第 67 部
久美は自分の心と戦っていた。たった一言、ごくごく小さなきっかけみたいなもの、そんな一言で楽しかった時間が一気に地獄になる、そんな経験をこの半年、何度も味わってきた。両親の死、両親の葬式、親戚の家での破局、そしてそこからの脱出、やっと戻った学校での教師の態度、民生委員、数え上げればキリがない。幸一もその中の一人でしかなかったのだろうか?久美は幸一の腕を握りしめた。
「どうしたの?」
「ううん、何でもないの。話って何ですか?」
幸一は久美の様子が一気に変わったので驚いた。声の調子からも警戒しているのが良く分かる。
「ううん、今度久美ちゃんの良い時に会社に来て欲しいんだ。学校を半日休んでもらうことになるけど、良いかな?」
「どうして?幸一さんの会社に?」
「うん、でも、久美ちゃんが心配するような話じゃないからね」
「それなら今話して下さい」
「それが、それはダメなんだ。まだ俺にも良く分かっていないことがあって・・・」
「そんな・・・・、大切なことなら直ぐに話して欲しいのに」
「でも、久美ちゃんが心配する事じゃないから。それだけは言えるんだ」
「それなら、何の話かだけでも聞かせて下さい」
「うん、以前久美ちゃんのお父さんの手紙の話をしたよね」
「はい」
「その話なんだ」
久美は少し拍子抜けした。きっともっと大事な話かと思ったのだ。例えば幸一が久美から離れてしまうとか、そんな話なのかと心配していた。そうでないのならそれほど心配することはない。父の残した手紙は、もしかしたら会社の人にとっては大切なのかも知れないが、久美にとっては紙くず同然なのだから。久美の身体からスッと力が抜けた。
「ねえ?来週、なんとか時間作ってくれないかな?」
「それは大丈夫ですけど・・・」
「何曜日なら大丈夫?」
「えーと、月曜日は英語のミニテストがあるはずだし、火曜日は約束があるから・・・、水曜日なら」
「分かった。水曜日だね」
「何時に行けばいいんですか?」
「それは久美ちゃんに任せるよ。でも、一応決めておいた方が良いね。久美ちゃんの学校からだとどれくらいかかるかな?」
「1時間半位・・・」
「そうか、それならお昼に出て3時でどう?」
「はい」
「久美ちゃんが持ってるタクシーの券を使って良いからね。それを受付の人に渡してね」
「えっ?タクシーで行くの?」
「その方が良いだろ?」
「でも、電車でも・・・・・」
「良いから、とにかくタクシーで来てね」
「・・・はい・・・・」
久美は何かすっきりしなかったが、取り敢えず言われた通りにすることにした。
幸一は身体を起こすと、もう一度身体を久美に重ね、ゆっくりと時間を掛けてキスをした。久美はまだ釈然としない様子だったが、それでも舌を絡めてきた。
「安心して。きっと良いことになるようにするから。久美ちゃん、好きだよ」
「幸一さん・・・・ああぁぁ、幸一さん、私も好き。幸一さんしかいないの。アン、幸一さん・・・・」
久美は幸一の愛撫が首筋から胸へと移っていくのを感じながら、幸一の頭を抱きしめて乳房へと導いた。
「大丈夫。心配ないから。俺に任せて・・・・、久美ちゃん、好きだよ」
幸一の手がゆっくりと久美の小さめながらしっかりと膨らんでいる乳房を包んでいく。
「幸一さん、信じてます。幸一さんのことを、ああん、優しくして、おっぱいを揉んでからお口で優しく食べて・・・」
久美は目をつぶったまま幸一におねだりをした。それは久美が幸一に与えられる全てを許しているという証だった。
「こう?こうすればいい?」
