ウォーター

第三百二十四部

 
「宏一さんが決めて下さい」
と結衣はこともなげに言った。そしていぶかる宏一に結衣は続けて言った。
「宏一さん、家庭教師で、洋恵としたでしょ?・・・・それに、今もたぶん、かな?」
宏一はさすがに驚いた。興味のある年頃とは言え、ほとんど初対面みたいな結衣がいきなりそんなことを言うとは驚くしかない。
「それは・・・・・そう言うことは結衣ちゃんにだってそうだとも違うとも言えないよ」
「良いの、分かってるから」
意外に結衣はクールで、興味津々という感じではなかった。そして、なんと言って良いのか分からない宏一に向かって更に驚くことを言った。
「洋恵と同じことをして」
「そんな・・・・・・・」
「いいの。ぜんぶして欲しいの」
それだけ言うと結衣は再び机に向かって澄ましている。特に宏一を見つめてお願いするというわけでも、誘っているというわけでもなさそうだ。その澄ました態度に宏一は驚いたが、このまま結衣のペースで話が進むのは何か腹が立った。
「それじゃぁ、結衣ちゃん、洋恵ちゃんとどうしたかは別として、そう言うこと、できるの?」
宏一は探るように言った。しかし、結衣の答えは更に予想外だった。
「それは、わからない・・・・」
結衣のあいまいな言葉に宏一はむかっときたが、怒っても仕方がなさそうだ。そこで一応、やんわりと無理があることを伝えてみた。
「ねぇ、それってご両親は分かってるの?家庭教師に来てそんなことしたら大変なことになると思うんだ。絶対に無理だと思うよ」
「いいの」
両親は関係ないと言うことだろうか。
「いいのって・・・・・・・」
なんか、禅問答に陥ってしまったような気がした。そこで宏一はケリをつけたいと思い切って言ってみた。
「それじゃぁ、結衣ちゃん、ちょっと立ってみて」
宏一が言うと、結衣はおとなしく立った。改めてみてみると、小柄だが均整のとれたスタイルだ。手も足も細くて少し痩せているので綺麗と言えば綺麗だが、なんとなく冷たい感じがする。だからこのまま雰囲気がもっと温かかったら人気があるだろうと思った。
「じゃぁ、そのまま、服を全部脱いで見せてごらん?」
「・・・・・・・・・・」
さすがに結衣は動けなかった。じっとしたままだ。気を引こうとするわけでも誘うわけでも無く、どうして良いのか分からないという感じだ。経験のある子が大人を試してみたい、という感じでは無い。宏一にいきなり言われて、その突き放された言い方に、本当にどうすれば良いのか分からないのだ。宏一は、多分結衣には経験が無いのだと思った。
「できないんだ。それじゃ、やっぱり無理だね」
宏一の言葉に結衣は反応した。
「それって大人ならきちんと雰囲気とか作ってするものでしょ?いきなりそんなこと言うなんてなんて変。ちゃんとして」
そう言うと結衣は再び椅子に座った。その言葉からは、きちんと手順を踏めば本当にして欲しいと考えている、とも思える。どうやら結衣は本気なのかも知れないと思った。
「それじゃ、取り敢えず勉強しようか」
その『取り敢えず』という言葉に結衣は、宏一は自分の申し出を断ったわけでは無いと思った。
「私、ちゃんとお礼はできるから」
机を向いたまま、結衣は謎めいた言葉を口にした。
「お礼?」
「後で」
そう言うと結衣は英語の教科書を再び開いて宏一が教えるのを待った。とにかく口数の少ない子だ。甘えるというわけでもないし、そうかと言って完全にドライに勉強だけしたいというわけでもなさそうだ。何というか、全てが淡々と進んでいくような感じだ。取り敢えず宏一は、英語の勉強の続きをすることにした。
「それじゃ、この文章を完了形に直してごらん?」
宏一が言うと、結衣は少し戸惑ったようだったが、何も言わずにノートに書き始めた。実はこの章は未来形の演習だったので、完了形と言われて迷ったようだがきちんと完了形にできた。
「He has arrived to his school, then, he has totally surprised. うん、合ってる。それじゃ、これを過去完了にしてごらん?文章の意味が通るようにね」
この文章は複文なので、前の方を過去完了にするか、後の方をするか、両方にするか、は文章全体の意味が分かっていて、更に過去完了の意味を知らないとできない問題だ。中学生にはかなり難易度の高い問題なので結衣は少しの間考え込んだ。
宏一はその結衣のうなじをじっと見て、ちょっと指でなぞってみた。とても綺麗なうなじで、もちろん中学生なので肌は瑞々しい。それでいて肌のカーブは大人っぽい。突然触られたので結衣はビクッと大きく身体を震わせて慌てて身体を縮めた。ペンを放り出して胸を隠すような仕草だ。まるで、全く何の前触れも無く、いきなり家庭教師が触ってきたと言わんばかりの反応だ。
