第16部

「それじゃ、こっち向いてしゃがんで。それから砂を手にとってパラパラしてみて」

亮子は言われたとおりにした。砂が指の間から落ちていく様子をじっと眺めていると、少しだけ心が軽くなったような気になる。このまま気分が良くなれば…。

「はい、それじゃ、ちょっとだけ上を向いてみて、カメラの方を向いて、砂の入った手を差し出してみよう。ほら、こんなにきれいな砂だよ」

その声が響いた瞬間、亮子の心はまた閉じてしまった。無理に笑おうとすれば引きつってしまう。それならいっそ普通の表情の方が良いかもしれない、すでに亮子の心はこの時間を通り抜けることしか考えていなかった。

それから何枚も撮影した。しかし、康司の大好きな亮子のこぼれるようなあの笑顔は出てこなかった。実は、一番それを感じていたのは康司だった。康司は一生懸命やっていた。亮子はそれに答えようとしていることは間違いなかった。しかし、それだけではだめだ。全然良い写真が撮れていない。声を上げてシャッターを切りながら、康司は焦っていた。もうすぐ時間切れになる。

康司は露出計で砂浜を計ってみた。F8で1/2000秒。そろそろ光の強さが限界に近づいている。撮影を始めた時はF5.6で1/500だったのにあっという間にこの違いだ。亮子の肌はF8で1/500秒。ポートレート用の低感度フィルムを使ってこの明るさなのだ。日本では決して体験できない、もの凄い強さの光だった。更にこれから日差しは容赦なく強くなっていく。せいぜいあと30分。それが限界だろう。

「康司さん、後どれくらいかかる?」

「え?撮影?あと20分くらいかな」

「そう、まだそんなに・・」

亮子は一気にげっそりしてしまった。康司に言われたポーズを取るのは、今の亮子には辛すぎた。笑いたくもないときに笑顔で写真に写っていくなんて、こんな辛いこととは思わなかった。そして、その失敗がずっとフィルムとして残っていくのだ。笑えない笑顔、輝かない沈んだ瞳、そして動かないゆがんだ口元。

「ねぇ、康司さん、どうしても、それ、撮らなきゃだめ?」

「そ、そんなことないよ。でも、一応予定を立ててきたから・・」

「そうね・・、一生懸命準備してくれたんだもの・・」

その表情があまりに悲しそうだったので康司は驚いた。とても撮影できる状態ではない。

「アキちゃん、午前中の撮影はこれくらいで切り上げて、ちょっと部屋で休もうか。日差しが強くて疲れたろ?」

「そう・・ね・・」

亮子は特にうれしがる様子でもなく、頷いた。二人で荷物をまとめ、無言で部屋に歩いていく。貸し切りになっているのは今日の朝までだから、夕方からは他の客がどんどん入ってくるだろう。砂浜を自由に使えるのは今日の午後早い時間までだった。

部屋に入ると、クーラーが利いていて涼しさに驚くほどだ。朝、部屋を出たときはそんなに暑くなかったのに、知らない間にかなり暑くなっていたらしい。

「お疲れ!冷たいシャワーを浴びておいで」

康司のその声に亮子は答えようともせず、亮子は無言で自分のバッグから必要なものを取り出すとバスルームに向かった。

シャワーを浴び初めて冷たい水が身体を流れていくと、ついに張りつめていたものが切れた。

「う・・うう・・うっ・・くっ」

抑えた嗚咽と共に一気に涙があふれる。どうしようもなかった。今はただ、悲しかった。

康司は亮子がなかなか出てこないので少し心配した。『バスルームをノックしてみようか』そう思ったとき、ゆっくりバスルームから亮子が出てきた。その目を見た途端、康司は亮子が泣いていたことを知った。そして、康司は自分のしたことを悟った。

