ウォーター

第六十六部

 


 宏一の腕の中で史恵は目を覚ました。史恵の身体が動き始めたの

で宏一も目を覚ます。

「起きたの?」

「うん、お早う」

二人は優しいキスを交わした。このまま再び史恵を求めれば、きっ

とゆっくりなら受け入れてもらえると思った。肉棒は少しずつ固

くなってきている。しかし、昨夜夕食後に史恵が散歩したいと言っ

たことを思い出し、

「史恵ちゃん、散歩したいって言ってたよね。今ならまだ空いて

ると思うよ。出てみる?」

「宏一さん、いいの?私はどっちでもいいのよ」

「史恵ちゃんの気持ちを大切にしたいんだ。いいだろ?」

「ありがとう。すぐに支度するわね」

そう言うと史恵は起きあがり、

「あとでシャワーを浴びるからこのままでいいでしょ?」

と手早く下着を着け始める。宏一も簡単に支度を整えた。Tシャ

ツにミニスカートというラフな格好の史恵の支度が終わると、二

人は外に出てみた。さすがに夏だけあって6時過ぎでもかなり蒸

し暑い。

しかし、昨日の夜はあれだけ混んでいた遊歩道もこの時間ではほ

とんど人影はなかった。二人は超しに手を回しあって、ゆっくり

と歩いていく。

施設から少し離れると、小さな山の方に向かって遊歩道が延びて

いた。朝日とは言え、夏の日差しなので木陰に入ると涼しさを感

じる。

「気持ちいいね」

「うん、でも少し暑いわね?」

「木陰なら涼しくていいね」

「そうね、ちょうどいい感じ。風も優しいし」

そんな話をしながら10分近く歩くと、小さな展望台にでた。小

鳥の声が時折聞こえ、向こうに綺麗な海が広がっている。

「九州の海ってとっても情熱的な感じがするんだ」

「情熱的?」

「うん、何て言うかな、静かなのにとても複雑で、いろんなもの

がいっぱい入ってて」

「宏一さんにはそう見えるんだ」

「史恵ちゃんには?」

「私には海は海、どこも一緒」

宏一が史恵を抱き寄せると、嫌がらずに史恵から唇を合わせてき

た。宏一はすぐに史恵が離れるものと思っていたが、意外に史恵

は熱心に唇を求めてくる。宏一がTシャツの上から身体を探り始

めても全然嫌がらなかった。それどころか、だんだん史恵の身体

は感じ始める。

「ああん、あっ、宏一さん、はう、誰か来たら・・・あん、誰か

来たら・・・」

「大丈夫だよ、誰か来ればあそこのところで分かるから。誰も来

てないよ」

「はあぁ、こんなところでするなんて・・・ああんっ」

史恵は宏一に抱かれるのが嬉しくて堪らなかった。身体は既に十

分準備ができている。宏一がTシャツの中に手を入れてくると、

「だめぇ、それはだめ、ああぁ、脱ぐのはだめ、パンツだけにし

て」

そう喘ぎながら宏一の手をスカートの方に導く。宏一はまさかこ

こでできるとは思ってもいなかったので、大胆な史恵の申し出に

驚いたが、とても嬉しかった。史恵の身体を海の方に向け、尻の

方からスカートを腰の辺りまでずり降ろす。

「いやぁ、ちゃんとぬがせて、こんなのいや」

史恵は足を巧く動かせない中途半端な格好の方が嫌だった。全部

脱げばスカートの中など分からない。宏一がパンツを脱がし、ポ

ケットに小さな布を入れると、史恵は少し足を開いて手すりをしっ

かり握った。宏一はスラックス膝の上まで降ろして朝の現象でカ

チカチになった肉棒をあてがう。

「あっ」

史恵はそれを感じて小さな声を出した。史恵の中は既に十分に潤っ

ている。初体験の時は、後ろから入れるのは少ししんどかったが、

今は後ろからの方が無理がない。4年の歳月が史恵の身体を確実

に変えていることがよく分かった。ゆっくりと入っていく。

「あ・・・ああっ、宏一さん・・・・誰もいない?大丈夫?」

