ウォーター

第三百四十九部

 
「ねぇ結依ちゃん、もう少し近くに来て。結依ちゃんの気持ちが俺との距離そのものだよ。直ぐ近くに来てくれたら嬉しいんだけど」
宏一はそう言って更に話を続けた。結依も次第に気持ちが解れてきたのか、ちょっとずつ宏一に近づいてきた。そして、宏一の手が届くくらいまで近づいてきた所で宏一が結依の腰に手を回した。もちろん結依の身体は硬く強ばる。
「先ずは、結依ちゃんが緊張しないくらいまで俺に慣れてもらう必要があるね」
結依はコクンと頷いた。
「今も怖い?」
結依が頷く。宏一は、結依がどうしてこんなに怖がるのか不思議だったが、何か理由があるのだとすれば、それを聞くのは難しいだろうと思っていた。結依にとって辛い記憶が潜んでいる気がしたのだ。だから、結依が話す気になるかどうかは分からないが、結依に任せることにした。
それでも結依は頑張った。宏一が腰に手を回して少しすると、更に自分から少しだが近づいたのだ。
「結依ちゃん、ありがとう。近くに来てくれて嬉しいよ」
すると結依は恥ずかしそうにしながらも、小さく微笑んだ。
「まだ俺のこと、恐いだろ?」
宏一が聞くと、結依は少し首をかしげて、更に宏一の方に身体を傾けてきた。結依なりの精一杯の努力なのだ。
「お、頑張るね。それじゃ、今日は隣に座るだけでも良いかなって思ったけど、もう少しチャレンジしてみようか」
そう言うと宏一は結依の身体を引き寄せた。ある程度まで結依は全く抵抗しなかったが、途中からは明らかに嫌がった。
「んっ・・・・やっ・・・・いやっ・・・・」
それでも宏一は結依をそっと膝の上に横たえた。結依は身体を小さく縮めて丸くなっている。
「どう?とっても恐い?やっぱり無理?」
宏一が聞くと、結依は身体を縮めたまま少しの間、何も言わなかった。宏一は結衣の表情が硬いのでやはり無理だったかと思って結依を起こそうとした。
「大丈夫」
結依が小さな声で言うと、宏一の胸に頭をくっつけてきた。どちらかというとしがみつくような感じだ。
「ありがとう。きっと恐いよね。少しのこのままで居ようか」
宏一はそう言うと、結依の細い身体が縮まったまましばらくそっと抱いていた。
すると、だんだんこれ以上は何もされないことに安心したのか、結依の表情が緩んできた。
「どう?男の人に抱かれる感じは」
「変・・・な感じ・・」
「そうだよね。先ずはこれに慣れないと。これで安心できるようになれば、きっと上手に進むと思うよ」
「・・・・・・・慣れるの?・・・・・これに?・・・」
結依が微かな声で言った。言外にあり得ないという感じが伝わってくる。
「そうさ。でも、今日はすごい進歩だね」
「・・・上から目線・・・・・」
「ごめんごめん。でも、軽口が言えるくらいになったのなら少し慣れた証拠だよ」
宏一はそう言うと、改めて結依の身体を撫で始めた。しかし、結依の身体はカチカチでかなり無理しているのは明らかだ。
「少しずつ身体を伸ばしてごらん?」
宏一がそう言っても結依はなかなか身体を伸ばそうとしなかったが、それでも少しずつ縮んでいた身体から力が抜け始めた。宏一はそっと髪を撫でてみたが、不思議なことに少し嫌がる。
「こうされるの嫌い?」
「頭の上は・・・・・いや・・」
「横なら良いの?」
宏一がそう言って髪の横を撫でると、結依は素直に受け止めた。そして、目をつぶると身体の力が更に抜けていった。これでやっと普通に横抱きにした体勢になった。宏一は左手で結依の頭を支えて右手でそっと髪の横を撫でている。
「まだ緊張してるかな?それでもやっと慣れてきたみたいだね」
結依は何も言わずに目をつぶっている。ふと時間を見ると、もう2時間近く経っていた。やはりここまで来るのが大変だったのだ。
「もう2時間経っちゃったね。今日はここまでにしておこうか?」
宏一がそう言うと、結依は目を開けて言った。
「そんな時間?あの、もう少しだけ、だめ?」
「え?良いよ。もちろん。もう少しこのままで居たいの?」
結依はコックリと頷いた。宏一とて次の予定があるわけではないので、少しくらいならなんの問題もない。
「それじゃ、もう少しこうして居ようね」
