ウォーター

第三百三十四部

 
「やだ、そんなに見ないでよ」
「ごめんね。だって、どうしても目が引きつけられてさ」
宏一は言い訳してから話し始めた。
「仕事の話はもうしないけど、身体の方はどう?だいぶ疲れが溜まったんだろ?」
「そうね・・・、でもこうやっていられれば気持ちは元気になるし、明日はギリギリまで寝られるし、飛行機の中でも少し寝られるから」
「何時に出る?」
「多分、宏一さんより少し前。7時くらいかな?明日は会社に直行でしょ?」
「うん、そのつもり」
「だったら、私がキーを持って出てチェックアウトしておくから、そのまま部屋を出てもらえば良いから」
「ありがと」
まだ時間は9時前だ。夕食後に2件目を省略してホテルに来たのでゆっくりと過ごせる。もちろん舞は最初からそのつもりだったので飲み物やつまみを事前にコンビニで買って部屋の冷蔵庫に入れてあった。つまり、今日の舞は宏一に徹底的に甘えるつもりなのだ。
もちろん、最初は個人的な話から入るのはお約束だ。
「出張ベースでの仕事って、時間が不規則になりがちだろ?俺も前にやったことがあるけど、意外に自分の時間て無いんじゃない?」
「そう、相手も私がビジネスホテルにずっと泊まってるのを知ってるから、なんだかんだと引っ張り出されるの。何もなくてそのまま帰れる日なんて、却って『今日は何もできなくて申し訳ありません』とか言われて。そのまま帰して欲しいのに。この前なんて、私たちとは関係の無い先方の取引先の接待にまで引っ張り出されちゃった。完全にお酌要員。まぁ、先方の仕事が分かって良かった面もあるけど、飲みたくも無いお酒を知らない相手に飲まされるのは疲れるわ」
「舞さんなら上手にこなしたとは思うけど・・・」
「もちろん、するべき事はきちんとしたわ。ニコニコしてお酒を注いで、上手に相手を持ち上げて、終了時間が延びないように念を押しながら・・・・。仕事だから仕方ないわね。残業代なんて出ないけど」
「二次会とかにも誘われるの?」
「女の子のいる店なら私は必要ないから断るし、いない店なら少しだけ付き合って途中で帰るかな。私だって仕事の整理だの洗濯だの何だのあるんだから。飲んだ後の仕事って仕方が無いとは思うけど、意外に時間がかかるから」
「それはそうだ」
そのまま宏一は舞の話を聞いて、舞のストレス解消に努めた。やがてカクテルが軽く回ってきた頃、宏一から話を振った。
「大変だったね。ストレスでいっぱいだったね」
「そう、でもここまででだいぶ解消できたかも?」
「もう解消できたの?」
「ううん、まだ・・・・・・・・」
そう言って舞はじっと宏一を見つめた。
「おいでよ」
宏一が言うと、舞はすっと立ち上がると宏一の膝の上に乗ってきた。背が高いので宏一の膝に座ると舞の頭は宏一のずっと上になるが、その分宏一の顔は胸に近い。舞はそのまま宏一の頭を軽く抱きしめて微笑んだ。
「甘えてもいい?」
そのまま二人は長いキスをした。舞のキスはねっとりとした大人のキスで、性急な感じは全くなく、ゆっくりと味わうようなキスだ。キスをしながら宏一は手を舞の胸へと伸ばすと、ホテル備え付けのナイトガウンの薄い布地の向こうは予想通りプラジャーはしていなかった。可愛らしい膨らみが宏一の手の中で弾む。もちろん由美や洋恵のような弾ける弾力は無いが、小さいだけに緩い感じでは無い。宏一はそっと胸を優しく撫でながらキスを続けた。
すると、舞の反応が少し変わってきた。何となくだがくすぐったがっているようだ。舞もそれを喜んでいるようで、少しだが息が弾んできた。
「やだ、くすぐったい」
そう言うと口を離した舞は微笑んだ。
「それは嬉しいニュースだね」
「私も、なんか嬉しい」
「それじゃ、もっとくすぐったくしてあげようか?」
「それでもいいけど・・・・・」
舞はそう言うと、少し宏一を見てから思い切って言ってみた。
「ねぇ、あれ、して?」
「あれ?」
「うん」
「あるの?」
宏一が聞くと、舞は宏一の膝の上から立ち上がり、荷物の中から宏一が前回渡したバイブを取り出した。きちんと布のバッグに入れてある。