史恵はぐっと歯を食いしばって快感に耐えている。

「大丈夫、誰もいないよ」

「固いの、とっても、ああん、串刺しにされたみたい」

宏一が入れるところまで入り、じっと肉壁がゆっくり動くのを感

じていると、

「ああっ、早く、お願い、して・・・お願い・・・声が・・・あ

あっ、でちゃう」

「いいの?動くともっと声が出るんじゃないの?」

「ああっ、いいの、ああぁ、この方がいい、ああん、凄い、こん

なことするなんてぇ、か、硬いの、凄く」

史恵はじっとこらえながらもかなり激しく感じているようで、時

折こらえようがない、と言う感じで声を絞り出した。その仕草が

とても可愛らしく、そして嫌らしく、史恵のこんな姿を見られて、

展望台で史恵を貫いているという充実感が最高に気持ちよかった。

史恵はじっとしているだけで精一杯で、宏一が堪らずTシャツの

中を探り、フロントホックに手を掛けても何も言わなかった。

「宏一さんっ、ああっ、それまでされると、ああっ、そっとして

ね、そっとよ」

パチッと音がしてホックで繋がった布地が二つに分かれると、可

愛らしい膨らみが宏一の手に包まれ、一気に揉み上げられる。

「ああーっ、くうぅーっ、いいっ、最高っ」

固く膨らんだ史恵の乳房は、とても揉み心地が良かった。小さな

声を上げ続ける史恵の腰に肉棒を送り込みながら、宏一は最後が

近づいてきたことを悟る。昨日の朝から出していないので、十分

な量が溜まっているのだ。

「ふ、史恵ちゃん、ごめん、出してもいい?もうすぐ終わるから」

「ああっ、終わっちゃうの?宏一さん、私の中で終わっちゃう

の?」

「うん、最高なんだ。史恵ちゃんとこんなことができるなんて、

嬉しくて」

「ああん、私はまだ・・・ああん、いいわ、中にしても」

史恵は快感ではっきりと自分が口にしたことを覚えていなかった。

宏一は更に激しく乳房を揉み、腰を打ち付ける。宏一の肉棒が最

後を告げるかのようにグッと先端のえらを張り出し、史恵の肉壁

を更に大きくひっかいた。

「ああっ、すごいーっ」

ようやく史恵にも頂上が少しだけ見えてきた。しかし、周りが気

になるので夢中にはなれない。

「史恵ちゃん、ああっ、気持いっ、最高だよ。ごめん、出すよ、

ああっ、くっ」

宏一は激しく腰を打ち付け、暖かい史恵の中に白濁した液を放出

した。

「くうん、はうぅ、はあっ、ああっ、あ、あ、あ、ああ」

史恵は小さな頂を越えたことを知った。二人はそのまましばらく

繋がったまま、暑い息を弾ませていた。気が付くとTシャツを捲

り上げられた史恵もじっとりと汗ばんでいる。

やがて宏一が肉棒を抜くと、

「はんっ」

と史恵が声を上げたが、それよりも、

「宏一さん、私のパンツ」

と言ってそれを受け取ると、

「ちょっと向こうを向いてて」

と宏一を視界から遠ざけた。

「ちょっと待ってて・・・・まだ中から・・・」

声の様子からしゃがんでいるらしい史恵がそう言ったので、宏一

には史恵が始末をしていると言うことが分かった。宏一には史恵

の肩越しに見えた佐伯湾から豊後水道の景色がしっかりと目に焼

き付いていた。

史恵は宏一にとって九州そのものだった。史恵は始末が終わると、

部屋に帰りたがったので、来た道をゆっくりと戻る。宏一の隣に

ピッタリくっついた史恵が、

「宏一さんたら、あんなところで求めてくるんだもの、びっくり

しちゃった」

そう言ったが、実はある程度予想はしていた。だから部屋を出る

時にストッキングをはかなかったし、パンツをすぐに脱げるよう

にスカートのウェストを少し高くしておいた。。しかし、史恵に

してもあそこまで大胆にされるとは思わなかった。

部屋に戻ると、史恵は、

「宏一さん、布団で待ってて」

