ウォーター

第五十七部

 

めぐみに決心させるため、宏一はめぐみの膨らみをより強く愛撫

しながら、めぐみをそっと隣の布団の上に横たえ、身体を下にず

らせてめぐみの足を開くと、はだけた襦袢の下から覗くパンツの

上に顔を擦り付ける。

「ほら、こうするだけで感じてるだろ?」

すると、途端にめぐみは激しく反応した。

「イヤッ、そんなのイヤ、ダメ、やめて!そんなのダメッ」

体を激しく動かし、宏一を突き離してしまう。そして、布団から

さっと離れ、素早く裾を直す。まだ息は荒い。

「はぁ、はぁ、はぁ、だめ、やっぱり、ごめんなさい。部屋に戻

ります」

「そう、ごめんね。怒った?」

「・・・いえ、私の方こそ、どうしても決心が付かなくて」

「それならその方が良いよ。ありがとう、楽しかったよ」

「・・・あの、・・おやすみなさい」

そう言うと、脱いだ仲居の服を持って一度バスルームに入り、中

で服を着てそそくさと部屋を出ていった。

 宏一は、少しは残念な気がしたが、本人がその気にならないの

であれば、と諦めることにした。無理に挑発して身体を許させて

もあとが辛くなるのでは意味がない。

 そのまま電気を消して布団に入ると明日の長距離運転に備えて

身体を休めることにした。明日は再びシーダイナまで海岸線を戻

ることになる。シーダイナで史恵が現れないのであれば、その次

の日の日向の港の駐車場に車を止めて、鍵を宅急便で史恵に送る

つもりだった。そして、会社から電話をしてきた友絵の声を思い

出し、会社のシステムの状態を思い返している内に自然と眠って

しまった。

 しかし、めぐみはまだ起きていた。部屋に帰って服を脱ぎ、シャ

ワーを浴びても身体の火照りはなかなか取れなかった。ベッドに

入ってからは還って宏一の巧みな優しい愛撫を思い出し、更に身

体が火照ってくるようだった。

「三谷さんは絶対に無理にはしようとしなかった。いつも私のこ

とを気遣ってくれた。大人の優しさ・・」

そんなことを考えていると、宏一の腕の中で全てを脱いでも良かっ

たような気がした。今までのめぐみの体験にはない大人の男だっ

た。ボーイフレンドは確かに優しかったが、そのセックスは乱暴

ではなかったが荒かった。余りめぐみの身体の反応を確かめずに

どんどん先に進んでしまう、そんなセックスだった。

今までめぐみはそんなものなのだろうと思っていたが、今日、初

めて宏一の腕の中でその違いをはっきりと悟った。

「三谷さんは、何度も私に色々聞いてくれた。私の身体、気持ち

を確認しながら先に進んでいった。あの人も、もう少し私に色々

訊いてくれれば良かったのに。自分一人で何でも決めて、上手く

行かなくなると離れていくなんて」

 結局、彼とは別れるしかないのだということに気が付いた。自

分のやり方を変える人ではないと言うことは分かっていた。『で

も、もう少し気を遣ってくれたら、もう少し待っていてくれたら、

もう少し、もう少し・・・』それが無理なことは分かっていても、

自分の欲しいもののためにわざと目をつぶっていたのだ。めぐみ

自身にも責任はあった。

 心の整理が着くと、改めて宏一の腕の中で過ごした短い時間が

思い出されてきた。心の整理が付いた今なら、全てを許せるよう

な気がした。恥ずかしいことも言ってみたいような気がした。そ

して、大人の愛し方で感じてみたい気がした。

しばらくの間、布団の中で眠れないでいためぐみだったが、思い

切って布団から手を出し、目覚ましをセットすると布団を大きく

被って眠りについた。

 宏一は、寝てはいたが、何度も目を覚ました。小さな物音がす

ると史恵が戻ってきたかと思って起きてみたりした。こんな時間

に来るはずがないことは分かっていても、小さな物音で何度も目

