ウォーター

第六部

 

しかし、ここではこれ以上するのは危険だ。洋恵を程々のところ

で満足させると、

「さぁ、ドライブに行こうか」

と服を整えさせた。洋恵は張りだした乳房を少し気にしていたが、

サマーセーターを上にはおると

「先生がドライブに連れていってくれるって。行ってきてもいい

でしょ」

と母親に言いに行く。

 玄関先で恐縮する母親に、

「二十分ほどお借りします」

と言って洋恵を車に乗せる。

「わぁ、スポーツカーなんだ。かっこいい!」

と喜ぶ洋恵を乗せて、三件茶屋から3号線に入り、環状線を目指

す。

「きゃー、夜の街って素敵、大人の街って感じね」

とキョロキョロしっぱなしだ。

「そうかい、気分いいだろ、この左が渋谷駅だよ」

と渋谷を抜けると、少しスピードを上げて先行車を追い抜き始め

る。目を丸くしている洋恵を乗せて環状線の内回りに入り、アー

クヒルズを通り抜け、ライトアップしている東京タワーを見せて

やる。もはやウットリとしている洋恵に、

「おもしろい?」

と聞くと、

「先生、ありがとう。とっても素敵」

と殊勝なことを言う。江戸橋は込むので八重洲線で抜けることに

する。一気に二階の高さから地下二回まで下って地下を通り抜け、

竹橋に抜けてしまうと洋恵のスカートに手を伸ばした。

「だめっ、車の中なんてだめ、先生、事故起こしちゃうから。絶

対だめ」

どうやらとりつく島もないようだ。仕方なく手を引っ込めると、

洋恵を自宅まで送っていった。

 

 洋恵とドライブしたせいで、明子との待ち合わせには時間的に

厳しくなってきた。急いで渋谷駅に向かう。洋恵の家から渋谷駅

までは、夜ならば20分程度だが、週末の渋谷駅の近くに駐車する

ところを見つけるのはかなり大変だ。

 

 いろいろ探したあげくに、明治通りから少し入った路地に止め

ることにした。駅までは少し歩くが、出かけようとするときに駐

車違反のステッカーなど見たくない。歩いて駅に着いた時間は約

束の五分前だった。

 ハチ公前に着くと、もう、明子は来ているかと周りを見渡した

が来ていないようだ。仕方なく少し離れたところに立って待つこ

とにした。会社にいたときからこの時間のために急いでいたので、

何もすることがなく、ぽつんと立っていると、急に空腹感に襲わ

れた。 今日は車を手に入れるために夕食をとっている時間がな

かったことに気がついた。途中で何か食べていくか、そんなこと

を考えていると、改札方向から明子が近づいてくるのが見えた。

 

明子が見つけやすいように、そっとハチ公の方に近づいて行くと、

明子が嬉しそうに小走りで宏一の方に来た。

「お久しぶり、仕事、忙しかったの?」

そう聞くと、

「お客様を送ったのが八時、会社に寄って集計が終わってから出

たのが九時半、大急ぎでギリギリ間に合うと思ったんだけど、少

し遅れちゃったわね、ごめんなさい」

そう言う明子はピンクのビジネススーツに小型のトラベルバック

を持ち、いかにも添乗員風だ。明子の身長は1m56pなので、小

柄な感じがする。ショートカットだがセミロングに近い髪で、メ

リハリのついた均整のとれた体をしている。

 

 「さあ、出かけましょう。楽しみにしてたんだから」

そう言うと勝手に車とは反対方向に歩き出す。宏一は、あわてて

車の方向に向きを変えさせると、

「車がいいならこんな所で待ち合わせなくても、もっと便利なと

ころがあったね」

と話し始めた。

「そんなことはないわ、ここは高速だって近いし、電車の便もい

いんだから、待ち合わせには最高よ」

「まあ、便利には違いないけど、車を駐車するには不便なところ

だな」

「ごめんなさい、苦労かけたかしら、前から一度男の人とハチ公

前で待ち合わせしてみたかったんだ」

「何だ、そんなことでハチ公前にしたのか、一種のブランド志向

だな。俺はだしに使われたわけだ」

「そんなこと言わないの。こんな事聞いてくれるのも三谷君ぐら

いなものよ。さ、出かけましょ」

そう言うと、再び宏一の前を歩きだした。宏一がやれやれ、と言っ

た感じで後を追う。

 