「ごめん、アキちゃん」

最初、亮子は何も言わなかった。何かを言おうとすると泣き出しそうだった。

「ごめんね。俺、上手くやりたくて・・良い写真を撮りたくて・・アキちゃんに喜んで欲しくて・・それで、俺・・メモの通りにやらなきゃって・・そればっかり・・」

「・・ううん、違う、康司さんは悪くない。私がわがままで・・、せっかく一生懸命準備して、計画立てて、全部やってくれてるのに、私ったら自分の思うとおりにやらないとイヤで・・。康司さんが言ったとおりにやろうと思っても別のことばっかり考えて・・、ううっ、ううっ、でも、だめなの・・、どうしてもできない・・ひっく、いやなの・・私が考えた通りに歩いて、止まって、振り向いて、そうやらないとダメなの!!それしかできないのよぅ、うわぁぁぁぁ・・」

亮子はベッドに泣き伏した。中学の頃から何度も何度も夢に見て、ノートに書いて、それを書き直して、暗記して、また書き直した夢が現実のものとなったのに、いざ撮影となった瞬間にその夢に亮子は飲み込まれてしまった。亮子自身でさえも実現できないほど、長年の夢は大きく膨らみすぎていた。とても夢のようにはできなかった。それが悲しかった。夢を見たこと自体が間違いだったのかもしれない、今までの時間は無駄だったのかもしれない、そんな想いが心を突き抜けていた。泣いても泣いても悲しかった。

 

その姿を見た康司は、呆然としてその場に立ちつくした。ほんの1時間前まで亮子の表情は最高だった。部屋を出るときはきっと良い写真が撮れると思っていた。しかし今、康司の目の前にいるのは悲しみに打ちひしがれた残骸のような亮子だ。『どうして・・』そればかりが頭の中を渦巻いた。

康司は必死に考えた。それしか今の康司にできることはなかったからだ。亮子が肩を揺すって泣いている横で、康司はじっと考え続けた。そして、やっとカメラマンとして致命的な失敗をしたことに気が付いた。

「アキちゃん、もう一回外に出よう。長くはないけど、日焼け止めを塗ってくれる?」

いきなり康司がとんでもないことを言い出した。

「え?まだ撮るの?日差しが強すぎないの?」

「大丈夫、日陰にしか行かないし、そんなに時間、かからないよ」

康司が勢い込んで言うので、亮子はそれに押される形でもう一度バスルームに戻り、日焼け止めを塗り直した。亮子は塗りながら康司の様子が気になった。今の亮子は康司の期待にとても添える状態ではない。もう一回やり直しても、上手くできないのは目に見えていた。

「アキちゃん、それじゃ、出ようか」

「康司さん、カメラバッグは?」

「良いんだ。撮影じゃないから」

「そうなの?」

亮子は訳も分からずに、ビーチタオルの入ったバッグを持つと外に出た。強烈な日差しがホテルの林の上から差し込んでくる。康司は亮子をビーチの側の少し大きな木陰に誘った。そこは強い日差しを遮っている割には涼しい風が吹いており、少し向こうに強烈に輝くビーチが見える所だった。

「ここならゆっくりできるよ。ホテルの方からは見えないし」

康司はそう言うと、亮子の手のバスケットからビーチタオルを取り出して大きな木の下の芝と砂地の混ざった地面に大きく広げた。風でめくれないように周りに重しを乗せるのを手伝いながら、亮子は康司が何をやりたいのかよく分からなかった。

「さあ、できた。アキちゃん、飲み物頂戴」

「はい、朝入れたから少し温かくなったけど」

「アキちゃんも座ってのんびりしようよ」

康司は美味しそうにジュースを飲みながら、にっこり笑いかけた。亮子もとりあえず座って周りを眺めながらジュースを飲む。

「まだビーチでこんな事してなかったよね」

そう言われて亮子は気が付いた。まだ亮子自身、ビーチをゆっくり眺めたことなど無かったのだ。ビーチを渡る風、日差し、揺れる葉、木陰、まだ亮子には新鮮な眺めであり、初めての体験に等しかった。

