ウォーター

第四百二十八部

 
「うん、分かった。それじゃ、タクシーが来るまで寝てる?」
「ダメです。ちゃんと着ないと」
そう言うと由美は身体を重そうにゆっくりと起こし、のろのろと下着を着け始めた。完全に無防備なその少女の身体に宏一は肉棒に力が入るのを感じたが、ここで手を出せば由美が可愛そうだ。
宏一がタクシーを呼んでいる間に由美は服装を整えた。もうこの部屋に来た時と同じ可憐な女子高生だ。
「宏一さん、どれくらい掛かりますか?」
「十分ちょっとらしいけど、もう少し遅れるかもって」
「それなら、来るまでの間・・・・良いですか?」
「え?来るまでの間?どうしたの?もう少し寝る?」
宏一が聞くと、由美は宏一の前に来た。
「さっきの続き、私だけいっちゃったから・・・・・パンツだけ脱いで、だから宏一さんも・・・」
そう言うと由美は宏一の前に跪いてスラックスのジッパーに手を掛け、肉棒を取り出して口に入れると、宏一の下半身を脱がせていった。
「またこんな事すると可愛くないって思われるかも知れないけど、宏一にさんにも気持ち良くなって欲しくて、ごめんなさい」
由美にベルトを緩められジッパーを下ろされながら宏一が言った。
「ううん、俺はそんなこと無いけど、由美ちゃん、大丈夫なの?疲れてるだろう?」
「疲れててもタクシーまで歩くことくらいできますから」
由美は微笑んでそう言うと、既に半分ほどになった肉棒を口の中に入れて扱き始めた。たちまち肉棒が反応して力を取り戻していく。
「うっ、気持ち良いよ」
宏一がそう言うと、由美は肉棒を口の中に入れたままスカートの中に手を入れて器用にパンツを脱いでいく。その様子に、肉棒はたちまち由美の口を無理やり広げるほどの太さと硬さを手に入れた。あっという間に猛々しくそそり立つ肉棒を口の中で感じ、由美も再び身体に火が付いてきた。由美はパンツをプリーツスカートのポケット入れ、肉棒が十分になると口から出して、手で軽く扱きながら宏一を見上げて言った。
「椅子に座って下さい」
「うん、おいで」
宏一は椅子に座ると、最大限に肉棒を突き出してそそり上げた。そこに由美が静かに跨がってくる。
「ちゃんと自分でしますから」
そう言うと由美は両手を宏一の肩についたままで秘口の位置を合わせてくる。そして、宏一をじっと見つめたまま、ゆっくりと腰を下ろしていった。
「ン・・・・・あ・・・・・来た」
そう言うと由美の腰はスッと降りた。途端に肉棒はザラザラの肉壁にぎゅっと包み込まれた。
「あぁぁ、気持ち良いよ。もうこんなに締まってる」
「私も・・・あんまり動くとまた・・・だから、このままで良いですか?」
「うん、そうだね。由美ちゃん、気持ち良いよ」
二人はしっかりと繋がったことを確認すると、しっかりと抱き合って濃厚なキスを始めた。キスをしながら由美は肉棒にしっかりと体重を掛けていき、自ら深々と貫かれていく。由美の可愛らしい舌が宏一の舌をそっと何度も追いかけて絡んでくる。二人はそのままキスにのめり込んでいった。
しかし、由美の中では挿入された肉棒に肉壁が絡み付いてくる。その動きは大胆で力強い。
「ん・・んはぁ・・んっ・・・はぁっ・・んんっ」
だんだん由美の息が弾んできた。
「宏一さん、我慢できなくなりそうです」
「俺も、とっても気持ち良いよ」
「タクシーはまだですか?」
「もうすぐ十分だけど、まだみたいだね」
「来なければ良いのに」
「俺も」
宏一は肉棒をグッと突き出した。
「はあぁぁっ、そんなにしたら夢中になっちゃいます」
一瞬快感に表情が歪んだ由美が、我慢しながらも微笑んだ。
「由美ちゃん、もう時間は無いんだ。タクシーが来るまでの間だよ」
「はい、して下さい。私もして欲しいです」
「うん」
そう言うと宏一は由美にキスを求め、由美が応じて舌を絡め始めるとゆっくりと由美の腰を引きつけ始めた。それに合わせて由美も腰をゆっくりと動かす。二人それぞれの動きは小さかったが、お互い小さい動きで最高の喜びを与えて感じようとしたため、由美の中で肉棒はかなり大胆に扱かれ始めた。
「んっ・・・・・んんぁぁ・・・んーーーっ・・・・んああぁっ、んああっ・・」
キスをしている由美がだんだん我慢できなくなってキスが疎かになってきた。
「ダメ、ちゃんとキスをして」
宏一がそう言ってまたキスをすると、由美はけなげに応じてくる。しかし、このまま由美の腰を引きつけ続ければあっという間に由美がいってしまいそうだと思った宏一は、細い腰から手を離すと同時に制服の上から可愛らしい乳房を揉み始めた。
