ウォーター

第九十部

 

「ああっ、こ、宏一さん、早く、こんなのは、あうぅ、我慢できない、はんっ」

「良いかい、ちゃんと愛してあげるから、一回いくまでは絶対におねだりをしないこと、いいね?」

おねだりを禁止されるのは由美にとっては辛いことだ。でも由美は敏感な今の自分の身体を考えるととりあえず何とかなりそうだと思って頷いた。しかし、よく考えると今の反応を見ても、いかに今の由美には酷なことか、まだ由美は気が付いていなかった。

「それじゃ、ベッドに上がりなさい。優しく愛してあげる」

そう言いながらも宏一の指はまだゆるゆると動いている。

「宏一さん、指を、指をどけて・・・アアン、いやぁ、このままじゃベッドに入れない・早くぅ・・・はっ」

そう言った途端、由美は一瞬にして気が付いた。さっと顔色が変わる。

「ほら、もうおねだりした。だめだよ。おねだりしたらこうやって焦らすんだからね」

宏一は少しだけ指の動きを大きくし、左手の指でブラのカップを下から軽く撫で上げた。

「はうぅ、うぅ、ううっ、はうっ、くっ」

由美は必死で耐えた。とにかくベッドに入らないことにはどうしようもない。

「宏一さん、宏一さんっ」

身体は存分に愛してもらえるものと思ってどんどん感覚を鋭くしていく。宏一は由美の身体を徹底的に焦らした。由美は今、じっと立ってそれに耐えなければいけない。

「うううっ、宏一さん・・・・」

由美はそれ以上何も言わず、口をきゅっと結んで宏一の愛撫を受け入れた。由美が覚悟を決めたことを確認した宏一は、ゆっくりと指先だけを使って、由美の敏感な部分を撫で上げ、ちょっとだけつつき、軽くひっかき、焦らし尽くした。決して宏一の自由にならないと決めていた一昨日の方がよっぽどマシだと思えるほど、強烈に身を焦がしながら由美は宏一の目の前でじっと立ったまま悶えていた。

下着姿でただ立ったまま宏一の見ている前で悶えるのは全裸になって愛されながら悶えるよりも遙かに恥ずかしい。既にブラのカップの中では乳首が痛いほどに尖り、はっきりと布地を突き上げている。宏一がじっと見ている目の前で、脱がされてもいない内から乳首が尖るのは、由美にとってとても恥ずかしいことだった。宏一はそんな由美の表情を見つめながら布地の上から秘核の近くをゆっくりと撫で上げていた。だんだんと指先に潤いが広がってくるのが宏一の指の感覚にも伝わってくる。もしかしたら、焦れながらいってしまうのではないかと思うくらいの焦れったい快感だった。しばらく由美を焦らしたあと、

「さあ、もういいかな?いいかい、お約束だから、もうおねだりしちゃダメだよ。一回いくまでは、いいね。それじゃ、いいかい、ゆっくりベッドに上がりなさい。そして四つんばいになるんだよ。良いね」

宏一はそう言うと、由美を解放し、ねっとりとキスをする。身体の炎の大きさを伝えるかのように大胆に舌を絡める由美には既にその意味がよく分かっていた。今度はベッドの上で焦らされながら悶えなければいけないのだ。おそるおそるという感じでベッドに上がると、両手をついて四つんばいになり、宏一の愛撫を待つ。

宏一は素晴らしいプロポーションの身体をたっぷり悶えさせるつもりで、由美の横に膝立ちになり、美しい身体を引き寄せて、どこから愛そうか決めかねているかのように背中から尻までじっくりと細部まで眺めた。

「ああん、宏一さん、息を掛けな・・・・」

由美は宏一の息がかかるだけで軽く感じてしまったので、思わずおねだりをしそうになった。ハッと気が付いて止めたから良かったが、もし続けていたら・・・。慌てておねだりを止めた由美を見て、由美が思い通りになっていること確かめた宏一は、まず背中の中心から背骨にそって舌を這わせはじめた。

「はああっ、ああーっ、ああぁぁっ」

由美の声が部屋に響き渡る。宏一は何度も丁寧に背中を上から下まで丁寧に上下した。どうにもならないゾクゾクした快感で由美は手を伸ばしていられずに、ひじをついてしまう。尻を高く突き出すような格好になったので、宏一は右手を尻からそっと差し込み、敏感な部分の周り後ろから丁寧に愛撫した。