を覚ました。しかし、時間はあっという間に過ぎていった。

 コンコン、ドアを小さくノックする音が聞こえた。一度目を覚

ました宏一は、また気のせいだろうと思って寝返りを打った。し

かし、またコンコンと音がする。本当に音がするのだ。あわてて

起きると時計を見た。まだ5時前だ。半信半疑でドアの方に行く。

ちょうどドアを開けるときにまた音がした。

 ドアを開けると、めぐみが制服姿で立っていた。宏一には何の

ことか分からなかったが、めぐみはスッとドアの中に入ってきて、

すぐにドアを閉めてしまった。

「どうしたの?こんな時間に」

「あの、中に入ってもいいですか?」

めぐみが暗い中から囁く。

「いいよ、どうぞ。それにその格好は?」

「今日、朝からクラブで遠征なんです。だからこのまま出かけた

くて」

薄暗い部屋の中で宏一が電気をつけようとすると、

「このままでもいいですよ。ちゃんと見えますから」

夜明け前の薄暗い光の中でめぐみが言った。宏一がとりあえず布

団の上に座ると、めぐみはその横にきちんと正座をして座った。

 「どうしたの?こんな時間に?」

「あの、さっきはごめんなさい。急に出ていって。ちゃんと挨拶

もしないで」

「気にしなくていいよ。そんなこと。楽しかったよ。本当だよ。

ぜんぜん怒ってないよ」

「良かった。あの、三谷さんともう少し一緒にいたくて、こんな

時間だけど出てきちゃいました。いいですか?」

「もちろん、でも眠くないの?俺は慣れているから平気だけど、

高校生じゃ眠いんじゃない?」

「大丈夫です。でも・・・」

「でも?」

めぐみは小さな声で下を向いて言った。

「もし良かったら、三谷さんの布団に入ってもいいですか?」

「それって・・・」

めぐみはじっと下を向いたまま何も言わない。宏一にもやっと分

かってきた。

 宏一は自分の身体を布団に横にすると、手を伸ばして正座して

いるめぐみの膝の上を撫で始めた。

「でも、いいの?さっきは気持ちの整理が付かなかったみたいだ

けど」

「私、気が付いたんです。どうして彼と上手く行かなかったのか」

宏一の手がプリーツスカートの中の太股を撫で始めてもめぐみは

何も言わなかった。

「そうか、気が付いたんだね。会話が少なかったって事が」

「本当に大切なことをぜんぜん話そうとしなかったんです。お互

いに」

宏一の手は太股から下に降りていき、スカートの更に奥に進んで

いく。宏一はめぐみが嫌がるかもしれないと思ったが、めぐみは

少しだけ膝を開いた。奥のパンツのギリギリのところをゆっくり

と指で撫でながら宏一は言った。

「いいの?これ以上進んだら、俺だって我慢できなくなるかもし

れないよ」

「大丈夫・・だと・・・思います」

その声はほとんど聞こえなかった。その代わり、宏一が指でゆっ

くりとパンツに包まれたものを愛撫していくと、めぐみの口から

は喘ぎ声がでてきた。

「あっ、くっ、はう、んんっ」

「感じてきたの?」

めぐみがこっくりとうなずく。更に宏一の指が秘核の辺りを円を

描くように撫で始めると、

「いや、はやく、こんな格好なんて」

と喘ぎながらめぐみがおねだりを始めた。

「それじゃ、その上着を脱ぎなさい。そうしたら布団においで。

優しくしてあげるから」

宏一が言うと、

「そんな、三谷さんがしてくれるんじゃ・・・」

「ほうら、だんだん身体が反応してくるよ」

「んんっ、ダメェ、アアン、こんなこと、イヤらしい」

「ほうら、早く脱いでごらん、イヤらしくて優しいことをしてあ

げるから」

「はあっ、あっ、そこはっ、アアン、上手くできない」

どうせ脱がなければならないのだ。めぐみは意を決して小さな喘

ぎ声をあげながら上着をすっぽりと脱いだ。薄暗い光の中でも二