と言うと、着替えを手にして浴室に飛び込んだ。ぬるいシャワー

を浴びて汗と宏一の液体を流し出す。宏一は、服を脱いで布団に

横になり、ゆっくりと一服しながら先ほどの史恵の声を思い出し

ていた。昨夜の激しい声も耳に残っていたが、朝の綺麗な景色と

史恵のこらえきれないと言った感じの抑えた声が強烈な対比と

なって心に焼き付いている。

やがて史恵がバスタオル一枚で出てくると、寝ている宏一の腕の

中に入ってきて、

「宏一さん、責任取って」

と言った。

「責任?」

「そう、責任。私の身体をこんなにしたでしょ?」

史恵は先ほど宏一が先に終わったことを言っているのだ。宏一が

放出した時、史恵はほんの小さな頂を越えたが、まだまだ寸前と

いう方が正しかった。だから宏一の後ろでしゃがんで始末をしな

がらも声が出そうで困ってしまった。部屋に帰ってくるまで、史

恵は宏一に抱いて貰うことばかり考えていたのだ。

「はやくして」

その声が終わらないうちに宏一がバスタオルを解いて、乳房に指

と舌を這わせはじめると、安心したように身体を開き、

「あん、もし妊娠したら責任取って結婚してね」

と甘い声で言う。

「いいよ。そうしたら結婚しよう。危険日なの?」

「どっちだったらいい?」

「正直、どっちでもいいよ」

「ずるい」

「でも本当だよ」

「分かったわ。安心できて嬉しい。宏一さんだものね」

史恵は、妊娠することはないだろうとは思ったが、宏一の子供だっ

たら生んでみたいなとふと思った。それは史恵の身体の中に新し

い充実感として、快感を生み出す手助けをしていた。

宏一は普段はシックスナインが好きなのだが、今日は史恵を仰向

けにして愛したかった。史恵も宏一を見上げながら愛されること

を望んでいたので、宏一は時間を掛けて史恵を愛した。固く膨ら

んだ乳房を何度もぎゅっと揉まれて声を上げる史恵を十分に楽し

んでから、下に下がって両足を大きく開き、ゆっくりと舐める体

勢を作る。

秘芯は良く洗ってあるようで、すっかり綺麗になっていた。

「あん、こんなに明るいのに・・・見ちゃいやぁ?」

「綺麗だよ。本当に。史恵ちゃん。我慢できないよ」

そう言うと宏一はそっと顔を埋めた。その時の史恵は宏一に舐め

られるのを自然に受け入れることができた。あれほど嫌だった行

為も、今はごく普通に思われるのだ。

宏一の舌が敏感なところを這い回ると、自分の中に幸せな快感が

あふれていく。このまま宏一にくっついて東京に行ってしまえた

らどんなに幸せだろうと思いながら、史恵は少しずつ声を上げ、

自然の求めるままに腰を動かしていた。やがて史恵に幸せの時間

が近づいてきた。

自分の中に宏一が顔を埋めている、と言う実感が快感を更に強く

する。

「こ、宏一さんっ、もうすぐ、ダメ、いっちゃうかも、ああん、

いやぁ、、まだ入れて無いのにぃ、朝からこんなことしてぇ、あ

あっ、いやあっ、やめちゃダメ、舐められるの好き、あとで入れ

てね、ちゃんと入れてね、もう我慢できない、もっと、もっとし

て、ああーっ、いいっ、いいのっ、もう、もうだめ、そのままし

てっ、いっちゃう、ううぅーっ、うっ、うっ」

史恵は肉棒を欲しがりながらも舐められるだけでいかされた。朝

の光のあふれる明るい光の中で両足を全開にして舐められたので、

まさかこんなに簡単にいってしまうとは本人も思っていなかった。

いつもなら何か気になることがあればある程度以上は良くならな

いのだ。

しかし、宏一に愛されているとそんなことはどうでも良くなって

しまう。事実、一度いってしまったのに身体はもっと宏一を欲し

がっており、宏一が優しくいったあとを丁寧に舐めてくれると再

び腰が上下に動き始めていた。