 二人が車の止めてある場所に着き、宏一がロックを解除すると、

明子は

「へぇ、しゃれた車を持ってるのね、今まで乗せてくれなかった

くせに」

「これは、借り物さ、俺がこんなもの持ってる分けないだろ、

さぁ、出かけよう」

そう言って車を発進させた。宏一は手慣れた感じで首都高に入る

と、渋谷から3号線を用賀に抜け、東名に入りスピードを上げた。

「ところで、今日はどこに連れていってくれるの?」

明子が面白そうに少し笑いながら尋ねた。

「それはこれから決めるのさ。何時までに帰ればいいか聞いてか

ら、どこまで行けるか決めるよ」

「この前言ったでしょ、今日中に帰る必要はないわ。ついでに言

うと、あさっての夕方まで休みよ。さて、どこまで連れていって

くれるの?」

どうだ、と言わんばかりに宏一をのぞき込んでにっこり微笑む。

 

「あさっての夕方までは30時間以上あるから、福岡だって行ける

けど、それじゃあいくら何でも大変だろ。それともギリギリ行け

るところまで行ってみる?」

「このところ西の方は良く行っているから、一日車で走って昨日

と同じ景色を見るなんてごめんだわ。そこまで遠くに行かなくて

も・・・。そうね、名古屋なんてどうかしら?名古屋って観光で

行くところじゃないからほとんど行ったことがないの。東京から

だと京都、奈良より西が多いから。名古屋ってどれくらいかかる

の?」

「そうだね、休憩無しで夜なら四時間ぐらいだけど・・・、でも、

俺、夕食まだなんだ。腹減って死にそうだよ。どこかSA寄って

行こうよ」

「実は私もまだなのよ。今、言われて気がついたわ。私もおなか

ペコペコ、早く食事しましょう」

「突然言うなよ、もっと早く行ってくれれば良かったのに。さっ

き海老名SAをすぎたから、次は足柄SAまでないよ。個人的に

は夜なら次の富士川SAまで行った方がいいと思うけどね。夜中

でもカフェテリアとレストランの二カ所が開いてるから」

「分かったわ、じゃ、富士川SAまで我慢する。そのかわり、途

中で飲み物ぐらいいいでしょ」

 

「もちろん、じゃあ、あと一時間ぐらい我慢してね」

「久しぶりにあったのに、話題が食べ物のことばっかりなんてお

かしいね」

明子はそう言うとけらけら笑った。宏一は、今までの関係なら、

通り一遍のつき合いで、こんな親密な関係ではなかったのに、ど

うして急に親しげに話ができるのか不思議な気がしていた。

「ちょっと、心境の変化が起こったのよ」

宏一の顔色を察したのか、明子はそう言った。

「少しだけ甘えさせて。気持ちを切り替えたいの」

それだけ言うと、

「少しイスを倒させて」

と横になってしまう。宏一はもっと聞きたい気がしたが、明子に

泣かれても困るので今回は何も聞かずに恋人になることにした。

ちらりと横になっている明子を見ると、胸の膨らみが思っていた

以上であることに気がついた。

 

「しばらく横になってていいよ」

そう言いかけたとき、すでに明子は眠っていることに気がついた。

さすが添乗員、と感心したが、そっと

「明子さん、今回は楽しいことがいっぱいあるといいね」

とつぶやくと、明子は少し体を動かした。

 途中、PAで飲み物を買い、明子の分はドリンクホルダーに残

して、口を潤しながら一気に焼津まで走った頃、明子が目を覚ま

した。

「どこ?」

「もうすぐ富士川に着くよ。お茶を買ってあるから飲んで」

「ありがとう」

「ちゃんと眠れた?」

「結構よく寝たわ」

「じゃあ、食事にしよう」

「何か、欲しいものがすぐに出てくる魔法みたいね」

「ドラエモンと呼んで下さい」

「ははは、ほんとにそうね、ドライブ、飲み物、食事、次は何か

しら」

そんなことを話しているうちに富士川SAに到着した。二人とも、

デートとは思えないくらいよく食べた。食事中は食べるのに夢中

であまり話をしなかったが、食事を終えて車に戻ると、

 「今日は結構ハードだったわ」

と明子が話し始めた。

 