久美の膨らみが幸一の手の中で形を変え、熱い舌が敏感な先端をねっとりと転がし始めると久美の身体に再び熱い感覚が湧き上がり始める。久美は少し声を出しながら足を開いて膝を持ち上げ、茂みを自分から突き上げるように幸一に擦り付け始めた。
「あぁぁぁ、はんっ、幸一さん、こんなことしてたら帰れない。ああん、また欲しくなっちゃう、幸一さん、お願い、今日はもう許して・・・・、朝になっちゃう・・・・」
久美は幸一の体重を幸せに感じながら愛に包まれている自分を感じていた。しかし、もう帰る時間はとっくに過ぎている。身体の疲労もかなりのもので、愛されたい気持ちはあるが怠くて仕方がない。
「久美ちゃん、止まらないんだ。久美ちゃん。おっぱいだけじゃなくて、こっちも・・・」
そう言うと幸一は久美の足の間に顔を埋めた。
「ああぁぁーーっ、あうぅーーっ、ダメッ、それはダメッ、ああん、許して、お願い。家に帰して。ああん、そんなに上手に舐めちゃいやぁぁッ、まだシャワーを浴びてないっ」
久美は幸一が先程放出してからシャワーを浴びていないまま舐められるのを激しく嫌がった。
「いやぁっ、ダメッ、そこはダメッ、お願い、シャワーを浴びさせて、幸一さんっ」
久美は身体を何とか捻って幸一の舌の快感から逃げだそうとした。しかし、身体に余り力が残っていないので幸一の身体を押しのけることはできない。
「ああぁ、お願い、許して、それは嫌なのぉ、いやぁぁ」
久美の声が悲しいので幸一も仕方なく顔を上げた。すると逃げ出すように重い身体をゆっくり引きずるようにして久美がシャワールームへと消えていく。幸一は仕方なくガウンを着るとリビングに移って24時間放送のCSを見ながらタバコに火を点けた。
今夜は久美の身体を何度愛したことだろう?あの細くて素晴らしいプロポーションの身体を。今日は、まだまだ経験のない久美の固い肉壁を貫き、声を搾り取り、絶頂にまで導くことができた。そして久美に新しい喜びを教え、久美は喜んで身体を差し出してきた。この部屋に最初に来た時は全く何も感じなかったのに、少女の身体とはつくづく不思議なものだと思う。さっきは乳房を可愛がられていた時に自分から足を開いて幸一の腰に絡め、茂みを押し付けてきた。ほんの短い間にあそこまで少女とは変わっていくものなのだ。まだまだ経験が足りないとは言え、久美は既に少女から女へと足を踏み入れていると言って良かった。幸一はそんな想いで煙が自然に部屋に設置された自動制御の換気口へとゆっくりと流れていくのを見つめていた。
久美はシャワーを浴びていると少しずつ元気が戻ってくるのが分かった。余り最後の結合では激しく動かなかったせいか、熱めのシャワーを浴びていると少しずつ身体に力が戻ってくる。これならタクシーで家に帰ることもできると思った。
『幸一さんが言っていた手紙って何のことだろう?』シャワーも最後の方になって久美はふと思い出した。確か、父の手紙を会社の人が捜しているとか言う話だったと思う。しかし、それに何故久美が呼ばれるのだろう?父の手紙のことは何も知らないし、会社でそれを尋ねられても困るだけだ。ただ、幸一の様子から、幸一が久美のことを大切にしてくれていることだけは分かったので一応安心することにした。でも、まだ少し引っかかっていたのも事実だった。
先程は感じていた秘部からの痛みも、今は余り感じない。ただ、ガラス張りのシャワーブースの壁に組み込まれている大形の液晶表示の時間が「3:16」と表示されているのは憂鬱だった。家に帰ったら英二にお弁当を作ってやらなくてはいけない。二つ隣の町内に友達と行くそうで、その為にお弁当を作って欲しいそうだ。久美は英二がコンビニ弁当を見た時にどれだけ悲しそうな顔をするか、下手でも何でも久美の手作り弁当を見た時にどれほど喜ぶか、それは痛いほど分かっていた。だから帰ったら直ぐに作ってやらなくてはいけない。材料は用意してあるが、まだ要領の悪い久美には1時間程度必要だった。