そのまま史恵は何度も丁寧に舐められながら腰を上下させていた

が、だんだん身体が疲れてだるくなってくるのが不安だった。

このままでは時間ばかり過ぎていく。

「宏一さん、入れて、ね、入れて、きりがないから、ちゃんと入

れて、欲しいの、宏一さん、早く中に入れて」

史恵は乳房を揉まれ、同時に宏一の舌が秘核の周りを動き回るの

を感じながら挿入をねだった。

しかし宏一はすぐには史恵を許さず、一回軽く頂上を越えるまで

丁寧に舐め上げ続けた。

「はうぅっ、ううっ、はあんっ、あっ」

史恵の身体がピクッとして切りが付いたところで宏一は肉棒を史

恵の口に与え、口の中で準備を整える。史恵は全く嫌がらずに肉

棒にしゃぶり付くと、丁寧に含んで頭を動かし始めた。史恵は仰

向けになっているのでまだ両足は全開のままだ。

肉棒が猛々しい固さを取り戻すと、宏一は史恵の下に移ってさら

に両足を大きくV字に開き、

「いやぁ、そんなにしないで、ああん、早く入れてぇ、はんっ、

そ、そこっ、そのまま入ってきて、あ、ああっ、お、おっきいっ」

と声を上げる史恵の中に肉棒を埋め込んでいった。今度は一気に

一番奥まで進む。

「ああーっ、深い、深いのっ、宏一さん、早く、早く女にして、

幸せにしてぇ」

史恵は自分から両足を大胆に開いて胸の近くまで引き寄せ、むき

出しになった秘唇を宏一に向かって突き上げ、一ミリでも多く肉

棒を飲み込もうとした。膝立ちになった宏一は悶えながら腰を突

き上げる史恵を見下ろしながら、

「まだいっちゃだめ、いいね、まだだよ」

といいながら深々と何度も肉棒を打ち込む。

「いやぁ、こんなにされたらいっちゃう、ね、いいでしょ、いっ

てもいいでしょ」

「ダメだよ、まだダメ、我慢しないと寸前で抜いちゃうからね」

「いやあーっ、絶対イヤ、最後までして、ああん、ダメ、ああっ」

史恵は何とか耐えようとして身体をねじって逃げようとした。宏

一はそのまま史恵の片足を持って身体の前を回し、スムーズにバッ

クの姿勢に映る。しかし四つん這いになって逃げようとする史恵

の腰はがっしりと掴まれ、肉棒を深く打ち込まれてはグリグリと

擦りつけられていた。

四つん這いで獣のように愛されている格好に興奮する。

「ああっ、だめっ、いいっ、良すぎるっ、はアン、ああん、こん

な格好で朝から感じてるぅ、ううぅ、ああん、犬みたい、わんわ

ん、ワンわんっ」

史恵は犬のように扱われている自分の格好を想像して興奮した。

「ああーっ、たすけてぇー、かんじすぎるのぅー、ああん、わん

わんっ、はうぅっ」

たっぷり感じて身体を支えていられなくなった史恵が上半身を布

団に沈めると、宏一はその身体を容赦なく仰向けにした。

史恵は声を上げながら宏一を驚いたような、恐れているような目

で見る。

「ほうら、これから本番だよ。いいね、ちゃんと我慢しなさい」

そう言うとぐぐっと肉棒を限界まで差し込み、コツコツと小刻み

に打ち込みながら肉棒の先端で子宮を擦った。史恵は両手を伸ば

して宏一を抱き寄せると、思い切って腰を突き上げた。

「ああーーっ、だめえーっ、いいっ、宏一さん、好きよ、大好き、

もう・・・ちゃうぅーっ」

「まだだめ、まだ」

そのまま宏一は肉棒を軽く引き抜く。

「あーっ、いやいやっ、もう・・・くぅーーっ、ううっ、うっ、

凄過ぎようっ」

しかし、抜くタイミングが遅かったと見えて、史恵は堪らず絶頂

したが、宏一はその身体に更に肉棒を打ち込み続けた。

「ああんっ、まだだめぇ、ああっ、また良くなる、良くなるのよ

う、ああっ、来た来たっ、凄いっ、太くて凄いーっ、中で暴れて

るぅっ」

先ほど展望台で放出したばかりの宏一は史恵を二回いかせてから

やっと放出した。

