ウォーター

第三十二部

 

 家庭教師が終わって部屋に帰ると、九州の史恵に電話をしてみ

た。十時を回っていたが留守電になっている。仕方なく、日程と

出迎えの依頼を告げて電話を切った。

この時間になっても一人暮らしの女の子が部屋にいないというの

は少し変だった。残業をしているかもしれないと思ったが、今の

宏一の立場では心配してみても仕方がない。ほんの五日だけ史恵

と過ごすだけなのだから、日々の生活まで心配できる関係ではな

かった。それに、もしかしたら恋人と一緒にいることも考えられ

た。

 宏一がテレビを見て、そろそろ寝ようかと思った頃、部屋の電

話が鳴った。

「もしもし、三谷です」

「宏一さん?史恵です、いえ溝口です」

「史恵ちゃん、どうしてたの?」

「今、買い物に行ってきたところで、これから夕食なんです」

「そうなんだ、恋人とデートにでも行っているのかと思ってがっ

かりしたところだよ」

「そんな、大丈夫ですよ。そんな人いませんから」

「うーん、それは良かったって言っていいのかな」

「それじゃ、恋人がいた方がいいの?」

「そう言われると困るけど、どっちにしても史恵ちゃんが幸せな

方がいいな」

「相変わらずですねぇ。全然変わってないみたい」

「何が?」

「いいえ、何でもありません。えっと、出迎えはやっぱり少し遅

くなりそうです。ターミナルに食堂があるそうですから、そこで

待っていて下さい」

「何時頃になりそうなの?」

「えっと、3時過ぎに着くんでしたね、4時頃になると思います

けど」

「分かったよ。楽しみに待ってる」

「日曜日にもう一回連絡してもらえませんか?」

「いいよ、そうする」

それから二人はしばらくお互いの話をして、それぞれ変わったこ

と、変わっていないことを確かめ合った。電話を切った後、宏一

は史恵の明るさと一途さに影のようなものがあることに気が付い

た。しかし、それは実際に会って確かめるまで分からない。

 

