第百四部

 

その頃、自分の部屋にいた一枝は明日の服を選んでいた。しかし、お気に入りの服を選んでも下着とのマッチングを考えるとどうしても迷ってしまう。何度も服を広げ、下着を取り出してみて、そして仕舞いながら考え込んでいた。

『どうしようかな?』

最初は楽しかった。宏一と過ごす時間は恋人過ごす時間のようで、ちょっとエッチっぽいデート気分が一枝をワクワクさせていた。実は数日前から頭の中ではこんな服にしようとプランを作ってあり、殆ど服は決まっていたはずだった。最初はちょっと甘えんぼみたいな可愛い服にして、下着は大人っぽい色にしようと思っていた。

でも、その服を着て鏡に映してみると、どうしても自分の姿を由美と比較してしまう。自分よりも細身で手も足もすらりと長く、胸の形もぷくっとしていてお尻も可愛い由美は、制服を着ていてもお洒落をしていても、そして服を脱いでも自分よりずっと綺麗だと思った。

一度由美の姿を頭に浮かべてしまうと、今、鏡に映っている精一杯お洒落をした自分の姿も宏一には単なる子供にしか見えないのかも知れない、そんな気がしてくる。

更に、その服も宏一の目の前で脱がなくてはいけないと思うと、いっきに気持ちが沈んでくる。どうがんばっても、あの由美のプロポーションにはかなう訳がないと思った。『大丈夫、思いっきり宏一さんに甘えて、優しく教えてもらうんだ』そう自分を励ましても心の奥の自分が崩れていきそうな不安が湧き上がってくる。『こんなことしても無駄よ。子供っぽい身体を見せる自信、あるの?』そんなことを言っているもう一人の自分が囁いている。『おまけにちゃんと宏一さんにしてもらったって、感じなきゃ意味ないのよ。どうせゆんみたいにはできないんだから』『ゆんみたいに口の中にあんなものを入れられるの』『あそこを舐められても平気なの?』一枝の頭の中には、最初宏一を紹介してもらった時に、宏一の太い肉棒を精一杯口の中に出し入れしている由美の姿と、それを満足そうに見下ろしながら優しく髪を撫でていた宏一の表情、更に由美の股間に顔を埋めている宏一と喜びの声を上げながら腰を突き上げている由美の姿が頭の中にこびりついて離れなかった。

ゆっくり傾いてきた日差しの中で、一枝は固まってしまったようにベッドの上に広げられた服を見下ろしていた。

『感じなきゃ意味ないのよ、でも感じられるの?いくら優しくしてくれるって言っても、男の人が勝手に触るのよ?触られそうになって、じっと我慢できる?感じてきて敏感になった所を強く触られたら痛いわよ』

そんな不安が次々と襲ってくる。この前は宏一の旅行中に由美に呼び出されて触られたが、あの時の由美の指は同じ身体を知り尽くした同姓の指だった。一度も痛くされなかったし、微妙に刺激されて自分でもびっくりするくらい感じてしまった。しかし、宏一にそんなことができるとは思えなかった。由美の身体を軽々と扱っていた宏一の腰がダイナミックに由美に打ち付けられていたシーンが脳裏に焼き付いている。

『だめだめ!こんなことばっかり考えてたら宏一さんに会いに行くことだってできないモン。宏一さんにお願いすれば良いんだ。こうして下さいって。それには、まずこうしてもらってから・・・』一枝は下着姿のままベッドに横になると、ブラジャーのストラップを肩からずらしながら、そっと乳房の周りを刺激し始めた。そして裾野がいつものように敏感になってからそっと乳首を指で撫で始める。

『宏一さん、優しくして・・・・・』

次第に一枝の息は荒く、切なくなっていった。

同じ日差しがカーテンの隙間から差し込んで来る部屋のベッドで、既にたっぷりと愛された後の由美は宏一に寄り添いながら髪を撫でられていた。既に身体は宏一をしっかりと受け止め、十分に満足した後だったので、由美は全裸でのまま軽く足を宏一に絡めながら甘えていた。

