ウォーター

第百九十九部

 

宏一は洋惠が帰った後、肉壁の感覚がまだ残る肉棒の感触を感じながら、『またこれから洋惠ちゃんを何度も抱けるのかな?』と考えていた。今日は直ぐに抱いてしまったのでゆっくり話もできなかったが、洋惠の様子からは特に相談があったとも思えない。今日は成り行きに任せたとは言え、やはり抱かれるために来たとしか考えられないのだ。ただ、どうして急に洋惠が抱いて欲しくなったのか、それは宏一にもわからなかった。
翌日、宏一が会社に行くと、すでに来ていた友絵が挨拶も早々に真剣な顔で言った。、
「おはようございます。三谷さん、問題が起きました」
友絵がそう言うということは、待った無しで早急に対応しなければいけない事態が発生したということだ。
「わかった。何が起きたのか教えて」
と宏一が言うと、
「さっき、ユニワンの高瀬さんから電話がありました。設置しようとしたネットワークハブの接続口にガタガタに緩いものがあって接続できないものがかなりあるそうです。最初見つかったのは3階に接地する分だけでしたが、後で5階と6階のハブも同じような感じだってことが分かったそうです。それを直さないと接続試験ができないって言ってました」
「ハブが・・・・・接続口か・・・。他に何か言ってた?」
「R45Jを差し込んだ時に、がたがたに緩いのもそうですが、接続口自体がしっかりと本体に固定されていないものが多くて、接続口の部品自体に問題があるんじゃないかって言ってました」
「そうか・・・・・接続テストは昨日から始めたんだよね?」
「それで、昨日は何とかしっかり固定できないか、本体のふたを外して見たりしたそうですが、部品がおかしいのはどうしようもないって。申し訳ないけど、どうするか決まるまではテストを遅らせるしかないんじゃないかって・・・・・」
「そうだね・・・・・分かった。えーっと、ハブはウチが買ったんだったっけ?」
「えーっと、ちょっと待って・・・・・・・・はい、河野通商さんを通してエイトスリーさんから買ってユニワンに取り付けとテストをお願いしてます」
友絵は工程表と購入伝票を確認しながらスラスラと答えた。
「そうか・・・・それじゃユニワンにはこれ以上言えないなぁ・・・・。分かった。ユニワンさんの工数は今までの分だけで止めておいて。そしてユニワンに連絡をお願い。直ぐにエイトスリーに行ってくる。アポ入れといて。40分で行くって」
「わかりました。ユニワンに今日の分は無しの連絡をして、エイトスリーにアポを入れます。気を付けて」
宏一は結局、部屋に3歩入っただけで荷物も置かずにすぐに対応に向かうことになった。エイトスリーには地下鉄でもタクシーでも同じくらいの時間がかかるが、宏一はタクシーを拾うと手持ちのノートパソコンを広げた。これはもうすぐ営業全員に配る予定のノートパソコンと同じものでSIMカードを差し込んで使うLTEが付いたタイプだ。だからルーター無しでも外出先からいつでもネットに繋げるので、会社のネットワークに繋ぐのはほとんど自動でできる。宏一は直ぐにバーチャルデスクトップで友絵のパソコンに繋いで友絵のPCのデスクトップを見ることにした。すると友絵は宏一の接続要求を知るとすぐに接続を受け入れ、宏一のPCの画面が友絵のPCのデスクトップに変わった。友絵はハブの仕様書、購入明細と品番が書かれた納品伝票、購入日、シリアルナンバーの確認票などを次々と表示していく。何も言わなくても宏一が必要とする書類をすぐに見られたことで宏一は少し安心した。
さらに友絵のデスクトップを見ていると、友絵はそれぞれの書類をPDFに変換してメールに添付して宏一宛に送っている。どうやら宏一がエイトスリーに到着するまでにはすべての書類が揃いそうだ。更に、友絵はエイトスリーにアポを取ったらしく、画面では宏一宛のメールに『三谷様、エイトスリーとのアポが取れました。しかし、先方は話は聞くが詳細が分からないのでどこまで対応できるかどうかわからないと言っています。なお、納品は納品伝票の翌日で、入金は今月末です。納品確認書を添付します。 新藤』と書いている。メールが届く前にメールを読むというのも変な話だ。しかし、宏一はこれで何とかなるかもしれないと思った。