 由美は、朝から気が重かった。もしできるならこのまま寝てい

たかった。宏一に初めて抱かれて悩んだときの比ではなかった。

あの時はただ迷っていただけだった。しかし、今は守るものがあ

る。それを、大好きな親友の一枝に踏みにじられるのかと思うと、

同時に二つともなくしてしまいそうで怖かった。

 昨日は一日中怒っていた。夕食になってもほとんど口も効かず、

ただ黙っていた。しかし、一晩経ってからは、どうして一枝が火

曜日の夜に現れたのか考えていた。あの時、一枝は最初は明らか

に由美のことを心配していた。今から考えると何か仲直りのよう

なものをしにきたのではないか、そんな気がした。

 しかし、由美が宏一との仲をはっきりさせようとした瞬間から

激しい言葉でお互いを傷つけ合ってしまった。あのままもう少し

喧嘩していたら、きっと由美は一枝をぶっていただろう。そんな

ことはしたことがなかったが、きっとそこまで行ったに違いない。

あそこまで言ってしまった以上、もう後戻りはできなかった。

 あの時、どうしてもっと良く一枝の話を聞いてみようとしなかっ

たのか、それが悔やまれて仕方なかった。別れ際に一枝が言った

言葉が胸に突き刺さっていた。

「人が心配して様子を見に来たのに・・・」

そう、一枝は仲直りしようとしていたのだ。

 宏一は日曜日から九州に行ってしまう。どうしても今日中に話

を付けなければいけなかった。こんな状態のまま一週間も放って

おかれたら、由美は自殺してしまうかも知れない。本当に自分で

そう思っていた。由美が苦しむのは、一枝も宏一も大好きだから

だ。今までは、苦しいときも何とか勇気を奮い立たせた由美だっ

たが、今回はまるでだめだ。ただ苦しいだけ、辛いだけの時間だっ

た。

 宏一が部屋で待っていると、由美と一枝が入ってきた。

「こんにちは、初めまして、岡田一枝です」

「こんにちは、三谷です。さあ、座って下さい。そう言って宏一

は一枝をイスに座らせ、由美と宏一はベッドに座った。由美が手

早くコンビニで買ってきたシュークリームとオレンジジュースを

出す。

 一枝は、始めた宏一を見て驚いた。『こんな素敵な人だなんて。

ゆんが夢中になるのも仕方ないわ』黙って座りながらそう思った。

由美は、コンビニであったときもそうだったが、黙って大人しく

座っているだけだ。まるで表情が見えない。

 二人の高校生は、明らかに戸惑っていた。ここは宏一がリード

してやらねばならない。

「一枝ちゃんだったね」

「はい」

「どうして俺に抱いて欲しいなんて言ったの?」

いきなり話が核心に入ってきたので一枝は戸惑った。

「あの、ゆんに声を聞かされて、それでとっても興奮しちゃって

・・・」

どうも上手く言えないようだ。

 「声を聞かせちゃったのは本当に悪いことしたね。ごめんなさ

い。謝ります」

宏一は深く頭を下げた。それに連れて由美も一枝に頭を下げた。

一枝は焦った。このままでは、話が終わってしまう。何とかしな

ければいけない、そればかりが頭を駆けめぐった。

 「あの、それだけじゃないんです。私一人が取り残されて行く

ような気がして、私だって素敵な人と体験したいし」

「一枝ちゃんだってそんなに可愛いじゃないの。焦らなくたって

すぐに素敵な人ができるよ」

「いえ、そうは行かないと思うんです」

「どうして?」

「私って人を見る目がないんです。ゆんぐらいなものなんです、

本当に信じられる友達って。今まで、私が好きになった人って、

男も女もみんな最後は私とうまく行かなくなっちゃうんです。思

い切って相談しても断られたり。でも、ゆんは本当に私のことを

考えてくれてます。こんな事って今までなかったんです」

 「うーん、ちょっと待って、言ってることは分かるような気が

するけど、それでどうして・・・」

「私、このチャンスを無駄にしたくないんです。いやな高校生に

見えるかも知れませんけど、私、本気なんです」

「だけど、由美ちゃんは嫌がっているんだよ。それをどうして俺

なんかと」

「ゆんの彼氏だからです」

一枝は何のためらいもなくそう答えた。

「エッ?俺が由美ちゃんの相手だから?由美ちゃんを困らせたい

の?」

「違います。結果的にはそうなのかも知れないけど、ゆんの彼氏

なら信用できるって事です。私が自分で選ぶときっと後で後悔し

ます。たぶん一生」

 「だからって・・・自分の相手は自分の責任で選ぶものだよ」

「そんなこと分かってます。でもね、親に内緒でアリバイづくり

の共犯やらされて、挙げ句の果てにあんなもの聞かされたんです

よ。うらやましくもなるし、悔しくもなりますよ。それを、ごめ

んなさい、の一言で済ますんですか?あんまりだと思いません

か?」

一枝の口調はだんだん強くなってきた。宏一も次第に、

「一枝ちゃん、でもそれは、あんまりにも勝手じゃないの?由美

ちゃんの気持ちも考え・・」

 「やめて!」

今まで黙っていた由美が初めて口をきいた。

「二人ともやめて。もう、聞きたくない!」

由美の激しい言葉に一枝も宏一も驚いて黙った。由美は、目の前

で大好きな二人が言い争うのに我慢できなかった。まるで目の前

で自分の世界が音を立てて崩れていくような気がした。黙ってい

ても崩れていくのなら、由美は自分から宣言することにした。

 由美の声があまりにも厳しいので、一枝は後悔していた。宏一

が欲しくて由美まで失ってしまったと思った。明日からはまたひ

とりぼっちの生活になる。知り合いは多いが、親友の一人もいな

い生活。信用してくれて相談してくれる相手もいないし、心を打

ち明ける相手もいない。どうして自分はこんなにいやな人間なん

だろう、本当に自分がいやになった。

 