「少しの間、ここでこうしていよう。そうすればきっと、このビーチにアキちゃんが慣れると思うんだ」

「ありがとう、康司さん」

亮子は康司の気持ちが初めて理解できた。さっきはビーチの景色に自分が受け入れて貰えなくて悲しくなり泣いてしまったが、実際受け入れていなかったのは亮子の方だった。亮子自身がこのビーチを受け入れていないのに、ビーチのせいにしてしまったのだ。

少しの間、亮子は何も言わずにじっとビーチをゆっくりと見回していた。すると、だんだんとビーチに自分が溶け込んでいくような気がした。すると、自分の心に安心感が生まれるのが分かった。

「康司さん、ありがとう、なんかビーチをよく分かってきたみたい」

そよ風の中で亮子は隣に座る康司にそっと身体を預けていく。すると康司はそっと手を回してそれを受け止めた。

「どう?慣れてきた?」

「うん、だいぶね。もう少しここにいれば大丈夫よ」

「良かった、アキちゃんが自信を持ってくれるのが一番さ」

「康司さん、甘えても良い?」

「いいよ。どうしたの?」

「上の方も見てみたいの」

そう言うと、亮子は仰向けで康司の膝の上に身体を横たえた。康司が左手で亮子の首を支え、右手で亮子の可愛らしいあごを上向かせてそっとキスをする。一旦目を閉じた亮子がゆっくり目を開けると、上の方まで何重にも重なった椰子の葉が太陽の光を防いでいるのが見えた。

「あの葉っぱに感謝しなくちゃ」

「え?」

「ううん、光を防いでくれているでしょ。私たちのために」

「おれたちのため?そうかな?」

「そうなのよ。それで良いの」

亮子はにっこりと笑うと、再び康司にキスをねだった。康司の手はTシャツの中に入り、ゆっくりとビキニの亮子の身体を慈しみ始める。それは全てを受け入れている亮子の身体には十分な刺激になった。

「あん、康司さん、今触られたら感じちゃう」

「良いんだよ。誰もいないし、感じてごらん」

「だって、誰か見てるかも・・・」

「誰も見てないよ。それにTシャツだって脱がさないし、ミニスカートもそのままにするから。ね?いいだろ?」

康司は堅くはったビキニブラの布地の上をそっと撫でながら亮子がその気になるように願っていた。だんだん亮子の身体にはあの独特の感覚が沸き上がってくる。布地の中央にはポツッと突起が飛び出してきたのがTシャツの上からでも分かった。

「あん、だめぇ、嬉しいけど・・・恥ずかしい・・・・」

「いや?」

「でも・・・・・康司さん、首の後ろのひも、引っ張って」

康司が言われた通りにすると、首のひもが緩んでビキニブラの張りが一気になくなった。康司の手がその布に包まれていた可愛らしい半球形の膨らみを包み込み、ゆっくりと撫で始める。

「あ、ああん、恥ずかしい・・・・、でも・・・・なんか不思議・・・」

亮子の身体は康司の膝の上でゆっくりとうねるようにうごめいた。康司の手がゆっくりと乳房の先端を目指す時は全てを感じ取ろうと動きを止め、手が位置を決めてゆっくりと揉みほぐす時は喜びを身体全体で表すように、喘ぎ声と共に左右にうねる。そして指先で乳首を可愛がる時は首を大きく仰け反らせて笛のような声を出した。

「はあっ、康司さん、素敵・・・・はうぅっ、うん、はぁ、はぁ、はぁ、はっうぅーん、くうぅっ」

いつしか亮子の足はゆっくりと擦り合わされ、その中に泉を生み出そうとしていた。それを上から眺めている康司もだんだん先に進みたくなってくる。

「アキちゃん、口で可愛がっても良い?」

「ぬ、脱がすの?」

一瞬おびえが亮子の顔に走る。

「少し捲り上げるだけ・・・だけど・・・」

「少しだけ?」

「うん」

「・・・・・そっとよ」

亮子はそう言うと、自分からTシャツの裾を少し捲り上げた。実は先ほどから亮子の方がして欲しかったのだ。しかし恥ずかしくてとても自分からは言えなかったので、焦れながら悶えている以外無かった。だから康司もしてみたくなってくれたのが嬉しかった。

