ウォーター

第三百六十一部

 
「怖いの?」
「やっ、汚いっ、やっ、だめっ」
「シャワーを浴びたんだよね?全然汗臭くないし、良い匂いがするよ」
「やっ、いやぁっ、だめぇっ、抜いてぇっ」
結衣にしてみれば、シャワーがどうのこうのというのは問題外のことだった。頭では理解していても、他人に触られて良い場所ではないのだ。
しかし、そんな会話をしている間にも宏一の右手はグイグイとパンツの奥へと進んでいた。こればかりは頭で理解しても許してくれないのは分かっていたからだ。ただ、宏一にとって予想外だったのは、パンツの奥へと手を進めても、なかなか茂みへと届かなかったことだ。そして、かなり奥へと進めた時にやっと茂みに届いた。そしてその途端、また結衣が嫌がった。
「いやあぁぁ、それだけはだめぇぇぇぇ、やぁぁぁぁぁ」
結衣ははっきりと嫌がった。しかし、宏一の指は既に茂みの奥の結衣の敏感な部分に到達していた。
「あっ」
結衣の声がすると、抵抗がピタリと止んだ。同時に宏一の手も止まった。どうやら結衣の茂みはとても小さく、秘裂の周りの狭い部分だけなのだ。それに秘毛も細い。
「ごめんね。嫌がってるのに無理やりして。でも、これだけは口でどれだけ言っても受け入れてもらえないと思って・・・・。ごめん」
まだ結衣の左手は宏一の右手を掴んで引き戻そうとしているが、その力はかなり弱くなっている。宏一が右手を差し込んだまま結衣にキスをしたが、結衣は全く反応しなかった。
そして宏一が右手をパンツから抜くと、安心したように結衣は大きく息を弾ませた。
「やっぱり怖かった?」
全ての愛撫を中止した宏一が結衣を見下ろして聞くと、結衣はコクンと頷いた。そして、今度はキスだけすると結衣は静かに舌を絡めてきた。そのまましばらく結衣が満足するまでお詫びのキスを続けた。
それでもここで終わるわけには行かない。宏一は結衣の首筋に移ると、首筋を舐めながら結衣の耳元で囁いた。
「もう一回してみるからね。これは大切なことなんだ。怖いだろうけど、もう一回するね」
そう言って再び右手をパンツの中に入れていく。すると、結衣の左手が再びグッと宏一の手を掴んだが、嫌がりはしなかった。
宏一の右手は再び布地の中を進んでいく。そして可愛らしい茂みに到達すると、そこは秘裂の入り口だった。
「んんっ、やっぱりいやっ・・やっ・・・」
結衣はまだ少し嫌がっていたが、さっきほど激しい嫌がり方ではない。結衣自身も分かっているのだ。そして宏一の右手の中指がそっと秘裂の入り口を割ると、ビクッと結衣の身体が震えた。
「あ・・・・・・あ・・・・・あぁぁぁぁ・・・・・・んああぁぁぁ」
結衣の口から今までのとは異なる声が出始めた。結衣の下半身に新しい甘い痺れのような感覚が広がっていく。そのまま宏一は中指の先だけで結衣の秘裂をそっと探り始めた。
「あ・・・・あ・・・・・あぁぁぁ・・・・あああ・・・・あ・・」
結衣は初めて他人に秘密の部部を探られる感覚を受け入れ、沸き上がってくる感覚に対して『気持ち良い』と自分で納得した。これからこの少女が年を経て最後に灰になるまでこの感覚に対して彼女は『気持ち良い』と感じるのだ。もともと『快感』という感覚は熱い、冷たい、の感覚とは違って頭の中で生み出されるものだ。自分で理解して納得して記憶しないと感じることはない。
「ああぁ・・・・ああぁぁぁん・・・・んんん・・・・んあぁぁ・・・ああぁぁん」
だんだん結衣の声がはっきりと艶っぽくなってきた。それに合わせて少しずつ宏一の指は秘裂の奥へと入っていく。宏一は結衣の横に寝そべって右手で秘裂の奥を探り、左手で髪を優しく撫でながら結衣が生まれて初めての世界の扉を開いて入っていくのをじっと見守り続けた。
もちろん結衣の秘唇はまだぴったりと閉じているので、奥まで入った宏一の指は少し動くだけで秘唇全体に刺激を与え、結衣にはビンビン快感が響く。結衣はこんなに感じても良いのだろうかという小さな怯えを感じながらも、優しく髪を撫でられる安心感に宏一に秘唇の奥を探らせていた。
「だんだん感じるのが強くなってきた?」
宏一が囁くと、結衣は喘ぎながらもコクンと頷いた。
「上手に感じるようになるまで、もう少し続けてみようか」