「洋恵ちゃんと同じにして欲しいんだろう?これもダメなの?」
宏一が言うと、結衣は納得はしたようだがかなり警戒心満載といった感じで身体を縮めたまま恐る恐るという感じで過去完了を書き始めた。宏一は結衣の反応を確かめようと、更に何度かそっとうなじを指先でなぞってみた。
しかし宏一が少し指を這わせるだけで直ぐに止まってしまう。洋恵とは違うみずみずしさのきめの細かい、どちらかと言うと洋恵より由美に近い感じだが由美のようにすべすべでは無く、しっとりと潤っている感じが強い。
結衣は首筋をなぞられ、何度もペンが止まった。問題に迷っているのか、宏一におびえているのかはっきりとは分からない。しかし本当に洋恵と同じにして欲しいというのなら、うなじを触られたくらいで驚いていては先に進めるはずがない。宏一は『もしかして結衣ちゃんはぜんぜん何の経験も無いのかも知れないな。それならこの反応は分かるけど。でも、それならどうしていきなりあんなこと言ったんだろう?単に経験してみたいとか、友達に先を越されたとか、相手は誰でも良いからとにかくしたい、とかそう言うことかな。でもそれは結衣ちゃんの雰囲気に合わないけどな。第一、そんなこという子なのかな・・・』と思った。
とにかく、お礼というのが何かも気になるし、経験が無いのに洋恵と同じにして欲しいというのも何か納得がいかない。とにかく、結衣という少女は謎だらけだ。
やがて結衣は書き終わった。しばらく悩んでいたので、宏一の問題の意図は理解していたようだ。
「それじゃ、日本語に訳してごらん?」
「彼は・・到着した・・・・とても驚いた・・・・」
「それだと過去形と同じだね。何が違うの?」
「過去完了形にしたから・・・」
「過去完了にしたら、意味はどう変わったの?結衣ちゃんは後ろの方だけ過去完了にしたよね。どうして?」
「・・・・・・・強調」
「そうだね。よく分かってるじゃない。いろいろな用法があるけど、完了形は基本的に仮定か強調なんだ。そうすると、何を強調してるの?」
「驚いた・・・こと」
「そう。だから、日本語はどういう風に変わる?」
「とっても驚いた・・・・、とってもとっても驚いた」
「そう。それでいいよ。とぉっても驚いた、くらいかな?」
宏一がそう言うと、結衣はちょっと微笑んだ。宏一の教え方に納得したらしく、それからはうなじに触っても何も反応しなくなった。受け入れたのだ。
その日は最後まで宏一はうなじに触る以外は何もしなかった。それ以上する雰囲気では無かったし、宏一にしてみれば、潤いのある肌に触っていればそれだけで気持ち良かったというのもあったからだ。結衣の肌は由美のようにすべすべでは無くたっぷりと潤いのあるしっとりとした肌なのが触っていて新鮮な感覚だ。結衣も宏一がそれ以上しないことが分かって安心したのか、最後にはちょっとくすぐったがるような仕草を見せるようになった。
「それじゃ、ちょっと早いけど今日はここまでにしようか。お疲れ様」
そう言って宏一が帰る支度を始めると、結衣が机に座って前を向いたまま即座に言った。
「それじゃ、ベッドに座って」
「え?」
「座って、ベッドに」
「あ、あぁ・・・・」
宏一が言われたとおりベッドに座ると、結衣は立ち上がって宏一の前に跪いた。
「どうしたの?」
「じっとしていて。お礼をするから」
「お礼?何を?」
「良いの。動かないで」
宏一が聞いたが、結衣はそれには答えず、ベッドに座った宏一の膝を開くと間に入った。
「どうしたの?」
「いいの。そのまま」
更に結衣は膝立ちになって股間に手を伸ばしてきた。
「え?あ、ちょっと」
宏一が驚いていると、結衣は慣れた様子で宏一のスラックスのジッパーに手をかけて一気に下ろし、トランクスの中から肉棒を引っ張り出した。ただ、その手つきは乱暴では無いし、丁寧ですらある。更に結衣は肉棒を完全に取り出し、先端を自分に向けた。
「えっ。ちょっと、結衣ちゃん!」
宏一はびっくりしたが、びっくりしすぎて何もすることができない。すると結衣は躊躇うことなく宏一の肉棒をパクッと口の中に入れて奉仕を始めた。
「あぁっ、・・う、うっ、ん、ううっ」
宏一の股間で結衣の小さな頭が前後に動き始めた。驚いたことに、結衣の奉仕はとても気持ち良かった。それは良いのだが、うなじに触られて怖がるような女の子が、どうして肉棒を頬張って口での奉仕ができるのか、全く分からない。彼氏に教えられているのかも知れないが、それにしてはさっきの反応はあまりにも初心だった。