ゆっくりと亮子の肌が露わになり、ぷっくりと膨らんだ乳房が外気に触れる。亮子は首を康司に支えられて少しだけ上体を起こしているので、余計に膨らみが強調されている。やがて先端の突起が現れると、康司は状態を倒してそれを唇で摘みにいった。

「あっ、ああぁぁっ、ああぁーーん、はあっ、くうぅっ」

亮子のくぐもった声が木陰に小さく響き、そよ風に乗って流れていく。康司は唇でつまんだり、舌の先で転がしたりと亮子を飽きさせないように翻弄の中に包み込んだ。

「ああっ、ああんっ、ダメ・・・あぁーーっ」

一瞬亮子は嫌がった。しかしそれを許さないかのように康司は手で乳房を揉み上げながら更に舌と唇で乳首をついばむ。

「はうぅっ、あっ、はあーっ、だめぇっ、が、我慢できなくなるぅっ」

亮子はここまでで我慢しようと思っていた。しかし康司の愛撫は亮子を更に高い所に連れて行こうとする。感じれば感じるほど我慢できなくなってくる。それを知っているのか無視しているのか分からなかったが、康司は亮子の両方の乳房を丁寧に揉み上げて乳首を可愛がり続けた。

とうとう亮子が我慢できなくなった。自分からTシャツを降ろして康司の愛撫を中断させる。

「どうしたの?いや?」

「ち、違うの・・・・こっちも少しだけ・・・」

そう言うと、亮子は康司の手を取ってスカートの上に導いた。

「そっとよ、そっと、ね?お願い、声が出ちゃったらやめてね?」

康司の手がスカートの中のビキニパンツの上を撫で始めると、

「くうぅっ」

と康司に抱きつくようにして必死に声をこらえる。康司は亮子の声が大きくなりすぎないように身長に指を這わせ続けたが、それは結果として亮子を更に焦らすことになった。

「だ、だめぇ、そんな風にされたら・・・かえって我慢できなくなるぅ。ああん、はあっ」

亮子は悶えながら焦れるしかなかった。どうしても我慢できなくなってくる。

だから、やがて康司の指がパンツの中に入ってきても、首を支えている康司の腕にぎゅっとしがみつくだけで、嫌がりはしなかった。

「はうぅっ、う、うあぁぁ、はあんっ、くうぅっ・・・、いや・・・はうん、・・いや・・・」

「気持ちいい?」

康司が亮子の表情をのぞき込むとうんうんと頷きながら必死に康司にしがみついて快感をこらえている。康司は亮子の声が大きくならないように気を付けていたが、ビキニパンツに押さえつけられているのでどうしてもソフトなタッチができない。幸い周りには人影もないので、思い切ってパンツを脱がすことにした。

