ウォーター

第二百四十五部

 
「宏一さん・・・・」
「なんだい?」
「ありがとう」
「ん?どうしたの、急に」
宏一はめぐみを優しく抱きしめ、耳元で囁いている。
「ううん、なんか、すっきりした」
「よくわかんないけど、めぐみちゃんが喜んでくれるなら」
「宏一さんのところに来ないと、こんな気持ちになれなかったから」
「そうなんだ」
「受験のこともそうだけど、それ以外のこともあって・・・・・」
「彼氏のこと?」
「そう・・・・・・。でも、やっと自分の気持ちがはっきりした気がするの」
「うん」
「あのね、私、無理に彼にくっついていたかったみたい。でも、もうそれはやめる。好きなら好きでいいし、だれを気にする必要なんてないんだもの。彼とはちょっと距離を置いてみる。それで自分の気持ちを確かめてみる」
「よかった。めぐみちゃんの気持ちがすっきりして」
「うん、こんなことして気持ちを確かめるなんて、私って怖い女ね」
「誰だって人それぞれなんだ。正解なんてないんだから」
「うん、それもわかった。宏一さんが一緒にいてくれてよかった」
めぐみは疲れた身体を宏一に抱かれ、優しく身体をまさぐられながら心から自由になったと思った。
「めぐみちゃん、疲れた?」
「うん・・・・・でも、大丈夫」
「大丈夫?」
「うん・・・・・あのね・・・・・もういっかい・・・・・できる?」
「うん、そうだね」
「あきれた?あんなにしてもらったのに、まだ欲しがるなんて」
「まさか。嬉しいよ」
そう言うと宏一はめぐみの手を肉棒に導いた。めぐみの指が中途半端な固さの肉棒に絡みつき、ゆっくりとしごき始めた。
「お口でしてあげようか?」
「してくれるの?」
「そう、あんまりしたことないからうまくないけど・・・・・こんなこと、宏一さんだけよ」
めぐみはそう言うと、身体を起こして仰向けになった宏一の肉棒を口の中に入れた。宏一は肉棒をめぐみに任せたまま、めぐみの腰を抱え込んでシックスナインに入る。
「ああン、私がするけん・・・・」
「めぐみちゃんにも気持ち良くなってエッチになってもらわないとね」
そう言いながら宏一はめぐみの秘唇に顔を埋めて大きく舐め始めた。すでに宏一の精は流れ切っていたが、なめてみると少しぬるっとした感覚が残っていた。
「んんんん・・・・んんっ・・・・んあ・・・・・んんっ・・・」
めぐみが肉棒を口でしごき始めると、ぐんぐん大きくなっていく。
「んんんん・・・・・・んあ・・・・んんっ・・・・・んあぁぁっ」
宏一にたっぷりと秘唇を舐められてめぐみの身体の中に快感が溜まっていく。それでもめぐみは一所懸命大きくなった肉棒全体を舐めてくれた。
「んああぁぁ、それ以上されたらいってしまうけん、ああンっ、それくらいにして、ああぁぁンっ」
めぐみは気持ち良くなって大きくなった肉棒を持て余し、握りしめたままこのままいってしまうのではないかと思った。
「このまま一回いく?」
「ああン、欲しか、これが中に欲しかよぉ」
めぐみは盛り上がってきた快感に耐えるように肉棒を握りしめたままほおずりしながら喘いだ。そろそろ頃合いだ。宏一はめぐみに、先日洋惠に試したことをしてみようと思った。
「それじゃ、めぐみちゃん、上からおいで」
そう言うと宏一はめぐみを自分の上に導いて跨がせた。
「上からするとか・・・・・」
「そうだよ。そのまま入れてごらん?」
「こうか・・????」
めぐみは宏一に導かれるまま、べたんと座り込んだ姿勢で秘口の位置を合わせてきた。
「そう、そのまま入れてごらん」
宏一が肉棒を掴んで位置を固定すると、めぐみは位置を合わせたままゆっくりと腰を下げてきた。
「んああっ、やっぱりおっきか・・・・ああンっ、あれだけしたのにまだこんなに・・・・・ああぁぁぁ・・・・・」
「そのままこうやって・・・・」
宏一はめぐみの膝を押し上げて両足を突かせ、しゃがみこんだ姿勢で挿入した格好にした。
「ああん、こんな・・・」
めぐみはあまりにいやらしい格好に少し戸惑ったが、そのまま宏一がゆっくりと腰を上下させ始めると、直ぐにコツをつかんだ。
「ほうら、このままお尻を上下させてごらん?」
「んあっ、ああっ、んあっ、深かっ、ああっ、突き抜けてしまうとっ、んああっ」
「ほうら、気持ちいいだろ?おっぱいも揉んであげるね」
宏一は目の前に突き出された量感のある乳房をワシワシと揉みながら大胆に腰を上下させていく。
「んああっ、ああっ、ああっ、ああっ、ああっ、こんなにしたらいってしまうとっ、ああっ、ああっ、・・・」
