ウォーター

第百七十七部

 


しかし、一枝は恥ずかしがりながらも、心の底ではこのプロセスを楽しんでいた。自分が望んでいた瞬間が今、ここに実現しているのだ。『できるだけ可愛らしくしなきゃ。ゆんには負けられない』そんな想いが余計に心地良い。

宏一はじっくりと一枝の身体を愛しながら、一枝が次第に自ら性の世界にのめり込んでいくのを感じていた。少しずつ大胆に身体を動かして焦れったさに耐える姿は最高に可愛らしかった。もちろん、由美とは全然違うタイプなので直接比べることはできないが、由美よりもちょっと小柄なだけ扱い易い身体と言えた。

「宏一さん・・・・・もう、早く・・・・ねぇ・・・・・」

「少しずつ感じてきたのかな?」

「う・・・うん・・・・」

「我慢できなくなったらおねだりをするんだよ。それまでは我慢すること。良いね?」

「あ・・・う・・・・もう、・・・ねぇ・・・・・ああん、ねえっ」

「我慢できなくなったの?」

「うん・・・」

「それじゃ、おねだりしてごらん」

「どうするの?」

一枝は分かりきったことを改めて聞いた。その方が可愛らしいと思ったからだ。

「一枝ちゃんが考えて言ってごらん」

「そんなぁ、教えてぇ?」

「一枝ちゃんがどうして欲しいか、素直に言えばいいんだよ」

「ああん、早くこの前みたいにしてぇ」

「どうしたんだっけ?」

「そんなこと言わせないでよぉ」

「早くしないと時間ばっかり過ぎちゃうよ」

その宏一の言葉は一枝の心に響いた。クイズみたいなことばかりして時間を潰すのはもったいない。

「ああん、早く脱がせてよぉ」

「なにを?」

「それは・・・・・・服と・・・・・・」

「なあに?」

さすがにもう一つは一枝にとって言い難いものだった。なんと言っても、宏一の前で初めて脱いだのはついこの前だ。

「ねえ、今、宏一さんがキスしてる所ぉ」

「言ってごらん、何を脱がせて欲しいの?」

「・・・・ブラ・・・・・」

「ちゃんと言わないとこのままだよ」

「そんなぁ、早くぅっ、ああんっ、焦れったいのぉッ」

「言いなさい」

一枝はもう堂でも良くなってきた。これ以上分かりきったことで時間を潰す方がバカらしいと思ったのだ。思い切っていった。

「早くブラを脱がせてぇっ」

「うん、わかったよ」

宏一はそう言うと、ゆっくりと一枝の上半身を脱がせていった。既に大きく広げられているブラウスを脱ぐことは全然抵抗がなかったが、さすがに宏一の手が背中に回った時は緊張した。しかし、思い切って身体を少し横にして背中を見せると、宏一は何も言わず、そっとフックを外してくれた。

だが、一枝は前をしっかりと隠したまま仰向けになり、宏一に一気に乳房を晒すのを躊躇った。この前既に見せているのだから抵抗なく見せられると思ったのだが、最後の瞬間に一枝の頭の中に由美の形の良い乳房がよぎったのだ。あの乳房と比べられたら一枝の乳房など形の悪い出来損ないでしかないと思った。

「一枝ちゃん、手をどけてごらん」

「いや」

「どうして?」

「恥ずかしいから・・・・」

「もうこの前一杯見ちゃったよ」

「知ってるけど嫌」

「一枝ちゃん、少しだけ手をどけてごらん」

「いや」

今度は宏一がこれ以上時間を掛けたくなくなってきた。今なら力任せにすることもできるが、それでは一枝が恥ずかしがりながら乳房を許す所を楽しめない。

「それじゃ、こうしようか?」

そう言うと、宏一は一枝の片手をそっととると指を絡めた。一枝は不思議そうにしている。てっきり力ずくでブラをとられると思っていたのだ。

宏一は左手を一枝の右手と合わせると、そっとキスをする時に何気なく一枝の右手を頭の上に上げた。そして甘いキスをしばらく続ける。一枝は緊張の中の一瞬だけ安心したのか、素直に応じてきた。もちろん、キスをしている間、一枝は残った左手でしっかりとブラジャーを隠している。

キスが終わると、宏一は一枝を見下ろした。一枝は少し恥ずかしそうにしながらも、キスの余韻に浸っている。

「一枝ちゃん、右手を上に上げるよ」

「いや」

「大丈夫。優しくするから。少しだけ力を抜いて」

「いや」

「お願い」

「だめ」

一枝は自分でそう言いながら、少し頑なになりすぎているような気がしていた。そして、『早くブラなんて力ずくで取っちゃえばいいのに』と勝手なことを思っていた。しかし、そんなことをされたら大声で嫌がることも分かっていた。

宏一はあくまで優しく一枝に接していた。一枝が更に嫌がっていることが分かると、そっと首筋から肩、そして腕へと指と唇を這わせていった。それは一枝の想像以上の優しさだった。

「あん、宏一さん、そんなことまで・・・・・」

「一枝ちゃんに優しくするって言ったから、無理にはしないんだ」

そんなことを言われると、一枝は心が疼いてきた。

「可愛いよ。一枝ちゃん、肩も、腕も、指先も、全部・・・」

「宏一さん・・・・・」

一枝は宏一の唇と指がブラを隠している左手へと徐々に動いていき、丁寧に肩から腕、指先を愛撫されるのを夢のように感じていた。そしてその次は上に上げた右手の脇から肩、腕、そして指先へと愛撫が移っていく。