 「宏一さん、一枝ちゃんの言うとおりにしてあげて下さい」

放心したような目つきで由美は言った。

「一枝ちゃんの言うとおりにしてあげて」

もう一度そう言った。

「由美ちゃん、そんなこと言うことないよ。俺だって由美ちゃん

と同じ気持ちだよ」

宏一は改めてそう言った。

「ううん、大丈夫。一枝ちゃんだって必死なのよ。私と絶交する

かも知れないって思いながらも、どうしても宏一さんに頼みたかっ

たのよ。私には分かるわ、一枝ちゃんがどれほど真剣なのか」

由美は、力無く話し出したが無理に微笑んで見せた。

 「ゆん・・・・、それって・・・、いいの・・?・・本当・・

に?・・ゆん」

一枝は由美の言葉が信じられなかった。自分だったら、絶対に彼

氏を渡しはしない。たとえ由美でもだ。いや、由美だからこそ絶

対に渡さないだろう。

由美の顔を見る度に自分の彼氏と抱き合っている姿を想像するな

んて耐えられるはずがない。破滅に向かって突っ走っている自分

を突然、優しく受け止めてもらったような気がした。

 由美は、一枝を見るとはっきりとした口調で言った。

「でも、これっきりよ。これ以上二度と頼みなんか聞けないわ。

今だって、一枝ちゃんを思い切り殴ってしまいたくなるのよ。一

枝ちゃんをめちゃめちゃにいじめたくなる。でも、今まで一枝ちゃ

んが何度も私を助けてくれたから。本当にこれっきりだから」

 「ゆん・・・あなたって・・・本当はとっても強いのね・・・

・ありがとう、忘れないわ・・・一生・・・あなたにはとても勝

てない・・・ありがとう・・・こんな私に・・・優しくしてくれ

るなんて、私だったら絶対に許さない、私だったらゆんがどんな

に頼んだって泣いたって絶対に・・・それなのに・・・・ありが

とう」

一枝は涙をボロボロ流して泣きながら由美に感謝した。

 宏一は何を言っていいのか分からなかった。そこまで由美が我

慢する必要はないと思っていたが、どうやら二人の間で話がまと

まってしまったようだ。

「分かった。由美ちゃんがそう言うのなら協力しよう。但し、条

件がある」

宏一は、由美の心の負担を少しでも軽くしてやりたかった。

「はい、何でも言って下さい」

一枝は真っ赤な目をして宏一を見つめた。

 「まず、これが終わったら、二度と俺と会わないこと、いいね」

「はい」

「それから、俺とのことは決して由美ちゃんに話さないこと」

「はい、約束します」

「この部屋では俺の言う通りにすること」

「はい」

「今度はいないけど、来週の日曜日はいるから、そのときの午後

1時にここにきなさい。いいね」

「はい、分かりました」

 「宏一さん、そのときに最後までしちゃうの?」

由美が訪ねた。その口調はいつもの落ち着いた優しい由美に戻っ

ていた。

「そうだよ」

「それじゃ一枝ちゃんがかわいそうだわ、ちゃんと体を慣らして

からしてあげないと、私の時みたいに」

「だって、そんなことしたら時間がかかるよ」

「一枝ちゃんを大切にしてあげないとかわいそうよ」

一枝には意味が良く飲み込めなかった。

 『慣らしてからってどう言うことだろう、ゆっくりするって事

かな』そう思いながら二人の会話を聞いていた。

「いいのかい、そんなことしたら何回も合わないといけないよ」

「いいの、ゆっくりしてあげて」

そう言うと、

「一枝ちゃん、後で一緒に帰ろうね」

と突然一枝に言った。

「え?ええ、いいけど・・?」

なぜ急にそんなことを言うのか分からなかった。

「じゃあ、終わるまで待っててね」

そう言うと、由美は一枝に背中を向けて宏一の前に跪き、宏一の

シャツを脱がし始めた。

「由美ちゃん?まさか・・」

宏一が呆気にとられているうちにボタンを全て外してしまう。そ

のままスラックスのファスナーに手をかけ、中のものを引き出し

て手早く口に含み小刻みに頭を動かし始めた。