「もう昨日になったのね、朝は大分のホテルを出て、船で四国に

渡ってから松山で昼食、特急とバスで金比羅に行ってから高松空

港で夕食を食べて羽田でしょ、一日ずっと動いていたのよ」

「それからまたドライブじゃ体が持たないんじゃないの」

「そんなことないわ、ここに座っていれば私を大切にしてくれる

人が飲み物や食事を世話してくれるんだもの。いつまでだって座っ

ていたい気分よ」

「おやおや、感謝されてるのかな。じゃあ、もう少しがんばって

運転しますか」

「私はさっき少し寝たからそれほど眠くないけど、三谷君は疲れ

たでしょ。どこかで休憩しましょう」

そこで、待ってましたとばかりに、少しおどけた調子で

「それならどこかのインターの横のホテルにでも入りますか?」

と言うと、意外にまじめな様子で、

「三谷君がそうしたいのならそれでもいいけど・・・・」

と考え込んでしまった。笑い飛ばされるものと思っていた宏一は、

少し意外だったが、明子は気持ちを切り替えると、

「信用してるもん」

と明るく言った。

 

「人の弱みにつけ込んで、そんなこと言われたら何にもできない

だろう」

宏一が残念そうに言うと、ニコニコして、

「そこが三谷君の良いところよ。安心してるわ」

と明子は楽しそうだ。

「それはそうと、どこかで休憩しましょ。ほんとに疲れてるはず

よ。適当なところに車を止めて」

と今度は少し真剣に言う。

「分かった。浜名湖まで行ったら休憩しよう。あそこまで行けば

名古屋はすぐだから、もし寝過ごしても大丈夫さ。浜名湖の夜明

けを見せてあげるよ。湖の湖面に太陽が映って、とってもきれい

だよ」

「わぁ、そんな景色見たことないわ。そこにしましょう。やっぱ

り三谷君はドラエモンだわ。楽しみ」明子は行き先が決まって安

心したのか、早々と寝てしまった。

 

 そこから浜名湖SAまではかなり大変だった。宏一も朝から仕

事のペースをあげていたので疲れていたのだ。途中、居眠りをし

そうになりながらも、SAに着いたのは午前二時過ぎだった。

 仮眠しやすいように直接照明の当たらないパーキングの端の方

に止めると、一度外に出て気分転換をしてからトイレを済ませた。

車に戻ると明子はまだ寝ていた。助手席で寝ている明子を改めて

じっくり眺める。

 

小柄な体だが、胸の膨らみは大きめで、ウエストはかなり細い。

腰からヒップにかけては張り出しているが、ウエストが細いため

で、足は決して太くない。無防備に寝ている明子を眺めていると、

欲望が湧き出してきた。明子の上に被さるように体を動かし、そっ

と胸に顔を近づけ、小さく上下している胸を間近で見てから、軽

く口を開けて寝ている明子の顔に唇を近づける。

 

もう一センチでキスできるところで、じっと我慢した。明子が無

理に明るく振る舞っていることは分かっていた。きっと恋人に振

られたか、仕事で疲れきっているか、何にせよ元気になりたいの

だ。そんなけなげにがんばっている明子をがっかりさせたくなかっ

た。自分を一時にせよ選んでくれたのだから。

 宏一が唇を離そうとしたとき、明子が腕を伸ばして宏一を抱き

寄せ、唇が重なった。そのまま無言でキスを続けた。唇を離して

不思議そうに明子を見ると、

「三谷君、優しくして、そっと、こわれないようにね」

そう明子が言うと再び宏一を抱き寄せた。唇で愛情を確認したあ

と、そのままうなじから胸元に下がって行く。

 