ただ、シャワーを浴びて下着姿で髪を乾かしている時にも久美は幸せを感じていた。幸一は久美の身体を徹底的に愛してくれたし、『ここに英二と移ってきても良いよ』とまで言ってくれたのだ。両親の想い出の詰まった家から簡単に移ることなどできないのは明らかだったが、幸一の気持ちが嬉しくて思わず口元が笑っているのに気が付いて、また嬉しくなった。
幸一は久美が制服姿でリビングに入ってくるまでの時間がとても長く感じた。
「久美ちゃん、こっちにおいで」
そう言うと久美が幸一の膝の上に横向きに座ってきた。
「幸一さん、さっきの手紙って、見つかったんですか?」
「うん、弁護士さんが探し出したみたいだよ」
「私、それについては何も知らないの。聞かれても答えられない」
「うん、俺もよく知らなくて、月曜日に弁護士さんが来ることになってるんだけど、とにかく弁護士さんが久美ちゃんに話があるみたいなんだ。何の話なのかは俺も知らないんだよ」
「それじゃ、幸一さんの会社で弁護士さんの話を聞けばいいんですね」
「そう言うことだね」
「良かった。もう、こうやって幸一さんの部屋に来ちゃいけないって言われるかと思って心配しちゃった」
「それは会社と関係ないだろ?」
「だって、私、よく知らないから・・・」
「そうだよね。うん、安心して良いと思うよ」
「良かった。幸一さん・・・・良かった」
「それじゃ、タクシーを呼ぶからね」
「うん・・・、まだ帰りたくない気持ちはあるの。でも、ごめんなさい・・・」
そう言うと久美は自分から幸一にキスをしてきた。それは思いのこもった優しいキスだった。幸一が久美の制服の上から膨らみを確かめると、既にしっかりと下着でガードされているのが分かる。久美は幸一が触るのを全く嫌がらなかった。
「ごめんなさい・・・。帰らないと英二が待ってるから・・・」
そう言う久美の目には涙が光っている。
「うん、そうだね。頭では分かっているんだけど・・・・、やっぱりまだ久美ちゃんが欲しいんだ・・・・」
「私もよ」
幸一は気持ちを切り替えるとサトミを呼び出した。
「サトミ」
「はい、どうしたの?」
「タクシーを呼んでくれないか?」
「分かったわ。どこが良いの?」
「どこでもかまわないよ」
「わかったわ。東京デイリータクシーから呼んでみるわね。(電子音)もしもし、東京デイリータクシーですか?一台お願いできますか?」
サトミの声が流れるが、相手のオペレーターの返事は深夜で一番車が少ないので少し時間がかかるとのことだった。
「いいよ。それで」
幸一がそう言うと、サトミが住所を伝え始めた。
その声を聞きながら幸一は既に久美とのキスを再び楽しみ始めていた。幸一が制服のジッパーに手を掛けても久美は何も言わずに許している。薄手のブラジャーの布地に包まれた膨らみを何度も確認してからスカートの中に手を入れても久美は嫌がらなかった。
舌を絡め合いながらそっと足を開かせ、布地に包まれた敏感な部分を指で撫で始めると久美の吐息が一気に熱くなる。久美も許された短い時間の間だけは幸一に愛されていたかったのだ。
「はぁ、はぁ、ああん、幸一さん、またそれを・・・、アン、止まらなくなるぅ」
「今度はタクシーが来たら嫌でも止めなくちゃいけないんだ。良いだろ?」
久美は静かに頷いた。
幸一の手が久美のあちこちを撫で回し始めると、久美の身体の中にも炎が燃え上がってくる。それはとても安心できる愛撫で、久美は時間まで幸一のしたいようにさせることにした。