 一枝は呆気にとられていたが、由美が始めたことが何かくらい

は分かっていた。『まさか、ゆんはこのまま宏一さんとするつも

りなのかしら・・・、まさか・・・』宏一の肉棒が本来の大きさ

に近づいてくると、由美の頭の動きはだんだんと大きくなってく

る。一枝は由美の頭の動き方から宏一の肉棒の大きさを想像し、

『そんな・・』と驚いていた。

 宏一は肉棒が力強くそそり立ってくるに従って度胸が付いてき

た。こうなったら由美の思い通りにしてやろう、そう思いながら、

服を脱ぎ始めた。上半身を全て脱ぎ捨てると、立ち上がってスラッ

クスもトランクスも下げてしまう。

 一枝は、宏一の身体にドキッとした。この身体に抱かれること

になるのかと思うと、恥ずかしくはあったが、嫌悪感はなかった。

宏一の肉棒の辺りは由美の頭に隠れてよく見えないが、由美は宏

一が脱ぎ捨てたスラックスやトランクスを、フェラチオを続けな

がら手早く宏一の足から抜き、軽く畳んでから横に置くのを見て、

かなり慣れた仕草のように見えた。『あんな事、するの?』まる

で、娼婦のような仕草に驚いた。

 「あの、ゆん、私やっぱり先に・・」

「・ん・・だめよ、最後までいて」

おずおずと立ち上がろうとした一枝に由美は肉棒を口から出すと

ぴしゃりと言った。肉棒を手でしごきながら、

「私と同じようにして欲しいんでしょう?だったら最後までいて」

自分の後ろにいる一枝に振り向かず声をかけると、再び肉棒を深

くくわえ込む。一枝は何か言いかけたが、

「一枝ちゃん、そのまま座っていなさい。いいね」

と宏一に言われて、仕方なく座り込む。

 一枝は由美と宏一のセックスなど見たくなかったが、宏一にま

で言われては仕方がない。おとなしく付き合うことにした。宏一

は次第に由美の考えていることが分かってきた。一枝に見せつけ

ることで、由美がいかに宏一と深く繋がっているか、証明したい

のだ。宏一を取られたことによる一種の復讐のようなものだ。

 宏一は、いつものようにタバコを一本吹かしながら、由美の髪

を撫でていた。由美の頭はけなげに宏一の又の間で動き続けてい

る。十分に肉棒が大きくなったところで一度由美の口から抜き、

膝の上で横抱きにする。一瞬だが、一枝に肉棒の全体が見えた。

『あんなに大きいものを飲み込んでいたの?』想像以上の大きさ

に一枝は怖くなってくる。『あんなのを入れるなんて・・』

 宏一はゆっくりと由美の体を撫で、時々優しくキスをしながら

由美の体の準備ができるのを待つことにした。由美は、ずっと目

をつぶったまま愛撫を受け入れていた。やはり、一枝を見たくな

いのだろう。一枝の存在を意識の中から故意に消すことでいつも

のように感じようとしていた。

 次第に由美の体が反応を始めた。宏一の左手で支えている首筋

のあたりを、むずがゆそうに動かし、ゆっくりと感じ始める。宏

一は右手の胸への愛撫を軽く揉むような感じに変えた。

「あ、あっ、あぁ、宏一さん、あ、んん、感じてきました。ああ

ん、ねぇ」

由美が宏一にゆっくりとおねだりを始める。宏一は制服の上から

愛撫していたので、感じ始めた由美には次第にもどかしくなって

くる。

 「ねぇ、宏一さん、ああっ、いつもみたいに、早く、ねぇ、は

あっ、早く、優しくして下さい。宏一さん」

由美は、さすがに一枝の目の前では恥ずかしい言葉を言えなかっ

た。何とか言わずに愛してもらおうとする。

 「由美ちゃん、まだだよ。その前に、由美ちゃんがもっと感じ

るようになって、上手におねだりできるようになってからしてあ

げるね」

宏一は優しく言ったが、由美には冷たく聞こえた。

「ああん、いや、今日は、あう、宏一さん、早く、はあっ、身体

が、ああっ、だめ、早くして」

由美の声が次第に切なく、激しくなっていくのを聞きながら、一

枝は由美の表情を食い入るように見つめていた。