「そ、そこはっ、ああっ、宏一さん、宏一、あうぅっ、いいっ」

たまらず由美は自分から腰を動かして指にもっと強く擦りつけようとする。しかし、宏一の指は巧みに最も敏感な部分を逃げ、絶対に由美の求めるものは与えなかった。

「ああんっ、そんな、ああうぅ、あうぅ、いやぁ」

由美は宏一が更に焦らすのを知って、絶望感にどうしようもなくなった。これではとうてい我慢などできない、そんな焦れったさだった。しかし宏一が満足するまで耐えるしかないのだ。由美は必死に枕を握りしめて激しく喘ぎながら宏一の許しが出るのを待った。

更に宏一の攻めは続いた。下を向いている由美の肩に下から手を差し込んで上半身を持ち上げ、再びしっかり四つんばいの姿勢にすると、左手でブラのカップを優しく撫で始める。それは愛撫と言うよりは焦らしそのものだった。背中、乳房、秘核、3カ所からの焦れったい快感が身体中に満ち溢れ、由美は感じているのか悶えているのかも分からず、自分が声を出しているのかさえも分からずに、ベッドの上で猛烈に感じさせられた。しかしこれは不完全に身体が燃え上がる我慢できない快感だ。

「いやあぁ、許してぇ、宏一さん、ああっ、アアン、いやぁ、あーっ、はう、はうぅ、はああっ、こんなのはぁ、ああーっ、はーっ、いいっ、いいけどイヤぁー」

宏一はそれを聞きながら由美が焦らされることに納得していることに気が付いていた。分かっていて嫌がっているのだ。由美の言葉を無視すると、宏一はそのまましばらく由美から徹底的に声を搾り取り、由美が疲れて来た所で、

「さぁ、上手にできるかな?」

と言い、四つん這いの由美を肉棒に導いた。由美は言われたことがよく分からなかったが、焦らされるよりはマシなので四つん這いのまま身体の方向を変えて肉棒をくわえ、熱心にフェラチオで愛撫する。しかし、しばらく由美が肉棒を口で愛しているのを黙って受け入れていた宏一は、

「それじゃ、もう一度だね」

と言うと、由美は再び四つん這いにされて最初より更に徹底的に焦らされた。今度は今までの愛撫に加えて背中を舐められながら下を向いて固く尖った胸の先端の突起をつんつんと微妙に愛撫され、秘核のすぐ下の一番快感を発生する部分をちょんとつつかれる。

「ああっ、それ、それはぁーっ、ああっ、だめ、だめっ、我慢できないっ、ああーっ、イヤーっ、あう、あうぅー、はあっ、はあーっ」

宏一の容赦のない責めに由美は再び激しく悶えさせられた。このままいってしまった方がどれほど楽かと真剣に思った。しかし、宏一は絶対に思い通りの快感を与えてくれない。いくことを許してくれないのだ。由美がもうこれ以上耐えきれないと思った頃、

「今度はどうかな?」

と宏一は再び由美に肉棒を与えた。由美はできる限り奥深くまで飲み込むことで、何とか宏一の満足を得ようとした。激しく息をしながらも深く、大胆に搾り取ろうとする。何度も真剣にしゃぶった。しかし、またも宏一は由美を四つん這いに戻して絶望の愛撫に駆り立てた。

「うーん、そこだけなのかなぁ」

そう言うと三度由美を四つん這いにさせた。

「ああ、どうして・・・」

由美は絶望に打ちひしがれる。由美は自分のどこが宏一の気に入らないのか分からず、真っ暗闇の中に放り込まれた気分だった。そんな由美の気持ちにお構いなしに宏一は更に容赦なく再び舌をはわせ、今度はキスマークが付かないほど微妙に背中のあちこちをチュッと吸って、乳房を手のひら全体で包みながらも揉まず、軽くゆさゆさと動かす。秘唇には指を当てたままで一切動かさなかった。

