ウォーター

第七十五部

 

しばらくそのまま宏一は友絵の隣に身体を横たえていたが、友絵

の息が落ち着いてきたようなので手を伸ばして抱き寄せる。する

と、友絵は待っていたかのように宏一の腕の中に入ってきた。ぐっ

たりとした友絵を抱き寄せ、余韻を楽しむように髪を撫でている

と、

「宏一さん、私が感じてるとこ、見てたでしょ」

と小さな声で言った。それは恥ずかしそうな、責めるような、微

妙な調子の声だった。

「うん、感動してたんだ。こんな姿を見られるなんて、本当に嬉

しかったよ」

「ウソ、こんなイヤらしい子だとは思わなかったって顔に書いて

あったわ」

「そっちこそウソだよ。あれだけ激しく感じててそんなこと見え

る分けないだろ」

「分かるのよ。女には」

「でもね、見とれるってことだってあるだろ?好きな女の子から

そんなこと言われると悲しくなるよ」

「優しいのね、宏一さんて。『感じないより良いよ』なんて言われ

たらこっちが悲しくなるところだわ。良かった。だから安心でき

るの」

友絵はそう言うと、宏一の胸に耳を当てて心臓の音を聞いた。

「この音を聞くと安心できるの」

そう言うと、しばらく黙っていた。

「あのね、良いこと教えてあげましょうか」

「なに?」

「明日会社に行けば分かるけど、私と宏一さんは二人で臨時の部

署になったのよ」

「あ、あのこと?」

「そう、部長に頼んでいたんでしょ?工事管理をするために、資

材の置き場と専用の人が欲しいって」

「そうなんだ。結構高価なものを大量に買ったから、しっかり管

理しておかないと面倒なことになるからね。工事業者の人もたく

さん出たり入ったりするし。と言っても3週間ほどだけど」

「その3週間の間、私が宏一さんと仕事をすることになったの」

「そうなんだ、てっきり営業三課の女の子か臨時の人とやること

になると思っていたのに」

「私じゃ、だめ?」

「まさか、もったいないってことだよ。細かくて面倒な仕事だけ

ど、特別な仕事じゃないから。まさか総務の女の子と一緒にやる

ことになるとは思わなかっただけ」

「何でもやるから総務って言うの」

「場所はどこだって言ったっけ?」

「第三応接」

「本当にあの部屋、使って良いの?」

「たぶん、ウチの部長のお礼のつもりでしょ。休暇中に仕事させ

た」

「あの部屋なら広いし、資材を置いても俺たちの机の他に小さな

会議テーブルを置けるから最高だよ。タバコも吸えるし」

「そんなによく吸ってないくせに」

「俺じゃないよ。工事に来る人たちのこと。休憩時間にはみんな

一服したがる人が多いから」

「そうなんだ私、その時間は外にいようかな?」

そんなことを話しながら、二人はゆっくりと身体を絡め合ってい

た。

「宏一さん、ここ、お昼までいられるのよ。明日の予定は?」

「うんと、確か1時から約束があると思ったけど」

「もう予約が入ってるの?帰ってきてすぐ捕まえたのに」

「ちょっと頼まれごとなんだ。ごめんね」

「ううん、月曜日になればまたすぐ会社で会えるし、急に誘った

のは私なんだから文句言えるわけないし」

「でも、嬉しかったよ。ほら、こうして友絵さんが腕の中にいる

んだから」

「私も。思い切って誘って良かった。こんな大胆なことしたの、

初めてなんだから。いつもはもっとおとなしいのよ」

急に誘ったことを友絵は少し気にしているらしい。

「分かってるよ。でも、今は大胆になって欲しいな」

「こうやって上に乗っかってキスしててもまだだめ?」

「もう少しかな?」

「私じゃだめなのかな?」

「そんなこと無いよ。ほら、分かるだろ?おっきくなってるのが」

「これ?いいの?食べちゃって」

「いいよ。入れてごらん」

友絵はゆっくりと体を動かすと、宏一の上に載ったまま位置を調

整して肉棒を納めようとした。

「あん、もうおっきくなってる」

「入れられる?」

「大丈夫、私がするから、あ・・・あんっ」

友絵は器用に腰を動かすと、肉棒をゆっくりと納めていった。

「あ、ああ、あ・・・か、堅い、宏一さん、とっても・・いいの

・・・・いやぁっ、こんな事したら遊んでると思われちゃう」

「好きに動いていいよ」

友絵は宏一の上に被さって四つん這いのまま、ゆっくりと腰を動