「持ち歩いてるだけで恥ずかしいの」
舞はそう言って宏一に渡す。親指の先ほどのローター部がコードで電池のある電源部兼制御部につながっているだけなので全体はかなり小さいのだが、キャリーバッグに入れて持ち歩くだけで恥ずかしいと言っているのだ。
「うん、でも、その前にもう少しだけ、おいで」
「うん」
舞は静かに宏一の膝の上に座った。由美よりずっと身長があるが舞は身体を少し縮めるように宏一に寄りかかってきた。
宏一はもう一度舞を膝の上に乗せると、キスをしてからそっと愛撫を再開した。ナイトガウンの上からそっと布地に触れるか触れないか程度のごく弱い愛撫だ。もともと舞には強くしても意味は無いので、この方が感覚が戻りやすいと思ったからだ。
舞は微妙な愛撫を受けながら、少しずつ身体が反応してくるのを心の中で喜んでいた。やがて胸の周りの愛撫を終えた宏一の右手が舞の股間へと滑り込んでいく。どうやらパンツは穿いているらしく、指先が薄い布地を捉えた。宏一は更にごく弱い愛撫を与えていく。
「上手なのね・・・・」
舞は宏一の肩に頭を乗せたまま、うっとりとして呟いた。
「舞さんを大切に可愛がるにはこうするのが良いと思ったから」
「うん、なんかくすぐったくて、嬉しい」
舞は秘核のあたりが疼いてくるような、敏感になってきたような、あの独特の感覚を少しだけ見つけていた。ただ、疼いていると言ってもまだ足を擦り合わせるほどではない。宏一は直接指で秘核の上をなぞったりはしない。あくまで周りを優しく布地の上から撫でているだけだ。舞は『感じなくちゃいけない』と思う必要が無いだけ、とても気持ちが楽だった。その分、感度が上がっているのかもしれない。すると、故意か偶然か、宏一の指先が一瞬だけ秘核の真上の布地に一瞬だけ触れた。
「あっ」
舞は一瞬だけ緊張したが、触ったのは一瞬だけだったので、気持ちは楽でいられた。
「ごめん」
「ううん、いいの。・・・・ねぇ、もういっかい、して?」
「そんなに急がないの。ゆっくりで良いんだから」
「うん」
舞は宏一の答えが嬉しかった。痩せ型の舞はスラリとした見かけから、男に声をかけられることが比較的多い方だと思うが、性急に求められて脱がされて触られても全然嬉しくない。そして乳房が小さいことや舞が感じないことが分かると、男は言葉ではいろいろ言うが、結局は興味を無くしていく。舞はそれが悲しく、今までは男への興味を半ば失っていた。
それが、宏一に出会って一変した。本当に優しくされるというのはこう言うことなのかと思った。舞は思い切って身体を与えてみたが、宏一の優しさは変わらなかった。そしてそれから舞は宏一のことばかり考えるようになっていった。もちろん、年齢も宏一より上で、今の仕事でも重要な役割を果たしている舞は、若い子のように情熱を勢いに任せてぶつけてきたりはしないが、一緒にいられる短い時間を心から大切に思っていた。そして今、宏一に優しく身体を愛撫されていると、それが正しい選択だったと安心できる。
「あっ」
また宏一の指が秘核の上の布地に触れた。どうしてこんなに身体が反応するのか分からなかったが、秘核に触られた後に、じわっとなんとも言えない感覚が身体に染み渡っていく。それが嬉しかった。
「あっ」
それからも何度か宏一の指は舞の秘核の上を通っていった。そして舞は安心して声を出せるようになった。宏一も舞が安心して感じていることにほっとすると、次の段階に進むことにした。
「それじゃ、横になろうか?」
そう言うと舞を軽々と抱き上げて片方のベッドに下ろすと、灯りをグッと落とした。宏一自身は明るい方が好きなのだが、この方が舞が安心できると思ったからだ。
軽くキスをすると、舞は言った。
「ねぇ、いろいろしてみて?」
「そんなに焦らないの。だいじょうぶ。してあげる」
宏一はそう言うと、舞のガウンの細いベルトを解いた。
「疲れたら、そのまま寝て良いからね」
「いやぁ、寝かさないで」
舞はわざと甘えた声を出した。
「うん、そのつもりだけどね」
そう言うと宏一は、キスをしながらガウンを全て脱がせ、舞をパンツ一枚の姿にした。舞の身体は綺麗だった。乳房は由美よりも更に小さいが、小さいだけに綺麗に三角に尖っているし、腰のラインは大人のものだ。