「ああっ、はうぅ、ああんっ、はやく・・・宏一さん、も・・・」

危ういところだった。『もっと』と言えば再びベッドの前で立たされて最初から焦らされるのは目に見えていた。

「ああー、はあっ、そこ、そこ、宏一さん、許して、はううっ、いいっ、もう、許して、宏一さん、そこ、おねが・・・」

激しく悶え続けて声がかすれてきた由美は、無意識におねだりしようとしてハッと気が付いた。慌てて気が付いたので由美は言葉を飲み込み、今度も何とか耐えたが、もう全然保ちそうになかった。もうろうとした意識の中で、今の自分は宏一を疑った罰を受けているのだと言うことがだんだん分かってきた。全ては宏一の決めることなのだ。さんざん焦らされながらも敏感になった身体を満足させては貰えず、由美はおねだりの言葉をあとどれくらい飲み込み続けられるか自信が無くなってきた。『素直に謝って、宏一さんに最初から愛してもらおう』そう言っているもう一人の自分の声がガンガン頭の中に響く。そして、これ以上は絶対に我慢できないと思って、宏一に抱きつこうとした時、

「どうかな?」

宏一がまた由美を肉棒に導いた。既に視界がはっきりしないくらい焦らされた由美は、むさぼるように肉棒を飲み込んだ。そして、それだけでは満足できないと言わんばかりに下の袋にも舌を這わせ、しゃぶる。

「お、おおっ」

宏一の声が満足しているらしいことを悟ると、由美は今度こそはと大胆に何度も肉棒を含み、袋を舐め、しゃぶった。すると、

「仰向けになりなさい」

と宏一が言った。許しが出たのだ。やっと焦れる地獄から解放された由美はそのまま宏一の手を取って仰向けになる。

「宏一さん、宏一さん」

由美は宏一を抱き寄せて喘いだ。宏一は優しく抱きしめると、丁寧にとろけるようなキスをしてくれた。身体中が敏感になっているので、抱きしめられて舌を絡めているだけで猛烈に気持ちいい。

「ああぁぁーっ、宏一さーん、嬉しいっ」

「気持ちよかった。嬉しかったよ。何にも言わないのに由美ちゃんにして欲しいことが分かってもらえて。もう少しだけ我慢できるかな?きっといかせてあげるから、それまでの約束だよ」

宏一の言い方は優しかったが、その言葉に由美はおびえるように頷くしかなかった。早く全てを脱がせて欲しい、全裸の身体を思いっきり愛して欲しい、切実にそう思った。既にショーツはべっとりと張り付いている。脱げば何とか身体を擦り付けるだけでも感じることはできる。『一回いけばいいんだ』由美はそう思ってそれまでなんとか我慢することにした。

今までよりは簡単なはずだと自分を励ます。宏一の舌はゆっくりうなじを下がり、胸元から小さな胸の谷間に下りていった。由美は身体をねじって少しでも快感を大きくしようとする。しかしブラジャーの布地は、今の由美には邪魔でしかない。肌を這ってきた舌が布地の上に移った途端、快感がスッと小さくなり、もっと強くして欲しくなる。

「ああん、宏一さん、ああん、それは・・・あうぅ、いやあ」

由美の身体が宏一の下で怪しくうごめく。それでも、必死に我慢を続けていると、とうとうパチッと音がしてブラジャーが外れる音がした。そして膨らみが解放されると、宏一の暖かい舌が待ちに待った部分を這い回り始める。しかし頂上には決していかず、周りだけを回っている。

「ああっ、そこ、ああっ、イヤ、我慢できない、そこ、アアン、離れちゃイヤ、あう、ああん、どうして・・、ああっ」

由美はもうろうとした頭で必死に言葉を選んでいたが、聞き方によってはおねだりそのものだった。しかし、宏一はその由美の知性が好きだったのでそのまま続けさせる。

「アアン、もう少しだけ、そ、そこ・・・ああん、イヤぁ、宏一さん、宏一さん、ああぁー」

宏一の舌に乳房の先端を征服して欲しくて由美の身体が左右に大きくうねるように動く。

「こうして欲しかったんだろ?」

突然宏一の声がすると、両手で力強く固く膨らみきった乳房が揉み上げられた。

「ああーーーーーっ、あーーーっ、ああぅーーっ」

反射的に身体を背中が浮くくらい強くのけぞった由美は、息もできず、何も言葉が出ないほどの快感に息を詰めた。そのまま十秒近く同じ姿勢のまま、由美は快感の海を漂う。由美が仰け反ったまま、宏一は何度も固い乳房を揉み上げ、由美を快感の海の中に放り込んでやる。


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