「宏一さん、どうしても上手にできないの。途中から身体が上手く動かなくなっちゃうから」

「大丈夫。由美ちゃんはちゃんと少しずつ覚えているよ」

「もっと上手になりたい」

「直ぐに上手になるよ」

「・・・・・今日、上手になりたいの・・・・」

宏一の腕枕をした左手の指先が由美の首筋をからかうように這うのを感じながら、由美は宏一の胸に顔をすり寄せて甘えていた。

「そんなに急がなくたって、由美ちゃんは充分感じてるじゃない」

「私ばっかりじゃ嫌、宏一さんにも感じて欲しいの」

「とっても気持ちいいよ。それに、由美ちゃんの恥ずかしい格好をたっぷり見られるし」

「宏一さん、私が恥ずかしがるのを見たい?」

「もちろん、だってそれを見られるのは俺だけだから」

「でも、やっぱり恥ずかしい・・・・。それに宏一さん、まだ今日は一回も終わってない・・・・」

「いつもギリギリで由美ちゃんをいかせてるんだ。そうすれば何度でも由美ちゃんを夢中にさせられるし、最後に思いっきり終われるから。さっきだってもう少しで終わっちゃう所だったんだよ」

「宏一さんなら終わったって何回だってできるくせに。いつも私ばっかり夢中にさせられちゃう。これが私を夢中にさせちゃう・・・」

そう言いながら由美の細い指は宏一の肉棒に絡み始めた。すると肉棒は敏感に反応してたちまち硬度を増してゆく。宏一が由美の細い身体をしっかりと抱き寄せると、由美の指は更にしっかりと肉棒に絡みつき、挑発するようにゆっくりと扱き始めた。

「それじゃぁ、もう一回由美ちゃんが上になってごらん。どこまでがんばれるかな?」

「今度は宏一さんに終わって欲しいの。できるだけがんばるから、宏一さん、私の中で終わって・・・・下さい」

「大丈夫?さっきはだいぶ激しく動いたから、疲れているんじゃない?」

「あんなことされちゃえば、誰だって・・・・。でも、大丈夫です、きっと」

「本当かな?でも由美ちゃんにそんなこと言われて扱かれていると、だんだん由美ちゃんの中で終わりたくなってきたよ」

宏一はそう言って由美の身体を再び自分の上に引き上げた。既に二人とも、前技を抜きにしていきなり結合することを望んでいた。由美は既に自分の中は十分に濡れているのが分かっていたし、宏一にしても今度はしっかりと自分が楽しむ番だと思っていた。固くなった肉棒を離した由美は、宏一の上に四つん這いになってキスをしながら腰の位置を合わせ、既にたっぷりと濡れている秘唇で何度か扱いて肉棒がしっかりと固くなっていることを最終確認してから先端を秘口に合わせ、両手をついて姿勢を安定させてからゆっくりと後ろに下がって自分の中に納めていく。

「あ、アンッ、逃げちゃいやぁ、ああぁ、ああんっ」

由美はこの体勢の経験が少ないので、ちょっと自分の位置がずれると肉棒を納めることができない。何度かトライしたが上手く肉棒が入ってこないので、恥ずかしかったが宏一の肉棒を掴んで先端を自分の入り口に宛って腰を下げていった。

「宏一さん、自分で入れちゃいました・・・あぁぁぁん、入って・・・・来た・・・・」

「どう?しっかり入ってる?」

「はい・・・大きい・・・・ああん、おっきくて・・・・」

由美はある程度まで後ろに下がって肉棒を納めてから、肉棒を掴んでいた手を離し、しっかりと手を突っ張って四つん這いになってから、最後は腰をうねうねと動かしてしっかりと奥まで迎え入れた。

「うううぅぅっ、やっぱり凄い・・・」

「さぁ、がんばって動いてごらん」

宏一の優しい声に励まされて、ゆっくりと由美の腰は動き始めた。しかし由美は既に感じ始めていた。

「宏一さんっ、ああん、もう感じちゃってる。宏一さんも気持ち良くなって・・」

「なってるよ。由美ちゃん、ほら、おっきくなってるだろ?気持ちいいよ」

「おっきい、宏一さん、ああぁぁっ、太くて、おっきくて、奥まで入ってるっ・・・」

由美はこの姿勢で挿入することに興奮していた。肉棒が入ってくる時の角度が、自分が下になって肉棒を受け入れる時と違う気がする。何とか四つん這いの姿勢で腰を上下に動かし、肉棒を出没させ始めた。宏一が腰を跳ね上げれば簡単にもっと大胆な出没を作り出すことができたが、今回の宏一は全く動こうとしなかった。宏一は由美がどこまでできるか、確かめてみたかったのだ。

