ウォーター

第三百九十六部

 
「俺もこの宿は素敵だと思うよ」
「そう・・・・静かに二人だけで宏一さんと一緒に居られるから」
結衣は静かに応えた。
「まだ身体が疲れてる?」
「ちょっとだけ・・・でもだいじょうぶ」
「お腹はいっぱいになった?」
結衣はコクンと頷いた。お腹がいっぱいになったのもそうだが、宏一が静かに結衣の気持ちの破れた所を埋めてくれるので、気持ちも温かい気持ちでいっぱいになった。
「それじゃ、ごちそう様にしようか」
宏一はそう言うと立ち上がり、結衣もそれに続いた。
「リビングには大きなテレビもあるけど、結衣ちゃんが今日見たい番組はあるの?」
「ううん、あんまりテレビは見ないの。私の部屋にはテレビ無いし」
「そう言えばそうだね。PCはあったっけ?」
「無い・・・・・タブレット?って言うんだっけ???あれだけ」
「そうか、今の子はネットで見るらしいからね」
「本当はテレビを見た方が良いんだけど・・・・・ネットだと見るのがいつも同じになっちゃうから・・・・・だから時々テレビは見るんだけど」
「へぇ、結衣ちゃんは偉いね。ネットだと情報が偏るなんて分かってるんだ」
「お父さんがいつも言うの。ちゃんと色々見なさいって」
「そうか、お父さんも偉いね。結衣ちゃんのこと心配してるんだ」
「ちょっと口うるさいけど・・・・・でもきちんと心配してくれるから・・・」
「良いお父さんだね」
結衣は小さくニコッと微笑んだ。
二人はリビングのソファに二人で座っていた。このソファは余りふかふかではないのが良い。結衣は自分の家のリビングのふかふかのソファが余り好きではないのだ。
「こっちにおいで」
宏一はそう言って結衣を抱き寄せた。結衣の細い身体は簡単に抱き寄せられ、結衣は嫌がらなかった。宏一は結衣の脇から回した手で浴衣の上から乳房の近くを撫で始めた。結衣はじっとしている。
「宏一さん・・・・今日はずっとこんなことしてるの?」
結衣は冷静な声で聞いてきた。
「うん、結衣ちゃんが可愛いからね。いやなの?」
「いやとかじゃなくて・・・・・あの・・・分からないから・・・・」
そう言うと結衣はゆっくりと宏一の手をどけて立ち上がった。
「どうしたの?」
「ううん、ちょっと待ってて・・・・・」
そう言うと結衣は洗面台にいき、しばらくすると戻って来た。宏一はトイレにでも行ったのかと思っていたが、実は結衣は浴衣の下に着ていたものを脱いでパンツ一枚の上に浴衣を着てきたのだ。
それは、以前結衣が読んだ小説の女の子が、愛される時が来たと分かった時に受け入れる印として浴衣の下はパンツだけになって静かに男に寄り添うというくだりで、それを読んだ結衣は身体が熱くなるような思いがした。小説にはその後の行為の詳細は出ていなかったが、それだけで結衣には濃厚に愛の行為が行われる気がしたのだ。そして言葉ではなく、女の子が表せる気持ちとして素晴らしいと思った。そして、いつか自分にもその時が来たら必ずそうしようと思っていた。だからわざわざ宏一に確認して支度をした。もちろん宏一はそんなことは知らず、結衣が戻ってくると再び抱き寄せた。そして結衣の脇から手を回して可愛らしい膨らみを撫でた時に、結衣が下着を脱いできたことに気が付いた。
「ん」
さすがに下着のあると無いとではぜんぜん感じ方が違う。結衣は快感が湧き上がってきたので少し驚いた。宏一は静かに膨らみの形をなぞるように優しく愛撫している。
「それじゃ、もう少ししたら、あっちの小さいお風呂に一緒に入ろうか?」