かし始めた。先ほどの挿入でも気が付いたが、友絵は挿入されて

いる時に時々腰を左右に振る癖がある。そして、その時腰を押し

つけてより深く迎え入れようとしているようだった。

「ああ、あん、あ、あう、はうっ、私、嫌らしいでしょ、こんな

事して、ああ、う、あうっ、あ、中で、おっきくなってくる、あ

あん、固くなって・・・」

「ゆっくり好きなように動いてごらん。一番気持ちよくなれるよ

うに」

「ああん、こんなに固くて、おっきくて・・・ああっ、堪らな

いっ」

友絵の腰はうねるようにうごめき、宏一の肉棒をしっかりと味わっ

ているのがよく分かった。

「友絵さん、何回でもいけるの?それとも一回いったらしばらく

だめ?」

「そんなに何回もなんて・・・でも、まだ大丈夫、たぶん、ん

んっ」

「ほら、もっと悶えないと腰を動かせなくしちゃうぞ」

「イヤぁ、そんな悶えるだなんて言っちゃダメぇ」

「悶えてないの?それじゃ抜いちゃおうかな」

「いやぁ、抜いちゃイヤぁ」

「じゃあ悶えなさい」

「ちゃんと動いてるから、ね、これで良いでしょ、ちゃんと動く

から」

友絵はそう言いながら腰を動かし、肉棒を味わうように動かして

いた。しかし、それだけではどこか単調な動きだ。宏一はもっと

大胆に動かして欲しかった。

「そう?でもこうしたら動かせなくなると思うよ」

そう言うと宏一は腰を上下にバウンドさせ始めた。突然激しく肉

棒が出没を始める。

「ああーっ、そんなぁっ、ああっ、だめぇっ、動けないっ」

友絵は宏一の上で身体を硬直させて快感に耐える。

「ほうら、動けなくなったろ。だめなの?じゃぁやめるよ」

「だめぇ、やめちゃいや」

「どっちにすればいいの?」

宏一は今度はゆるゆると軽くバウンドさせながら友絵を焦らす。

「どっちもイヤ、ああ、宏一さんがあんなことするから、ああん、

我慢できない、もっと、もっとして」

友絵の肉壁の締め付けは弱いながらも宏一の肉棒を歓迎して止め

処もなく液体を吐き出し、それは肉棒を伝わって宏一の方に流れ

てきていた。そして二人の茂みはべとべとになってきた。

気持ちはいいのだが、やはり宏一が達するにはこの程度では弱い。

そこで、宏一は自分で一番気持ちいいように何度も出没しては停

め、友絵の身体が宏一の上で肉棒を待ち望んでうごめいてはまた

出没をする、と言うように何度も友絵を焦らしながら少しずつ頂

上に近づけていった。友絵の身体は刺激を求めて大胆にうごめき、

宏一が下から突き上げる時はじっと体を固くして耐え、宏一が出

没を止めると、

「ああっ、もっと、もっとして、やめちゃだめぇ」

とおねだりをするように腰を左右に振って悶えた。友絵にとって

は途中で止められることでより身体が肉棒を欲しがり、次に突き

上げられるまでにより感度が高くなっていくので、宏一の腰がバ

ウンドするたびにより高い快感が身体を突き抜けていった。

「ああっ、もう、もうだめ、いっちゃう、ね、いっちゃうの、い

いでしょ?ね?」

友絵はいよいよ耐えられなくなってくると、宏一に許可を求めて

きた。

「そうなの?まだ早いんじゃないの?」

宏一は冷たく腰を止める。

「イヤあっ、ここで止めちゃだめぇっ、ああっ、もっと、もっと

してっ」

友絵の肉壁はだんだんすぼまってきており、だいぶ宏一が動いて

快感を得やすくなってきた。宏一としてはこの状態を長くしたい。

そこで、休憩する時間を短くする代わりに下から突き上げる回数

を減らして友絵が夢中になった途端に止めてしまう。

「いやっ、ああっ、いいっ、ああっ、だめぇ、止めないでぇ、イ

ヤぁ、お願い、ね、もう少し、、ああっ、それっ、そのままっ、い

いっ、いいのっ、あう、イヤあっ」

友絵は何度も焦らされ、身を焦がされるようにして少しずつだが

頂上に近づいていった。そして、友絵の肉壁がひくひくと痙攣を

始めたことに気が付いた宏一は、友絵に頂上を与えるために大き

く腰を突き上げてやる。

「ああーっ、もうだめっ、いいっ、そのままにしてぇっ、いかせ

てぇっ」

宏一は更に目の前で小さく揺れている友絵の小さく三角に尖った

乳房をぎゅっと握りしめ、腰をバウンドさせて最後のとどめを刺

してやる。

