第23部
「アキちゃん、もうすぐ終わるよ、良い?」
「終わって、終わって・・・」
「出すよっ」
「出してぇっ」
亮子は息すらも満足にできない快感の中で喘ぐ様に言った。康司は最後の瞬間が来た時、さらにぐりぐりと腰を亮子にこすりつけ、1ミリでも深く肉棒を入れようとした。
「あうぅぅぅぅぅーーーーーーっ」
亮子が声を上げて仰け反る様子を見ながらすさまじい快感の中で康司は放出した。亮子の肉壁は大胆に肉棒を扱きあげ、放出を確実なものにする。とにかく最高に気持ち良かった。
康司の肉棒は放出してもまだしばらく硬度を保っていたが、やがてそっと引き抜いてくれた。肉棒が引き抜かれる感覚に、亮子は思わず引き止めそうになったが、それが引き抜かれると満たされた満足感と心地よい疲労感の中で亮子はゆっくりと眠りに引き込まれていった。
眠りに落ちる直前、亮子は自分の中から液体が流れ出すのが判ったが、いやな感じがしないことが不思議だった。『女って怖いんだな・・・』それが康司に抱き寄せられながら眠りに入る直前の亮子の意識だった。そして亮子を抱きながら隣で寝ている康司は、可愛らしい少女を思い通り悶えさせたことに満足し、これからもこの関係がずっと続くことを信じて幸せに浸っていた。
亮子は激しい運動で疲れたらしく、直ぐに小さな寝息を立て始めた。康司が優しく髪を撫でると安心したような可愛らしいと息を漏らす。康司に寄り添っている亮子の乳首を軽くからかうように指で刺激すると、
「・・・あん・・・・・」
と少し笑っているように亮子が反応した。康司はこんな素晴らしい体験をしてしまっても良いのだろうかと、何もかもが最高の一日に満足した。
二人が浅い眠りで身体を休めている間に雨は上がり、再び強い日差しが降り注ぎ始めた。雨の滴を湛えた木々の葉は太陽の光で輝きながらたちまち乾き、砂浜は急速に乾いていく。
「アキちゃん、起きて。撮影に行くよ」
「あ・・え?うん・・・撮影?・・・するの?」
康司に起こされた亮子はまだ少し寝ぼけているようだったが、それでもゆっくりと身体を起こして外を見ると、
「雨は?」
と康司に聞いてきた。
「やんじゃったよ。もう外は綺麗に乾いてるみたいだ。支度して。あと少しすれば夕日になるから」
「そんなに寝ちゃったの?」
「ちょっとね。でも撮影には最高だよ。たぶん日焼け止めで十分に防げる程度の光だから」
康司はそう言いながらカメラをバッグに入れたり、フィルムやフィルターを確認している。
「明日は撮影できるの?」
「朝の天気次第だけど、飛行機の時間があるからよく分かんないや。出発は何時だっけ?」
「えーと、ちょっと待ってね。チケットを見てみるから」
「朝は湿度が高いから、できれば9時を回らないと綺麗に取れないと思うんだ」
「あ、ダメ、飛行機の出発は6時だもの」
「朝の?」
「そう」
「それじゃダメだね。これが最後の撮影だ」
「分かった。最後なのね」
亮子はそう言うと、一度手に取った水着を別のものに換えてシャワー室に入っていった。
やがて康司が準備を終え、よく冷えたドリンクや氷まで詰め終わった頃に亮子が出てきた。
「お待たせ、行きましょう」
亮子はプーさんの大きなTシャツを着ている。日差しが強い時はTシャツなどもってのほかだが、この時間ならさほど問題にはならないだろうと思い、康司も何も言わなかった。亮子の足の曲線が可愛らしい。
その亮子を見つめる康司の目は既にカメラマンのものだった。改めて観察すると、康司の目で見ても亮子の肌の色が少し赤茶色くなっているのが分かった。
「アキちゃん、水着は何色?赤?」
「そう、いけなかった?」
「ううん、赤で正解だよ。もしブルーなんかの寒色系だと日焼けしているのがはっきり分かっちゃうから、肌と同じ系統の色の方が良いんだ」
「良かった。まだこの水着、一回も着てなかったから、一回くらい着なきゃ、と思ってこれにしたの。日本に帰ったらたぶん着ないから」
二人はそんなことを話しながら、午前中と同じ砂浜の近くの大きな木の下に荷物を置いた。
「えいっ」
亮子が気合いを入れてTシャツを脱ぐと、康司は目を丸くした。
「どう?」
「凄いデザインだね。スーパーモデルみたいだ」
亮子のビキニはかなり小さめで、午前中に着ていたものよりもはっきり小さかった。
「ちょっと待って。午前中の水着の跡がついてないか調べるから」
康司はそう言うと、亮子の胸、背中、腰回りを丁寧に調べた。
「やだぁ、そんなに見ないで。着てるだけで恥ずかしいのに」
「うん・・・・まぁいいか、後は付いてるけど、余り目立ってないから。バストアップなら分かるかも知れないけど」
「ええ?ダメよ、胸だけを撮るなんて」
「違うよ。バストアップって言うのは、胸から上を撮ること。ほら、証明写真なんかの構図のことを言うんだよ」
「なぁんだ。康司さんが言うとエッチっぽく聞こえるから誤解しちゃった」
「その俺にさっきは凄いこと言ってたみたいだけど・・・ベッドの上で」
「え?何か言ってた?忘れちゃったなぁ」
「ずるいよ、そんなの」
「さあ、早く始めましょ。どうすればいいの?」
「え・・・あぁ、なんかごまかされた気がするけど、まぁいいや。アキちゃんの感性は結構いけると思うんだ。まず林の中から始めよう。木や葉っぱと話をする感じでゆっくりと手に取ってみて」