ゆっくりと腰を動かし始めた由美は身体が燃え上がるに連れ、どんどん動きにくくなってくるので、どこまで宏一を満足させられるか自信が無くなってきた。今まではこうなってから先はいつも、由美自身が感じることを考えていれば良かった。由美がおねだりをすれば宏一はいつもそれに応えて頂上に押し上げてくれた。しかし今回は由美が宏一を頂上に押し上げなくてはいけない。それはいつものように快感がどんどん押し寄せてくる由美にとって果てしない道のりに思えた。

「ああぁぁん、宏一さぁん、はあぅぅ、どうですか?気持ちいいですか、ああぁぁ」

快感に翻弄されながらも由美は必死に腰をくねくねと動かし、たっぷりと液体を吐き出してなめらかになっている肉壁で宏一の肉棒を扱いていた。セックスに充分慣れた女性なら大胆に腰を弾ませて激しく肉棒を出没させることも可能だろうが、今の由美で精一杯がんばってもくにくにと腰を擦り付けるくらいしかできない。しかし、まだ経験の浅い由美の中はしっかりと肉棒を締め付けていたので、ザラザラとした肉壁が腰の動き以上の快感を宏一に与えていた。

「由美ちゃん、良いよ。気持ちいいよ。がんばって」

宏一は由美の肉壁も気持ち良かったが、感じながらも必死に腰を振る由美の姿に興奮していた。それは単に感じている時の由美の表情よりも、より複雑で刺激的な表情で、感じたいのにそれを無理やり抑えている、しかしどうしても快感に流されそうになっている、と言う微妙に揺れ動く表情だった。

可愛らしく腰を振る由美を見ていると、宏一は少しイタズラをしてみたくなった。両手を突っ張って喘ぎながら腰を動かしている由美の下を向いて尖っている膨らみの先端を軽く指で可愛がってやる。

「はうぅぅーーっ、だ・だめぇっ」

指先が小豆大の乳首を軽く転がす度に由美は声を上げて乳房を左右に振り、指先から逃れようとした。可愛らしい乳房は固く膨らんでいるので、少しくらい左右に振っても殆ど震えることがない。宏一がなおも軽く追いかけるように乳首を楽しんでいると、

「だめぇ、これ以上されたら、もっとして欲しくなっちゃいますぅ」

と声を弾ませて嫌がった。しかし宏一は、髪を振り乱した表情の中に潜む瞳の光を見逃さなかった。

「こうやって可愛がって欲しいの?」

宏一は両手ですっぽりとお気に入りの膨らみを包むと、軽く揉み上げ始めた。

「あああぁぁっ、それをしちゃだめぇっ」

由美は軽く仰け反って声を上げて抗議したが、乳房はしっかりと宏一の手の中に入ったままで、しっかりと宏一の方に突き出されたままだった。

その時由美の中がきゅっと収縮し、今までよりも強く肉壁を扱いた。

「由美ちゃんっ、これっ」

宏一が少し驚いて揉み立てていた手を緩めると、ゆっくりと肉壁は元に戻っていく。

「ああん、はあっ、はあっ、ああぁぁん」

由美の弾んだ息は少し残念そうだった。

「さあ、がんばってもう一度動いてごらん」

そう言って由美に再び腰を動かすように言い、肉壁がリズミカルに動くようになるころに再び乳房を揉み上げる。

「ああぁーっ、またぁっ」

由美が声を上げて仰け反ると、再び由美の中がしっかり締まった。

「由美ちゃん、凄いよ。こんなにしっかり締め付けるなんて」

「宏一さんっ、ああぁっ、奥までしっかり刺さってるぅっ」

「がんばって動いてごらん」

「動けませんっ、動けないのぉっ」

「それなら止めちゃおうか?」

「やめちゃいやあっ」

由美は中止されることを恐れ、必死になって腰を動かし続けた。宏一は固い乳房を揉みたて、乳首を指の間に挟んで可愛がり続け、由美から声を搾り取っていった。それは今までよりももっと強い快感で、出没して得られる快感とはまた違った素晴らしい締め付けだった。いつしか宏一は由美に夢中になり、気が付いた時は放出の予感が迫ってきていた。


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