ウォーター

第四百六十四部

 
「もう一回して下さい。それからシャワーを浴びます」
宏一は寂しかったが仕方ない。
「うん、わかったよ。ありがとう」
「あぁ、ありがとうなんて言われたら・・・・・あああぁぁ・・・身体がまた・・・・」
由美は宏一の言葉に、自分と同じくらい宏一も一緒に居たいのだと実感できた。それが心から嬉しく、再び身体に火を付けていった。
「んん・・・んんんんんんん・・・・んん」
由美はキスを止めようとはしなかった。そしてそのままどんどん感じていった。次第に快感が強くなって十分に舌を絡めることができなくなっても、それでも二人はキスを続けていた。宏一も心を込めて舌を絡め続けた。
宏一の腰はゆっくりと動き続けており、肉棒の先端はしっかりと由美の奥に当たっていた。由美の肉壁はしっかりと締まって絡み付いてきていたが、先ほど放出したばかりの宏一にはまだまだ余裕があった。しかし、由美は一直線に駆け上がっていく。今度は宏一も止めたりしなかった。一定のペースで肉棒を押し込んで由美を喜ばせる。由美の中はどんどん締まってきた。いきそうになっている証拠だ。
「んんんんん・・・・このまま・・んんんんん」
「大丈夫。安心して」
二人は短い会話だけすると、更にキスを続けた。そして由美は簡単に絶頂に駆け上がった。
「んんんんんん・・んあ・・んああぁぁぁん・・・んぐぅぅっ」
宏一の腕の中で由美の細い身体がビクッビクッと震えた。由美は快感に歯を食いしばっていたが、それでも宏一はキスを続けて肉棒を押し込み続けた。
「んぐぅっ、んあっ、だめ、んんんっ、ぐぅぅっ、んんん、だめ、んんんん」
由美は動きを止めない宏一に抗議したが、直ぐにまた感じ始めた。
「んんーーーっ、んぁぁぁぁぁ、んんんんんんっ、んああぁぁああ、んんんん」
息が整わない由美の身体に肉棒を打ち込み続けると、由美は更に絶頂に駆け上がっていく。
「んああぁぁっ、はぁっ、んんんーーーっ、んああぁっ、またっ・・・いくっ」
由美は更に宏一の腕の中で身体を震わせた。そして今度は完全にぐったりとなった。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ」
由美は足りない酸素を貪った。宏一はこれ以上は無理だと悟って肉棒を抜いた。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、素敵でした、はぁっ、はぁっ、はぁっ」
由美は少しだけ息を整えていたが、やがてシャワーを浴びるためにゆっくりと身体を起こした。その時、由美が一瞬だけ四つん這いになった。その姿がとても刺激的で宏一は我慢できなかった。素早く後ろに回ると、由美の腰を掴んで肉棒を押し込んだ。
「ちょ、ちょっと待って、あっ、ああぁぁっ、ダメ、もうだめ、ああああっ」
「由美ちゃん、大好きだよっ、ほうらぁっ」
宏一はバックで由美の腰を抱え込んだままギンギンに反り返っている肉棒を押し込み続けた。
「ンあぁっ、ああぁっ、んあぁっ、んあぁぁっ、ああぁぁっ、ああぁぁっ、長いっ」
由美は宏一の肉棒の長さを全て使った出没にいきなり最高に感じさせられた。
「だめぇぇぇぇ、帰らせてぇぇぇぇ、シャワーを浴びないとぉ、ああああぁぁぁぁ」
何かに掴まろうと手を伸ばしたが、ヘッドボードには届かない。そしてそのまま四つん這いで貫かれていると、いき癖の付いた身体は更に絶頂へと駆け上がっていった。
「だめですぅーっ、あああぁぁぁ、またいっちゃいそうっ」
その声に、宏一は由美の上半身を引き寄せ、後ろから貫いたまま両手で乳房を揉み始めた。
「ほうらぁっ、またいきなさいっ、どうだっ」
宏一は起き上がって由美の後ろから肉棒を突っ込みながら前に回した手で由美の半球形の乳房を揉みしだいた。由美は肉棒を後ろから受け止めながら大きく仰け反って声を上げ、乳房を揉まれながら絶頂へと駆け上がっていく。
「んああぁぁっ、またいっちゃいますぅぅぅぅ、あああぁっ、いっちゃういっちゃううぅぅぅううーーっ。はうぅっ」
しかし今回は由美はベッドに倒れ込まなかった。そうすればまた次が始まると思ったのだ。だから由美はそのまま四つん這いで宏一から逃げ出すと、服を抱えてフラフラになってシャワーへと逃げ込んだ。
由美は髪は洗わず、熱めのシャワーを手短に浴びると10分ほどで出てきた。まだ少しフラついていたが、見た目は普通の女子高生に戻っている。さすがに宏一もこれ以上由美を引き留めるつもりはなく、服を着るとタクシーを呼んで待っていた。
「さっきはごめんよ」