結衣は再び小さく頷いた。そして宏一の方を向いてキスをねだってきた。宏一がそれに応えると、結衣は再び手を宏一の首に巻き付けてきた。
結衣は初めてキスがとても気持ち良いと思った。もちろん恥ずかしい場所を探られるのも気持ち良いのだが、キス自体も気持ち良いのだ。結衣の身体全体が宏一を受け入れて感じているような独特の感覚に、結衣はうっとりとしながら初めての感覚に溺れていった。
二人はそのままさらに十分近くも同じ事を続けていた。結衣は全く飽きることなく、次々に新しい感覚が沸き上がるようで、あっという間に時間が過ぎていったのだ。
やがて宏一馬パンツから手を抜くと、結衣はもう一度キスをねだってきた。既に結衣はねっとりと舌を絡めるキスを覚えており、宏一の口の中にも舌を差し込めるようになってきた。少女から女になる準備が少し整ったのだ。
それからも少しキスをしている間に結衣の呼吸は整ってきた。しかし、結衣の身体はぐったりとしており、自分自身でも上手く力が入らないのが分かる。
「疲れた?」
「・・・うん、ちょっと・・・」
「もう少しこうして居ようか?」
宏一はそう言ったが、結衣は違うことを言った。
「でも・・・お昼の準備ができてるから・・・・・・・」
「えっ?誰かいるの?」
宏一はびっくりした。この家には結衣と二人だけだと思っていたのだ。
「ううん、そうじゃないけど、とにかく食べましょう」
結衣はそう言うと、ゆっくりと身体を起こし、キャミソールの肩紐を上げてから立ち上がった。宏一は結衣に言われるまで、結衣に夢中で昼食のことなど考えていなかった。確かに午前中に来て夕方までいるのだから、昼食は食べなくてはいけないが、何とかなると思って真面目に考えていなかったのだ。
「さぁ、行きましょう」
そう言うと結衣はキャミソール姿のままドアを開けて宏一を誘った。
「え?だって????」
宏一は訳が分からなかった。誰か昼食の準備をしてくれる人がいるのなら、結衣はこんな格好で部屋を出るはずがない。それなら出前かデリバリーか何かが届いたと言うことなのだろうか?何も音は聞こえなかったが????
しかし、結衣に促されて階下に降りても玄関には何もなく、ダイニングに行くと明らかに鮨屋のチラシだと分かるものが置いてあり、まだ吸い物も少し湯気が出ていた。詰まり、さっきまで誰かがここに居て、鮨を並べて吸い物を準備したのだ。
「さぁ、どうぞ。食べましょう」
結衣は何にも言わずにキャミソール姿のまま席について箸を持った。宏一は訳が分からなかったが、とにかく他には誰もいない雰囲気なので箸を持った。
「いただきます」
「はい、いただきます」
宏一が食べ始めると、宏一の分だけはちゃんと大盛りになっていることに気が付いた。
「これは結衣ちゃんが注文してくれたの?」
「私というか・・・私が決めて・・・・母が・・・・・・・」
結衣はちょっと恥ずかしそうに言ったが、宏一が気に入るかどうか気にしているようだ。
「そうなんだ、ありがとう。凄い豪華な昼食で嬉しいよ」
「美味しいですか?」
「うん、とっても美味しい。きっと高級な店なんだろうね」
「父がよく使う店なんです。気さくに話せて美味しいからって」
「結衣ちゃんもここのお鮨屋さんに行ったことあるの?」
「はい、父の会社からちょっと離れてるから、時々だけど行きました」
結衣は既に身体を許した親近感からか、気さくに話すようになっていた。宏一は結衣と会話を楽しめることが嬉しくなってきた。
「それじゃ、出前もよく取るの?」
「お客さんが来て、お鮨にする時は・・・・・・・お鮨屋さんがしてくれるから」
結衣の話を聞いて、何となく宏一は分かってきた。たぶん、懇意にしている鮨屋なので、鮨屋が鍵を預かっていて出前の配達と同時にダイニングでここまで準備してから帰ったのだ。会社の社長などの付き合いの多い家ではこのように信用を前提に家の中のことまで任せることがあると聞いたことがあるが、実際にそれを見たのは初めてだった。
「結衣ちゃんはお鮨は好きなの?」
「はい、脂っこいものよりも、どっちかって言うとお鮨の方が・・・・好き」
「それにしても美味しいね」
宏一がそう言うと、結衣は本当に安心したように微笑んだ。キャミソール姿のままで宏一の目の前にいる結衣はとても可愛い。下着姿のままの少女と鮨はミスマッチのような気がするが、めったに見ることなど無いのだから宏一は偶然訪れた貴重な機会に感謝した。