めぐみは宏一が突き上げる動きに合わせてお尻を上下に動かしながら最高の快感に声を上げた。
「まだいっちゃだめだよ。ほうらっ、もっともっとこうしてあげる」
宏一は更に動きを大きくした。
「んあぁっ、いかんっ、堪え切れんっ、ああっ、ああンっ」
めぐみはあまりの快感の強さに、いってしまうと思った。しかし、めぐみが我慢できないことを悟った宏一は動きを小さくし、めぐみが直ぐにはいかないように調整した。そしてめぐみが落ち着くと再び動き始める。
「んあぁっ、そんな、ああンっ、いかせんとか、んあぁっ、そんな、ああっ、狂ってしまうと、ああンっ、ああぁぁ・・・はぁ、はぁ、はぁ・・・・・ああっ、またっ、んああっ、ああンっ、アッ、あっ、あっ、そんなぁっ、いやぁぁ・・・」
めぐみは何度も寸止めされ、だんだん我慢できなくなってきた。自然にめぐみの腰は少しでも出没を大きくしようと上下の動きが大きくなるが、まだ慣れていないのかまだ動きがぎこちない。
さらに宏一は更に動きを調整してめぐみが行かないようにしてしまった。
「ああぁぁん、おねがいやけん、許してほしか、ああぁぁ、このまま、このままぁ」
「ちゃんとおねだりできたらいかせてあげる。最高にしてあげるよ」
宏一は肉棒をゆるゆると動かしながら乳房を揉み込み、乳首をコロコロ弾きながらめぐみにおねだりを要求した。
「んんああぁぁ、お願い、いかせて欲しか、ああぁぁ、ズボズボが欲しかよぉ」
「よおし、ギリギリまで我慢してからいくんだよ。いいね?」
宏一はおねだりに満足すると、肉棒をフルストロークで出没させ始めた。
「んあああぁっ、すごかぁっ」
めぐみは最大限の快感を与えられ、必死に仰け反って快感に耐えながらその時が来るのを待った。
「ほうらっ、まだまだだよっ」
「くっ、堪え切れんっ、いってしまうとぉーっ」
めぐみは頭を左右に振りながら必死に堪えたが、宏一の出没にはとうてい耐えきれない。「うぐぅぅぅぅっ」
とうとう少し変な声を上げるとめぐみは身体を硬直させ、更にがくんがくんと身体を震わせながら何度も絶頂を極めた。
「んああぁぁっ、はうぅっ、うううっ」
そしてゆっくりと宏一の上に倒れかかってきた。宏一はめぐみを下から抱きしめると、更に肉棒を送り込んでいく。一度放出した肉棒は余裕十分で、たっぷりとめぐみの中を楽しんでもまだ余裕がある。
「んああぁぁぁっ、いかんっ、もうできん、許して、お願い、許してぇぇ」
めぐみは疲れた身体を起こして宏一から逃げだそうとしたが、身体を何とか起こした途端に宏一に乳房を揉み込まれて逃げられなくなり、そこに出没をたっぷりと与えられた。
「あああぁぁっ、またいってしまうとぉっ、ああぁぁぁっ、もういかんーっ」
めぐみは疲れた身体に更にむりやり絶頂を与えられ、宏一の上で身体をがくがく震わせるとぐったりと宏一に被さってきた。そして、今度は出没しても反応しなくなった。
「めぐみちゃん、疲れたね、休もうか」
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、本当に、死んでしまうかと、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、死ぬかと思った、はぁっ、はぁっ」
めぐみは苦しい息の中からもそれだけ言うと、宏一にぐったりと身体を預けてきた。身体の中をまだ快感の余韻が走り回っている。めぐみは息を整えながら宏一に優しく抱かれ、心も身体も満たされた幸福感に浸っていた。まだ抱きしめられるだけで身体中がとろけてしまいそうなほど気持ち良い。
「あん・・・・・・宏一さん・・・・・・」
めぐみは抱かれる幸福感に、自分が女だと実感した。そして、そのまま息が落ち着く頃には宏一に抱かれたまま眠ってしまった。
宏一はもう少し話がしたかったが、めぐみが寝てしまったのでは仕方が無い。そのまま早朝まで寝てから宏一だけそっと起き上がり、シャワーを浴びてぐっすり寝ているめぐみにキスをした。
「めぐみちゃん、それじゃ、帰るね」
「う・・・・ん・・・・あ・・・・あん・・・・・宏一さん・・・・」
めぐみはまだ寝ぼけているようだったが、あまりしっかりと起こすのも可愛そうだ。宏一はそのまま身支度を調えるとホテルを出た。
その日は仕事は順調だったが、お昼休みに友絵が小さな声で囁いた。
「あの・・・ごめんなさい。明日なんですけど・・・・・あの・・金曜日はちょっと都合が悪くなって・・・・・・」
「どうしたの?また家の手伝い?」