「分かりません。何のことですか?帰りますね。宏一さん・・・・」
由美は宏一に短いキスをすると足早に帰って行った。
翌日は金曜日で、仕事は相変わらず忙しかった。特にトラブルは発生しなかったが、もともと週末は工事に入っている業者の工数の締めと来週の予定の通知があるし、それに合わせた部品の手配がある。それに加えて支払い関係で銀行に行く必要があったし、締結した契約に関して社内説明もあった。宏一はそれらを一つずつこなしていくだけであっという間に夕方になってしまった。
さとみには店の場所の通知メールを転送しておいたが、二人は行き違いばかりで話をするチャンスはなかった。そして宏一が来週の手配まで終えて部屋に戻って来たときは就業時間を過ぎており、さとみは既にいなかった。どうやら先に向かったらしい。宏一も直ぐにさとみの後を追いかけることにして会社を後にした。
場所は会社から遠くなかったので歩いて向かったが、さすがに歩きだと予想外に時間が掛かり、着いたのは待ち合わせの時間を少し回っていた。店はさとみの希望通りイタリアンだったが、宏一の予想よりもワンランク上の店だった。もちろん、ワンランク上なのであってイタリアン居酒屋と言うよりはレストランに近いという感じだ。
「ごめん、遅れてしまって」
宏一が入って行くと、既にさとみは来ていた。
「いやぁ、大丈夫。でも三谷さん、女の子よりも後に来るなら言ってくれれば良かったのに。水野さんと話したことのあるラッキーな野郎は少ないんだから」
「いえ、そんなこと・・・・・」
さとみは急に話を振られて慌てて手を振って否定した。
「水野さん、早かったね。いつ着いたの?」
「15分くらい前です」
「そんなに・・・・・ごめんなさい」
「さぁ、今日はとにかく美味しいものを思いっきり食べましょう。なんせケチなウチの会社がどーんとお金を少しだけ出してくれたんですから」
セキュアネットの担当はそう言って宏一にメニューを差し出した。
「でもさ、本当に良かったの?ちょっと予想より高級な店なんだけど?」
「うん、ちょうど経理部長と話すことがあって、それならって、彼のおすすめの店なんだ」
「そうなんだ。こんな高級な店を使うなんて、お宅って高収益企業なんだね。知らなかったよ」
「三谷さん、何言ってんですか。営業で使うならそちらの方がずっと高級な店を使ってますよ。以前、打ちの営業担当がお宅の営業を見かけたことがあるって聞きましたけど、凄い店から出てきたって・・・」
「水野さん、そうなの?」
「さぁ・・・私は営業の経験は無いもので。ごめんなさい」
さとみはそう言って頭を下げた。
「三谷さん、会社の事なんてどうでも良いじゃないの。早く好きなものを注文してよ」
「それもそうだね。それじゃ、水野さん、イタリアンで好きなものはある?」
「そう言われても・・・・・ピザとか、パスタとか・・・・ごめんなさい」
「それじゃ、嫌いなものとか食べたくないものは?」
「それは・・・無いです」
「それじゃ、俺が選んで良い?」
「はい」
「分かった。俺の方で注文するね」
宏一はそう言うと、メニューから人数分だけ料理を選び始めた。
「そうそう、水野さんはお酒は飲めるの?」
「はい・・・・・大丈夫です」
「ワインとかも?」
「はい・・・・味は分からないですけど」
「そんなのは気にしないで。それじゃ、最初はビールにして、白と赤と頼んでおくね」
宏一はウェイターを呼ぶと、メニューからバランス良く注文し始めた。
「へぇー、この店は牛肉の生を刺身で出してるんだ。生肉がダメな人、いる?」
誰も反応しなかったので、宏一は前菜に座布団刺しや生レバー刺しなど生ものを注文し、更に色々頼んでバランス良く整えた。
「三谷さん、さすがですね。俺なんかじゃ、そんなスムースに頼めないですよ」
「何言ってんの。食べたいものを頼めって言うから頼んだだけ。ちょっと多かったかも知れないけど、残ったらごめんね」
「大丈夫。残ったら貰って帰りますよ」
「ははは、確かに」
「水野さん、パスタもピザも頼んでおいたから、後で出てくるからね」
「はい・・・・でも・・・・」
「どうしたの?」
「せっかくイタリアンに来たんだから、何もそんなの食べなくたって・・・ってちょっと思って。でも、いただきます」
「うん、食べてみてね。美味しいお店はパスタやピザも美味しいから。ピッツェリアなんかでも美味しいのは食べられるけど、正統派のお店ならひと味違うと思うんだ」
「でも、お腹いっぱいになっちゃいそうで」
「確かに。イタリアだけじゃ無くてヨーロッパはレストランの食事に時間を掛けるからね」
