ウォーター

第二百二十部

 

「さぁ、行こう。お腹空いただろ?」
宏一に気押される感じで香緒里は身支度を済ますとホテルのレストランに行った。朝食は香緒里が調べた通りバイキング形式のビュッフェで、まずウェルカムドリンクを自分で選んでから名物のガレットのサイズを選び、待っている間に自分で好きなものを取ってくる形式だ。香緒里は明るくて開放的なデッキスタイルのレストランが気に入ったようだ。
「うわぁ、綺麗なところ」
と大喜びしている。
「そうだね。如何にも高原らしい景色だし、落ち着いた店内に洒落た料理。典型的な軽井沢って感じかな」
宏一がレストランの内装や外の景色を目にとめたのに対し、香緒里ビュッフェボードに並んでいるものに目を奪われている。
「美味しそう。こういうのがホテルの朝食なんだ・・・。綺麗・・・」
香緒里はそう呟きながら、『男の人とホテルに泊まって二人で朝食・・・・なんかちょっとヤバくない?って言うか、ここに居るカップルって、みんなさっきまで部屋でしたってことでしょ?・・・・それなのにこのレストランの明るくてさわやかな感じ、なんかすごく嫌らしい・・・・みんなさっきまで私たちと同じことしてたのに・・・・』と思った。ただ、カップルの女性は全員自分より年上だが、爽やかに輝いて見えるのが少し羨ましく、『私もあんな風に見えてるのかな?』と思った。しかし直ぐに『私なんかじゃ、あんなに大人っぽく見えないか』と思い返した。
「香緒里ちゃん、ここ、気に入った?」
「はい、まさか自分がここに来るなんて思ってなかったから、びっくりして。でも、とっても嬉しい」
「良かった。俺も可愛らしい連れができたから一人でポツンと食べなくても良くなってうれしいさ。それに、香緒里ちゃんとこうして食べられるなんて、本当にうれしいな」
その言葉に香緒里は敏感に反応した。宏一とこうなったのが、ほんの一夜だけのことなのか、これからも続く『お付き合い』なのかはまだ決まっていないからだ。もちろん自分の中では一夜だけの関係などあり得ないし、今の自分の気持ちが宏一に惹かれていることがうれしかった。
改めて考えてみると、宏一とこう言う関係になった自分が信じられない。今までナンパをされたことはあるがまともに返事をしたことなどないし、同級生と遊びに行っても初めての人と仲良くなったこともないからだ。
「三谷さん、家は東京でしょ?私で良ければいつでも・・・・もし・・・・これからも・・・・あの・・・」
「うれしいな。それじゃ、香緒里ちゃんにはこれからも時々頼もうかな?」
「あの、私が帰っても・・・これからも東京で会ってくれるってこと?」
香緒里は恐る恐ると言う感じで聞き返した。今更ではあるが、本当は聞きたくて仕方がないことだ。
「もちろん。香緒里ちゃんが会ってくれるならいつでも」
「そんなこと言って、後悔しないのかなぁ?」
「ないよ。香緒里ちゃんこそどうなの?」
「私はぜんぜん問題ないですよ」
「ほんとう?」
「はい、きっとまたすぐに三谷さんに会いたくなると思うし」
「そうそう、連絡先を教えておかないとね。名刺とメアドと電話とラインてとこかな?」
宏一はそう言うと、香緒里と連絡先を交換した。
「これが三谷さん・・・・」
香緒里は宏一の名刺を珍しそうに眺めた。社会人なのだと改めて思った。
「それじゃ、取りに行こうか」
「はい」
そう言って二人は朝食を選びに席を立った。
香緒里はいろいろ取ってきたが前から食べたかったキノコや卵が載った蕎麦のガレットが来ると真っ先に手を付け、それから他のものを食べ始めた。何度もネットで見て憧れていた料理が目の前にあるのだ。夢中にならない方がおかしい。それに、さすがに食べ盛りの高校生だけあってあっという間にパンもスープも食べてしまってすぐにお代わりを取りに行く。デザートもいろいろあるので香緒里は3回もお代わりを取りに行った。
「ふふ、香緒里ちゃん、本当によく食べるね」
宏一は微笑みながら香緒里を眺めていた。
「はい、食べ盛りの高校生ですから。それに、バイトに戻ったらいつもの食事しかないし」
香緒里は当たり前だと言わんばかりにクロワッサンを頬張りながら言った。
「いつもの食事?」
「そう。インスタント麺か、パンとヨーグルト」
「そんなもの食べてるの」
「そうですよ。お金を貯めてるんだもの。ここでお金を使ったら働いた意味がないでしょ?」
