ウォーター

第四百四十六部

 
「ああっ、どうしてっ、ああっ、どうしてそこまでぇっ、ああっ、ああっ」
「可愛がって欲しいんだろう?こうしてあげる」
「ああんっ、そこをされたら、ああっ、また欲しくなるぅっ、だめぇっ」
「何が欲しくなるのかな?ちゃんと言ってごらん?」
「ああっ、そこでしゃべっちゃだめぇっ」
「どうしてなの?舐めながらだってしゃべれるよ」
「ああっ、響くからぁっ、我慢できなくなるからぁっ」
香奈は自分でも驚くほど感じやすくなっていた。シャワーを浴びて元に戻ったと思っていたが、身体にはまださっきの火が残っていたのだ。余り時間が無いことは香奈が一番よく知っている。
「我慢できなくなったの?」
宏一はわざと口を離して秘部を突き上げて喘いでいる香奈を見下ろした。
「そんな冷静な声で言わないで。はやく入れて」
「でも、もうすぐ洋恵ちゃんが出てくるよ」
「まだ洋恵は身体を洗ってる。中に出したのならそんなに直ぐに綺麗にならないもの。だから早く」
香奈はお尻を突き上げたまま宏一に挿入をねだった。宏一は肉棒を取り出して香奈の秘口に当てた。しかし、まだ入れなかった。
「あっ、そこっ・・・・・・」
「香奈ちゃん、入れてあげるけど、お願いもあるんだ」
「そんなこと今言わないで。入れるなら入れて」
宏一は先端だけを香奈の中に入れた。
「はうぅっ」
香奈の首が仰け反ると、宏一は肉棒を抜き去った。
「洋恵ちゃんが会いたいって言ってきたときには、ちゃんと許してあげてね」
そう言って再び先端だけを埋め込む。香奈は必死に我慢した。
「そんなことっ、卑怯よっ」
「駆け引きと戦略はお互い様だろ。香奈ちゃんが上手に洋恵ちゃんを引き離そうとしたけど、上手くいかなかったんだからね」
「そんな証拠、どこに、あうぅっ」
宏一は何度も肉棒を入れそうになり、先端だけを入れたり、抜いたり、更に少しだけ入れて直ぐに抜いた。もう香奈は気が狂いそうだった。
「いやぁっ、抜いちゃいやぁっ、はやく、早くぅっ」
しかし、宏一は肉棒をちょっとだけ入れては直ぐに抜き去ってしまう。
「いやぁっ、そのままぁっ、洋恵が戻ってくるから早くぅっ」
「まだ時間があるって言ったよ」
「もう無いからぁっ、あああぁぁぁぁぁ、抜いちゃいやぁぁ」
「香奈ちゃんが優しくして欲しいときは、いつでもしてあげる。だから洋恵ちゃんも。良いよね?」
「そんなとこで入れたり出したりしないでぇ」
「香奈ちゃんの気持ちも、洋恵ちゃんの気持ちも、どっちも大切にしたいんだ。良いだろ?」
「あああっ、そのままぁっ、そのまま奥までいれてぇっ・・・いやぁぁ、抜いちゃいやぁぁ」
「香奈ちゃんは優しい気の回る良い子だから。分かってるから」
「だったら、ああっ、そのままぁっ、お願いだからぁっ」
「二人共、いつでも会えるよね?」
もう香奈はこんな議論を繰り返していても無駄だと思った。何をどう約束したって、誰かが破ろうと思えばそれまでなのだ。そんなこと、香奈はもうどうでもよかった。それよりも貫かれたかった。もう、ほとんど自分で何を言ったのか覚えていなかった。
「分かったからぁっ、だから奥までいれてぇっ」
「良い子だ。大好きだよ」
宏一が肉棒をゆっくり遠くまで差し込んでいく。
「あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」
ギリギリで焦らされ続けられた香奈は全身の毛が逆立つほどの快感を与えられた。肉棒を奥の奥まで差し込まれ軽く出没されると、香奈の肉壁は喜んで締まり始め、壮絶な快感を香奈に与えた。
「んああぁあっ、ああっ、んああぁぁぁっ、すごいぃっ、ああぁぁっ」
宏一の手が香奈の上半身に伸びてきて、ブラジャーのホックを外したのは分かったが、香奈はもう嫌がらなかった。それどころでは無かったのだ。そして乳房が一気に宏一の力強い手で優しく大胆に揉み上げられる。
「んああぁぁぁぁっ、あああぁんっ、ああぁっ、んああぁっ、あああっ、ああぁぁっ」
香奈は余りの快感に、身体を左右に捻って逃げだそうとしたが、奥まで貫かれた上に乳房を掴まれているのだ。逃げることなどできるはずが無かった。そしてそのまま、香奈は絶頂した。
「ああっ、いっちゃう、いっちゃうぅっ、ああぁっ・・・・いっくぅぅぅーーーーーーーっ・・・ううううっ・・・・ううっ・・・」
