一人で湯船に浸かって暗い外を眺めながら風に吹かれていると、親と一緒でなければ街に出ることなど殆ど無かった子供の頃がずっと昔に思えてくる。でも中学に入ってから未来の周りはもの凄い勢いで変わっていった。『あのころにも悩みはあったけど、可愛らしい悩みだったな・・・』確かにその頃と今では知っていることの量が全然違っていた。今では日本地理、英語、数学、そして自分の住んでいる街だけでなく新宿、原宿、お台場、さらに男の人の身体まで未来は知っていた。そんなことを考えていると、
「未来ちゃん、俺も入るよ」
と言って康司が入ってきた。
「わっ、だめっ!」
お風呂の中で慌てて後ろを向いた未来だったが、康司がこっちに歩いてくるのを見た、様な気がした。
『康司さん、裸だった?』『覚えてない』『見たっけ?』『かも・・・』頭の中が半分パニクっている。
未来が露天風呂の端っこで小さくなっていると、じゃぶっと音がして康司が近づいてくるのが分かった。
「ダメ、来ないで!」
「どうして?」
「もうっ、女性のお風呂に入ってくるなんて」
「いつから『女性のお風呂』になったの?」
「私が入った時から!」
「じゃあ今は二人のお風呂、だね」
そう言うと康司は小さくなっている未来の身体をスッと引き寄せ、康司の膝の上に載せてしまう。
「あん、恥ずかしいょぅ」
未来は両手両足を縮めて、まるで荷物みたいに康司の膝に乗っていた。康司は左手で未来を優しく抱き、右手で首筋からうなじを撫でていた。未来は首をすぼめて更に小さくなっている。
「嫌、ダメ・・・降ろして・・・」
「どうして?」
「まだ身体も洗ってないのに」
「洗ってあげるよ」
「だめっ!絶対イヤっ。降ろしてぇっ!」
康司はせっかく未来を抱いたものの、あまりに未来が嫌がるので一度降ろすしかなかった。
康司から降りたことでやっと一息付いた未来は、康司から少し離れた所で後ろを向いて浸かっていた。
未来は、自分でも少し嫌がりすぎかな、と思ったが、体を洗う姿を見られるのだけは絶対に嫌だった。康司がもう少し後で入ってきたなら、それほどいやな気はしなかったろう。しかし、まだ身体も洗っていない時に入ってこられては何もできない。
「未来ちゃん、どうしても一緒に入るのはいや?」
「ぅうん、嫌じゃないけどぉ・・・・」
未来はなんと答えようか迷ってしまった。康司に甘えたい気持ちもあるのだが、なんと言えばいいのかよく分からない。
「未来ちゃんに甘えて欲しかっただけなんだ。分かってくれる?」
未来はこっくりと頷いた。
「それじゃ、もう少し後でなら一緒に入ってくれる?」
そう康司が言うと、未来ははっきりと頷いた。
康司は未来の答えに納得すると、一度浴槽を出て身体を拭き、部屋に入っていった。
未来は康司が見えなくなると、急いで浴槽から出て身体を洗い始めた。あれだけ康司に感じさせられたのだ、自分自身でも汗臭くなっているのがよく分かる。とにかくまず身体を綺麗にしたかったので、一生懸命に身体をゴシゴシと洗った。
未来が髪の毛を洗い終わったころ、康司が戻ってきた。
「入ってもいい?」
「うん」
今度は素直に応じることができた。康司は再び未来を浴槽の中で膝の上に抱き上げると、
「やっとゆっくりできるね」
と囁いた。
「うん、今何時?」
「もう10時だよ」
「そうかぁ、そんなになったんだ」
「だって、ご飯を食べてから未来ちゃんは一眠りしたでしょ?」
「うん」
「まだ眠い?」
「ううん、全然」
「よかった」
「康司さんは眠くないの?」
「大丈夫だよ」
「すごぉい。やっぱり康司さんは偉いなぁ」
「偉いの?」
「うん、偉いの」
未来は康司の胸に身体を預け、優しく抱かれながら湯の上に波紋が広がっていくのを見ていた。未来の中では、康司はいつも強くて自信あふれる存在だった。だからこそ、そんな康司の腕の中にいるのが気持ちよいのだと、なんとなく感じていた。
康司は優しく未来の身体を撫でていたが、未来はまったく嫌がらなかった。
「今度は嫌がらないの?」
「うん、もういいの」
未来は自分のことを考えて、わざわざ一度浴槽から出てくれた康司の心遣いがうれしかった。こういうところが未来には大人らしい心の広さだと思えるのだ。だからこそ、この後は康司の期待に沿うようにしたかった。
康司はそっと未来の首筋を支えて上を向かせると、唇を重ねていった。未来はおとなしく受け入れ、康司の舌が入ってきてもお返しに舌を絡めた。だんだんと康司の舌が情熱的に未来の小さな舌を追い掛け回す。未来は嫌がっていない証拠に、少し身体を伸ばすと康司の手をとって自分の小さな胸に当てた。
康司の手が優しく小さな膨らみを撫で、そしてそっと揉み始める。少しずつあの感覚が身体に湧き上がってくると、未来は、
「は・・恥ずかしいけど・・・嬉しい」
と小さな声で言った。
夜も遅いので、さほど明るくない浴槽の周りは静かだ。風が林の中を通り抜けて芦ノ湖の方に抜けていく。康司の手が未来の身体を撫でるときの小さな水音だけが二人の間を繋いでいた。