宏一がそう言うと、少し嬉しだけ嬉しそうな表情を見せた。本当に不思議な少女だと思う。それでも、何か一生懸命さも感じるのは好感が持てる。宏一は身体の横をそっと撫でながら、結依の身体を見下ろしていた。
結依はスレンダーなだけに抱いていてもとても細く感じる。体系的には舞に近いが、舞ほど痩せているわけではない。由美と舞の中間くらいだろうか。身長も中間くらいで168センチくらいだろう。ただ、身体全体を見下ろしてみて気が付いたが、胸は小さいとしても、腰は意外に柔らかなラインを描いているし、足も綺麗だ。今日の結依はTシャツとスカート姿だが、制服姿はもっと綺麗だろうと思った。
「ねぇ、触らないの?」
結依は無機質な言葉で突然聞いてきた。
「え?触る?」
「触りたくないの?」
「そんなことはないけど、どうして?」
「どうしてって・・・・・・・」
結依は黙り込んだ。
「触って欲しい?」
宏一が聞いても結依は黙ったままだ。結依の中ではこうやって横抱きにされることは身体を触られることと同じなのかも知れない。宏一は結依とのコミュニケーションギャップに参ってしまった。しかし、これはお互いに歩み寄るしかない。
「きっと、俺が触ろうとしたら、結依ちゃんはもの凄く恐いと思うんだ。だから俺からはしないけど、結依ちゃんが触っても良いと思うのなら、自分で俺の手を胸に当ててごらん」
宏一がそう言うと、結依はしばらくの間、宏一に肩や項や腰をそっと撫でられていたが、やがて宏一の手を取ると、そっと胸に置いた。宏一は少し驚いたが、結衣の気持ちを大切にすることにした。
「少しこのままだよ。良いね?」
宏一は結依の胸に置いた手を全く動かさなかったし、撫でようともしなかった。それでも結依は緊張していたし、怖がっているようだった。結依は宏一の手を胸に当てたまま更に聞いてきた。
「あの・・・土曜日、時間ある?」
「え?あぁ、うん、まぁ・・・・」
「土曜日も来てもらって、いい?親には言っておくから」
「うん・・・・」
「もう少し、教えて欲しいの・・・・・・・」
「分かったよ。それじゃ、何時が良い?」
「10時」
「朝からか。うん、良いよ。特に予定はないから。午前中ってことは、午後は出かけるの?」
「まだよく分からない・・・」
「そうか、決まってないんだ。了解だよ」
宏一がそう言うと、結依は目をつぶって黙り込んだ。
「そのまま聞いて。それじゃ、結依ちゃんに土曜日までにしておく宿題を出すね」
宏一がそう言うと結依は目をつぶったまま小さく頷いた。
「自分の身体が感じるように、自分でしっかりと自習しておくこと。良いね?」
結依はじっとしたまま反応しない。
「俺の言ってること、理解はできるでしょ?」
結依は微かに頷いた。
「それじゃ、それまでにちゃんと自分で自分の身体を良く研究しておいてね」
結依はじっとしたままだったが、微かに頷いたような気がした。結依はその時、宏一の言ったことをするかどうかよりも、それの意味することを考えていた。それは、自分が望んだことではあるものの、土曜日には宏一がそれを確かめるだろうと言うことであり、つまり自分の身体を宏一に触らせることをはっきりと明言したことなのだ。今、宏一がしていることくらいなら問題はないが、さすがにそれ以上だと予想が付かない。それでも結衣は宏一なら無理なことはしないだろうと思った。それよりも、自分が上手にできるかどうかのほうがずっと不安だった。
それからしばらくは宏一の右手は結依の胸に置いただけだったが、最後にもう少しだけしてみることにした。
「少し手を動かすよ。良いね?」
宏一はそう言ってから、そっと右手で結依の胸を撫でてみた。すると、宏一の予想以上に膨らみはあるようだった。少なくとも舞よりはしっかりと膨らんでいた。結依はじっとしたまま全く反応せず、単に触られるのを受け入れていた。ただ、少し顔が上気しているような気はした。
宏一はそのまましばらく結依の膨らみを撫で続けたが、時間的にもこれ以上は無理な感じがしたし、結依もただじっとしているだけだったので、それ以上に進むのは諦めた。
すると少しして、結依が言った。
「起きたい」
そう言って宏一の助けで起き上がった結依は、そのまま立ち上がって言った。
「ありがと。それじゃ、お礼をする」
そう言うと舞は自分から宏一の前に跪き、宏一のジッパーに手を掛けて中からに公方を取り出すと躊躇うことなく口に入れた。