「あっ、ああっ」

明子は全く抵抗しようとしない。宏一の指がスーツをはだけ、ブ

ラウスのボタンを外し始めると

「待って、ここじゃだめ」

と言ったが体は拒否を忘れたようにじっとされるがままになって

いる。

ブラウスのボタンを四つ外すと胸の谷間に向けて唇が這っていく。

「あーっ、ああーん、あーっ」

明子の声はかわいい笛のようだ。唇が胸からブラジャーの周りに

移っても、

「あーっ、あっ、はあーっ」

と感じ続けている。明子の意志を確かめた宏一は、ショルダース

トラップを肩から外すとカップを下に押し下げて乳首を確かめた。

カップの中からは胸の膨らみの割には淡い色のかわいらしい乳首

が現れた。乳首だけから見ると洋恵の乳首よりまだ幼く、まるで

小学生のようだ。そっと口に含むと

「あーっ、はあーっ、ああーん、はぁーっ」

と何度も体をのけぞらせる。

 首から顎にかけて一直線に見えるほど大きくのけぞっている。

「明子さん、かわいいよ。乱暴だと思ったらちゃんと言ってね、

もっとそっとするから」

宏一が耳元でささやくと、

「はぁーっ、あーっ、いいの、いいのよ、そのまま、あーっ」

と宏一が与える喜びに浸っている。いいの、が感じると言うこと

なのか、気にするなと言うことなのかわからなかったが、宏一は

しばらく明子の胸を楽しむことにした。ブラウスのボタンを全て

外してしまうと、

「アアン、はずかしい」

と言ったが、宏一が唇と右手で乳房をかわいがり始めると

「あーっ、あーっ、そんなー、はあーっ」

とされるがままである。思い切ってブラウスの中の背中に手を回

し、バックストラップを外してカップを上にずり上げると真っ白

な三角形の乳房が現れた。先ほどは全体が分からなかったが、き

れいな円錐形の膨らみの上にピンク色のほんの小さな頂が乗って

いる。血管が透けて見えるほど色白の小柄な身体は高校生で十分

通じる初々しさがある。右の乳房から愛してやることにして、そっ

と裾野を回るようにして唇でなぞりながら頂上を目指して行く。

さすがに洋恵や由美のような堅さはなく、全体にふっくらとした

印象だ。頂上の手前で一呼吸置くと、一気に吸い込むように含ん

でみる。

 

「はぅーっ、素敵、三谷君、あーっ、いいわ、優しくして、あー

ん、ああーっ」

と声を長く引きながら足を擦りあわせる。左の乳房を右手で包み、

ゆっくりと揉み始めると

「あーっ、あーっ、あーっ」

と言葉にならないのか、体を頭で持ち上げるくらい大きく反り返

る。ふっくらとした感度の良い乳房を十分に楽しんでから、宏一

はスカートの中に右手を入れていく。

「ああん、だめぇ、恥ずかしい」

初めて抵抗らしい言葉を口にして、スカートの裾を押さえようと

するが、少し強引に手を入れるとストッキングの上から秘部全体

を撫で始める。指が秘核の付近を通るたびに

「あーっ、だめーっ、はあーっ、ああーっ、はーっ」

と声を上げ、両足で宏一の右腕を挟み込む。明子は声を上げるた

びに膝で強く手を挟み込むので宏一の手の自由が利かないが、こ

れが明子の感じ方なのだと言うことが少しずつ分かってきた。自

由の利く指で明子の秘核のあたりを触っていると、明らかに膨ら

んでいる部分が見つかった。指で摘んでやると、

「はーっ、あーん、いいーっ」

と一段と激しく感じる。あとでじっくりと見てみよう、そう思い

ながら、明子の体が満足するまで可愛がることにし、反応が鈍く

なるまで愛撫を続けることにした。

 

 しかし、明子の体は感度が鈍くなるどころか、だんだん鋭くなっ

てくる。パンストを脱がせ、ショーツに手をかければさらに深く

愛することも可能だが、それをすると無防備な秘部をさらすこと

になってしまう。まだ夜だが、夜明けは近い。通りがかりの通行

人に明子の秘部を見せるつもりはなかった。そっと手の力を抜く

と唇を乳房から離し、

「あとは、ホテルに入ってからしてあげる。もう少し我慢してね」

そう言って、明子のスーツを脱がせ、上から掛けてやる。しばら

く息を弾ませていた明子は、

「恥ずかしいわ、三谷君にこんなこと見られちゃって、私ってエッ

チだと思ったでしょ」

と顔を半分スーツで隠して言う。

「そんなことないよ。とってもかわいかったよ。僕のことこそ、

急にこんな事して嫌われるかと思ったよ」

「ううん、三谷君ってほんとにドラエモンなんだから。全部分かっ

ちゃうのね、私のこと」

「こら、そんな事言うと、また始めたくなるだろ」

そう言うと再び明子の体に手を伸ばす。

「いいのよ、好きにして」

明子は目をつぶって再び感じ始める。宏一が、

「ねぇ、最初にキスしたとき、いつから目を覚ましてたの?」

と最初、明子の体をじっと眺めていたのがばれたのかな、と思っ

て聞くと、

「車が止まったときからずっとよ」

と目をつぶったまま答えた。

 