「うん・・・確かにそうだ・・・・。でも香緒里ちゃん、えらいね。その通りだよ」
「だから、美味しいものを食べるのはバイトが終わってからって思ってるの」
香緒里はそう言いながら、バイトを始めたときは、お金が入ったら彼を誘って奢ってあげようと思っていたことを思い出した。
「そうだよね。毎日ちょっとだけ美味しいのを食べてれば、なかなかお金なんか貯まらないよね」
「一緒にバイトしている人にはそう言う人もいて、そう言う人ってお金を貯めるのが目的って言うよりも美味しいものを食べるのが目的で、だから休憩時間に食べてるものってみんなバラバラ」
「香緒里ちゃんはきっちりお金をセーブする派なんだね。それじゃぁ、ここでいっぱい食べておかなきゃね」
「はい、今日は三谷さんに連れてきてもらったからいっぱい食べてるの。レストランで朝食なんて初めてだし。前に部活で遠征した時にはホテルに泊まったけど朝は部屋で食べたから。レストランに行った子もいたけど・・・・・千円なんて・・・・」
香緒里は嬉しそうに笑うと、トウモロコシのムースを平らげ、フルーツが載ったヨーグルトに移った。
「あの、三谷さんはもう食べないんですか?」
香緒里は自分ばかりお代わりをしているのが恥ずかしいと思ったのか、コーヒーを持ってきた宏一に聞いた。
「うん、朝はあんまり食べないから。ほら、昨日の夜はいろいろ食べたしお酒も飲んだろう?だからあんまり食べたくないんだ。でも香緒里ちゃんは気にしないでいっぱい食べてね。見てるだけで楽しいから」
「ヤダぁ、そんなこと言われると食べられない・・・。でも食べるけど・・・・」
「朝食だから、いっぱい食べても太らないし、だいいち、ずっと立ったままの仕事だろう?途中でお腹空かないようにちゃんと食べておかないとね」
「はい、そうします」
「それに・・・・・」
宏一が言葉を足そうとすると、香緒里が顔をかしげた。その仕草がとてもかわいい。宏一は目の前の女の子を改めて見てみた。見た目はそんなに身長があるように見えないのは着痩せするタイプだからだろうか。香緒里が乳房を揉まれた時の表情と秘部を舐められた時の声が脳裏に焼き付いている。
「???????」
「さっき、いっぱい運動したからお腹、減ったもんね?」
そう言うと香緒里の顔がパッと赤くなった。
「・・・・・・・そう・・・・・かも・・・」
「疲れた?」
「ううん、そんなことない。私、ぐっすり寝たみたい」
「それじゃ、お腹が減らないようにしっかり食べておいてね」
「はい」
香緒里はそう答えながらも、朝食が終わりかけていることを意識した。そして、部屋に戻ったらどうしようか考え始めた。あの乱れたベッドの部屋に戻れば、また始まってしまいそうな気がした。正直に言えば、ここに座った時から気になっている。香緒里も嫌ではないのだ。香緒里は宏一が食べ終わったことに気が付くと、部屋に戻ろうと言う意味で言った。
「あ、三谷さん、もうすぐ終わりますから。ごめんなさい、食べてばっかりで」
「そんなことないよ。急がずゆっくり食べてね。それじゃ、俺もデザートを何か取ってくるかな?」
宏一はそう言うと、席を立ってデザートコーナーに行った。香緒里は宏一を見つめながら『私、この宏一さんに抱かれたんだ。あんなに凄いことされたのに・・・・、あんなおっきいのを入れられて声を出して・・・・ああん、朝から何考えてるのよぉ、でも、まだ身体が少し熱いかな・・・・』と思った。宏一は小さなクリームブリュレを取ってきた。
「香緒里ちゃんはデザートは何が好き?」
「えっと、このフルーツヨーグルトも美味しいけど、なんか普通。もう一回見てこようっと」
香緒里はデザートのコーナーを見渡し、結局、宏一と同じクリームブリュレを取ると紅茶と一緒に持ってきた。
「三谷さんと同じにしちゃった」
香緒里はなんとなく、同じものを食べているのがうれしかった。
「でも、香緒里ちゃんは紅茶なんだね」
「そう、コーヒーよりは紅茶派だから」
そのまま二人はしばらく優雅な朝食を楽しんだ。しかし、香緒里の方は宏一よりも時間を強く意識していた。何と言っても午後からバイトがあるのだ。今日一日休みの宏一とは時間の感覚が違う。だから香緒里は朝食を楽しんだ後は、また宏一と二人きりになりたくなってきた。
「三谷さん、そろそろ部屋に戻りません?」
「そうだね、そうしよう」