香奈の声が聞こえなくなったので、洋恵はバスルームから出てきた。しかし、洋恵がそこで見た光景は、香奈がお尻を突き上げて貫かれたまま、ぐったりとしている姿だった。洋恵は『裸で入れられてるより恥ずかしい格好してるね』と思った。
香奈も洋恵に気が付いた。しかし、今更何も言えるはずが無かった。
「ごめん・・・ちょ、ちょっとまってて・・・いますぐ・・はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、ごめん」
それでも香奈はまだ動けなかった。それほど絶頂がすごかったのだ。絶頂の瞬間、何が何だか分からなくなった。そして、凄まじい快感の後には全身に力が入らなくなった。
「ゆっくりで良いよ。待ってるから」
宏一がゆっくりと肉棒を抜き去ると、香奈の身体がベッドに崩れ落ちた。それでも香奈は動かなかった。すると、洋恵が何も言わずに優しい手つきで香奈の制服の中に手を入れてブラジャーの位置を合わせてホックを留めてくれ、さらにパンツを穿かせてくれた。香奈はじっと洋恵にされるがままだった。本当はとても恥ずかしかったが、本当に身体が動かなかったのだ。
やがて香奈の身体に力が戻ってくると、香奈は起き上がり、洋恵と二人で帰っていった。その道中で香奈がポツリと言った。
「あんなすごいのをいつもされてるの?」
「・・・・・・・・うん」
「何回位された?」
「わかんない・・・・・」
「そんなにたくさんされたんだ・・・・・」
「うん」
「それで、あんな事仕込まれたんだ・・・・」
「・・・・・・・・・」
洋恵は最初、黙っていたがやがて小さな声で話し始めた。歩きながらだと聞こえ肉くらいの小さな声だったが、歩きながらだと他に聞かれる心配は無い。
「私だって・・・・最初は・・・・なんにも知らなかったの。話したでしょ?フェリーで・・・」
「でも、その前から身体は触られてたんでしょ?結構濃厚に」
「うん・・・・・・」
「それで、入れられて幸せだったんでしょ?」
「色々あったけど・・・・・でも、うん」
「アタシ、自分の身体がこんなだなんて知らなかった。昨日と今日で初めて色々知ったよ。やっぱり思い切って泊まって正解だった」
「そう・・・・・」
洋恵はそれを聞いて、この一晩が自分にとっても大きな意味を持つ夜だったことを改めて思い知らされた。たぶん、香奈は自分が断り切れないことを知っていたのだ。
「でもね、宏一さんは、私にはちょっと難しいかも知れないな」
その言葉に洋恵は喜んだ。しかし、香奈はすかさず付け足した。
「言っておくけど、私に優先権があるのは変わらない。宏一さんに会いたいときは、先ず私に言って。良いね?」
「うん」
「抜け駆けは無しだよ。分かってるよね?」
「うん」
「それじゃ、今日はこれでお終いだ。マックでも寄っていこう。私はそこから友達に会いに行かなきゃならないから」
そう言って二人は去って行った。
その日の午後、宏一は軽く部屋呑みしているうちに寝落ちしてしまった。やはり週末までの仕事の疲れと昨晩から香奈を抱き続けたのが響いたのだ。本当は、宏一が寝落ちした後に由美から『これから少しだけなら時間があるから会いたい』と連絡が来ていたのだが、宏一は気づかなかった。日曜日になって気が付いた宏一は直ぐに連絡したが、残念ながら由美に時間は無かった。宏一は残念な気持ちを吹き払うつもりで久しぶりに泳いで汗を流した。
そして月曜日、宏一はいつものように忙しい朝から始まった。出社すると、さとみからセキュアネットより急ぎの連絡があったと聞いた。
「どうしたんだろう?契約内容に不備でもあったかなぁ?何か言ってた?」
「いいえ、ただ、調子の良いこと言って申し訳ないって」
「調子の良いこと?なんのことだろう?きちんと応対してくれてたと思うけどなぁ?どこに電話すれば良いの?」
「携帯の方に掛けて欲しいって言ってました」
「携帯か・・・と言うことは、周りには聞かせたくない話ってことだね。分かったよ、直ぐに電話する」
宏一はもらった名刺の携帯番号の方に掛けてみたが、運良く直ぐに担当者が出た。
「三谷さん、ごめんっ」
いきなり向こうから謝ってきた。
「なんだい、藪から棒に」
「実は、交際費の件なんだけど、部の予算が厳しくなって、成約時の接待は入金後に先送りになっちゃったんだ」
「なんだ、そう言うことか」