「これじゃ上手くさわれないから、脱がすよ。いい?」

「いや、それだけはいや、ああぁっ、そ、そこ・・うあっ、はぁ、はぁ、はうっ」

亮子は更に悶え苦しんだ。康司の指が秘核の周りを撫で回し、ゆっくりと秘口の上を通り過ぎる度に亮子の身体はもっと奥まで指を欲しがって腰がくっと上に跳ね上がった。

「中まで欲しい?」

康司は亮子にどこまでして良いものか迷っていた。

「ここでするの?」

「部屋に帰ってもいいけど、それじゃ意味無いと思うんだ。アキちゃんがここで感じるからいいんじゃないの?風が気持ちいいでしょ」

「うん、なんか分かる気がする。いいわ。しても。でも、そっとよ」

「わかった。こうかな?」

康司の指が亮子の秘口にゆっくりと入り込んでいった。待ちに待った感覚に亮子の身体に一気に快感が溢れかえる。

「ああぁぁーーーーっ」

亮子は思わず仰け反って腰を突き上げ、康司の指をむさぼってしまった。指が奥まで入ると、肉壁は喜びを表すかのようにゆっくりと指を撫で上げ、しごく。

しかし、指を挿入することはできてもパンツが邪魔をして上手く出没できない。どうしようかと迷っていると、

「う・・動かして・・・ね?そっと動かして」

と亮子がせがんできた。康司はパンツに邪魔されないように指を動かそうとするが、どうしても上手く動かすことができずに、

「だめっ、痛いっ」

と亮子が驚く。こうなっては脱がすのもやむを得ない問いを決した康司は、

「アキちゃん、ごめんよ。このままじゃ上手くできないんだ。脱がすよ、いいね?」

そう言うと、康司はビキニパンツを脱がし始めた。今度は亮子も嫌がらなかった。

「誰もいない?周りにいない?」

何度も周囲を気にしながら、康司が脱がせるのを手伝うように腰を浮かせて足からパンツを抜くのに協力する。その亮子の目はたっぷり潤んでおり、完全に快感の虜になっているかのようだった。

康司が再び指を使い始めると、亮子はミニスカートの裾を抑えて外から見えないようにして、再び悶え始める。

「どう?こんどはいいでしょ?」

「はうっ、いいっ、ダメ、上手、康司さん、上手すぎるっ、ああぁーーっ」

亮子は康司の指に夢中になった。康司が指を動かすのに合わせて亮子の腰は上下に動き、少しでも指を奥に迎え入れようとする。康司が指を止めると、何度か亮子の腰だけで指を迎え入れてから、

「いや、やめちゃいや、ね、して」

と康司の腕の中で亮子はおねだりをした。そんな可愛らしい亮子を見ていると、康司もだんだん我慢できなくなってくる。

「アキちゃん、手で、アキちゃんもして」

そう言ってジッパーに亮子の手を導くと、喘ぎながらも不器用にジッパーを降ろして康司の肉棒を取り出してくれた。

「はうぅっ、ああっ、康司さんっ、ああん、康司さんっ」

亮子は声を絞り出すように悶えながら腰を動かし、不器用な手つきで康司の肉棒をしごき始める。しかし、亮子の手つきでは、それなりに気持ちよいのだが、堅くはなっても終わりそうになかった。

「アキちゃん、もう我慢できないよ。いいだろ?」

康司のその言葉に亮子も頷く。

「して」

亮子は直ぐに挿入してくるものだと思った。しかし、康司は明るい所で亮子の秘部をたっぷりと愛してみたかった。亮子の足を大きく広げると、足の間に入って顔を薄い茂みに埋めようとする。

「いやあっ、それだけはだめっ」

亮子は激しく嫌がり、身体を捻って康司を拒絶した。そのまま俯せになって身体をピッタリと閉じて防御する。しかし康司は諦めなかった。尻からそっと指を差し込んで秘核の周りをゆっくりと撫で上げ、時々描きあげるような仕草で秘口の入り口を可愛がる。

「いやあぁ、ああんっ、だめ、そんなことしちゃだめぇ、ああぁっ」

ゆっくりと亮子の腰が反応を始める。康司の指を迎え入れようと少しずつ尻が上がり始めた。少しでも持ち上げると、その分だけ指が深く入り、確実に快感が強くなる。

「だ・・・ダメ・・・・それ以上は・・・ああっ、・・は、はいるぅっ」

亮子の腰は康司を迎え入れようとせり上がってきた。その腰をぐっと持ち上げて尻を突き出した格好にし、足を開いて安定させる。亮子にとっては恥ずかしくて堪らない格好だ。

康司はすかさずミニスカートを捲り上げ、亮子の秘部をさらけ出すと、尻の中に顔を埋めて舌を秘部に走らせた。

「いやあっ、ああん、いやぁーっ、康司さん、いや、いやあーっ」

亮子は声で激しく嫌がりながらも康司の愛撫を受け入れていた。死にたいほど恥ずかしい格好なのに、頭の心までしびれるくらいの快感が身体中を走り抜ける。亮子自身、この快感をしっかりと得ようといつの間にかひじで身体を支えて、しっかりと四つん這いの格好になっていた。ピチャピチャとイヤらしい音がしていたが、その音さえもそよ風が流し去るので亮子の耳にはあまり届かず、快感のみが身体を走り回る。