「ああーっ、早くいって、いって、出して、あうぅっ、お願い、

終わって、ああんっ、死んじゃうっ、中に出してぇっ」

あまりの快感に史恵は宏一に許しを請うた。そこに更に激しく宏

一が肉棒を打ち込み続ける。

「うぐぅ、うあ、あぁぁぁ、うぅっ」

史恵は声にならないうめき声を上げて耐え続けた。やがて宏一が

史恵の中に放出した時、史恵は感じすぎて呼吸ができず、本当に

死んでしまうと思っていた。宏一が史恵をしっかり抱きしめて奥

深くに精を放った時、史恵はこのまま死んでしまうと思ったくら

いだった。

何度か史恵の身体が痙攣して、大きな快感が身体の中で暴れ回っ

たあと、史恵はぐったりとして動かなくなった。両手を大きく開

き、足も全開にしたまま、ただ息だけを激しくしている。二人に

とって最高で最後の時間がゆっくりと流れていった。

宏一は史恵の身体を抱き寄せると、優しく身体を撫でながら何度

もキスをした。それを受けながらも史恵はゆっくりと疲れた身体

に休息を与え、短い眠りの中に入っていった。

しばらくして宏一がふと気が付き、見上げて時計を確認すると8

時過ぎになっている。どうやら宏一まで寝てしまったようだ。朝

食は9時までなので、あまり史恵をゆっくり寝かせておくわけに

も行かない。

「史恵ちゃん、起きて、ご飯の時間だよ」

そう言いながら優しくキスをすると、史恵は宏一の腕の中で目を

覚ました。

「うん、分かった。今起きる・・・」

半分寝ぼけたまま史恵はゆっくりと体を起こし、着替えの準備を

してシャワーを浴びに行った。身体がだるい。ゆっくりとシャワー

を浴びながら、このまま宏一とゆっくり一日布団に入っていられ

たらどんなに良いだろうと思った。疲れたら眠り、目を覚ました

らまた求め合う、そんなセックスはずいぶんしていない。史恵は

宏一に抱かれている時の安心感が好きだった。『食事の後、まだ

時間があるかな?』史恵はそう思い、手早くシャワーを終えると

身支度を整えた。

朝食は日本中どこでも同じと言った感じのものだった。それでも

史恵と一緒に食べる朝食はことのほか美味しく、二人の会話も弾

んでいた。

「宏一さん、船の時間は何時なの?」

「7時だと思ったけど」

「その時間まで一緒にいようかな?」

「いいの?鹿児島に帰り着くの、遅くなるよ」

「大丈夫、寝る時間までは十分に余裕、あるから」

「そうして貰えると嬉しいけど・・・大丈夫?」

「大丈夫って?」

「夜の道、それも後半は高速でしょ?」

「う〜ん、たぶん大丈夫。ゆっくり走るから」

「良かった。それならだいぶ一緒にいられるね」

「今日はどこを回る予定なの?」

「特に考えてないんだ。史恵ちゃん、何か良いところがあったら

教えてよ」

「そうねぇ、今はちょっと思いつかないけど、車に戻って本を見

れば思い出すと思うわ」

「うん、ゆっくり回れるようなところが良いね」

「それだけでいいの?」

「あ、・・・あのね、良かったら・・・また・・・」

「いいわ」

「いいの?」

「宏一さんと一緒にいられるんだもの。ずっとあの部屋で居たい

くらい」

「じゃあ、どこかホテルを見つけたら・・」

「入りましょう」

宏一は史恵も同じ気持ちで居てくれたことが嬉しかった。その時

テレビでは天気予報をやっていた。『大分県南部は夕方より時々

雨、宮崎県北部は雨でしょう。降水確率は・・・』それを二人と

も黙ってみていたが、

「史恵ちゃん、やっぱり夕方には日向を出た方が良いみたいだね。

雨の高速は厳しいから」

「そう・・・ね・・・ああん、残念。こんな時に」

「仕方ないよ。ずっと一緒だったんだから、最後の2.3時間は

我慢しなきゃ」

「だって、一緒に居たって言っても、途中は別行動だったし」

