第 37 部
「うっ、ううぅぅ・・・・ううっ、うっ、ううっ・・・・」
久美は幸一の腕の中で泣き始めた。幸一が優しく何度もキスをしてくれたが、久美の悲しみが癒えることはなかった。それどころか、だんだん涙が勢いよく頬を伝う。こればかりは自分でもどうにもできなかった。
幸一は久美を虐めすぎたと思った。その場の流れに乗ったとはいえ、バージンの高校一年生に対して酷なことをしたのかも知れない、そんな気になる。今の幸一にできることは久美が治まるまで優しく髪を撫でながら抱いていること、それだけだった。
やがて久美のすすり泣きが収まってくると、幸一は膝の上に横たわっている久美の上半身を起こして優しくキスを始めた。
「大丈夫?」
「はい・・」
「怒ってる?」
「ううん、ちょっと・・・」
「ちょっと、なあに?」
「びっくりした・・のかな・・?」
「嬉しかったよ」
「え?どうして?」
「だって、夢中になってくれただろ?」
「・・・・・・・・」
「久美ちゃんはどう思ったか知らないけど、可愛らしい久美ちゃんと夢中になっている久美ちゃんと二人見られて嬉しかった」
「二人・・・、私、二人なの?」
「二つの面、て言うのかな?新しい久美ちゃんを発見したみたいだ」
「幸一さんはどっちが好き?」
「もちろん、二人とも好きだけど、でも、夢中になっている久美ちゃんは嬉しかったな」
「そう・・・・」
久美は複雑な気分だった。夢中でおねだりする自分は、幸一が喜んでくれるのなら後悔する必要はないのかも知れないが、自分の望んでいる人格ではない自分が心の中に割り込んできたような、何とも違和感のある感じだ。
これまでベッドで愛されたときは、短時間だけ夢中になることはあっても、こんなにずっと欲しがることはなかった。『これでいいの、私???』自分で自分に問いかけてみる。
「久美ちゃん、指を入れた後、痛い?」
「えっ?」
突然、秘部のことを聞かれて戸惑ってしまった。
「なるべくそっとしたつもりだったけど、もしかして俺も久美ちゃんに夢中だったから、乱暴に扱ったりしなかったかな?と思って」
「ううん、何ともない。大丈夫」
幸一はもう一度久美の小さな唇と舌を味わった。
「いやだった?」
「え?」
「何度も嫌がってたから」
「そう?そうかな?・・・・でも、いいの」
「いいの?」
「うん、幸一さんのやり方で愛して欲しいから」
久美は自分で言って顔を真っ赤にした。
「そうだね。俺は俺のやり方でしか愛せないもの」
「幸一さん」
「ん?」
「一つだけお願いがあるの」
「いいよ。言ってごらん」
「ベッドに連れてって。明るいこの部屋だと気になって」
「うん。行こうか」
そう言うと幸一は久美を抱き上げ、ベッドルームに連れて行った。
空調の効いた薄暗い部屋はいつもと同じ筈なのに、久美の目にはベッドが目に突き刺さるように視界に入ってくる。
幸一が久美を下ろすと、久美は幸一の首に手を回し、自分から唇を押し付けてきた。幸一が久美の細い身体を抱きしめ、優しく唇を絡めてから首筋に移ると久美は再び感じ始めたのか、
「今日だけは幸一さんが脱がせて」
と軽く喘ぎながら言った。
「うん」
幸一はそう言うと久美を抱き上げてベッドに横たえた。久美は静かに目をつぶってじっとしている。薄暗い部屋の明かりの中でも久美の美しさははっきりと分かる。一糸まとわぬ姿をたっぷりと見てきた幸一だが、裸の姿と制服を着ているときでは美しさがまるで違う。今は清楚な美しさだと思った。
その久美を見下ろしながら幸一はガウンを脱いだ。
目の前にいる少女がこのベッドから降りるときはもうバージンではない、そう思うと少し不思議な気がする。しかし、さっき指を入れた感じではとても幸一を受け入れられそうもなかったので、余り久美が痛がるようなら無理強いは止めようと思った。
久美はベッドでじっとしている間、幸一がガウンを脱ぐ様子を感じて緊張した。既にこのベッドで何度か目をつぶってじっとしたままガウンを脱ぐ音を聞いたが、この小さな衣擦れの音は何度聞いても一気に緊張が高まる。
幸一がベッドに上がって久美に優しくキスを始めると、久美は静かに両手を挙げた。幸一はゆっくりとキスをしてきた。ともすると久美でさえゆっくりだと思うくらい時間を掛けてきた。ただ、幸一が時間を掛けていた分だけ、久美の身体に再び火が付くのも簡単だった。両手を挙げているのでお腹まで既に見えている久美の肌を、ゆっくりと制服のフックとジッパーを外して露わにしていく。久美はもう一度幸一が制服の上から焦らしてくると思っていたので少し意外だった。
幸一はそのまま制服を脱がし、上半身を裸にするとスカートへと移った。さすがにまだ何もされていないうちにスカートを脱がされるのには抵抗があり、思わず両手でスカートを押さえてしまったが、幸一は何も言わずに久美の腰を軽く持ち上げてスカートを抜いてしまった。そして幸一の視線を感じると両手で乳房と茂みを隠してしまう。
「一度ゆっくりと愛してから入るからね。安心していいよ」
幸一はそう言うと、久美の両手を再び挙げさせた。
しかし、幸一は直ぐには何もしなかった。バンザイしたまま目を閉じてじっと幸一の視線を感じている久美は、視線が全身の隅々まで突き刺さるような感じがした。
「いや・・・・・いや、見ないで・・・・・・・いや・・・・・」