「あぁぁっ、あうぅっ、はうっ、うぅぅーっ」

友絵は四つん這いのまま堪らずに絶頂するとゆっくりと宏一の身

体の上に倒れ込んできた。

「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、いい、いいの、はあっ、は

あっ」

友絵はぐったりと宏一の上に被さっている。しかし、肉壁はまだ

しっかりとすぼまっており、宏一にはとても気持ちがいい。宏一

自身はまだいっていないので、このままやめるのはもったいなかっ

た。友絵を上に乗せたまま再び出没を始める。

「ああっ、だめぇ、いまはだめぇ、いっちゃう、またいっちゃう、

ああっ、いいっ、はあーっ、いいーっ」

友絵には堪ったものではなかった。そのまま何度も宏一は肉棒を

突き上げ、友絵の肉壁を味わった。友絵は何度も立て続けに頂上

に連れて行かれ、最後には、

「ああっ、まだするの?まだ終わらないの?もう許して、ああっ、

またっ」

と体を固くして耐えた。

「ああぁ、もう、もう許して、お願い。少し休ませて、ああっ、

まだできるの」

「また今度会ってくれる?どうなの?」

「会うわ、もちろん、ね、会うからぁ」

「約束だよ。求めた時にはちゃんとしてくれる?」

「できるだけするからぁ、ああ、こんなことされたら」

「約束だよ、いいね」

「ああ、そんなこと言わなくても、今日だって私の方から誘った

のにぃ」

「中に出してもいいの?」

「お願い、中は許して。お口でするから」

「じゃあ、最後はシックスナインでいいね」

そう言いながら宏一は放出の予感を感じながら腰を更に大きくバ

ウンドさせた。

「あああっ、いいっ、あーっ、またいっちゃうーっ」

友絵が体を固くした直後、宏一は肉棒を抜き去った。友絵は這う

ようにして身体を反転させ、宏一の肉棒をむさぼるように含むと

指でしごく。

宏一は秘心を舐めながら最高の瞬間を味わうことができた。友絵

は頂上に達しながらも友絵はそれを飲み干し、小さくなるまで丁

寧に舐めてくれた。

そのあともしばらく秘唇を宏一に舐められていたので友絵は何回

か小さな頂上を極めた。肉棒に頬ずりをしながら小さく声を上げ

る。

やがて狂おしい時間が終わって二人で抱き合った時、友絵は身体の

芯まで疲れ切っており、もはや宏一の愛撫に反応する間もなく、深

い眠りに沈み込んでいった。

翌日の朝、宏一が目を覚ますと友絵はベッドにいなかった。バス

ルームから水音が聞こえてくるので、風呂に入っているらしい。

宏一は起きあがると、音のする方向に向かった。

友恵はバスタブに使って外を眺めていた。宏一は全裸のままそこ

に入っていく。

「イヤぁ、だめぇ、お風呂に入ってるところに来るなんてぇ」

友絵はそう言ったが、その声は笑っていた。宏一が湯船に入ると、

狭いバスタブの隅っこに寄って場所を空けてくれる。宏一はお湯

があふれないようにゆっくりと身体を沈めると、友絵を抱き寄せ

た。友絵の体は既に温まっており、抱いただけで宏一が暖かくな

る。

「どうして起こしてくれなかったの?」

「だって、宏一さん、動かしても全然反応しなかったのよ」

「そうだった?気が付かなかったよ」

「ほら、そうでしょ?」

そう会話しながらも友絵の身体は一番愛されやすい微妙な位置を

求めて体勢を整え、それを確認するように宏一の手は自然に愛撫

を始めていた。やがて会話がとぎれた時、二人は熱いキスを交わ

しながらお互いを刺激し合っていた。起きがけの宏一の肉棒は鉄

のように固くなっており、友絵はそれをしごきながら自分の身体

にも変化が起きつつあるのを感じていた。

「ベッドに行く?」

「窓に手を付いてお尻をこっちに向けて」

友絵は言われた通りに窓に手を付き、浴槽の中で膝を突いて尻を

こちらに向けた。

「こんなに明るいのに、見えちゃう」

窓の外にはまだ動いていない大観覧車が目の前に見える。宏一は

友絵の中にゆっくりと肉棒をうずめながら、

「せっかくの景色なんだからよく見なきゃ」

と言った。しかし、濡れ方が十分ではないので、ゆっくりとしか

入らない。まだ中はねっとりとした感覚で、宏一よりも友絵に強

い刺激を与えていた。

「あ、あ、あ、あ、こんなことされたら、よく見えないわ」