宏一はされるがままだったが、結依の奉仕が気持ちいのは別にして、このまま奉仕を受けることに何となく違和感を感じていた。
「ねぇ、結依ちゃん、こんなことしてもらうのは気持ち良いけど、本当に良いの?」
宏一が言うと結依の奉仕がピタリと止まった。
「結依ちゃんは本当はこんなことしたくないんじゃない?」
「・・・・・・・・・・」
結依はゆっくりと大きくなってきた肉棒を口から出した。
「少しでも嫌な気持ちがあるなら、しなくても良いんだよ。結依ちゃんがしてくれなくても、俺はちゃんと結依ちゃんがして欲しいこと、するから」
「・・・・・・・・・」
「誤解しないでね。してもらうのが嫌とか、そう言うんじゃないんだ。ただ、なんか義務みたいに考えてるなら寂しいなって思っただけ。するなら結依ちゃんのことを好きになりたいし、結依ちゃんにも俺のことを好きになって欲しいし・・・・」
「好きにはならない・・・・・」
「え?でも、雰囲気を作ってって・・・・・」
「雰囲気を作るには好きにならないとだめ?」
「それは・・・・・・」
「好きにはならないと思う」
「結依ちゃんはそれでもいいの?」
「・・・はい」
「それって、俺と結依ちゃんは身体の関係だけってこと?」
「そんなことは・・・・・・」
そこまで言うと結依は黙ってしまった。そのまましばらく時間だけが過ぎたが、やがて結依がポツリと言った。
「優しく・・・・・したいの・・・・・だめ?」
言葉は短かったが、宏一には何となく結依の心の悲鳴のようなものが聞こえた気がした。それ以上結依を追い詰めるのは何となく可愛そうだと思った。
「ごめんね、結依ちゃん、こんな事言って。ただ・・・」
「良いの、分かってる。宏一さんは本当に優しいから・・・・・」
結依もどうして良いのか分からないみたいだった。だから宏一は折衷案を出した。
「それじゃ、今度の土曜日に結依ちゃんが経験する準備をしてみよう。それで結依ちゃんの気持ちが変わらなければ、できるだけ上手にしてみるよ。それでどうかな?」
「・・・・・・・・はい」
「でも、嫌なら・・・」
「嫌じゃない。私が怖がるから宏一さんが言うのは分かるけど、恐いけど、嫌じゃない・・・・・」
宏一は、結依にしてはたくさん話したと思った。きっと思いがたくさん詰まった言葉だったのだろう。そうなれば宏一とすれば受け止めるしか無い。
「うん、わかったよ。ありがとう」
宏一がそう言うと、結依は小さくなり始めた宏一の肉棒を再び口に入れ、奉仕を再開した。
「いいの?」
宏一はそう言ったが、結依は頭を前後に動かしながら軽く頷いたように見えた。だから宏一は結依の好きなようにさせることにした。
結依の奉仕は相変わらずとても上手だった。あっという間に宏一の肉棒が最大硬度になってそそり立つと結依の口には全ては入りきらなくなったが、結依は入りきらない根元の方は指を絡めて擦り、口の動きを補完した。そしてチラリと宏一の方を見上げる。
「凄く気持ち良いよ」
宏一の言葉に結衣の目が嬉しそうに細くなった。そして口の中を上手に絞り込んで肉棒への密着度を上げる。宏一はグングン駆け上がっていった。
「もうすぐだよ」
宏一の言葉に、結依は仕上げの段階へと進んでいった。グングンと扱いたり、ねっとりと舐め回したりしながらゆっくりと宏一を放出に導いていく。
「すごい、気持ち良いよ。あ、あ、結依ちゃん、出ちゃうよっ」
宏一がそう言うと、結依はグッと深くまで肉棒を飲み込んでゴシゴシと口全体で扱き、そのまま宏一の放出を受け止めた。
「ううっ、うっ・・うっ・・・」
宏一の放出が終わるまで結依は肉棒を深く飲み込んだままじっとしていた。きっとかなり辛いと思うのだが、結依はそのまま肉棒が小さくなり始めるまで全てを受け止めてくれた。そして肉棒の痙攣が終わると、一度ゴクンと精を飲み込んでから再び肉棒を半分くらいの見込み、優しく扱きながら残滓を受け止め始めた。
宏一は恍惚とした放出感に包まれていた。結依はその時、宏一の出した量が先週よりもずっと少ないことに気が付いていた。そして、肉棒を舐めながら昨日は洋恵としたのだろうかと思った。


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