「こっちへおいで」

康司はそう言うと、未来を引き寄せて膝の上に横抱きにした。

「ねぇ、私、どれくらい寝ていたの?」

「どれくらいだと思う?」

30分くらい?」

「もっと」

「1時間くらい?」

「もっと」

「ええっ、それじゃぁ・・」

「1時間20分くらいかな」

「そんなに寝てたんだ」

「最初はお風呂から上がった時、未来ちゃんを見つけて起こそうと思ったんだけど、とってもよく寝てたから起こすのが可愛そうになって」

「起きるの、待っててくれたの?」

「・・・うん」

「ごめんなさい・・・」

「ううん、謝らなくて良いよ。そうしたかったんだから」

「でもぉ・・・」

「寝たら喉、渇いたろ?」

そう言うとテーブルの上の茶碗に入れたお茶を取り、未来にそっと飲ませてくれた。未来は甘えるように美味しそうに飲み干してから、

「私、お茶ぐらい自分で飲めるよ。赤ちゃんじゃないんだから」

と言って笑った。

「ううん、まだまだいっぱいいろんな事を覚えなきゃいけないんだから、赤ちゃんと一緒だよ」

そう言いながら康司は未来の首を支えている左手で優しく首筋を愛撫し始めた。未来はその意味に気が付いたが、全然嫌な気はしなかった。

「いっぱい覚えないといけないの?」

「うん、そうだよ。いっぱい、いっぱいね」

康司の右手はゆっくりと未来の身体を浴衣の上から撫で始めた。未来は少し緊張した。

「どんなこと覚えるの?」

そう言いながら未来は康司の胸に顔を押し当てて甘えてみせる。じっと見つめられると緊張しているのが分かってしまいそうだった。しかし、身体の奥からは少しずつあの感覚が湧き上がり始めている。

「教えて欲しい?」

康司はそう言うと、未来の小さな顎に指をかけて康司の方を向かせる。未来は最初、ちょっと困ったように目を少しそらせたが、直ぐに康司の方を見つめると、頷く代わりにゆっくりと瞬きした。

そして康司はゆっくりとキスをした。未来はちょんちょんと舌を返しながら、ドキドキしている自分を『可愛いな』と思った。未来は何故かとても安心してキスを楽しむことができた。既に心の準備は出来ているのだ。後はその時が来るまで、康司の腕の中で康司の見せてくれる世界を楽しめばいい、そんな気楽な気持ちでいられた。でも、今だからこそ甘えたい、少し困らせてみたい、そんな気持ちも持っていた。

二人が満足するまでキスを楽しんだ康司は、未来を脱がせ始めた。今の未来は下着の上にTシャツを来ているので、浴衣をそのままにしてTシャツから脱がせることにした。

「未来ちゃん、ちょっと浴衣をはだけるよ」

そう言うと康司は右前(左側が上=右が手前)になっている未来の浴衣の左を上に引っ張り、未来の左手だけ脱がせてからゆっくりとTシャツを捲り上げて行った。そのままTシャツの左手を脱がせれば首は簡単に抜ける。そうして康司は未来のTシャツを右手から抜き取った。

未来は康司がどうしてこんな脱がせ方をするのか分からなかった。てっきりそのままベッドに連れて行かれるものと思っていたから、

「ねぇ、どうするの?」

と聞いたが、

「大丈夫、ちょっとこうしたかっただけ」

と取り合ってくれない。康司は半分だけ見えている未来のブラの上を指でゆっくりなぞりながら、時々首筋の当たりまで愛撫して、

「次はこれを取っちゃおうかな・・・?」

とイタズラっぽく言った。

「あん、康司さん・・・・、こんなのいやぁ」

「恥ずかしい?」

「うん」

「それじゃ、立ち上がって脱いで見せてくれる?」

「いやぁ、このままがいい、離れるのはいやぁ」

「それじゃぁ、こうしちゃうよ」

康司は未来の首筋にキスをして、未来が、

「あんっ」

と仰け反ると、見えているブラのショルダーストラップをスッと肩から降ろして浴衣の袖から手を入れてストラップを袖から抜き出し、左手を潜らせてから抜いて行った。そしてそのまま首筋から肩、小乳へと愛撫していく。未来は身体が熱くなっていくのを感じていた。

「こんな風にするの?」

身体の片側だけ脱がされた未来は、いたずらっ子が逃げ回るように、はにかみながら康司の腕の中で身体を捻って見えそうになっている乳房を隠そうとする。康司になるべく身体をすり寄せて、康司に見せまいとする未来の動きを予測していたかのように、康司は左手で寄りかかっている未来の身体を抱き支え、右手は未来の左手の袖から手を入れてブラジャーのバックストラップを外そうとした。

「え?何するの?」

未来は一瞬、康司が何をしようとしているのか理解できなかった。何しろ康司の左手は浴衣の未来を外から支えているのだ。右手は袖の中から背中に回っているが、それだけでバックストラップを外せるとは思わなかった。今の未来のブラは5/8カップなので、ストラップを下げてしまえばかなり刺激的に見えるはずだ。さっき起きた時におこちゃまっぽいフルカップのブラから、一番大人っぽい(と自分では思っている)このブラに換えて正解だった。今の康司の目線は未来の胸に釘付けになっている。