「恥ずかしいの?」
幸一の優しい声がする。久美はその声で少し安心した。
恥ずかしいのか、少し向こうを向いた久美は綺麗だった。少し伸びた髪が項にかかり、細い項から胸の膨らみへのラインは大人になりかけの少女のラインだった。そしてぷくっと可愛らしい二つの膨らみとその頂上の淡い乳首は少女でも大人でもなく、幼いのに艶麗な魅力を放っている。子供っぽい感じがするのに揉んで舌で先端を転がしたくなるのだ。そしてそこから腰に掛けてのラインはやや子供っぽく、小さめの腰と茂みは無駄なラインのない直線的な感じがする。そして足のラインは少女と大人の正に中間だった。
幸一は念入りに唇を絡めて、これから起こることを久美に納得させた。そしてそのまま直ぐには下がらず、耳と項、そして顎まで時間を掛けて愛撫する。
久美はいつも以上にじっくりと時間を掛けてくる幸一のやり方に、少し不安になった。さっきのリビングでの時間さえも序曲にしか過ぎなかったのかも知れないと思うと、耳元や項を唇と舌と指先が奏でる快感の旋律の中で喜びと不安が交錯する。心の中では喜びに震える自分と子供のままでいたいと思う自分が浮き沈みを繰り返していた。
「はっ、うん・・あ・・・はうっ・・・んんっ・・・あぁぁっ・・・」
その声は久美がどれくらい感じているのか良く分からなかったが、久美の足はクックッと快感が走る度によじり合わされ、中心に僅かずつ潤いを貯めつつあった。
しばらく左右の項と耳元を愛していた幸一が愛撫を終えて久美に再びゆっくりとキスをしてから久美をこちらに向かせて目を見たとき、既にそこには続いて起こることを待ち侘びる艶やかで官能的な光が宿っていた。
「いいね?」
幸一がそう言うと、
「優しくして」
と安心したのか静かに目を閉じた久美の口が小さく動いた。
幸一は少し上体を起こすと、久美の膨らみの周りからゆっくりと両手の指を這わせ始めた。
「はんっ」
久美は自分の乳房がこんなにも敏感になっていると知って驚いた。幸一の指がツーッと乳房の上を走っていくだけでゾクッとすると同時に快感が身体を走り抜ける。
「はうーっ、ああんっ、あうーっ」
久美は挙げた手で枕をギュッと掴んで快感に耐えた。しかし、いきなりこんなに感じてはいくらも持ちそうになかった。既に先程乳房を揉まれて乳首を舌で可愛がってもらったばかりなのに、今はそれがもう一度欲しくて仕方がない。
「はうぅぅっ、幸一さん、敏感になってるぅっ」
「いっぱい感じていいんだよ」
「うーーーっ、はんっ、そ、そんなにっ、くぅーーーっ」
幸一は冷静に指先を動かし、乳房全体を包み込むように指先で愛撫し続けた。そしてその度に久美は身体を仰け反らせ、乳房を突き上げるようにして声を上げた。
しかし、これほど感じているのに久美は更に先が欲しくて仕方なかった。幸一の力強い手で乳房を揉まれ、暖かい舌で乳首を転がして欲しいのだ。
「幸一さんっ」
「なあに?」
「あぁぁぁぁっ、んんんーーっ、あうぅっ」
「疲れたの?」
そう言って幸一が愛撫を弱く、優しくしようとすると、久美は思わず、
「もっとして」
と言ってしまった。しかし、今の久美には言ってしまったという後悔はなく、幸一が愛撫を再開すると、何とか幸一の指先で最大限の快感を得ようとする。幸一の指が乳首の直ぐ横を通ったとき、久美は身体を捻って乳首を幸一の指に当てようとした。しかし、ほんの僅かの差で指はすり抜けていき、ギリギリ横を通った分だけ更に久美は焦れてしまった。もう限界だ。
「ああぁぁぁっ、お願いっ、早くぅぅっ」
と我慢できなくなった久美が身体を仰け反らせて悶えながらおねだりを始めた。
「言ってごらん」
「おっぱいを揉んでっ、お口で乳首を食べて」
「我慢できないの?」
幸一は冷静に更に愛撫を加速させる。
「早く、早くーっ」
両足を何度も擦り合わせながら指先での愛撫に悶える少女の姿はほんの数週間前まで愛撫を受けても全く反応しなかった少女だとは思えないほど変貌していた。そこには自分の性を惜しげもなく目の前に晒した少女が全てを幸一に委ねて愛を待っていた。
「こうして欲しいの?」
幸一は久美の乳房を両手で外側から優しく包み、ほんの少しずつ揉み上げていく。
「ああぁぁぁぁぁぁーーーっ」
久美は待ちに待ったものが来たので安心して仰け反ったが、直ぐに幸一の揉み上げ方が弱いことに気が付いた。
「ああんっ、いやぁっ、もっと、もっとおっ」
「もっと、なあに?」
「もっとしてえっ」
「してるよ、これじゃだめ?」
「ああんっ、もっとおっ」
「ほうら、お口だって」
「はうーーーっ、あんっ、それももっとおっ」
幸一は久美の望むものを与えながら、完全に満足ほどの快感は与えず、絶妙な強弱を付けながら久美をおねだりに夢中にしていった。久美が強い快感を得ているのは両足が激しく擦り合わされていることからも明らかだったが、久美はおねだりを続けないとすぐに愛撫が弱くなってしまうので無意識におねだりを続けて、より高いところへ上がろうとした。
「はうぅーーっ、ああん、もっと、もっとして、いやぁ、止めないで、ああぁっ、くうぅーっ、あうーっ、そのままぁっ、あぁぁぁーーーっ」
乳房を揉まれながら両足をばたばたと激しく擦り合わせ、おねだりをしながら悶える久美の姿は絶品だった。