 ほんの少しウトウトして、気が付くと、丁度日の出直前だった。

明子を起こし、身支度を整えて車の外に出る。パーキングを横切

り、湖畔のベンチに座って太陽の出そうな明るい方角を見ている

と、少しずつ湖面の色がシルバーからグリーンへと変わっていく。

明子と宏一はじっと肩を寄せ合って無言で眺めている。

やがて、湖面がオレンジに輝くと遠くの橋の向こうから太陽が現

れ、一気に周りが赤みを帯びはじめた。

明子が、

「ありがとう」

と言うと、二人はそっと唇を合わせた。

 

車に戻り、再び西に向けて走り出すと、左手を明子の膝の上に

置いてストッキングに包まれた足を撫で始めた。

「走っているときはだめよ、事故起こすわよ」

明子は、少し困ったように言った。

「じゃあ、車をどこかに止めよう。それならいいだろ?」

「PAなんかに止めるの?」

「ちゃんとベッドのあるところにするさ。そろそろ思いっきり体を

伸ばしたくなったんじゃない?」

あっさりとホテルに誘う宏一の言い方に、明子は勘違いをしたよ

うだ。

「バカ、恥ずかしいじゃない。そんなことは言っちゃだめよ」

宏一は一瞬とまどったが、それならば、と

「一宮インターまで行けば、ベッド付きの部屋がたくさんあるから、

その中のどれかに入ろう。小一時間くらいだよ」

明子はあっさりと、

「分かったわ。三谷君に任せる」

と承諾した。名古屋インターを抜け、小牧ジャンクションを過ぎ

るあたりから、宏一の左手はスカートの中に入っていった。両足

の付け根の膨らみに手が当たるたびに、明子は目をつぶって声を

こらえているようだ。

 

「少しイスを倒した方がいいよ」

そう言うと、おとなしく言われたとおりにする。左手しか使えな

いので、細かいことはできないが、両足を少し開かせるとだいぶ

自由に触れるようになった。次第に感じてきたのか、息を弾ませ

始める。

「はあっ、はあっ、だめよ、我慢できなくなっちゃう、三谷君、で

も上手よ、はっ、ねぇ、もう少し我慢して」

そう言うが、やめさせようとはしない。先ほどのSAで体に火は

付いているのだ。今、再び明子の体の中の火が大きく燃え上がろ

うとしていた。

「ストッキングを脱いだ方がいいよ」

「アアン、私がこんな事するなんて」

と言いながら、明子はあっさりと自分からストッキングを脱いで

しまう。

「後は部屋に着くまで優しく感じさせてあげる」

そう言いながら左手は巧みに動き続け、明子の体に刺激を与え続

ける。宏一の指の動きに明子の足が少しずつ開いてゆき、自然に

迎え入れる格好になっていく。目をつぶってあえいでいる様子を

横目で見ながら、

「もう少しだからね」

と明子に言い続ける。先ほどは明子が、我慢して、と言っていた

が、今は明子が我慢しているようだ。

 もう少しで、インターチェンジに到着する頃、追い越し車線を

走る宏一の車が大型トラックを追い抜いた。トラックの運転手が

宏一の車の方を何気なく見て目をむいて驚いている。助手席で若

い女が足を大きく開いて男に触らせているのだから当然である。

明子の方からはトラックの運転席は宏一の車の屋根に隠れて見え

ないが、運転手からは明子の下半身が丸見えである。猛然と追い

かけてくるトラックを一別すると、宏一は車線を巧みに変更し、

トラックとの間を空け、インターの出口レーンに入った。

 

 「さあ、一宮に着いたよ」

と何気ない口調で明子に声をかける。明子が目を開けると、

「わぁ、すごいわね。ホテルだらけ」

と驚いた。

 一宮インターの周りには大型の派手なラブホテルが十軒以上並

んでいる。

「どこか希望はある?」

と聞くと、

「どこでもいいわ、任せる」

と火照った体を起こしながら

「すごいところね」

と周りの景色にまだ驚いている。未来感覚の一軒のホテルに入る

と、空いている部屋の中で比較的ゆったりとしているものを選び

部屋に入った。抱きしめようとすると、

「ちょっと待って、お願い、シャワーだけでも浴びさせて、すぐ

に出てくるから。こんな汗くさい体じゃ、いや」

と明子はバスルームに入った。

 