「三谷さんにはお世話になってるから、思い切りごちそうしたかったのに、申し訳ない。でも、交際費が出ないわけじゃ無いから。どんなに遅くても入金後には出るから、その時まで楽しみに待ってて欲しいんだけど。その分、豪華にするから」
「わかったよ。そうする」
宏一はそこまで言ってから、さとみの横顔を見て付け足した。
「それじゃぁ、こっちからお願いしても良いかな?」
「もちろん、できることなら何でも」
「豪華じゃ無くても良いから、こっちは二人にしてもらえる?つまりウチの部署全員だけど」
「それはぜんぜん問題ないですよ。予算と関係ないから。楽しみにしててくださいよ」
そう言うと担当者は安心したように電話を切った。宏一はさとみに言った。
「水野さん、聞いたかな?ごちそうを食べられるよ」
宏一がそう言っても、さとみはきょとんとしていた。
「どうしてですか?私、何もしてないです」
「セキュアネットさんが接待してくれるって言うんだ。それで、二人分でお願いしたんだ。向こうも二人か三人だけど、どう?食べに行く?嫌ならもちろん行く必要は無いよ。こっちが接待して貰うんだから、別に気を遣う必要は無いし。好きなものを食べて美味しい美味しいって言ってれば良いだけなんだけど・・・・・」
「それって、お酌とか・・・・・」
「無いよ。絶対に。こっちが接待されるんだから。お酌される側なんだから」
「でも私、接待にはほとんど出たことが無くて・・・・、それも接待する方で2回・・・・・だから・・・・」
「あんまり立ち入ったことは聞かないけど、夕食を外で食べるのが難しいなら、諦めるよ。お酒も少しは飲むことになるだろうし」
宏一はそう言いながら、これは無理かも知れないと思い始めた。すると、案の定さとみの返事は期待薄だった。
「なんか、接待の席なんて難しそうだから、ちょっと考えさせて貰って良いですか?」
「うん、その気になったら、いつでも言ってね。当日でも構わないよ」
宏一がそう言うと、さとみは少し意外な顔をしたが、直ぐにキリッと表情を引き締めて前任の友絵が残していったエクセルの表に立ち向かっていった。
もちろん、発生した問題はそれだけでは無い。今日入る予定だった配線工事業者は半分の人数しか来なかったし、頼んでおいた溶接で作る部品はまだ届かなかったし、棚に置いてある予備の光ファイバーは品切れ寸前だった。さらに内装業者からは逆に今日と明日は人数を増やしたいと言ってきた。宏一は『配線が終わってないのに壁を仕上げられたら配線無しになっちゃう』と思いながらも、それらを適切に捌きながら宏一自身の仕事も進めていく。
頭の中ではさとみとはなかなか親しくなれないことを残念に思っていたが、最近では何となく、さとみには同居者がいるのでは無いのかという気がしていた。たぶんそれは家族というのでは無い。家族と同居の場合はふつう、もっと時間を自由に使えるものだ。それに比べると、さとみの場合はどちらかと言うと既婚者の時間管理のようだ。もちろん、さとみの年で結婚していることはもちろんあり得るが、宏一に渡されたさとみの人事資料では一度も名字が変わっていないのが不思議だった。
ただ、女の子だって名字が変わらずに結婚していることだってある。いつも定時プラス5分きっちりで帰って行くさとみは、宏一にとって謎の存在だった。正直に言えば、友絵と一緒に働いていたときはもっと部屋が明るかったし、業者の人も何かに付けてはよく顔を出した。それがトラブル解決にも役立ったものだ。
「水野さん、もし良かったら、今日のランチはお弁当を買ってきて一緒に食べない?」
宏一がそう言うと、さとみの表情が一気に固くなった。
「どうして、ですか?」
明らかに警戒心満載でさとみが聞いてきた。
「ごめん、忘れて。何でも無いよ。単にランチを一緒に食べたかっただけ」
「一緒に食べるって、何か意味があるんですか?」
少し棘のある言い方だったが、宏一は知らん顔で流した。
「うん、それはもちろんあるんだけど、嫌なら良いよ。お昼休憩の時間だしさ」
「その意味って、私にも分かりますか?」
さとみは妙に食らいついてきた。はっきりさせて欲しいと言わんばかりの勢いだ。
「うん、分かると思うよ。あそこを見てればね」
宏一はそう言って部品を置いてある棚を指さした。
「棚?お昼に部品の搬入なんて、ありましたか?」
さとみは慌てて発注伝票を探し始めた。



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