「んん・・んぁ・・・んんんんんん・・・・んぁぁぁぁぁ・・・・」
由美は宏一にキスをしながら、肩に回していた手を離して自分から制服のジッパーを下ろすとフロントホックのブラジャーを外した。
突然宏一の手の中に触りなれた固い乳房が飛び込んできた。同時に由美が我慢できなくなって思わず仰け反って声を上げた。
「あああぁぁーーっ、いいですぅーーっ」
宏一も我慢できなくなり、思わず由美の左の乳房に吸い付くと右手で揉み始めた。
「あああああっ、だめですぅっ、それをしたらぁっ、そんなにしたらぁっ」
その時、ピンポーンと部屋のチャイムが鳴った。タクシーが来たのだ。二人の我慢の箍が外れた。
「ほうらぁっ、いきなさいぃっ」
「いきますぅっ、いっちゃういっちゃうぅぅっ」
由美は乳房を吸っている宏一の頭をしっかりと抱きしめたまま思いきり仰け反ると、身体を大きくビクンッビクンッと震わせた。更にチャイムがピンポーンと鳴る。しかし由美が上に乗っていては返事ができない。宏一はぐったりと寄りかかってきた由美を駅弁スタイルで持ち上げたままインターホンまで歩いて行った。
「由美ちゃん、インターホンのボタンを押して」
ぐったりとしたまましがみついている由美にそう言うと、由美は手探りでボタンを押した。
「はい、今すぐに降ります」
由美がインターホンに映らないように少し横に身体をずらした姿勢で、宏一は横向きのまま答えると、直ぐにインターホンを切った。それからゆっくりと由美を下ろす。由美はまだ喘いでいたが、慌ててブラジャーを留めて制服のジッパーを上げ、それからポケットに入れていたパンツを穿いた。そして、荷物をまとめると何も言わずに宏一に軽くキスをして直ぐに帰って行った。
翌日、宏一がさとみと忙しく仕事をこなしていると、昼過ぎに結衣から連絡が来た。月曜日に来て欲しいという。宏一は、伊豆から帰った時の宏一を避けるような結衣の仕草を思い出してやや不思議に思ったが、取り敢えず行くとだけ返事をした。すると、結衣が『この前はごめんなさい。ちょっと気持ちが落ち着かなくて。待ってます』と言ってきた。
しかし、それよりも驚いたのは、夕方近くになってから洋恵から連絡が来たことだ。それはこう言うことだった。
洋恵は学校で昼休みに香奈に呼び出された。
「あんた、どうやら先生から離れて彼一本で行くことにしたの?」
「どうしてそんなこと聞くのよ」
「当然でしょう?紹介したのは私よ?私の顔を潰されちゃかなわないじゃないの。答えてよ」
「それは・・・そうだけど・・・・・」
洋恵の返事は明らかに歯切れが悪かった。しかし、そこを掘り下げればどうなるか、香奈にはよく分かっていた。だから掘り下げることはせず、そのまま押し切ることにした。
「そう、それじゃ、良いのね?もう彼一本で」
「うん・・・・いい」
洋恵にしてみれば頭の中が全然整っていなかったが、仕方ない。あれだけ香奈に世話になっておきながら、ここで宏一に乗り換えるとはとても言えないからだ。その様子を見た香奈は奥の手を出した。
「ははぁン、あんた、まだ先生に未練があるんだね。それじゃ、良いこと教えてあげる。今日はこれから私が先生のところに行くから。それで、あんたの後釜に入るから。それならあんたもはっきりと気持ちをしっかりと切替えられるでしょ?感謝してよ。わざわざ一晩使ってあんたの気持ちの切替えに協力してやるんだからさ。さっさとセンセに連絡してよ。二人で遊びに行くから遅くまで付き合ってって。でも、実際に先生の部屋に行くのは私一人だけどね」
「そんなこと、一晩て・・・・・・」
もちろん洋恵には香奈の魂胆は100%分かっていた。しかし、洋恵にはどうしようもない。このまま香奈を先生の部屋に送り込むしか無いのだ。
「まさか、嫌とは言わないよね?だってさ・・・・」
その後の言葉を洋恵は聞きたくなかった。香奈だって言う時は容赦無いのだ。
「わかってる」
「うん、それでいいよ。それじゃ、今すぐ連絡して」
「いま?ここで?」
「そのほうが良いでしょ?うじうじしてるより、さっさと連絡した方がさっぱりするよ」
香奈の言葉には明らかに勝ち誇ったような響きがあった。さすがに洋恵にはカチンときたが、断ることはできないのだ。
「でも、先生だって仕事中だから、いま連絡したら迷惑になるよ。だから、夕方まで待たないと」
洋恵はそう言って引き延ばすのが精一杯だった。
「そうか、それもそうだね。分かったよ。それじゃ、放課後、校門を出たところで待ち合わせにしようか」
「うん・・・・・・・」
「ちゃんと先生が納得するように連絡するんだよ。その文面、考えといてね」