「そんな目で見ないで」
舞は宏一の視線に男の欲望の光を見つけると、少し嫌がった。
「ごめんね、綺麗だなって思ってさ」
「褒めてくれるのは嬉しいけど、見るだけじゃいや」
「もちろん」
「あれ、使ってみて?」
「うん」
宏一はロケットバイブをのスイッチを入れると、舞の首筋に当てた。
「一番弱くしてあるからね」
「ふふふ、くすぐったいぃ」
舞はバイブが宏一の指先の愛撫よりも更にくすぐったいことに喜んだ。最初見せられたときはほとんど感じなかったし、家で宏一に内緒で使ってみたときもあまり感じなかったが、今はそれよりもずっとくすぐったい。舞は心の中で、だんだんバイブで感じるのが楽しくなってきた。舞にとっては、バイブという機械と言うより宏一の指先と同じ宏一の一部なのだ。
宏一は舞の項から肩へと何度もバイブを這わせ、舞が安心してくすぐったがると、次第に上半身全体へと愛撫を広げていった。
「どう?」
「くすぐったい」
「これは?」
「うん、これも」
「こっちも?」
「うん」
宏一のバイブを使った愛撫に舞は安心して答えていた。しかし、だんだんもっとして欲しくなってくる。
「ねぇ、手では触ってくれないの?」
「まだだめ。もう少し我慢してね」
「あん、いじわるぅ」
宏一は舞の手を上げて枕を掴ませると、更にバイブを使って上半身にゆっくり這わせていく。だんだん舞の反応が強くなってきた。
「ねぇ、やっぱり手で触って。ね?」
舞は機械でくすぐったくなるより、やはり宏一の手で可愛がって欲しかった。
「うん、わかった」
宏一はそう言うと、今度は両手の指先を刷毛のように使って舞の身体を撫で上げ始めた。
「あん、これもくすぐったいぃ」
舞は何となくくすぐったいのと気持ち良いのが一緒に押し寄せてくる感覚に喜びながら、少し身体をくねらせた。
「舞さん、感じるようになってきたね。嬉しいよ」
「うん、私も」
「それじゃ、ここはどうかな?」
宏一は思い切って三角形に尖った乳房の周りを少し強く丁寧に撫で上げてみた。
「はぁぁん」
舞は軽く仰け反ると、宏一に乳房を差し出すようにしてもっと可愛がって欲しがった。ただ、感じてはいるのだがまだそれほど快感は強くない。どちらかと言うと『感じている』気持ちが身体から生まれる快感より先行している感じだ。それでも指先が乳首ギリギリを撫で回すと舞ははっきりと反応した。
「ああん、そこは、ああっ、そこばっかりしないで、ああんっ、いじわるぅ」
身体を仰け反らせて軽く捻る舞の姿を見て、宏一はまるでモデルのようだと思った。スレンダーな身体が本当に綺麗だ。宏一は舞の反応に満足すると、仕上げに両手で乳房を揉み寄せてみた。
「はあうぅ」
舞は宏一が思ったほど喜ばなかったが、それでも気持ち良かったのが嬉しかったらしく、胸を揉んでいる宏一の手を両手で抱きしめたまま身体を左右に捻って喜んだ。
「あああぁ、なんか気持ちいい。あぁぁ、宏一さん、あん、そんなにしないで」
「止めて欲しいの?」
「止めちゃいやぁ」
「甘えんぼだね」
「甘えたくて東京まで来たんだからぁ、あああぁぁ、もっとぉ」
舞が喜ぶので、宏一は舞の乳首を口の中で転がした。
「ああぁぁぁぁぁぁぁ、これ、気持ちいいかもぉ」
舞は乳首が気持ちいいのを喜び、宏一の頭を抱き寄せてたっぷりと可愛がってもらった。宏一は口の中でプリプリと弾む乳首を何度も舌で転がして舞を喜ばせた。そして舞が満足した頃、いよいよ下半身にとりかかった。
「それじゃ、こんどはこっちだね」
宏一はそう言うと、舞のパンツを脱がせて足を開いた。既に何となく焦れったくなっている舞はわくわくしながら宏一がしてくれることを待ち望んだ。
「なんか、ドキドキする」
宏一は舞の様子を、まるで好奇心旺盛なティーンのようだと思った。もちろん舞の秘口は既にたっぷりと肉棒を飲み込み慣れた形をしており、宏一の肉棒でさえ苦も無く飲み込める。

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