つの膨らみがブルンと揺れたのがはっきり分かった。 

 宏一はめぐみを布団の上に横にすると、ゆっくりと胸の愛撫を

再開した。そして、めぐみの口から再び喘ぎ声が出始めると、ねっ

とりとしたキスをする。めぐみはゆっくりとしたペースで自分の

身体が燃え上がっていくのを感じながら、初めて違う男に愛され

る体験に密かに胸を躍らせた。やがて、ブラジャーの中心に突起

がはっきりと現れてきた。その辺りを指で丁寧に触ると、めぐみ

の口からひときわ大きい吐息が漏れる。

 「いいかい、感じてきたら女の子の方からもそう言わないと先

に進まないよ」

宏一が更に愛撫を強くしながらめぐみにささやく。

「どうすれば・・・、は、三谷さん、どうすればいいんですか、

あん」

「どうして欲しいのか、ちゃんと言ってごらん、言えたらいっぱ

いして上げるから」

「優しくして・・」

「ほら、優しくしてるだろ」

「もっと、ちゃんと・・・して」

「ちゃんとってどうして欲しいの?」

「だからぁ、ああ、こんなにされるなんて、ううっ」

めぐみは我慢できなくなってきたのを、身体を悶えさせて動かす

ことで何とか耐えようとした。しかし、宏一の愛撫は的確にめぐ

みを追い込んでいく。

「いやぁ、早くぅ、アアッ、もうッ、アアッ、これ以上は、許し

て」

体を弓のように反らせてめぐみが最後の抵抗を試みる。しかし、

宏一はゆっくりと布地に包まれた膨らみを両手の中にすっぽりと

納め、全体に細かい愛撫を与えて最後の一線を崩しにかかる。

「言いなさい、ちゃんと言わないとこれまでと同じだよ。自分で

して欲しいことを言いなさい」

「ああん、ほなこつ、言わんと、ああっ、優しく揉んで欲しか、

脱がしてくれんと・・」

宏一はめぐみの口調の変化に驚いたが、素早くめぐみの背中に手

を回してブラジャーを外す。薄暗い光の中で小麦色の膨らみの先

端がかろうじて分かる。ふっくらと盛り上がった膨らみを両手で

包み、ゆっくりと揉み上げる。膨らみは思った以上にボリューム

があったが、餅のような弾力があって手にしっとりと吸い付くよ

うだ。

「ああーっ、よか、くうっ、よかよぅ」

めぐみは待ちに待った感覚に激しく両足を擦り合わせながら仰け

反る。宏一はそのままめぐみの乳首を口に含み、舌でゆっくりと

転がして更にめぐみの声を絞り取った。

「よか、そげんことすっと、ああっ、こらえきれん、あうーっ」

宏一はゆったりと乳房を揉みながら、

「さあ、もっとおねだりしてごらん、ここだけでいいの?」

と更に恥ずかしい言葉を要求する。

「下も、こっちも、はよう、せつなか、そっと、して」

めぐみは喘ぎながら宏一の手をスカートの中に導く。上半身裸の

女子高生の悶える姿を楽しみながら、宏一はスカートの中に手を

進め、ゆっくりと全体を布に包まれた秘丘を撫で上げるように愛

撫した。

「くぅーっ、そげんこと、たまらんと、もっと、焦らさんと、ん

んーっ」

めぐみは自分の腰が動くのを止められなかった。

「ほら、もう身体の方はこんなにその気になってきたよ。ちゃん

と言ってごらん。言えるまでこのままだよ」

「はあッ、そんな、おかしかけん、アアン、もう、はよして」

宏一は、おかしか、と言うのが恥ずかしいという意味であること

に気が付くまで少しかかったが、充分に身体に火がついていると

見て更に愛撫を微妙なものに変えた。めぐみは堪ったものでは

なかった。

「あうーっ、はよして、三谷さんの好きにしてよかけん、脱がし

て欲しか」

宏一は待っていた言葉を聞くと、めぐみをゆっくりと脱がしていっ

た。めぐみは息を整えながら、宏一に全て任せきっていた。



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