舐めたいだけ舐め回した康司が身体を起こすと、亮子の細い腰を掴んで康司は宣言した。

「アキちゃん、入るよ」

亮子は何も言わずにそれを受け入れ、じっと康司の肉棒を待った。康司がびんびんにそそり立った肉棒を亮子の尻にあてがい、位置を確かめながらゆっくりと入ってくる。

「はあぁぁぁぁぁ、きた、うぅぅ、はあああっ」

亮子は康司の肉棒を迎え入れながら、頭の隅の冷めた部分で不思議な成り行きに驚いていた。亮子自身、もともと性に積極的な方ではない。それがグァムまで来て砂浜でセックスしているのだ。まるで外国映画のシーンのようだと思った。

肉棒が入りきると、ゆっくりと動き始める。既に十分以上に潤っていた肉壁はしっかりと締め付けながらもスムースな出没を可能にしていた。ゆっくりと動きながら康司は亮子の身体を征服した素晴らしさに酔いしれ、こらえながらも声を上げる亮子を見下ろしながら快感を楽しんだ。亮子は肉棒を引き抜かれる時には、甘えたような残念そうな声を出し、埋め込まれる時には全身から絞り出すような押し殺した声を出した。何度も何度もそれを繰り返しながら二人は最高の時間をむさぼる。やがて、

「アキちゃん、目の前の木に手を付いて身体を起こしてごらん」

と康司が出没しながら言った。そして亮子の身体を木の方に押しやる。亮子が喘ぎながら言われた通りにすると、康司は手を伸ばして亮子の膨らみきった乳房を両手の中に納めて揉み上げた。

「はあああうぅぅうーっ」

声にならない声を上げて亮子の身体が左右に大きく捻られる。快感が強すぎて身体が驚いているのだ。康司は乳房が逃げないようにしっかりと握りながら腰をだんだん早く動かし始めた。

「ああぁぁぁぁぁっ、だめぇぇっ、ああぁぁっ、あーーーっ」

あまりの快感の強さに、とうとう亮子は身体を支えていられなくなり、ゆっくりとビーチタオルの上に倒れ込んでいった。それと同時に足もゆっくりと開いていって康司のバックからの挿入を不自然なものにする。

仕方ないので康司は一度肉棒を引き抜いた。亮子の横に寝ころんでそっと抱き寄せる。中途半端だったが、亮子の体力が持たないのでは仕方ないと諦めようとしたが、亮子は康司を抱き寄せると、自分の上に導いて足を広げた。そのままスムースに肉棒が飲み込まれる。

「はああぁぁっ、康司さん、康司さんっ」

亮子は再び声を上げて康司の下で腰を動かし始めた。康司も負けずに激しく出没する。もはや二人は外のことなど気にせず、思いっきり性の果実をむさぼっていた。何度も腰がぶつかり合い、1ミリでも深く繋がろうとして、離れ、また繋がる。

「アキちゃん、いいよ。いきそうだ。アキちゃん」

「康司さんっ、ああぁぁ、ああん、ああぁぁぁ、康司さんっ」

二人はそのまま最高の時間を迎えることになった。康司の肉棒が亮子の一番奥で噴出を始め、傘がぐっと開いた時に亮子も絶頂した。

「あぁぁぁぁぁぁーーーーー」

亮子の声が一段と長く響き、そのままゆっくりと二人の身体から力が抜けていく。亮子は身体の隅々まで満たされた絶頂感と同時に、ある種の後悔も感じていた。『外でこんな事しちゃった・・・』その思いが心の中に広がる。

康司はゆっくりと亮子から離れると、そっとパンツをはかせたり、Tシャツの下のビキニブラを留めてくれたりした。その優しさは嬉しかったが、とうとう我慢できなくなった亮子は泣き始めた。亮子の身支度を整えた康司は、そっとその身体を抱き寄せて撫で続けた。

 

 

 

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