友絵の中はまだ十分に潤っていなかったので、中に入るのにしば

らく時間がかかった。しかし、しばらく中でじっとしているとど

んどん潤いが増してくる。

「か、固いの、宏一さん、凄い、動けない、ああん、はあっ、

うぅ」

しかし、この体勢は挿入はできても足が滑りやすいのであまり激

しくは動けない。

「どう?観覧車を見ながら後ろから入れられるのは?」

「ステキよ。イヤらしくて、綺麗で、気持ちいい」

友絵はそう言いながら少し腰をうごめかせていた。宏一は手を前

に伸ばして友絵の乳房を愛撫してやったが、昨夜ほどは反応せず、

友絵は息を荒くするもののそれ以上は感じない。しかし、友絵は

嫌がりはせず、せっかくの貴重な体験を楽しんでいるようで、熱

い吐息だけがバスルームにこだましていた。しばらくして、

「どう?あんまり感じない?」

と聞くと、

「ちょっと恥ずかしくて、夢中になれないみたい。リビングに行っ

てして」

と友絵が言った。宏一はそのまま体を拭いて上がり、バスローブ

を着てリビングで待つことにした。

昨日は閉めておいたレースのカーテンを引くと、部屋が一気に明

るくなる。友絵はそれからしばらくしてバスローブ姿で現れた。

まずはロングソファで友絵を抱いて座り、ゆっくりとキスをしな

がら雰囲気を盛り上げていく。手をバスローブの合い口から差し

込み、ゆっくりと指で愛撫していると、今度は乳房も反応するよ

うになってきた。そして、茂みの中に指を遊ばせ、ねっとりとし

た感じが現れてくる頃、友絵の息は再び甘く、深いものになって

きた。

「欲しくなってきた?」

「うん、入れて」

宏一は友絵をソファに反対向きに膝を突いて座らせ、背もたれの

上に捕まらせる。バスローブをまくり上げて下半身を露出させ、

尻の奥に潤いをたたえて光っている秘芯にゆっくりと肉棒を埋め

ていく。今度は先ほどより十分にねっとりとしており、容易に奥

までたどり着くことができた。まずは友絵をその気にさせるよう

に、ゆっくりと長さ全体を使って出没する。

「あ、ああん、こんなこと、ああ、感じてきた・・・、宏一さん、

イヤらしい」

今度は友絵の足も安定しているので、安心して感じられるようだ。

「俺だけ嫌らしいの?それじゃ動くのやめようか?」

「アアン、私の身体も、とっても嫌らしいのぅ」

宏一が肉棒を差し込んだまま動きを止めると、友絵はそれを味わ

うように、また耐えるように息を整えながらじっと背もたれに寄

りかかっていた。しかし周りが明るいのでさすがに昨夜のように

は行かない。

それでも友絵の中では小さかった炎がどんどん大きくなっており、

最初はほとんど動かなかった腰が、次第に小さくうごめき始めた。

それにつれて息も荒くなってくる。『憧れのホテルのスィートルー

ムであの三谷さんに朝から、それも後ろから入れられている、ソ

ファの上で』そう考えるだけで自分の身体の方が勝手に喜び始め

ているようだった。

一度でも小さく腰を振ると、もうそれを我慢するのは不可能だ。

二度目、三度目はどうしてもそれより強い刺激が欲しくてより大

きく腰を振ってしまう。何とか我慢しようと体勢を整えようとす

るのだが、そのたびに快感が押し寄せてくる。

「あれ?友絵さん、どうしたの?」

「か、感じてきて・・・その・・・ああん、イヤぁ、そんなに冷

静に言わないでぇ」

「だってイヤらしいって言われたから・・・」

「ごめんなさい、宏一さんじゃないの。私なの、私がぁ、ああっ、

だめっ、我慢できなくなってきた」

「バスローブの帯を解いて」

「イヤぁ、脱いだら外から見えちゃう」

「大丈夫。脱がさないから。早く」

宏一に言われると逆らえなかった。不自由な姿勢のまま、友絵は

帯を解く。宏一ははだけたバスローブの中に手を入れ、小さく固

く張った乳房を揉みながら腰を動かし始めた。

「ああっ、いいっ、昨日あれだけして貰ったのにぃ、まだいいの、

すごくいいっ、明るいのに、こんな朝から」

友絵はぼやけた視界の中に広がる大観覧車を見ながら豪華な部屋

で貫かれて声を上げている自分を想像して更に乱れていった。


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