宏一も自然に答えると、席を立った。部屋に戻ると香緒里はどうしようか迷っているようで、部屋に入ってから何をするでもなく、じっと立ち尽くした。
「どうしたの?」
宏一が香緒里をそっと後ろから抱きしめると、香緒里は素直に抱きしめられたが、もちろんドキドキしている。これからまた二人だけの時間が始まるのだ。するのなら早く始めなければ時間がもったいない。しかし香緒里は、
「だめぇ、今日はバイトがあるのにぃ」
と一応甘えた声で軽く抵抗した。しかし、首筋を宏一に差し出す感じで伸ばしていることから本気で嫌がってはいないのが明らかだ。だから宏一に首筋を舐められるとすぐに喘ぎ声が出たし、そのまま胸を宏一の手で包まれるとくるっと回って宏一の首に手を回してきた。
「香緒里ちゃん、もう少しだけ香緒里ちゃんが考えていることをしようね。考えてなかったなんて言わせないよ」
宏一は香緒里の腰をぎゅっと抱き込んで耳元で囁いて首筋に唇を這わせる。。
「ああん、そんなこと・・・でも、このままじゃ・・・早く戻らなきゃ・・・・」
香緒里は首筋を宏一に暑い息をかけられて喘ぎ始めた。
「もう帰っちゃうの?こんなことをしても?」
宏一が香緒里の項に更に唇を這わせると、一瞬だけ嫌がった香緒里は直ぐにギュッと宏一の首に抱き着いてきた。
「ああんっ、だめ、始まっちゃったら帰れなくなる。ああん、三谷さぁん」
香緒里は首筋を宏一に可愛がられ、抱きしめられたまま声を上げた。
「大丈夫だよ。ちゃんと帰れるから」
「ああぁぁん、だめぇ、もう帰らなきゃ」
「香緒里ちゃん、そんなに帰りたいの?俺といるのはもう飽きた?」
「そんなことない。もっと一緒が良い」
「それならもう少し一緒に居ようね」
宏一のその言葉に安心した香緒里は、思い切った提案をした。
「ああぁぁ、ねぇ、三谷さん、私の部屋に来て」
「香緒里ちゃんの部屋?」
「そして時間まで一緒に居て。ね?三谷さん」
確かに香緒里の部屋なら駅も遠くないし、香緒里がバイトに行くまで一緒に居られる。
「わかったよ。そうする。でも、今すぐじゃなくていいでしょ?」
「良いけど・・・・ああぁぁん、身体が熱くなって・・・・だめ、ベッドに入ったら我慢できなくなる」
「香緒里ちゃん、まだ我慢できるの?俺はもう我慢できないよ」
そう言うと宏一は抱きしめた香緒里をそっとベッドに押し倒した。香緒里は上になった宏一に念を押した。
「ちゃんと私の部屋に来てね?だからここは・・・ああンッ、ちょっとだけにして、あぁんっ」
ベッドに押し倒された香緒里は、宏一の舌に思いきり自分の舌を絡めて喘ぎ始めた。宏一は素早く香緒里を脱がせていく。香緒里も脱がされるのに協力したのであっという間に下着姿になったが、二人はそこで止まらずに宏一は香緒里の下着まで脱がせ、全裸にしてしまった。さっき抱きしめられて首筋を舐め回された間に既に香緒里もスイッチが入っていたのだ。宏一も素早く裸になる。
「もう焦らさないで。直ぐにして。ね?いいでしょ?」
香緒里は潤んだ瞳で恥ずかしそうに胸と茂みを軽く隠しながら、宏一が裸になるのを見つめていた。宏一がパンツを脱ぐと、すでに本来の大きさになって上を向いて立ち上がった肉棒が香緒里の脳裏に焼き付いた。『あれが私の中に入ったんだ。凄い大きさ・・・・、あれが中に入ると私は『女になる』んだ・・・・・』
「さぁ、両手を上に上げなさい」
宏一はそう言いながら香緒里の手で枕を掴ませた。
「いやぁ、こんなに明るいのに」
「明るいから香緒里ちゃんがきれいに見えるよ」
宏一はそう言いながら香緒里の身体をじっくりと眺めている。
「そんなぁ、見ないで。恥ずかしいから早くしてぇ」
「香緒里ちゃん、焦っちゃダメ。おっぱいもちゃんと全部しないとね」
そう言うと宏一は香緒里の両手を上げ、丁寧に乳房の周りから可愛がり始めた。
「ああぁぁ、それをされたら・・・ああぁぁぁ、早くぅ・・・・。もう我慢はいやなのにぃ」
香緒里はそう言いながらも宏一の愛撫を受け入れ、宏一が乳首を可愛がり始めるのをじっと待った。
「いい子だ。もうすぐだよ。ちゃんと待てる子は気持ち良くなれるよ」
「ううっ・・・・はやく・・・・うっ・・ああぁぁ・・・んんっ・・・はやく・・・」
香緒里は乳房がどんどん焦れったくなるのを感じながら宏一が喜びを与えてくれるのをじっと待ち続け、ぎりぎりまで待った。

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