 今の由美は、時々眉間にしわを寄せて切ない声で宏一に求めて

いる。しかし、表情はどちらかというと辛そうだった。『ゆん、

苦しそうだわ、身体を撫でられているだけでどうしてあんなに

苦しそうなのかしら』一枝は、前にこっそりと友達と見たアダル

トビデオを思い出していた。あれは、すぐに濡れ場になったので

女優は激しく動いていただけで、いやらしいとは思ったが、特に

興奮もしなかったし妖しい雰囲気でもなかった。

 しかし今、由美の体は次第に赤みを帯び、無意識に身体をくね

らせて宏一に何度も求めている。クラスでは決して見ることの無

かった、なまめかしい由美の姿だった。足も次第に大胆に擦り合

わされるようになってきた。

「宏一さん、お願いです。早く、早くして、愛して下さい。ああ、

もう、だめ、脱がせて、服を脱がせて下さい」

とうとう由美が我慢できなくなってきたようだ。

 宏一は、ゆっくりと制服のファスナーを下げ、薄いブルーに包

まれたブラジャーを露わにする。すでに膨らみは十分に堅くなり、

先端の突起の位置がはっきり分かる。

「さあ、制服を脱がせたよ。これからどうして欲しいのかな?」

宏一はあくまで由美に言わせるつもりだった。

 宏一の指が膨らみを撫で回すと、由美の声が一段と高くなる。

「ああっ、いやっ、焦らさないで、早く、早く優しくして、

はうっ、こんなの、はあっ」

「さあ、ちゃんと言ってごらん」

「いや、はうっ、いや、お願いだから、一枝ちゃんに聞かれたく

ない、いや、あうっ、お願い、今日だけはだめ、許して。すぐに

して」

由美は目をつぶったまま激しく首を振り、宏一の膝の上で悶えて

いた。

 一枝は、由美の感じ方の激しさに驚いていた。まだ宏一はスカー

トにも手をかけていないし、ブラだって外していないのだ。由美

は特別に感じる身体なのだろう、そんな気がして、『私だったら

こんなにはならないわ、まるで淫乱じゃないの』と、少し醒めた

気持ちで由美を見つめていた。

 宏一がなおも執拗に愛撫を繰り返す。指で軽くブラの布地を突

き上げている突起をひっかくようにすると、由美の体がびくんと

反り返る。体からわき上がる予感に耐えていた由美だが、宏一の

愛撫が残酷なまでに優しくじらし続けるのでとうとう我慢の限界

を超えてしまった。

「あーっ、もう、もう我慢できません、一枝ちゃん、聞かないで、

はう、はうっ、宏一さん、ブラを外して、オッパイを食べて、揉

んで、下も全部脱がせて、早くかわいがって、いやぁ、こんな、

恥ずかしい」

 この辺りで宏一はひとまず先に進むことにした。ゆっくりとブ

ラを外し、制服とスカートを脱がす。そして、ブラとお揃いのブ

ルーのショーツに手をかけてゆっくり脱がしていく。

一枝は、由美が自分からショーツをかなぐり捨てるように脱ぐ由

美の仕草を見て、完全に宏一の虜になっていることを知った。

 宏一は、ゆっくりと膨らみを揉み、時間をかけて乳首を口の中

で転がし、指で微妙に愛撫する。

「あーっ、そんなっ、そんなにされたら、ああーん、いーっ、け

ど、我慢できないっ、あうーっ、下も、下もして、早くっ」

由美は両足を擦り合わせながら宏一の手を取ると茂みに導いた。

宏一の指が茂みの中を探り始めると、

「はあーっ、イイッ、イイッ、はあっ、ううっ」

と反り返って喜ぶ。

 全裸で悶える由美を見て、一枝はうらやましくなってきた。感

じるためにセックスをするのだから、激しく感じた方がいいに決

まっている。色白の肌が薄いピンク色に染まった由美の体は、本

当に綺麗だった。プロポーションでは由美にはとても勝てないと

思った。首筋のライン、胸の膨らみ、腰のくびれ方、足のライン、

全てが完璧な美しさだった。



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