「ごめんよ。怒らせちゃったからね。本当にごめん」

「宏一さんが謝ることじゃないわ。悪いのは私」

「でも・・・」

「宏一さん、どこか簡単に見物したら、早めに部屋を取りましょ

う」

「うん、良いよ。そうしよう」

二人は食事を終えると、早々にチェックアウトした。そして昨日

とは逆のコースで佐伯港に戻り、そこで車に乗り換えると国道に

向けて走り出す。史恵はガイドブックを取り出すと、これから行

く場所を探し始めた。

「どこか良いところ、見つかった?」

「あんまりわかんない。でも、昨日通ってきた途中にマリーンパ

レスってあったでしょ?あそこに行ってみようかな、と思うんだ

けど・・・」

「そうだったっけ?覚えて無いなあ。どれくらい戻るの?」

「そうね、1時間半くらいだったかな?」

「往復で3時間か」

「そうね、ちょっと遠いわね」

現在の時間が十時前だから、見学に1時間かけると日向に着くの

が4時近くになってしまい、二人だけで過ごす時間が無くなって

しまう。

「史恵ちゃんがどうしても行きたいのならいいよ」

「ううん、やめる。それじゃ、小半森林公園と鍾乳洞にしましょ

う。それならここから1時間かからないから」

「分かった。そうしよう」

史恵が探し出したところは、小さな田舎の村がやっている鍾乳洞

と蕎麦打ちのできる森林公園だと言うことだった。あまり有名な

ところではないので、きっと空いているだろうと史恵は言う。

港を出発して山の方へと車を進め、国道を越えて更に山の方に入っ

ていくと、確かに大きな水車が見えてきた。それを目印に行くと、

目指す鍾乳洞にたどり着く。確かに史恵が予想した通り、あまり

人は来ていなかった。土曜日の午前中と言うこともあって、まだ

それほど混んではいない。入場券を買って中に入る。

狭い鍾乳洞を二人でゆっくりと進んでいく。最初、宏一は史恵の

腰に手を回し、並んで歩いていたのだが、鍾乳洞は狭くて入り組

んでいるので、とてもそんな格好では回れず、別々に歩くことに

なった。最初はもっと田舎っぽくて薄暗いものを想像していたが

、中は綺麗にライトアップされており、所々目を見張るような景

色に驚かせられる。

周りに人が少ないので、宏一はあちこちで史恵を抱き寄せ、濃厚

なキスをした。史恵も笑いながら応じる。時々は史恵の方から宏

一の首に手を回してキスをせがんできた。たっぷりと舌を絡め合

いながら身体を擦り付けていると、だんだん史恵の身体が反応し

やすくなってくる。

「宏一さん、これ以上したら我慢できなくなる」

史恵は熱い息の下から宏一に少し我慢するようにせがんだ。しか

し、宏一はしばらく願してから、前にもまして濃厚なキスをしな

がら史恵の身体中に手を這わせる。全然人が来ないので、史恵も

嫌がらずに宏一のしたいようにさせていた。

思ったよりはかなり長い鍾乳洞の出口に近いところまで来た時、

宏一は史恵を物陰に誘うと、最後のキスを始めた。舌を絡めなが

ら服の上から胸をまさぐり、ミニスカートの中にまで手を入れる。

そしてとうとう史恵を鍾乳洞の壁に押しつけ、腰を合わせて動か

し始めた。

「・・・うううっ・・・はあぁ・・・くっ・・・だめ・・・あ

あっ」

史恵は必死に声をこらえる。鍾乳洞の中にくぐもった吐息が流れ

ていった。史恵は秘部が潤ってきているのが分かっていた。しか

し、宏一に身体を任せていることが嫌ではなかった。それどころ

か、だんだん史恵の方が積極的に腰を擦り付け始める。しかし、

奥の方から話し声が近づいてきたので、二人は身体を離した。

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