宏一はエイトスリーに着くと、対応に出てきた女性に営業担当を呼ぶように伝え、具体的な交渉に入った。この会社はネットワーク機器を中国から輸入して販売する商社で、価格の安さと納品の速さが売りになっている。もともと予定していた国産のハブが予算超過で購入できなくなったために急きょ購入先を変更した変更先の会社だ。宏一は対応に出てきた係長に現状を伝え、対応策の相談を持ち掛けたが、係長は明らかに何もしたくない感じで、担当に連絡はしたから、後は担当と話してくれの一点張りだ。しかし、納品伝票の欄外に記載された納品条件を満たしていないことと、入金がまだなのが幸いした。
宏一が即日返品を匂わすと明らかに態度が変わり、別の機器との差し替えを申し出てきた。中国製の機器には作動不良が多いので宏一は常に詳細な納品条件を伝票に記載するようにしているが、今回もそれが役立った。
日本の商社は営業の各担当が営業先のケアを担当するが、中国系の会社の場合、会社の組織構造は欧米タイプが多く、営業は売るだけで客先のケアはカスタマーサービスが担当することが多いため、日本の商社だと嫌がる納品条件を文章化して記載することも、中国系の商社の営業マンにとっては何の負担にもならない。営業は売ればいいからだ。宏一は中国系の商社と付き合う時は、そこを上手に突いて問題が起きても大丈夫なようにしていた。と言うか、中国製の機器を買って問題が起きないことの方が珍しいのだから、それくらうは当たり前だと宏一は考えていた。
幸い、宏一が発注した16点入力ののハブには在庫が無かったが、8点と4点のものは在庫があり、宏一が倉庫に行って実際に箱を開けて自分のノートPCを使って簡単に動作を確認してから必要なハブを会社に持ち帰ることができた。さすがに倉庫の担当は宏一が伝票一枚で在庫を持ち出すことを嫌がったが、営業担当に倉庫担当に電話してもらって事無きを得た。
帰りのタクシーの中で友絵に事の次第を電話すると、友絵は直ぐに、
「わかりました。それでは、差し替えは決定で良いですか?」
と確認してきた。
「うん、ちゃんと接続して問題ないことを確認してあるから、伝票を差し替えてもらって構わないよ。お願いします」
「了解しました。それでは、こちらにある伝票を持ってエイトスリーに行ってきます」
友絵が直ぐに購入部品の伝票差し替えの対応を取ってくれたので宏一は安心した。
会社の近くの立ち食い蕎麦でお気に入りのちくわ天が載った蕎麦で問題解決のささやかなお祝いを兼ねて春菊天を載せた大盛り蕎麦を食べてから宏一が戻ると、友絵は出てしまったらしく不在だった。
会社の宏一の机の上には、『ユニワンは2時から入ってきます。作業日程と工数変更の打ち合わせが必要と思いますので連絡しておきました』とユニワンの作業者の連絡番号が書かれたメモとWebのプリントアウトが載っていた。さすがに友絵の仕事は早い。Webのプリントアウトも直ぐに友絵が置いたものだと分かったそれはこの前友絵が連れて行って欲しいと言っていたお台場のものだった。あの時はお台場に行きたいと言っていただけでどこの店とは言わなかったが、どうやら、プリントアウトに載っている店に連れて行って欲しいということらしい。そこで宏一はWebで手早く予約を入れると、プリントアウトの上にボールペンで『予約完了。当日は7時に現地集合』と手書きで書きこんで友絵の机の上に置いてから再び打ち合わせに出かけることにした。まず友絵に電話しておく。
「新藤さん、これからユニワンで日程変更の打ち合わせをするけど、これから出かけると帰りは夕方になるから。今日はそのまま直帰するから良いよね?プリントアウトの方は進めておいたから」
と言うと、友絵も澄まして、
「了解しました」
とだけ返事をした。電話の向こうでニコッとしているのが分かるようだ。
幸い、ユニワンで打ち合わせをしている間、すべては順調に進んだ。友絵は伝票の差し替えを終えて支払予定と予算の実績を変更を終えたし、2時から入ってきたユニワンの作業者は電源の取り口の数が増えたことで少しだけ配線部品の使用が増えたが、作業そのものは順調に進んだ。
そして夕方、宏一はマンションで由美の後ろに立って、セミロングの髪を優しく撫でていた。由美はもちろんいつもの通りに早く着て直ぐにシャワーを浴びているので良い香りがする。由美も髪を撫でられていると安心するようで、少し甘えた口調で宏一に言った。今日は英語を教えているのだが、成績の良い由美にしても文法は難しいようだ。
「ああん、宏一さん、やっぱりわかりません。もう一度教えてください」
「今度は何だい?」
「I don't know if he has an idea to work on Sunday.っていう文章の意味がよくわからないんです。確かIFの使い方は習ったはずだし、その時は直ぐに解けたんですけど・・・」