 たばこを一本吹かしていると、宏一もかなり汗をかいているこ

とに気がついた。よし、俺も入ろうと服を脱いでいると、明子は

早くもバスタオル一枚で出てきた。

 「ベッドで待ってる」

そう言うとベッドサイドの化粧台で髪を整え始める。今更ベッド

に戻るのも間が抜けているので、軽くシャワーを浴びてから出て

くると、すでに明子はベッドの中に入っていた。

そのまま明子の横に滑り込み、

「疲れたかな、優しくしてあげるから、好きなだけ感じてごらん」

と言ってキスを始めた。首筋から肩口に降りて行くだけで、明子

は、

「あーっ、アアン、こんなに疲れてるのに、恥ずかしい、はあん」

と感じ始める。宏一はバスタオルに包まれた明子の体をよく見よ

うと、布団を取り去り、自分のバスタオルを外すと明子に覆い被

さるように上から愛撫を始めた。バスタオルは愛撫には不向きで

ある。厚い生地が刺激を吸収してしまうからだ。しかし、明子の

体は正直に反応を始めた。

 

「アアン、上から見ないで、恥ずかしい、あっ、あーっ」

明子がその気になってきたところでバスタオルを外す。小柄だが

十分に成熟した体が現れた。特に真っ白な肌が目を吸い付ける。

そっと胸の前で交差している手をどけると、

「はっ、見ないで、三谷君、そんなに見ないで」

と小さな声で抗議する。

「とってもきれいだよ。さあ、目をつぶってごらん」

そう言うと、乳房の周りから愛撫を再開した。明子の反応は激し

かった。唇で裾野をゆっくりとなぞりながら回っているだけで、

体を左右に動かして自分から快楽を作り出そうとする。

 明子の動きが宏一の動きをぎこちないものにするので、思い切っ

て両手で明子の腕を押さえ、わざとゆっくりと唇を這わせる。

「ああっ、あーっ、ああーっ、三谷君、あーっ」

笛のような高い声で明子が感じている。やっと唇が頂上に到達す

ると舌で軽く乳首を弾く。そして、ゆっくりと口に含み、口の中

で転がしてやる。明子は頭で体を持ち上げるほど大きくのけぞり、

「あーっ、あーっ」

と声を上げ続ける。柔らかいがしっとりとした弾力のある乳房を

左手でゆっくりと揉みながら、右手を腰から茂みに移していくと、

「ああん、そこもするの、どうなるかわからない。はあっ、そっ

とね、そっとしてね」

と言いながら、足を摺り合わせるような仕草をする。指が茂みの

中に入り、奥の泉に到達すると、先ほどのように両膝で宏一の右

手を挟み、強く締め付けてくる。今度は比較的自由に指が使える

ので、十分に喜ばせてやれると思い、指の腹を使って秘核の周り

を撫で回したり、秘口の入り口を刺激して明子の反応を探った。

 

 すると、秘口よりは秘核の方に強い反応を見せた。さらに探って

いくと、明子の秘核は大きめで、ここをそっと摘むようにすると

「ああーーっ、あーっ、あーっ」

と一番激しく反応することがわかった。どうやら、一人上手の経

験が豊富なようだ。旅が多いせいかもしれない。少し刺激的な方

がいいだろうと思い、明子を起こして四つん這いの姿勢をとらせ

た。

「そんな、こんな格好でするなんて」

と少しためらっていたが、右手を尻から入れて秘核を愛したり人

差し指を差し込んだりを交互に繰り返し、左手で乳房を撫で回し、

舌で背中を舐め回すと、体をふるわせて

「はぁーっ、だめーっ、あーっ、すごいーっ」

と声を絞り出すようにして喜ぶ。さらに、人差し指が中に入ると、

「はうーっ、いいっ、いいのっ」

と腰を突きだそうとする。明子の中は、しっとりとしているが、

あまり広くはないようだ。どちらかと言うと指をゆっくりと掴ん

でくる感じだ。指の動きが緩やかなので、待ちきれなくて腰を動

かして指を迎え入れようとする。今の宏一は明子をあまりじらす

つもりはなかった。

何かを忘れたくて宏一に体を許しているのだ。思いっきり感じさ

せてやろうと思っていた。しかし、明子には宏一の愛し方はゆっ

くりとじらしているように思えたらしい。

トップ アイコン
トップ


ウォーター