「今日はご両親は何時くらいに帰ってくるの?」
「夕方って言ってたけど、たぶん帰ってくるのは9時ぐらい。いつもそうだから」
「そうなんだ。それは寂しいね」
「・・・・・・はい・・・・」
「それじゃ、結衣ちゃんはいつもは外に遊びに行くことが多いの?」
「・・・・・・それほど・・・・・・あんまり外に出ないから・・・・・」
「そうなんだ。受験生だから?」
「受験て言っても中学だし・・・・・・」
「まぁ、結衣ちゃんはきっと成績も良いだろうから、あんまり受験受験て騒ぐ必要も無いかな?」
「・・・・・・・・・・はい」
「高校は決まってるの?」
「父の知り合いが・・・・・・9月に試験があるけど・・・・」
「私立?」
「はい」
結衣の口数が少なくなってきたことを見ると、余りこの話題は触れて欲しくないようだ。宏一は名目上は家庭教師だが、余り結衣の進路は心配する必要が無いと思い話題を変えることにした。
「今日はお鮨を取ってもらったけど、普段一人の時のお昼はどうするの?」
「コンビニのお弁当」
「自分で買ってくるの?」
「はい・・・・・・・」
「出前は取らないの?」
「できるけど、一人でここで食べるのは・・・・・」
「それもそうだよね。このお鮨、美味しいね」
「はい・・・・」
「結衣ちゃんはどんなネタが好きなの?」
その質問に、結衣は一瞬宏一の様子を伺うような仕草を見せたが、小さな声でそっと言った。
「山葵・・・・」
「え?ワサビ?涙巻きってやつ?」
「知ってるんですか?」
結衣は安心したように答えた。
「もちろん知ってるよ。でも、涙巻きってワサビが良くないと美味しくないから、なかなか食べられないだろう?」
「そう」
「でも、涙巻きが好きなんて、結衣ちゃんは大人の舌を持ってるんだね。たいていはトロとかウニとかだもの」
結衣は宏一が褒めてくれているらしいことが分かると安心したように鮨を食べ始めた。実は、正直に言うと生意気だとか言われそうで警戒していたのだ。もしかしたら涙巻きが好きというのは本当の好きとは違うのかも知れないが、結衣の記憶に鮮烈に残っているし、確かに美味しいと思ったのだ。
「宏一さん」
すると今度は珍しく結衣の方から話しかけてきた。
「なんだい?」
「あの・・・・・嫌じゃ無いですか?」
「なにが?」
「あの・・・・私に・・・・・こんな事・・・・・子供で・・・・嫌じゃ無いですか?」
「どういうこと?俺が嫌がってるように見えるの?」
「宏一さんは優しいから・・・・・・。でも、洋恵とかと違うから・・・」
「それって・・・・????」
結衣は恥ずかしそうに下を向いている。その結衣の仕草を見て、宏一は何となく分かってきた。
「結衣ちゃん、もしかして自分を洋恵ちゃんと比べてるの?」
「・・・・・・・・・・・」
「結衣ちゃんの年頃はどうしても他の子と比べてみたくなるのは分かるけど、結衣ちゃんは結衣ちゃんで洋恵ちゃんじゃないからね。もちろん洋恵ちゃんと結衣ちゃんはスタイルも性格も全部違うから」
宏一はそう言ったが、結衣は今一歩納得していないようだ。
「逆に聞くけど、何が気になるの?何を気にしてるの?それを教えて欲しいな」
「・・・・・・・・・・」
「言えないの?」
「・・・・・そうじゃなくて・・・・・・」
結衣は明らかに何かを気にしているのだが、それを言って良いのかどうなのか迷っている。
「言ってごらん?聞かせて欲しいんだ」
結衣はしばらく考え込んでいた。何も言わずに鮨を二つほど食べた。しかし、じっと宏一が待っていると、やがてポツンと言った。
「・・・・胸が・・・・」
どうやら結衣は洋恵のように綺麗に膨らんだ乳房ではないことを気にしているらしい。
「結衣ちゃん、教えてくれてありがとう。よく教えてくれたよね。信用してくれてるんだね、嬉しいよ。それじゃ、教えてあげる」
宏一の答えに結衣はちょっと意外そうな顔をした。実は、どうせ言ってみても当たり障りのない答しか返ってこないだろうと思っていたのだ。なかなか言わなかったのは言っても無駄だと思っていたからだ。


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