ウォーター

第百六部

 

由美は何も考えずに一心に頭を動かし、同時に手で肉棒をしごいていた。そうすることで身体の中にたまった不満を忘れようとしていたのだ。しかし、由美の身体を知っている宏一の舐め方は由美をたちまち虜にしてしまう。腰の辺りからじわっと広がってきた快感がだんだんと由美の集中力を奪っていった。さらに宏一は時折手を伸ばしてごく軽く乳房を撫で回した。由美は揉んで貰えるものと思って期待するのだが、すぐに手は下げられてしまう。フェラチオに集中したいのに自分の身体に何度も意識を引き戻され、気がつくと由美はもう少しの快感欲しさに喘ぎながら乳房を宏一の腹に擦り付け、肉棒を扱きながらおねだりをしていた。

「ああん、宏一さん、やめちゃいやですぅ。もっと、もっとお」

宏一は自分のペースになってきたことに満足し、さらに由美を巧妙に愛しながら夢中にさせていった。

舌で激しく舐めあげて由美から声を搾り取ると、突然やめてしまう。

「もっと、どうして欲しいのかな?」

「いやあ、そこでやめないで・・・」

「だって、由美ちゃんが話しかけるから」

「意地悪しないでください」

「意地悪なんてしてないよ」

「早く、早く・・・・舐めて」

「そう、おっぱいはいいんだね」

そう言って宏一は再び舐め始めた。しかし、乳房も愛して欲しい由美は秘唇からの快感だけでは満足したくなかった。でも話しかければまた宏一は舐めるのをやめてしまう。

「ああん、宏一さぁん」

由美は快感に悶えながらも、同時に焦れていった。それでも我慢できなくなると、

「宏一さん、やっぱりおっぱいも揉んで下さい」

と喘ぎながらおねだりすると、

「おっぱいをどんな風に揉んで欲しいの?」

と宏一が舐めるのをやめて話しかけてくる。

「何でも良いですから、早く揉んでぇ」

由美は髪を振り乱して恥ずかしいおねだりを繰り返した。

「こういう風にすればいいのかな?どう?これでいい?」

宏一は由美に話しかけながらおっぱいを軽く転がすように揉んでやる。下向きに三角に尖った膨らみが宏一の手で軽く形を変えた。

「ああんっ、いいけどっ、もっと、もっとぉ」

「こう?」

宏一が少し強く揉むと、

「いいっ、それがいいっ、でもお口もしてぇっ」

「おっと、そうだったね」

そう言うと、揉んでいた手を離して由美の腰を抱え込み、じっくりと最初から舌を這わせ始める。

「あぁぁぁぁ、いじわるぅぅぅ・・・・」

由美は悲しげな声を出しながら肉棒を扱いていた。

「だって由美ちゃん、お口でおちんちんを愛してくれないんだもん」

そういうとハッとした由美は再び必死になってフェラチオを始め、指で肉棒を扱く。宏一にたっぷりと感じさせてもらうため、由美は全力で肉棒をほおばった。すると宏一の舌は再び由美が一番感じるところを舐めてくれる。由美は必死に肉棒をほおばり続けたが、宏一の舌から喜びを得た身体は感じれば感じるほど頭を動かせなくなってくる。そして、一度頭が止まると、もうそこからは肉棒を頬張れなくなってしまった。

「宏一さん、やめちゃいやぁ、あと少し、もう少しでいっちゃいますぅ」

「だめだよ、それじゃ、ここまでにしようか」

由美はその言葉が信じられなかった。今までは必ずおねだりすればいかせてくれたのに、それが始めて却下されたのだ。

「いやぁ、ちゃんと舐めてください。もう少しでいっちゃうのにぃ」

「だめ、俺の好きなようにする約束だよ」

「ああん、いやぁ、宏一さあぁん」

由美は肉棒を握り締め、宏一の茂みに頬を擦り付けながらおねだりしたが、宏一はそれ以上してくれなかった。

「さぁ、今度は四つん這いになりなさい」

敏感になったままの身体をもてあましている由美を四つん這いにすると、宏一は背中に丁寧に舌を這わせ始めた。

「はうう・・うううぅぅっ、ううくうっ・・・・」

由美はシーツを握り締めて快感に耐えるしかなかった。宏一の舌がチロチロと背中をゆっくりと下がり、脇腹の裏へと移っていく。そこは由美が背中で最も感じる場所だった。

「はああぁううぅぅっ、宏一さんっ、ああぁーーーっ、そこはぁっ」

「感じるだろ?」

確かに猛烈に感じているのだが、感じるほど秘唇のじれったさはさらに高まっていく。さらに乳首までじれったくて堪らなくなってきた。こんな経験は初めてだった。猛烈に触って欲しくてどうしようも我慢できない。きっと、ほんの少し秘口に指を差し込まれ、乳房を可愛がられるだけで簡単にいってしまうだろうと思った。今の背中だけでも十分に敏感になっている。宏一の息がかかるだけで背中がぞくっとする。

これだけ感じるようになっているのに、まだ焦れったい部分が残っているのでいけそうでいけない。宏一の舌が背中を這い回るたびに声を上げてシーツを掴みながら耐えていた由美は、もうおねだりを我慢することができなかった。

「宏一さん、お願いです。指を入れて下さい」

「どうして欲しいのかな?」

「指を入れて、中を可愛がって下さい」

「それだけで良いの?」

『はい』と言いそうになって由美は気が付いた。指一本だけをちょこっと入れられただけでは気が狂いそうになってしまう。

「ちゃんと指を奥まで入れて、いっぱいズボズボして下さい」

言ってしまってから後悔した。自分でも気が付かないうちに凄いことを言っている。『宏一さんに開発されたんだ、私』いけそうでいけない身体をもてあましている由美は頭の隅でそう思った。そして『それなら宏一さんにもっと開発してもらおう、一枝ちゃんが追いつけないくらい』と思った由美は、