しかし、可愛らしい少女に奉仕されれば肉棒は正常に反応する。それに、明らかに結衣の奉仕は上手だ。無理やりでも力任せでも無く、きちんと口の中で肉棒を包み込むように扱いてくる。時々チラッと肉棒を頬張ったまま見上げる仕草が更に刺激的だ。もちろん肉棒が少しでも大きくなれば結衣の口の中に全ては入らないが、それでもかなり深くまで入れている。宏一の股間で可愛らしい頭が前後するのはとても不思議な感覚だが、間違いなく気持ちいい。当然、結衣の口の中で宏一の肉棒はどんどん大きくなっていった。
「結衣ちゃん、どうしてこんなことを。おっきくなっちゃったよ。ねぇ、結衣ちゃん」
宏一はギンギンにそそり立った肉棒に奉仕されながら、奉仕されて初めて恥ずかしいという気になった。しかし結衣は全く気にしないかのように良いペースで肉棒を口で扱いている。もちろん宏一の肉棒が大きくなれば、結衣の小さな口では入りきらないくらい太く長くなるので今はもう思い切り口を開けているし、頭も前後のストロークが大きくなってきた。多分苦しいはずだが、結衣は一生懸命に頭を前後させている。
結衣の奉仕が上手だからか、結衣が可愛いからか、溜まっていたからか、直ぐに宏一は『まずい、このままだと出しちゃいそうだ』と思った。
「結衣ちゃん、ありがとう。もう良いよ。ね、ありがとう。このままだと我慢できなくなるからこれでいいよ。ね、ありがとう」
宏一がそう言うと、結衣は一度だけ口から肉棒を出して、
「良いの、出して」
とだけ言うと、再び肉棒を思い切り頬張って奉仕を再開した。
「んんっ、そんな・・・・・あ、結衣ちゃん、だめ、もうすぐ出ちゃうから、あ、ああっ、結衣ちゃんっ、んんっ、出ちゃうからっ」
宏一はそう言ったが、結衣は逆に慎重にタイミングを計るかのようにストロークと強さを制御して、最後はゆっくりと宏一を頂上に導いていった。このテクニックは、絶対に未経験の少女がすることではなかった。由美ほど口が小さいわけでも洋恵ほど弾力に満ちているわけでもないが、とにかく上手だ。そして由美よりも慣れている。経験を積んで肉棒を熟知しているという感じなのだ。結衣にゆっくりと頂上に導かれた肉棒は、限界を優しく超え、宏一はとうとう我慢できなくなった。
「んんんっ、だめだっ、出ちゃうよっ、ううぅっ」
宏一はそう言うと、恥ずかしかったが結衣の口の中に放ってしまった。
「うっ、ううっ」
宏一はほとんど初対面の少女の口の中にドクドクドクッと思い切り放ってしまった。ギリギリまで我慢したので量がすごかった。
「うっ・・・・ううう・・・・」
放ってしまった宏一は呆然としている。なんか、とんでもないことをしてしまった気分だ。
すると、結衣は宏一が出した瞬間、扱くのを止めて上手に口をすぼめて放出の最後までしっかりと搾り取っていった。そして完全に放出が終わるとコクコクと喉が動いて宏一の精を飲み干した。更に口全体で何度も上手に残滓を丁寧に絞り出し、最後は吸い取ってくれた。
「んんん・・・んん・・・んんん・・・・・」
宏一は陶然となるほど気持ち良かった。とにかく上手だ。絶対に本で読んだとかでは無く奉仕そのものに慣れている。それも、かなり上手に教えられている。そのまま結衣は肉棒が十分に小さくなるまで丁寧に舌を絡めて滲み出す分まで舐め取ってしまった。
宏一の肉棒が力を失ってくると、結衣は更に丁寧に最後まで精を口でチュチュッと吸い取ってから、やっと肉棒を口から出した。
「ふぅ」
それだけ言うとウェットティッシュで口の周りを綺麗に拭き取り、立ち上がると言った。
「わかった?これでいいでしょ?」
その高飛車な言い方とは裏腹に、明らかに結衣は顔が上気して興奮している感じだった。宏一は少しの間、小さくなった肉棒を出したままぼうっとしていた。そして宏一が結衣に話しかけようとしたが、それを察した結衣は素早く言った。
「何も聞かないで。言っちゃダメ」
それだけ言うと、自分の机で後片付けを始めた。どうやら、これで終わりという感じだった。
「下で両親が待ってます」
そう言うと結衣は肉棒をしまって立ち上がった宏一を連れて下に降りようとした。しかし、このまま何も聞かないというわけにもいかない。宏一は部屋を出ようとする結衣に向かって言った。
「一つだけ聞かせて。ご両親は今のこと、知ってるの?」
宏一は両親の依頼通りにきちんと勉強を教える必要があるし、両親に会う前に結衣に確認しておくべきだと思った。もちろん両親が知っているはずは無いと思っていた。しかし、結衣は小さな声だがはっきりと言った。
「なんとなく・・たぶん」
宏一はそれを聞いて頭の中が真っ白になった。そんなはずは無い、きっと結衣の言い間違いか、わがままなのだろうと思った。

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