ウォーター

第三百二十五部

 
しかし、それから階下で待つ両親に挨拶して少しだけ話をしたが、なんとなく雰囲気が怪しい感じだった。父親は商売をやっていると言うだけに鷹揚な押しの強い感じで、『この子はまだ世間知らずだから、勉強だけで無くいろいろ教えてやって下さい』と言うのだ。宏一はさっきのことがあったのでなんと答えて良いのか分からず、曖昧な返事をするしか無かった。
さらに、今日は家庭教師の初日だから両親が居たが、普段は10時頃に二人が帰って来るという。つまり、家庭教師の時間は両親が不在と言うことだ。商売をやっている家はこんなものなのかも知れないが、それにしても年頃の女の子を家に一人で置いて不用心だと思った。もちろんセキュリティはきちんと契約しているらしいが、これはそう言う問題では無い。
挨拶そのものは簡単に終わった。紅茶も出ていたが一口だけ口をつけただけだった。父親が『今度は是非ゆっくりと酒でも飲みながら・・・・・』と言ったのも単なる挨拶みたいなものだと直ぐに理解できた。しかし、これから先はどうも怪しい雰囲気になりそうだった。そして、日曜日になぜか来なかった洋恵が次回来たら、なんとなく確認しておくべきだと思った。
そして宏一が帰るとき、結衣では無く母親が玄関まで見送った。宏一はどうして結衣が見送ってくれないのかちょっとふしぎな気がした。もしかして嫌われたのだろうか、と不安がよぎる。そして丁寧に頭を下げる母親の表情が少し曇っている気がしたが、慇懃に挨拶されれば直ぐに出るしか無い。とにかく特に変なところがあるわけでは無いが、不思議な家庭だった。
帰り道、宏一は結衣がどうしてあんなに上手に奉仕できるのか、何故首筋を触られただけで、あんなに怖がるくらい初心なのか、そして何故宏一に洋恵と同じことをして欲しいというのか、考えてみたが、どれだけ考えても全く分からなかった。それに、結衣は由美や洋恵と違って宏一が好きと言うわけでは無い。だからもし、結衣を抱くことになるとしても、ドライな感じで簡単に終わってしまうような気がした。そして、ふと『次はいつ、口でしてくれるのかな・・・』と思った。期待してはいけないと思っても、結衣のような可愛い少女に奉仕されれば、やはり次を期待してしまう。それは男の性だった。
そしてまだ、鮮明に覚えている結衣の口の感覚を思い出した。あれは、二度や三度でできることではない。ちゃんと最初は肉棒を大きくするために全体をまんべんなく扱き、途中は快感を増すために敏感な肉棒の裏の部分に歯が少し当たるようにして扱いていた。そして最後は最高の快感を与えるように速度を落として歯を当てずに舌全体で肉棒を包み込むようにゆっくりと頂上に連れて行ってくれた。テクニックだけから言えば結衣は洋恵や由美よりも絶対に上なのだ。おまけに美人系のスレンダーな少女となれば、次を期待しない方が無理というものだ。ただ、結衣の性格が少しきついのが気になった。
翌日の夕方、慌ただしかった仕事が終わっていつものマンションに着いた宏一を由美が喜んで迎えてくれた。
「宏一さん」
そう言うと勉強机から立ち上がり、宏一の胸に飛び込んできた。
「どうしたの?いきなり甘えて」
宏一が微笑みながら言うと、由美は宏一の首に手を回して頬をスリスリした。
「ううん、会いたかった。それだけ」
そう言うと上を向いてキスをねだってきた。そのまま二人はしばらくねっとりとキスを楽しむ。
「本当に今日は甘えん坊だね」
「だって、木曜日に会えなかったから・・・・・」
「そうだね。急に出張になっちゃったからね」
「忙しかったんですか?」
「うん、あんまりゆっくり説明している時間が無かったね。木曜日の夜は大阪の会社で朝まで仕事をして、やっと何とか金曜日の夕方に仕事が終わったんだ。ちょっとしたトラブルだったけど、意外と大変だったよ」
「私に会いたかった?」
「もちろん、由美ちゃんに会えなくて寂しかったよ」
「ふふっ、嬉しい」
そう言って由美は更にキスを楽しんだ。どうやら由美は完全にその気になっているらしい。キスをしながら身体を宏一に擦りつけてくる。しかし、由美からは何も言わない。可愛らしい子に徹する気なのだ。由美からおねだりするのはキスまでだ。本当は、どんな風に甘えるのか、愛してくれるのか、いろんな方法を妄想したのだが、由美は最終的に宏一に任せるつもりなのだ。