宏一が由美の広げた問題集に書かれている日本語訳を求める部分を見ると、確かにIFの使い方の練習だ。ただ、由美の後ろから肩越しに問題集を覗きむと、問題集と同時に制服の胸元の奥に布地に包まれた見慣れた可愛らしい膨らみが見えてしまう。宏一は思わず視線がそちらに行くのを止められなかった。全裸の由美の身体ももちろん素晴らしいが、こうしてスキのない制服姿と言うのもやはり良いものだ。ぷくっときれいに膨らんでいる布地に包まれているものをこれからたっぷりと可愛がれると思うと自然に肉棒に力が入ってくる。正直に言えば、今すぐにでも胸元から布地の中に手を差し込んで可愛がってみたい。しかし、宏一はそんな気持ちはおくびにも出さずに静かに言った。
「由美ちゃん、この場合のIFはなんて訳すのかな?」
「えーと、IFだから『もしも』じゃないんですか?」
「それは違うよ」
「え?『もしも』じゃない???あ・・・なんかあったような・・・・・・えーと・・・なんだったっけ・・・・・???」
可愛らしく由美が首をかしげた。
「思い出した?」
宏一は引き寄せられるように屈みこむと、由美の耳元でそうささやきながら自然な動きで由美の脇から両手を入れてお気に入りの小さな膨らみを可愛がろうとした。しかし、最初由美は少しだけ脇を絞めて小さく抵抗した。由美にしては珍しいことだった。しかし、宏一が構わずに手を差し込んでいくとあきらめたように脇の力を抜いた。宏一は掌の中でぷくっと膨らんだものの形を確認して撫でまわし始めたが、どうしたのかと思って由美の顔を覗き込んだが表情に変化はない。もちろん最初はいつものように下側の膨らみを重点的に撫でている。由美はもちろん何も言わず、宏一の息がかかる耳元をくすぐったそうに、
「ああん、くすぐったいですぅ」
とだけ甘えるような口調で言った。
「どうかしたの?」
宏一が由美が嫌がった理由を確かめるように聞くと、
「いえ、何でもないです」
とだけ応えた。実は今日、由美は学校で女の子が輪になってひそひそと話しているのを聞いてしまった。ちょうど輪ができた時に自分の席が輪の横にあったので、自然に輪の中に入ってしまったのだ。もちろん女の子たちは由美なら安心と思って輪の中に入れたのだが、その話の内容は由美にとってちょっとショックだった。由美が輪の横で静かにしていると女の子たちは再び会話を再開した。
『それで、環菜は最初っから喧嘩モードに入ってたわけ?』
『ううん、違うって。環菜だって最初はいい雰囲気だったから始める気になったんだけど、始めた途端に圭太が変わったんだって』
『だって、環菜と圭太って、もうだいぶ経つんじゃない?お互い慣れてるはずよね?』
『そうなんだけど、なんか圭太が急に変わったみたい。ちょっとキスしていい雰囲気だったのに、すぐに変に焦らし始めたって』
由美はその時、『焦らし』と言う言葉を聞いてドキッとした。
『なんか、どこかで女の子の焦らし方、みたいなのを読んだか、聞かされたらしいのよ。こうすれば我慢できなくなって女の子からおねだりする、って信じ込んでたみたい』
由美は『おねだり』と聞いてさらにドキッとした。
『それで、いつもと違って全然優しくなくて、ずっと焦らしてばっかりだから環菜がだんだん白けてきてさ・・・・・』
『うんうん』
『それで、圭太の方はいつまでたっても環菜がおねだりしないを始めないから、とうとうおねだりしろって言ったみたいなのよ』
『そりゃそうよね。雰囲気が無いところで何をしろって言われてもさ・・・・』
『それで環菜がとうとう切れたってわけ』
『あ―あ、そう言うことか。でも、どうしてそれがこうやって学校で流れてるわけ?二人だけの話でしょ?環菜が怒って流したの?』
『そこなのよ、あのね、圭太が学校に来てサッカー部の先輩に報告したらしいの』
別の子が割って入るとそう言った。
『はぁ?報告?なによそれ』
更に別の子がそう言うと、一気に輪の中の女の子の関心が集まる。
『なんか、サッカー部で圭太と環菜のことが出た時に、3年生が、環菜だったらこんなことするか?って圭太に聞いたらしいのよ。それで圭太が意地になって、環菜だったらもっとすごいって言ったのが始まりらしいの。それでその先輩がこの本の通りにやってみろって言ったらしくて・・・・・・』
『アーア、それじゃぁね。環菜だって怒るわ』
『でしょう?環菜だって白けようが喧嘩しようが、それは二人のことだからって最初は黙ってたのよ。それがさ、いつの間にか『あいつは全然感じなかった』みたいな話になって広がったもんだから、びっくりして圭太を呼び出して問い詰めたってわけ』