「どうして?」
「あっちはまだ一緒に入ってないから」
「・・・はい・・」
結衣は頷く代わりにきちんと返事をした。
「そう言えば、さっきお酒と一緒にタオルの替えを頼んでおいたけど、届いたかな?」
「さっき宿の人が片付けに来た時に持ってきてたと思う」
「良かった。それじゃ、また後で結衣ちゃんとおっきいお風呂には入れるね」
結衣は恥ずかしそうに俯いた。タオルの替えとは、さっき結衣が浴槽の縁で宏一を受け入れた時に敷いたバスタオルのことで、浴槽の縁に敷いたので濡れてしまったから替えを頼んだのだ。宏一は優しく両手で結衣の可愛らしい三角の乳房を浴衣の上から撫でながら言った。
「眠くなったら言うんだよ。ベッドに連れてってあげる」
「眠くなんてならない」
「え?そんなことないだろ?疲れてるんだし、お腹いっぱいだし」
「ベッドに行ったら、また・・・優しくしてくれる?」
「もちろん結衣ちゃんがして欲しいって思えば・・・・だけど、やっぱり結衣ちゃんが言わなくてもしちゃうだろうな・・・・我慢できなくて」
「男の人が我慢できなくなるって、どういうこと?」
「可愛い女の子を見るとエッチなことをしたくなるのは本能だからね。俺にもどうしてだかわかんないよ」
「本能・・・・・・・」
結衣はそう言われて少し悲しかった。多分本当にそうなのだろうが、本能と言うより宏一の気持ちと言って欲しかった。それに結衣に辛い経験をさせた原因も男の本能だと思うとやりきれない思いがあったのだ。だから結衣はそれを確かめたくて宏一に横からくっついた。
「優しくして・・・・・・」
結衣はそれだけを言うと自然に宏一の膝の上に身体を自分から横たえていった。それは結衣なりの精一杯の宏一への甘え方だった。さっきはここで自分から起き上がったので、そのやり直しのつもりなのだ。
結衣が宏一の膝の上に身体を横たえると、宏一が優しくキスをしてきた。結衣は宏一の首に手を回して引き寄せるようにして宏一の頭を抱きしめてみた。こうすると、何となく大人の女のキスのような感じがした。それに今は結衣も積極的に舌を絡めるキスができる。結衣のキスは、どちらかと言うとねっとりしたもので性格をよく表しているような気がする。
「んんん・・・・・ん・・・・ん・・・・んん・・・・・・ん・・・」
結衣がキスに夢中になっている間に、宏一はぴちっと着ている浴衣の合口から手を入れてそっと乳房を可愛がっていった。今の結衣は浴衣の下にブラジャーを付けていない。それは結衣にとって大きなチャレンジだったが、結衣はそんな支度をした自分を宏一が喜んでくれるかどうか、ちょっと不安だった。宏一と舌をゆっくり絡めていると、宏一が浴衣の中に入ってきた。指先が乳首に触れると、結衣の身体がピクッと震えた。
「んっ」
宏一は敢えて何も言わず、そのまま浴衣をはだけて乳首を露わにすると、そこを口で可愛がり始めた。それはブラジャーを脱いで来た結衣の気持ちに喜びを表す行為だった。
「あん・・・そんな・・・・いきなり・・んんっ・・・・んぁ・・・んっ」
結衣は口ではそう言っていたが、宏一に乳首を可愛がってもらえて嬉しかった。同時に、意識にうっすらと霞が掛かってくる独特の感覚を味わった。
「あ・・・・また変な気持ちに・・・・んんっ・・・・・んっ・・・」
「そうだよ。女の子がその気になるのはそう言うことなんだ。じっとしていてごらん」
そう言いながら宏一の舌はゆっくりと結衣の小さな乳首をねっとりと舐め回していく。