しかし、未来がそんなことをちょっと考えている内に康司はブラのホックを外してしまった。

「えっ、外れたの?」

「もちろん。外したんだから。未来ちゃん、今日は可愛いブラだね」

「ああん、そんなこと今言わなくたってぇ。まだ早〜ぃ」

「イヤなら早く言ってくれないと。ほら、こうやって右手から引っ張ればブラだって無くなっちゃうんだよ」

康司はそう言いながら未来の浴衣の袖からブラを抜き取った。

「だめぇ、それ、無くなったんじゃなくて、脱がしたの〜。だめっ、見ちゃイヤッ」

未来は康司の視線に気が付くと、慌てて浴衣に袖を通して浴衣を直し、ちょっとだけ見えていた可愛らしい乳首を隠して襟を直してから、慌てて脱がされたブラを康司の視界から隠した。気が付くと、浴衣以外にはもうパンツしか身に付けていない。

「だめぇ、こんなに早く脱がしたらぁ」

「ダメなの?もっとゆっくり、じっくり脱がした方が良かった?」

「いやぁ、そんなこと言っちゃだめぇ」

「言わなければいいの?」

「女の子は思ってても言わないの」

「思ってたの?」

「意地悪しないでぇ」

「分かった分かった。意地悪しないから。最後はこっちだね」

康司は未来にもう一度優しくキスをしながら裾を割って敏感な部分に触れてきた。

「アンッ、あうぅっ、ダメ、優しく触って・・・」

未来は半分以上諦めながらも、康司の手が優しく感じさせてくれること望んだ。未来の中では康司の手は康司よりも意地悪で大胆な存在だった。

未来が康司の腕の中で身体を伸ばして自然に感じられる体勢をとると、康司は未来のパンツに手を掛け、少しずつ脱がし始めた。もっと焦らされながら脱がされるものだと覚悟していた未来には意外で、

「だめぇ、そんなに直ぐにしたらぁ」

と小さく抗議の声を上げたが、ここで焦らされるのは未来にとってもイヤだったので、抗議自体に殆ど迫力はなかった。でも、今日はまだお風呂に入っていない。康司は2回も入っているので、未来は自分だけ汗くさい気がして、このままベッドに入るのはイヤだった。

康司の手は優しく未来の秘丘を揉みほぐし、全体から何とも言えない快感を与えてくる。

「ぁあぁ・・ぁあん、だめぇ、まだお風呂に入ってないからぁ」

未来が潤んだ目で康司を見上げながら言うと、

「入ろうとしなかったくせに」

と康司が笑っている。

「だってぇ、なんかお腹いっぱいでぇ、眠くなちゃったからぁ」

「それで今は気持ち良くなっちゃったのかな?」

そう言いながら少し奥の敏感な所の直ぐ近くまで指を進めてゆっくりと揉みほぐしていく。

「はぁっ、康司さん・・・ああんっ、このままするのぉ?」

未来はだんだん自分の身体が熱くなってきたことに気が付き、本当にこのままベッドに行って良いものか迷っていた。このまま康司の腕の中で甘えたい気持ちは充分あるのだが、夕食前にもだいぶベッドで汗をかいたはずだ。きっと体臭が強くなっているはずだと思うと、今一歩康司の誘う世界に飛び込んでいく気にはなれなかった。

とうとう康司は未来のパンツに手を掛けると、ゆっくりと脱がし始めた。未来は少し腰を浮かせて協力しながらも、どっちにするか今すぐに決めなければいけないことに気が付いた。いつも康司に言われている、時間は待ってくれない、と。

「康司さん、私、ちょっとお風呂に入ってくる」

「ん?これから入るの?」

「うん、私まだ全然お風呂に入ってないんだよ。直ぐに戻ってくるから」

そう言うと未来は少しだるくなっている身体を無理に起こし、浴衣一枚だけの姿で部屋に付いている露天風呂に向かった。

脱衣所で素早く浴衣を脱いで軽く畳むと、未来は露天風呂に入った。露天風呂と言っても、完全に外にある訳ではなく、2面は建物に囲まれているので、外側に壁のないお風呂、と言う感じの所だったが、未来には開放的過ぎなくてちょうど良かった。一応岩風呂になっており、未来一人で入るには十分すぎる大きさがある。

今までのことから考えて、この後ベッドに入れば宏一は未来の両足を大きく開き、その中に顔を埋めてくるのは間違いなかった。自分の一番大切な部分で宏一の顔を包み込み、全てを愛されて声を上げて仰け反る、それを考えただけで未来の心は熱くなった。

小さな音を立てて流れ落ちる湯を手ですくい、それを持ち上げて湯の中に落としてみる。目の前に広がる波紋の向こうに未来が今まで康司に教えられて感じていた時の姿が浮かんできた。

なるべく考えないようにしてきたことだが、勉強も食事も終わって一人でポツンとする時間になると、今の自分が親も知らない大人とセックスするためにここに来ていることを嫌でも思い出す。去年、塾に通い始めるまでは隣町に行くだけでも親にしっかりと断ってから出かけていたのに。『私、今じゃこんなことできるようになったんだ・・・』自分自身の心のつぶやきなのに、どこか他の子の事のようにも感じられる。『ねぇ未来ぅ、私もうすぐ経験するんだよ。彼は康司さんて言ってね・・・・・』そんな風に思ってみても複雑な心の中はすっきりとしなかった。