「三谷さん、今日は時間を気にしなくて良いですよ。徹底的にやりましょうよ。イタリアの人ってそんなに時間を掛けるんですか?知らなかった」
「ヨーロッパの週刊だと思うんだ。レストランが開く時間が遅くて、早くても8時半とか、普通は9時だから。それからゆっくり食べて、店を出るのはだいたい夜中らしいよ」
「そんなに・・・・」
「それで、店に来たときはみんな思いっきり腹ぺこだから前菜の後にピザやパスタを食べてお腹を落ち着かせるらしいんだ」
「そう言うことか。それじゃ、今日はそれでいきましょう」
「でも、お腹いっぱいになっちゃったらもったいないから、少しだけ頼んでおいたからね」
宏一のトークで場が和んだので、それから順調に会話が弾み、食事が進んでいった。セキュアネットの担当者はさとみが珍しいらしく、盛んに話しかけていたがさとみは軽く受け答えするだけだ。
「三谷さん、水野さんは今回接待デビューなんでしょ?接待される側なんだから、もっと色々注文付けるべきですよね?」
「そんなこと言わないの。出席するだけでも水野さんには精神的負担が大きいんだから、それ以上を求めたら嫌になっちゃうよ。ね?何でも少しずつ確実に進めないと。だんだん慣れてくれば話も弾むようになるよ」
宏一に守って貰ったと思ったのか、さとみは頷いて黙り込んだ。ただ、しつこく話しかけられるのには参っていたので宏一の気持ちは嬉しくて心に沁みた。しかし、担当者の方は酒のせいか、更に食い下がってきた。
「それじゃぁ三谷さん、普段の水野さんはもう少し話すんですか?」
「もちろんさ。仕事はまだ慣れない部分があるから戸惑ったりもするけど、日々進歩してるし、この前は前の職場の総務のことで助けて貰ったりしたからね。水野さんは陽気って言うのとは違うけど、静かで温かい感じだよ。だから職場の雰囲気もそんな感じかな?」
「そうなんですか、今のアシスタントの仕事は初めてなんだ」
「そう。だから、もっとゆったりとみてあげて下さいな。そうすれば少しずつ話も進むよ」
宏一に話を代わって貰ってさとみはだいぶ気が楽になった。そして宏一と話をすることにした。
「三谷さん、イタリアンでは何が一番好きなんですか?」
「う〜ん、そうだなぁ、色々好きなものが多いけど、アクアパッツアとか、オッソブッコとか、これはギリシャ料理かも知れないけど、でも、イタリア版手打ちうどんのフィットチーネが一番かな?」
「それって、さっき出たのですか?」
「そう、日本のうどんよりは歯ごたえがあるけどね。やっぱり手打ち麺て言うのは美味しいよね。水野さんは?」
「私は生ハムかな?」
「ほう、生ハムはイタリアが有名だからね。どんな生ハムとか・・???」
「よく分からないです。でも、口当たりが優しいから」
「なんか水野さんの雰囲気に合ってるなぁ」
担当者がやっとの思いで会話に入ってきた。しかしさとみは一向に気にしていない。
「三谷さんには好きな生ハムとかあるんですか?」
「うん、豚ならパンチェッタとかが好きだよ。火を通して食べる生ハムだけどね。独特の香りとコクが好きなんだ。そう言えば、メニューにあったような・・・・」
宏一はそう言うと、メニューを頼んで確認した。
「うん、あるよ。パンチェッタと野菜のソテーが。食べてみたい?」
「お腹がだいぶ・・・・でも少しで良ければ」
「頼んでも良い?」
「良いですよ。私も一緒にいただきますから」
担当者が同意したので宏一はパンチェッタと野菜のソテーを追加した。しばらくして運ばれてきた料理は、宏一の知っているパンチェッタの味ではなかったが、自家製とのことなので味が違うのは仕方が無い。
「水野さん、どう?」
「とっても美味しいです」
「そう、美味しいですね。なんて言うか、コクがあるって感じで」
「良かった。俺の知ってるのとは違う味だけど、それは自家製だから当然として、とっても美味しいのは間違いないね。次は肉が来るけど、赤ワインも少し飲んでみる?どう二人共???」
「三谷さん、飲みましょうよ。ねぇ、水野さんも」
「そうですね・・・・私は・・・はい、いただきます」
「三谷さん、水野さんも飲むんだから、ちょっとだけ良いのにしましょうよ」
「良いのかい?予算的には一人一枚半くらいいってると思うよ?」
「それは・・・・・だから、ちょっとだけ・・・・・・・」
「うん、そうしよう」
そう言うと宏一はバローロを注文した。




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