香奈はそう言うと教室に戻っていった。さすがに午後の授業は洋恵にとっては暗澹たるものだった。そして、どうして自分は先生を選ばなかったんだろうと思った。香奈に紹介された彼を香奈に遠慮して直ぐにはっきりと断らなかったのが間違いだった。もちろん、彼は確かに真面目できちんとしていたし、洋恵には優しかった。
しかしそれが失敗の元だった。はっきりと悪いところや合わないところがあれば洋恵だって直ぐに断ったのだが、断る理由が見つからなかったのだ。それに、3回デートしてキスをした後、部屋に連れて行かれても、そっと優しく触られたし、無理に脱がそうとはしなかった。さらに上手くは無かったがちゃんと洋恵を気遣って脱がしてからゆっくりと入れてきた。
だからこそ、一度は洋恵はこの彼にしようと思ったのだ。そうすれば誰はばかること無く一緒に歩けるし、学校でも秘密めいて連絡できるし、友達同士を紹介できるし、SNSで盛り上がれるし、街を自慢げに腕を組んで歩くことだってできる。そう、世間のカップルと同じ事ができる。今となっては、そう言う彼に少しでも憧れた自分がバカだった。
香奈に自分が代理に収まると宣言された時、洋恵自身の気持ちがはっきりと分かった。将来はどうか分からないが、今の彼では宏一が気になって満足できないと。欠点は無いが、敢えて言えば積極的に選ぶ理由も無いのだ。洋恵には宏一の部屋で抱かれている時のようなワクワクする素晴らしい時間と全てを忘れて心も身体も甘えられる相手がどうしても必要だった。
しかし、それが分かったところでどうしようもない。夕方、校門の外で香奈と落ち合った洋恵は、仕方なく宏一にこれから香奈と二人で遊びに行きたいから一緒に部屋で夕食を食べてから外に遊びに行きたいと連絡するしか無かった。もちろん、宏一からは歓迎するという連絡が来た。しかし、それは洋恵にとって全てが終わったような絶望の通告にしか見えなかった。
そう、この前だって香奈は宏一のところにいきなり押しかけて優しくして貰ったのだ。最後まではいかなかったようだが、明らかに香奈は宏一をロックオンしている。その香奈のキラキラした目が全てを物語っていた。
それに香奈が本気になればどうなるのか、洋恵はよく知っていた。既に泊まっていくと言っているのだから、優しい宏一は香奈を拒みきれないだろう。先ず間違いなく今夜宏一は香奈の全てを見ることになり、香奈は宏一に抱いて貰うことになるのだ。洋恵は彼から連絡が来たにもかかわらず、返事もせずに帰宅して部屋に閉じこもり、ヘッドホンで音楽を聴き続けた。
それからしばらくして、宏一が部屋で3人分の夕食を買い揃えて待っていると、香奈が来た。学校帰りにしては、大きな荷物を持っている。
「あれ?洋恵ちゃんは?」
部屋に香奈を通した宏一は、先ずそれを聞いた。香奈は息を整えると、宏一に話し始めた。
「洋恵は来ないの」
「え?だって・・・」
「洋恵のことから話すね。洋恵は新しい彼ができて、その彼と上手くいくかどうか、一番微妙な時期なの。でも、洋恵は宏一さんがまだ完全に忘れられないみたいで、彼の方から私にどうなってるんだって聞いてきたの」
「そうか、洋恵ちゃんは新しい彼氏ができたんだね」
宏一は、いよいよそうなったか、と思った。洋恵の選択なら受け入れるしか無い。
「気が付いていたでしょう?来なくなったから」
「うん、それは・・・・そうだけど」
「それは前にも言ったし」
「そう」
「それで、洋恵に改めて聞いたの。どうするのって。そうしたら、彼を選びたいって言うの。だけどまだ先生が気になるって。それで、それなら私が先生のところに行って、洋恵の代わりになるからって。そうすれば気持ちの整理も付くでしょ?って言ったの。それで連絡して貰ったの。だから洋恵は来ないよ」
「それって、香奈ちゃんが洋恵ちゃんの代わりになる?」
「そう、そうしないと洋恵の心の整理が付かないから。洋恵はそれでいいっていったの。私が代わりになれば心の整理が付くって」
余りに一方的な話に、宏一はちょっとカチンときた。
「それは・・・・・かなり失礼な話だね」
「そう?」
「だって、俺のこと、考えて無いじゃないの」
「それなら宏一さんは、このまま洋恵をつなぎ止めておくつもり?それだと、洋恵はいつまで経っても彼を作れないよ?それでいいの?」
それは確かにその通りだ。洋恵が彼を作りたいと望んでいるなら、宏一は引き留めるべきではない。


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