「宏一さん、早く、私の身体、何とかして下さい」

と言った。宏一は、

「言う通りにする約束だったよね」

と念を押して、由美が四つん這いのまま頭をコクリと下げると、

「お尻を高く上げて」

と尻を突き上げた格好にしてから、

「ここを優しく愛してあげる」

と言って、尻を突き上げたままの由美の足を広げ、指一本だけで秘唇と秘核を可愛がり始めた。

「ぁあぁぁぁぁ、中に、中に入れて下さいぃぃ、ああああーーーっ、良いけど、そこだけじゃいやぁぁぁぁっ、宏一さん、中も、中も可愛がって」

由美の腰は自然と小刻みに動いて、何とか宏一の指を中へと導こうとしているようだった。

「由美ちゃん、俺の好きなようにする約束だよ。今は我慢しなさい」

そう言うと、宏一はほんの指先だけ入れて、直ぐに他の場所へと移してしまう。由美は宏一の指先が秘口に入るたびに期待して尻を突き上げたが、その度に期待を裏切られ、余計に焦れていった。

それでも最初は何とか我慢できた。しかし、身体が更に熱くなって、どうにも我慢できなくなってくる。指を入れて優しく掻き回して欲しくてどうしようもなくなってきた。

「ああん、いやぁ、もう焦らさないで、そのまま指を・・指を入れて下さい。ああぁぁ、いやぁ、それはいやぁ、宏一さん、お願いですから、入れて、そのまま指を入れてぇ」

シーツを握りしめて由美が懇願する。とにかく身体中が敏感になっていて、指が欲しくて仕方なかった。既に秘唇は大きく膨らみ、どんな刺激でも十分に感じられるほどになっているのに、宏一は由美の身体が敏感になるほど刺激を弱くしていく。

「指を入れてからどうすればいいの?」

「何でも良いです。とにかく入れてから動かして、お願い・・・」

由美は宏一がそうしてくれるものと思って精一杯おねだりした。

しかし宏一は、由美のおねだりを無視すると、

「由美ちゃん、こういう風にして感じさせてあげるのも良いと思うよ」

と言って、由美の肩に手を回してそっと上半身を起こし、元の四つん這いにした。

「良いかい?」

そう言いながら、宏一は由美の首筋を軽く指で撫でた。それは何かが始まる証だと気が付いた由美は身体を固くしてそれに備えた。そしてそれは指を十分に敏感になっている秘口の中に差し込んでくれるものだと思いこんでいた。

しかし宏一は、下向きに固く尖っている乳房を揉んできた。秘唇で焦らされている間に由美の乳房は本人が想像する以上に敏感になっていた。秘唇に意識を集中していたので気が付かなかったのだ。

「はああああああーーーーっ、そんなぁぁーーっ」

軽く揉まれているだけなのに想像以上の快感だ。由美は驚いて、頭を下げて一瞬自分の乳房を見てから大きく仰け反った。

「ああんっ、はうぅぅぅっ」

「どう?これくらいが良いの?」

宏一はまだ軽くしか揉んでいない。敏感な乳首と乳房は想像以上の快感を由美に与えていたが、もっと揉んでもらえればもっと快感が得られるのは明らかだった。

「もっと、もっと強く揉んで下さいっ」

「こうかなぁ?」

「ああぁぁぁーーっ、いいっ・・・けど、もっとぉーっ」

「もっとなの?こう?」

「はうううううっ、いいっ、ああんっ、もっとぉーーっ」

「まだなの?これは?」

「くうぅぅーーーっ、い・・痛いけど、いいっ・・・ぁあぁぁぁーーーっ」

何度も宏一に強く揉むようにおねだりしたので、次第に由美には気持ち良いのかいたいのか分からなくなってきたが、それでも身体を慰めてもらえた喜びで由美は声を上げて髪を振り乱していた。

宏一はここまで由美がおねだりするとは思っていなかった。既に今までこんなに強く揉んだことはない、と言うくらい力を入れて由美の乳房を握っている。それでも由美は喜んで声を上げているのが少し不思議だった。これだけ固く膨らんだ乳房を強く握っているのだから、本来なら絶対に痛いはずだった。そして、そこまで夢中になっている由美が可愛らしく、愛しかった。

しかし、乳房だけで満足していられる時間はそう長くない。乳房で感じれば当然肉壁は何もない状態で動くしかなく、焦れったさが募るばかりだ。乳房の不意打ちで少しだけ満足していた由美は、何度か乳房を強く揉まれて声を上げていたが、とうとう自分から起きあがって宏一に抱きつこうとした。そのまま宏一をベッドに引き倒して正常位で迎え入れようと言うのだ。

宏一は由美がベッドの上で膝立ちになると、自分は素早くベッドの上に仰向けになってから、

「お口の上においで。それでいきなさい」

と言った。

普通なら由美は絶対に宏一の顔に跨った状態でいくことなど、進んでするはずがなかった。宏一がそう言う愛し方を好きなのは知っていたが、恥ずかしくて自分から跨ったことは殆ど無い。しかし今は宏一の口で軽く愛されるだけでいってしまうという確信があった。そして、宏一がそう言った以上、やるしかない。今はそう言う約束だ。

由美は恐る恐る仰向けで寝ている宏一の顔の上に跨ると、口の上に秘唇を持ってきた。

「思いっきり感じてごらん」

その言葉で、由美は宏一がこれをするために由美を焦らし続けたのだと知った。そして今は、少しだけ恥ずかしかったが、宏一の望むように愛されることの方が嬉しかった。

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