「ンあ・・・あぁぁぁ・・・・んんんん・・・・・・んぁ・・・・そんなに丁寧に舐めないで」
「どうして?こうされると気持ち良いだろ?」
「いいけど・・・・・でも・・・・また・・・・・んんーーーっ」
結衣の両足がグッと合わされた。秘核が反応し始めたのだ。そこに宏一の右手が差し込まれていく。
「あん・・・・ここで・・・・・あんっ」
結衣は宏一の指先が敏感な部分を捉えるとピクッと身体を震わせた。結衣はまだ身体がピクッと反応するのを宏一に見られるのが恥ずかしい。
「だいじょうぶ。二人だけだからね。安心して良いよ」
宏一は少しパンツの上から秘唇を撫で回すと、直ぐにパンツを脱がしていく。
「あぁぁ・・・・・それは・・・・・・・ここでするの?」
結衣は困ったような表情で言ったが、乳首を可愛がっている宏一には見えなかった。しかし、声から結衣の思いは伝わったようだ。宏一は結衣の小さなパンツを長い足から脱がしながら言った。
「ベッドに行っても良いけど、直ぐにお風呂に行くからね。ちょっとここで可愛がって上げる」
結衣はパンツを脱がされながら、浴衣の裾で秘部を隠した。
「あんまり激しくしないで・・・・」
恥ずかしそうにそれだけを言うと、結衣は宏一に身体を任せた。結衣にしてみればこれだけで今まで言ったことの無い恥ずかしい言葉なのだ。
「うん、ゆっくりと感じさせて上げる。楽にしていて良いよ」
宏一はそう言いながら、今度は結衣の浴衣の帯を解いていく。
「ここで脱がすの?」
結衣は不安そうに言った。ベッドではないリビングで、他に誰も居ないとは言え裸にされるのは少し怖い。
「ううん、帯だけ」
宏一はそう言いながら浴衣の帯を解いてしまった。結衣は自然に帯のない浴衣の裾を直して合口をきちんと合せた。しかし、その浴衣の中に宏一の手は易々と入っていく。今度の愛撫は直ぐに乳首や秘核を目指すのではなく、最初はゆっくりと結衣の身体全体を撫でて言った。
「・・・・・はぁ・・・・・ふぅぅぅ・・・・はぁぁぁ」
結衣は身体全体をゆっくりと撫で回され、それだけで気持ち良いと思った。そして、少しだけこのまま裸になって宏一と肌を合わせたいと思った。先程の肌の記憶が鮮明に蘇ってくる。しかし、もちろんこの状況では無理だった。それに、ゆっくりとステップを踏んでいく宏一のやり方が少し気に入っていた。女子トークで早くも体験したこの話を友達から聞いた時は、羨ましい気もしたが、ぜんぜん小説のような雰囲気ではなかったからだ。
宏一の愛撫は結衣の首筋から胸、そして腰から太股へと幅広く広がっており、そして時々ほんの少ししかない茂みを可愛がった。結衣は自然に宏一の膝の上で真っ直ぐに身体を伸ばして宏一の愛撫を全て受け止めようとしている。
「んんん・・・・・・んっ・・・・んぁ・・・・はぁぁぁぁ・・・・んんん・・・・」
結衣はこの程度の愛撫なら恥ずかしい変な声が出ないと安心して宏一の愛撫を楽しんでいる。ちょうど一週間前に結衣は初めて裸になって宏一に抱かれたが、あの時と比べれば気持ちに余裕があるので愛撫そのものをたっぷりと感じて楽しめる。結衣は密かに心の中でこの愛撫を喜んでいた。先週は裸になるだけで気持ちが大変だったし、お昼にリビングでも愛されたが、あの時はどうしてああなったのかよく覚えていないくらい夢中だった。
「宏一さん、気持ち良い・・・・・・」
結衣は目をつぶって宏一に身体を撫でられながら、甘えるように言った。
「もう少し気持ち良くなりたい?」
宏一が聞くと、結衣は目を開けて宏一を見つめた。