一枝は丁寧に両腕を愛撫され終わった頃、既に左手の力を完全に抜いていた。

宏一は一枝の表情から、一枝が安心したことを確信した。

「宏一さん、ゆんと比べないでね」

「うん、大丈夫。一枝ちゃんのことだけ考えてるんだから」

それは本当かどうかは分からなかったが、一枝は宏一の精一杯の思いやりだと思った。宏一の右手が一枝の左手を取ると、そっと持ち上げ、右手と同じ頭の上に上げ、宏一の左手で纏めてそっと抑え付ける。一枝にとって両手を挙げるというのはとてつもなく恥ずかしいことだったが、それでも何とか許すことができた。

宏一の視線を感じた一枝は、

「見ないで」

と言って、両手を下ろそうとしたが宏一の左手に抑え付けられていて隠すことができない。

「一枝ちゃん、安心して良いよ」

そう言うと宏一は、今は単に乳房の上に乗っているだけのブラジャーをゆっくりと上に押し上げていった。

「いや、見ないで、いやぁ、ああん、だめ、嫌・・・・嫌・・・・」

一枝は恥ずかしさに横を向いている。例え全裸になった後でもじっと胸を見つめられるのは恥ずかしくて仕方ないのだ。夢中になって感じているならまだしも、今はまだ冷静な視線が堪らない。

小さな布地が上にずり上がると、いよいよ一枝のふっくらとした乳房が露わになってきた。まだ直接刺激されていないからか、少女の乳首にありがちな先端がスリットのように凹んでいる乳首だ。

「見ちゃいや、ゆんみたいに綺麗じゃないから」

宏一の視線を感じた一枝が消えそうな声で抗議する。

「乳首が少し凹んでいるんだね」

「・・・・・いや、それは・・・・・」

一枝はドキッとしたようで、声が少し震えた。

「気にしてるの?」

一枝はゆっくりと頷いた。

「でも、この前は凹んでいなかったよ」

「うそ」

「本当だよ。自分で気が付かなかった?」

一枝はコックリと頷いた。

「後で見てごらん。これからいっぱい優しくするから、きっと凹んでないよ」

一枝は自信なさげにそっと頷いた。宏一はそんな一枝がとても可愛く思えてきた。

「一枝ちゃん、綺麗だよ」

「見ちゃいや、お願い、早く忘れさせて」

「だめ、もう少しじっと見るからね」

「いやぁぁぁ、ああん、見ないで、早く触って、このままはいや」

一枝は両手を上に押さえられたままで身体を左右に捻って宏一の視線から乳房を隠そうとした。ぷるぷると震える乳房が宏一の視線に釘付けになる。

「大丈夫。そっと触るからね」

そう言うと宏一は指先を使って一枝の乳房を裾野からゆっくりと愛撫し始めた。

「あっ、・・・・あぁっ・・・・あんっ」

一枝はやっと宏一が触り始めたことで少し安心した。そして、できるだけ愛撫に夢中になろうとした。それが一枝の感度をより高めることになった。

宏一の指先が何度も一枝の乳房の裾野から乳首に向かって刷毛のように撫で上げられる。その度に一枝の乳房には焦れったいような甘い感覚が溜まっていった。

「はぁ、ああ、あん、このままはいや、早く、早く夢中にして、両手でいっぱいして」

一枝は譫言のように言いながらも宏一の次の段階の愛撫を心待ちにしていく。

「一枝ちゃん、だいぶ感じるようになってきた?」

「うん、感じる。感じるの。ああぁっ、そんな風に焦らしちゃいやぁ、ちゃんと上までして、ああん、そこでずれちゃだめぇ、あん、意地悪しちゃいや・・・・」

一枝の感覚が十分に盛り上がってくると、いよいよ宏一は一枝に言った。

「一枝ちゃん、何をして欲しいの?言ってごらん。この前教えたでしょ?」

一枝はコックリと頷いた。

「それじゃ、おねだりしなさい」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「言えないの?」

「うん」

「それじゃ、またこのままだよ」

「それはいや」

「じゃぁ、言いなさい」

「言わなきゃダメ?」

「そう」

「どうしても?」

「そう」

宏一は一枝の乳房の中腹辺りで乳首の周りで円を描くように指を這わせている。一枝はもう覚悟は決めていたが、それでもなかなか言えなかった。

「ああぁぁ、早く、もう少し上を・・・、ああっ、お願い、お願いだからぁ」

「言えるまでこのままだよ」

いくら頼んでも宏一はが先に進まない。身体はどんどん熱くなり、乳房は焦れったさの固まりのようになってしまった。もうこうなったら宏一の両手で優しく揉みほぐして貰う以外に方法はない。いよいよ一枝は生まれて初めて恥ずかしい言葉を口にした。

「おっぱいを優しく揉んで」

「こうだね?」

宏一は一枝の手を抑えていた左手も使い、両手で一気に一枝の乳房を包むと、優しく揉みほぐし始めた。

「ああぁぁぁぁーーーーーーーーっ、はうぅーーーーっ、ああっ、ああっ、ああっ」

一枝は待ち侘びていた以上の快感が身体の中を走り抜け、声を上げて身体を左右に捻りながら宏一の与える快感に夢中になった。

 

 

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