「それじゃ、勉強しようか。今日は何からする?」
宏一がそう言ったので由美は笑顔で答えたが、心の奥では直ぐに求められなかったことをちょっと残念に思った。
「はい、それじゃ、今日は数学を」
それでも由美はがっかりした気持ちを悟られないように明るい声で言うと、椅子に座って数学の準備をした。
「由美ちゃんたちの数学は、今は数学Iだよね?」
「はい、受験科目は数学Iと数学Aですけど、今は数学Iを習ってます。来年、数学Aをやるんです」
「数学Iって簡単なの?」
「みんな、数学Iが一番難しいって言ってます。範囲が広いから」
「そうだよね。数学Iって基礎だものね。基礎が一番難しいよね。それで、今日は何をしたいの?」
「あの・・、最近習ったやつなんですけど・・・・三角比」
「あぁ、直角三角形の」
「そうです。図形は好きなんですけど、ちょっと考え方が難しくて」
そう言うと由美は練習問題を広げて宏一に見せた。
「どのあたりが難しい?」
「直角三角形だけなら簡単なんですけど、円と一緒になってたり、三角形がいくつもあったりすると・・・・・・・」
「それはそうだよね。そうやって難しくしてるんだから。それじゃ、どれか一つ説いてみようか」
「はい、お願いします」
「それじゃ、まず自分で解けるところまで解いてごらん?」
「はい」
そう言うと由美は、円と一緒になっている問題を選んで解き始めた。
「えっと、円の中心と弦で囲まれる直角三角形の弦の長さは・・・、半径は一定で、ここが60度だから・・・・・」
由美が考え始めると、宏一は由美のうなじをツツッとなぞってみた。由美はかすかにピクッと反応するが、何事も無かったように計算している。『やっぱり結衣ちゃんとは違うんだな』と思った。もちろん宏一に全身をくまなく晒して愛されている由美がそんな程度で結衣のように怖がったりするはずが無い。さっきの様子では、このまま裸にしてベッドに運んでも何も言わずに夢中になってくれるはずだと思った。宏一は、そんな由美が可愛く、真っ白のうなじにそっと唇を這わせてみた。
「んあっ、ちょ、ちょっと宏一さんっ、んああぁぁん、まだだめですぅ」
由美はいきなり宏一がうなじを愛してきたので驚いた。これでは勉強どころでは無くなってしまう。
「ごめん。ちょっと綺麗だなって思ったから、つい・・・」
「もう、いきなりはだめです。ちゃんと勉強を教えて下さい」
そう言う由美はもちろん怒っているのではない。少し笑顔なのがその証拠だ。
「そうだね、ごめん」
「ここまでは解けたんですけど・・・・・・ここの長さが分からなくて・・・・・」
「ははぁん、確かにね。でもさ、ちょっと見てごらん?このおっきい方の三角形の中心の角度は?」
「それは・・・・・・」
由美は考え込んだ。60度に見えるのだが、どうしてなのか理由が分からない。すると、宏一は由美のうなじを撫でていた手を由美の胸元に移動させ、ゆっくりとリボンを解き始めた。由美はじっとしている。受け入れたのだ。
そして、宏一の手がリボンを解くと、制服のジッパーをそっと下ろしていった。由美は宏一がもう始めたくなっているのかと思った。そして、それならそれでもいいと思った。もともと由美もその気だったのだ。
いつもなら宏一は制服のジッパーを下ろした後、ブラジャーに包まれた膨らみを優しく愛撫して由美が我慢できなくなってから、恥ずかしそうにおねだりするのを楽しむのだが、今日の宏一はジッパーを下ろすと、ゆっくりと制服を開いて脱がせてしまった。
「あ・・あの・・・・」
由美は嫌がらなかったが、どうしていきなり脱がされるのか分からない様子だ。しかし、宏一はそんなことは気にしないかのように問題の解き方の話を続けた。
「この問題はちょっと難しいけど、基本を忠実に守っていけば簡単に解けるよ。解き方は分からない?降参する?」
どうして良いのか分からないまま上半身をブラジャー姿にされた由美は、意識を問題に集中するべきか、このまま脱がされる方に意識を持っていくべきか迷っていた。しかし、宏一がベッドに連れて行く気配が無いので仕方なく勉強を続けることにした。ただ、ブラジャー一枚で勉強などしたことが無いのでどうも落ち着かない。
「おっきい三角形の中心の角度は分かった?」
「たぶん60度だと思うんですけど・・・」
「どうして?」