『それで環菜が大声で切れてるところを見回りに来た教務主任に見つかって二人ともしょっ引かれたってことか』
『それで相談室から出てきたところで遭えなくサヨウナラ、よ』
『そりゃ環菜が可哀想だよ。完全に被害者だもん』
『そうよ。女の子を無理に焦らしておねだりさせるなんてサイテー。全然大切にしてないじゃん、それって、ぜったい男の自己満足じゃね?』
『んだ。そんなので女の子が喜ぶと思ってる男なんて女の子に触れる資格無しってね』
『第一、環菜みたいに白けてたら感じるはずないし、それを分からずに環菜に文句言うってあり得なくない?仮に感じてたとしてもよ?おねだりをさせるって嫌がってるのを無理に強要してるってことでしょ?強要されて喜ぶ子がいると思ってんの?ばっかみたい。救いようがないわ。まったく、男の思考回路が分からんわ』
そのまま女の子同士の会話はお昼休みが終わるまでずっと続いていた。由美は一枝はどうしているかと思って輪の中を探すと、一枝も輪の外でじっと黙り込んで話を聞いている。いつも快活に輪の会話をリードする一枝にしては珍しいことだった。
『やっぱりいっちゃんも思い出してる・・・・・』由美は一枝の心の中が手に取るように分かった。一枝も自分と同じで宏一におねだりさせられる展開を思い出しているのだ。その会話を聞いて由美はいつも当たり前だと思っていた宏一におねだりさせられる展開に疑問を持ったのだ。だから今日の由美は、いつものように宏一の手が脇から入ってこようとしたときに少し嫌がったし、『おねだりはしないでおこう。それでもきっと宏一さんは優しくしてくれるから』と心に決めていた。
「由美ちゃん、くすぐったい?」
宏一が由美の膨らみを優しく撫で回しながら聞いてくる。その手の動きはとても丁寧で繊細な優しさが感じられた。
「はい・・・少し・・・」
「でも、今はもう少しくすぐったがってないで考えてごらん?」
「はい・・・・・でも・・・・・・・・ごめんなさい。思い出せません」
「そうなんだ。わからない?」
「はい、教えてください」
由美は、こうやってこうやって胸を撫でる愛撫が由美自身、とても気に入っていることに気が付いた。やはり安心するし気持ち良いのだ。
「このIFは、もし、じゃなくて、○○かどうか、って訳すんだよ」
「あ、そうだった。思い出しました。『彼が日曜日に働くかどうかわからない』っていうことですね」
「そうだよ。それさえわかれば問題ないよね」
「はい、そうでした。大丈夫。もう覚えました」
「こうやって二人で勉強すれば忘れないよね?」
「はい、ありがとうございます」
由美は、宏一が丁寧に英語を教えてくれていることに安心した。ちゃんと一度考えさせて分からなければ教えてくれる。それは押し付けではない対話の上に初めて成り立っている。だから由美は、宏一の愛撫が決していやらしい気持ちだけじゃないと信じることができた。『宏一さんは大人なんだから、女の子を触りたいって思ったって当たり前だし、だいいち、私にだってこう言うことしたいって気持ちは・・・・』そう思うと、宏一に優しく探られている胸から甘い感覚が湧き上がってくる。由美の乳房は固く膨らみ始めた。
「あと、わからないところはある?」
「はい、あとは・・・、それと・・・・」
「ん?なんだい?」
「完了形を習ったんですけど・・・・・・・やっぱり良く分からなくて・・・・・」
「良く分からないって、動詞の格変化?」
「そうじゃなくて、あの・・・・・なんて言うか・・・・そもそも何のためにあるんだろうって思って」
「完了形は何のためにあるかってこと?」
「たぶん・・・・そうだと思います」
丁寧に話を聞いてくれる宏一のやさしさに由美の乳房はどんどん反応していく。少しずつ由美の反応が緩慢なものになってきた。宏一の手の中に包まれている乳房は既に固く膨らみ、ゆっくりと乳首が布地の下で存在を主張し始めている。こうやってゆっくりと乳房を撫でられているのがとても気持ち良い。由美はじっとその感覚に耐えながら、
「完了形って、動作が終わった直後を表すっていうのに、何種類も使い方があって・・・・」
「そうだよね、動作が終わった直後を表すのなら『完了』を表すだけでいいはずなのに、実際にはいろんな使い方があるよね・・・、ほかにはどんな種類の使い方があるのかな?」
「はい・・・・・継続と・・・経験と・・・・完了と・・・・・後一つ何か・・・過去だったかな・・・」
「そうだよね。もっと細かく分類している場合もあるけどね」
「はい・・・・・・どうやって文章を見ただけで区別すればいいのかが分からなくて・・・・」