「私が決めるの?」
「そうだよ」
「宏一さんがしてくれないの?」
「任せてくれる?」
宏一が結衣の髪を撫でながら聞くと、結衣はコクンと頷いた。
「それじゃ、ここからね」
宏一はそう言って再び浴衣の中に手を入れ、可愛らしい三角に尖った乳房をゆっくりと撫で、時折乳首を可愛がっていく。
「ん・・・・あ・・・・う・・・・んんっ・・・・はぁぁ・・・・ん・・・・」
結衣は感じていても声を余り出さないので、宏一も結衣がどれだけ感じているのかを見極めるのが少し難しい。しかし結衣は、今は素直に宏一の愛撫を受け入れて乳房を触られている。ただ、宏一がどこを触っても浴衣がはだけないようにしっかりと裾を押さえている。それでも、宏一が左の乳房に触る時は問題ないが、右の乳房に触る時は浴衣を引き下ろすようにはだけないと触れないので、触られている間だけは結衣の小さな乳首が宏一の視線に晒された。もちろん、結衣は右の乳房への愛撫の間だけは感じながら乳房を晒しているが、終わるとスッと浴衣の裾を合せて隠してしまう。
「んんんん・・・・ンあぁぁぁ・・・・んんん・・・・・そんなに何度も丁寧に・・・・んぁぁぁぁん・・・・やぁ・・・声が変になってきた・・・・」
結衣は軽く仰け反りながら声を恥ずかしがった。
「それじゃ、こっちかな?」
そう言うと、宏一の手はいよいよ結衣の秘部へと伸びていった。
「あ、そこは・・・・んんっ・・・あっ・・・ああぁっ・・・んあっ・・んーーっ・・・ちょっと待って」
結衣は乳房を可愛がられて敏感になっていた秘核をゆっくりと可愛がられ、思った以上に感じることに驚いて声を上げた。
「だいじょうぶ。ゆっくりするから」
そう言うと宏一の指先は結衣の秘核の直ぐ近くまで秘唇を分け入ってからゆっくりと刺激し始める。
「ンあっ・・・ああっ・・・んんーーーっ・・・ンあぁぁん・・・・やぁ・・・・声が・・・・へんな声がぁ・・・・やぁ・・・聞かないで・・・んんっ・・ああっ、ああっ、ああっ・・・んっ・・・・んぁぁぁぁぁ」
結衣は自分の声がどうしようもなく出てしまうのを恥ずかしがったが、宏一の指先は的確に結衣の感じやすいポイントを刺激していくので次々に声が出てしまう。宏一はそんな結衣の声がとても可愛いと思った。
「ンあぁぁ・・・・ああっ・・・そんなにしないで・・ンあっ、ンあっ、ああっ、だめぇ、声が止まらないぃ、んああぁぁ・・・・・そんなに声を出させないで」
「いっぱい声を出してごらん。ほうら、どんどん素敵になるよ」
秘唇の中に食い込んでいる宏一の指の動きが変わった。ゆっくりとクイクイ動いていた指が真っ直ぐ伸びて秘唇の横の平らな部分を撫で回し始めたのだ。その動きの変化は直ぐに結衣の身体に表れた。
「んあぁっ、ああっ、ああんっ、んあぁぁん・・・やぁ、ああぁぁぁぁ」
結衣の身体は宏一の膝の上で大きく仰け反り一直線になり、結衣の声が少し大きくなった。もちろん結衣にも宏一の指の動きが変わったことは直ぐに分かった。今までの優しい快感が大きくなって身体全体を包んでいく。
「ああぁぁぁ、そんなにしたらぁっ、んーーーーーっ、だめぇ、ああああんっ」
結衣が快感に飲み込まれていくと、今度は指の動きが小さくなる。そして結衣の声が落ち着くとまた指が大きく動く。結衣は大きくなったり小さくなったりを繰り返す快感に、いつの間にか完全に夢中になっていった。




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