「それがわからなくて・・・・・・・・・」
「良く図を見てごらん?必ずはっきりとした理由があるはずだよ」
「はい・・・・・」
由美は落ち着かない気持ちを押し殺して意識を図形に集中した。確かに60度ならその理由があるはずだ。
「図の中に書いてある長さは全部使ってみた?」
「いえ・・・・・・まだ・・・・・」
「それじゃぁ、まだわかんないよね」
「はい・・・」
由美は図の中にいくつか与えられている長さのどれを使えば良いのか考えた。すると、宏一の手が由美の胸元に回ってきた。これから優しく愛撫されて、我慢できなくなるまでじっと耐えなくてはいけない。由美はそう思って脇を少し開け、乳房を包んでくるはずの宏一の手が自由に動けるようにした。
しかし、驚いたことに、宏一の手は優しく由美の膨らみを一度包むと、直ぐにカップの間にあるフロントホックに手をかけてパチンと外してしまった。半球形の乳房がぷるっと小さく震えてあらわになった。
「あっ」
由美は慌てて両手で胸を隠した。まだ何もされていないのにいきなり乳房をさらけ出されたのだから当然だ。
「宏一さん、いきなりはだめです」
由美は胸を隠しながら宏一を見上げた。
「まだなにもしてないよ」
「だって、いきなり脱がすなんて」
「さぁ、続きを始めて」
「そんな・・・・・・」
「この問題はね、何段階か計算を続けて少しずつ直角三角形の長さを出していく問題なんだ。それは分かるだろう?」
「はい・・・」
「だから、ここの角度を出すためには、ほかのところの長さを出していかないといけないんだ。そうだろ?」
由美は裸にされたことを話しているのに宏一は問題の解き方を話しており、二人の会話は全く噛み合っていない。由美が見上げた宏一はあくまでも問題の解き方を教えている風を装って、自分が女の子を裸にしたことなど関係ないとでも言いたげだ。由美は仕方なく問題を解くことにした。ただ、宏一の手が気になって仕方がない。
「はい・・・・・そうです」
いきなり上半身を裸にされた由美はとにかく落ち着かない。正直に言えば、さっきキスした後にそのまま甘えて直ぐに始めてもらえば良かったと思った。それでも、もうすぐ優しく愛してくれるまでの我慢だと思って、宏一に言われたとおり図形に集中することにした。
「それじゃ、どこから取りかかる?」
「まず、ここの長さを出さないと・・・・・」
由美は胸を隠し気味にしながらも、ペンで図形を指した。
「そこの長さは直ぐに出るかな?」
「・・・出ません」
宏一は由美が隠し気味にしながらも乳房を見せてきたことに喜んだ。見えているのは普段の由美の乳房なのだ。愛され、揉まれてしゃぶられて声を上げている由美の固く膨らんだ乳房では無い。見えているのは普段の由美の無防備な乳房なのだ。こうやって見ていると、本当に無垢で可愛い少女の乳房だ。これをこれから可愛がっていくのだと思うと肉棒に力が漲ってくる。
「それじゃ、どこから出す?」
「たぶん、ここの・・・反対側の方?」
「そうだね。そこから順番に長さを出していこう」
「はい」
由美は求める直角三角形の反対側の小さな三角形の辺の長さから計算を始めた。すると、宏一の手が両方の乳房の外側をそっと包んできた。まだほんの裾野の部分で感じるほどでは無い。
「ん・・・・・・・」
由美は『始まった』と思ったがじっとしていた。もちろん最初から大胆に揉んだりはしてこない。由美は、宏一がそっと裾野の周りを何度も撫で回して敏感にして自分におねだりさせるつもりだと思った。それでも、宏一に愛されながら勉強するのは正直に言えば嬉しいのも確かだ。由美は身体が熱くなるのを楽しみにして、取り敢えずできる計算から始めた。
「そう、まずはそこからだよね」
「はい・・・」
由美は先ず、求めなければいけない長さのある三角形と反対側の小さな三角形の直角を挟む2辺の長さを求め始めた。
「この斜辺の長さは半径と同じだから、ここの長さは・・・・・・」
「そう、直角を挟む2辺と斜辺の長さの関係をなんて呼ぶんだっけ?」
「三平方の定理」
「そうだね。それを使って解くんだよね」
「はい・・・」
由美は乳房の下側だけを丁寧にゆっくりと這い回る宏一の指先から、甘い快感が湧き上がり始めたことに気がついた。

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