宏一は由美の耳元で項をつつっと唇でなぞり上げた。甘い感覚がずーんと由美の身体を走り抜けた。
「ううッ・・・・だめ・・・・・宏一さん、教えてください。それは終わってから・・・・・あうっ・・・」
由美は身体を走り抜けた快感にぴくっと身体を震わせた。
「そうだね、それじゃ、終わってからにしようね」
宏一が素直に引き下がったので由美は少し拍子抜けした。正直に言えば、このままベッドに連れていかれても嫌がったりはしなかっただろう。しかし、乳房は相変わらず宏一の手に包まれて優しくそっと撫でまわされているだけだし、項には宏一の息が何度もかかっている。
「はい、お願いします」
「それじゃ、完了じゃない完了形の使い方って、それ以外に表現の方法が無いのかな?」
「そんなことは・・・・・・継続は現在進行形があるし・・・・・・過去は過去形が・・・・・」
「そうだよね。それじゃぁ、どうして完了形を使うのか、その意味を考えたこと、ある?」
「それが分からなくて・・・・・。どうしてなんだろうって・・・」
由美は宏一が丁寧に教えてくれているのに、自分の身体がどんどん感じてくることに戸惑っていた。まるで自分だけ嫌らしいことをしたいと思っているみたいだと思ったのだ。
「あの、宏一さん、もう少しそっとしてください。我慢できなくなります」
由美がそう言うので宏一は乳房の撫で方をさらに弱くした。しかし、それは身体がすでに愛されるモードに入っている由美の身体にとっては逆効果だった。由美の乳房は既に柔らかい布地の中でパンパンに膨らんで明らかに乳首の位置が上がっており、ブラジャーの上半分も膨らんできた。つまり乳房の上側も含めて全体が半球形に膨らんでいるのだ。その状態で、更にゆっくりと撫でられればどうなるか、それは由美が直ぐに理解することになった。
「そうだろ?他にも言い方があるよね?それなのになんで完了形を使って継続や過去なんかを表すんだろう?経験だって『○○した』って言い方なら過去形でいいはずだよね?」
「はい・・・・・・・はぁ・・・・・・はぁはぁ・・・・・・・」
由美はどんどん我慢できなくなってきたことに戸惑った。ちゃんと宏一は愛撫をそっとしたものにしてくれたのに、自分の身体がもっとして欲しがっているのだ。
「だから、わざわざ完了形を使うのは、別の意味があるんだよ。目的って言ってもいいかな?」
「はい・・・・・はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・ごめんなさい、宏一さん、わかりません。それに、だんだん我慢できなくなってきました」
「でも、教えて欲しいんだよね?」
宏一が念を押した。もちろん、そう言えば由美は否定できないことが分かっている。
「はい・・・・・・でも・・・・・・」
由美はいつまで我慢できるか自信が無かった。一言、宏一におねだりでして欲しいことを望めば全てが与えられるのは分かり切っている。それを既に身体が覚えているので我慢するのはとても難しい。しかし、勉強すると言っておいて、自分からおねだりすることなどできる筈がない。
「それとも、もう勉強は終わりにする?」
宏一はそう言いながら、再び由美の項を唇でからかうように優しく可愛がった。
「はうぅぅぅぅっ、虐めないでください、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
「由美ちゃん、どっちにする?」
「ああん、息をかけないで・・・・・教えてください。お願いします」
由美は宏一の望む通りの言葉を口にした。これからさらに由美を焦らすことができる。焦らされて官能の炎にじわじわと炙られていく由美は端正な美しい顔立ちに少しの幼さが混じっており、必死に我慢して喘いでいるのだから本当に美しい。
宏一は両手で包んでいる薄い布地の上からお気に入りの乳房の乳首ギリギリを人差し指で撫でまわした。じっとしている由美が微妙に震えた。
「んんっ」
由美の身体がわずかにぴくっと震えた。もちろん由美にも宏一が焦らして楽しんでいることは分かっていた。しかし、せっかく勉強を教えてもらっているのだ。ちゃんと区切りまでは勉強したかった。もし、ここで我慢できなくなって宏一におねだりすれば、あとは時間いっぱいまで夢中になってしまうことは明らかだ。由美は早く優しく愛して欲しいという欲望に流されそうになりながらもさらに我慢した。

  

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