「そうでは無くて・・・・・あの・・・・また今度にして貰って良いですか?」
何か友絵は引っかかる言い方をしたが、あまり詮索するのも可愛そうだ。
「もちろんいいけど・・・・、どうしたの?」
「今はちょっと・・・・・・、ごめんなさい」
それだけ言うと友絵は昼食に出て行った。宏一はちょっと気が重くなった。今日は由美との日なので会社が終わればいつものワンルームマンションに行くが、どれだけメールやラインを送っても返事が無いので、どうやら今日もがっかりすることになりそうだと思っていたところに、友絵のキャンセルが来たのだ。しかし、だからと言ってどうしようも無い。
宏一はそのまま夕方まで仕事をしていた。こういうときに仕事でトラブルが起これば堂々と今日は会えないと宏一から由美に連絡できるのだが、こういうときに限って仕事は順調に進むものだ。宏一は時間通りに会社を出ることになった。
そして、また空振りになるのだろうと思いながらも思い気持ちを引きずったまま部屋に入った宏一は、そこに由美がいることに驚いた。
「由美ちゃん・・・・・・・・」
由美は宏一を見ても嬉しそうな顔一つせず、暗い表情で机に座っている。
「由美ちゃん、どうしたの?全然連絡をくれないんだもの。心配したよ。軽井沢でケーキを買ってきたけど、結局捨てちゃったし・・・・。連絡くれれば良かったのに」
宏一は由美の表情が気になったが、わざと明るい声で由美に話しかけた。
「軽井沢まで行ってくれたんですね。宏一さん・・・・・」
由美は暗い声でそこまで言って言葉を切った。
「どうしたの?」
さすがに宏一も何かがおかしいことに気が付いたが、どうすることもできない。
「宏一さん、あなたは誰なんですか?」
その言葉に宏一はガンと頭を殴られたような衝撃を受けた。
「誰って、それは・・・・・」
なんと答えて良いのか分からない宏一は、由美の言葉を待った。
「・・・・・・・・・・・・・・」
しばらく黙っていた由美は、宏一から視線を外すと机をじっと見つめて話し始めた。
「父と話したんです。最初から話しますね」
そう言うとまたしばらく黙っていてから、由美は話し始めた。
「元々変だと思っていたんです。宏一さんが私なんかに突然あんなにお金をくれるなんて・・・・・」
宏一はまた驚いた。その話が再び出てくるとは思ってもみなかったのだ。
「でも、宏一さんのことが大好きだったし、あまり考えないことにしていたんです。でもこの前・・・・・」
そこでまた由美は言葉を切った。宏一はいずれはっきりさせる必要があるとは思っていたが、ここでそれが出てくるとは思ってもみなかった。しかし、話さなければいけない時が来たことを悟った。ただ、由美の言葉の『好きだった』という過去形が気になった。そこから連想されることは一つしか無い。
「それで・・・・・何があったの?」
宏一は震える声で聞いた。
「父が母と私に言ったんです。会社のお金を使ってしまったと。そしてそれが会社に分かって責任を取ることになったと」
宏一は驚愕した。ついに来るべき時が来たと思った。元々宏一が来た当初のこの会社の経理は伸び盛りの会社によくある笊みたいなもので、お金の収支が合わなくても追跡することは不可能なほどいい加減だった。しかし、宏一が来て会計システムを立て直していく内に、どんどん経理の透明性が増していった。だから、いずれ木下部長の不正は会社にばれてしまうだろうとは思っていた。しかし、こんなに早くその時が来るとは思ってもみなかった。
「それで、会社に使ってしまったお金を弁償しなければいけないんですけど、そのために来月から給料が減るから我慢して欲しいと言われたんです」
「そうなんだ・・・・知らなかったよ」
「それで父に、いつ監査課の人に怒られたのかって聞いたんです。そうしたら・・・・」
宏一は目の前が真っ暗になった。
「そうしたら父は・・・・・・・、父の会社には監査課なんて無いって・・・・・。呼び出されたのは総務部で、内々に処理することになってるって・・・・・」
そこまで話した由美は目が真っ赤だった。そして、宏一を見つめる目から涙がこぼれた。
「宏一さん・・・あなたは誰なんですか?お金をくれて私を・・・・・、どういうことなんですか?教えて下さい。どうしてあんなことを・・・・・」
そこまで言って由美は更に幾筋も涙をこぼした。いくら後悔しても、宏一に抱かれた身体は元に戻らないのだ。その想いが由美を貫いているのは明らかだった。


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