やがて康司の手は、胸から下りると足の間へと入っていく。
「そ、そこは・・・、康司さん・・・・」
「いや?」
「違うの。声が出ちゃったら・・・」
「大丈夫。そっとするから。ほら、夜の林の中も綺麗だろ?湖が少し見えて、月の光が写ってる。未来ちゃんとこうしていると、二人で旅行してるんだって思えて嬉しいんだ」
そういいながらも、康司の手は未来の足を開かせると、敏感な部分に入っていった。
「んっ!」
康司の指先が、秘核のすぐ下の未来が最も喜ぶ部分に触れた。声が出そうになった未来の身体が硬くなり、緊張している様子がよく分かる。
「だいじょうぶ。ほら」
康司は指を当てたまま動かさず、未来をまず安心させる。
「う・・ん・・・」
未来は康司が何をしたいのか分からずに、少し戸惑った。優しく感じさせてくれるのなら、周りが気にならない部屋の中に連れて行って欲しかった。それとも単に大切な場所に触りたかっただけなのだろうか?と、未来は少し戸惑っていた。
そのまま康司の指は、ごくゆっくりと動いて未来の秘口の辺りまで動いていくと、またゆっくりと戻ってくる。じわっとした快感が未来の身体を満たし始めた。
「どう?少しだけ感じる?」
未来はこっくりと頷いたが、このまま続けられたらどうなるか自信がなかった。未来はこんなところで触られるよりも、ベッドに連れて行って欲しかった。康司がどうしてお風呂でこんなことをしたがるのか全然分からなかった。露天風呂にいたら、誰かに見られるかもしれないし、声を聞かれるかもしれない。
「康司さん・・・・」
「どうしたの?」
「こんなところで・・・」
未来が小さな抗議の声を上げようとしたとき、康司の唇が未来の耳たぶを挟んで、身体を抱いている左手が背中を回って乳房に触ってきた。
「あんっ」
「大丈夫。これくらいの声じゃ誰にも聞こえないよ。お湯の落ちる音の方が大きいから」
そう言いながら、康司の右手の指は未来の足をさらに大きく開かせて少しずつ刺激を強くしてくる。未来はしばらくキスをねだって快感をごまかしていたが、それもだんだんできなくなってくると、
「康司さん、のぼせちゃう」
とうそを言って康司の愛撫をやめさせようとした。確かにだいぶお風呂に入っていたので身体は十分に温まっていたが、康司の膝の上に乗っているので身体は半分くらいしか湯に入っておらず、まだのぼせるほどではない。
「それじゃ、ここに腰掛けてごらん」
康司は未来を解放すると、檜の角材でできている浴槽のふちに腰掛けさせた。浴槽のふちは洗い場と同じ高さなので、未来は後ろに手をついて浴槽に腰掛けると、
「まだ上がらないのぉ?」
と聞いてきた。
「うん、もう少ししたらね」
康司はそういうと、未来の足を開いて両手で膝を少し持ち上げ、未来の淡い茂みの中に顔を埋めてきた。
「ここはいや・・・」
未来はそう言ったが、康司はすでに舌を秘核の周りに這わせ始めていた。
「だめ・・・ああっ、これが・・・だめぇ・・・・ああんっ、はああぁっ・・声が出ちゃう・・・・あうぅぅっ、康司さん、康司さん、ああんっ、はあぁーっ」
未来が必死に声を抑えながらしている小声の抗議が露天風呂に流れ、風がそれを湖へと運び去っていった。座ったまま膝を高く持ち上げられたので自然に手を後ろについて身体を支えているので未来は全く動くことができない。どうしても口から声が出てしまうが、片手を口に当てたら倒れそうで手を口に当てることさえできなかった。自分の声が外に漏れていることは間違いないのでどうしても安心できない。とにかく、こんなところで愛されたくはなかった。
「ねぇ、康司さぁん、ああん、いやぁ、ねぇ、許して・・・、ここはいやぁ」
未来は康司の舌が敏感な部分をゆっくりと舐め回すのを感じながら抗議した。それでも康司はなかなか止めてくれない。だんだん未来の身体の中から炎が燃え上がってきた。
ただ、康司もここでは余り激しく愛してこないのが唯一の救いだったが、却って未来は夢中になれないもどかしさに焦れてきた。ベッドの上ならもっと自由になれたはずなのに、ここでは周りが気になってどうしても感じることに集中できない。
最初後ろ手で身体を支えていた未来も、身体が感じ始めると次第にゆっくりと身体を檜の洗い場の上に倒していった。身体が横になると、自然にもっと感じたくなって焦れったさが増す。しかし、その焦れったさも、康司の手が未来の乳房を揉み始めた瞬間に消えてしまった。すでに一度丁寧に愛撫されてからずっと放っておかれた乳房は、未来が想像する以上に敏感になっていた。 裾野の方から先端に向かって揉み上げられるだけでズ−ンと快感が身体を走り、先端を指で転がされるとビンと強力な快感が走り抜ける。未来はいけないと思いながらも強力な快感にすべてを押し流され夢中になっていった。そして未来は無意識に腰を突き上げて秘部を康司に擦り付けていることに気がつくと、
「アアン、だめぇ、これだめぇ、はああぁっ、まってぇ、ああんっ、はうぅっ、いぃ一っ」
と腰を止めようとしたが、勝手に動く腰をとめることはできなかった。