亮子は目を閉じて深呼吸すると、ゆっくり時に近づいた。『これじゃない。これも違う。私に話しかけているのは誰?・・・あ、あなたね?素敵な葉を持っているのね。こんなに素敵な形をしてる。さっきは濡れちゃったでしょ?え?あぁ、こっちの葉はまだ少し濡れてるのね?痛かった?そう、気持ち良かったの・・・・』
亮子は葉を覗き込んだり、そっと持ち上げてみたりして木との会話を楽しんだ。それを康司が次々にフィルムに収めていく。日差しが赤みを帯びてきているので葉の緑が引き立って見えた。
すると、目の前で一枚の葉が風も吹かないのに下に落ちた。
「あれ、落ちちゃったのね。可愛そうに。どうしようかな?」
亮子が一枚の葉を手にとって、裏返したり日にかざしたりしている。それを撮影しながら、ファインダーを覗いたままの康司が、
「それを胸の上にそっと置いてみて」
と言った。亮子は一瞬康司が何を言っているのか分からなかったが、それでも言われた通りに葉を自分のビキニのブラの上に置くと、
「うん、いい感じ。そのままもう少し葉っぱを真ん中に持ってきて」
「こう?」
「そう、いいよ。すごいく良い。葉の緑と水着の色が綺麗に肌の上で対比してる。良い写真だよ。そのままちょっと左を向いて。そう、そのままちょっと待ってて」
亮子は言われた通りにすると、康司は慌ててレンズを替えてから再び亮子を撮影した。
「うん、最高だよ。その葉っぱを少しだけ水着の中に差し込んでみて。ほうら、思った通りだ。痛くない?良かった。そのまま葉っぱをそっと持ち上げて口の方に持ってきて。そう、口をツンと突き出してキスしてみようか。そう、凄いよ。可愛らしい。目を大きく開けてこっちを見て、視線をそのままに身体だけ左を向いてみようか。やった。良いぞ。最高だ」
康司はいつの間にか亮子をファインダーの中で自由に動かしていた。アキュートマットに映し出された亮子はシャッターを切る何分の1秒の間だけ視界から消え、次の瞬間には別の表情を見せている。康司は夢中になってシャッターを切り続けた。
亮子は康司に言われた通りのポーズを取りながら、だんだん康司の考えていることが分かってきた。要するに色と曲線の調和なのだ。康司は亮子の身体のラインが綺麗にでるように周りの木々や葉の色を使い分けているようだった。
康司の意図が少しずつ分かってくると、亮子の方もそれに応えたポーズを取れるようになってきた。木により掛かって少し猫背気味にして、上目遣いにカメラを見上げ、足はピンと伸ばして下半身のラインは直線に、上半身は曲線が多くなるようにしてみたり、目の高さの枝に手を掛けて、二の腕は水平になるようにして、そっと振り向きながらカメラの少し横を見る。これでたぶん、ビキニのブラのラインが後ろの葉の緑から浮き上がって見えるはずだ。
康司は亮子の勘の良さに舌を巻いた。まるで撮影されることに慣れているモデルを目の前にしているみたいだった。亮子は撮影されると言うことがどういう事なのか、既にしっかりと理解していた。康司は亮子が撮影して欲しいと思うポーズや表情をカメラをほんの少し動かしてシャッターを切るだけで良かった。ファインダーの中の亮子は、康司が思わず声を出しそうになるくらい、綺麗で、可愛らしく、そして美しかった。
「周りに誰もいない?」
「え?」
「誰もいないかな?」
「うん、誰もいないよ。ここに来る道は一本だけだし、砂浜の方には誰もいないからね。ちょうど夕食前の時間だからみんな部屋に入ったんじゃない?」
「本当?誰もいない?」
「うん・・・いないけど・・・」
「じゃぁ、少しだけがんばっちゃうかな」
「え?」
亮子はそう言うと、首の後ろの結び目に手を掛けた。
「ちょっと待って、そのまま」
康司は亮子がやろうとしていることを瞬時に理解した。亮子の横に回り込むと、やや後ろから構図を作る。
「アキちゃん、ここじゃちょっとごちゃごちゃしてるな、もっと右を向いて、そう、その方が綺麗に日が当たってる。う〜ん、えーと、ちょっとこっちに移動してくれる、向きは同じで。でも、立ったままだと不自然だな。しゃがんだ方が良いよ。そう、うん、それだ。、良いよ。始めて」
亮子は康司の声を聞いて、まるで映画の撮影で『アクション』の声がかかった時のようだと思った。ゆっくりと首の後ろの結び目を解き、紐がはらりと落ちるとブラを抑えて康司を見上げる。そして左手でブラを押さえながらゆっくりと右手を後ろに回すと、片手でホックを外す。少し苦労したが何とか外れてくれた。そしてそうっとブラを外すと、横に落ちている葉を手にとって、自分の胸の上に載せた。小さな乳首の直ぐ上に載せられた葉は、乳首の色の淡さを引き立てている。
康司は夢中になってシャッターを切り続けた。最初、不安そうにブラを抑えて康司を見上げる亮子、じっと砂浜を見つめながら片手でホックを外している亮子、周りを木にしながらゆっくりとブラを外している時の表情、そっとしゃがんで砂浜の葉を撮る時に下を向いて三角に尖った乳房、はにかむように乳房の上の葉に話しかけている亮子。そして話しかけてから康司に笑顔で微笑む亮子。それらが素晴らしい写真になることは間違いなかった。
亮子はやりたいことをやったと見えて、葉をそっと砂浜に置いてから慌ててブラを付けた。
「あー恥ずかしかった。でも、なんか楽しかったな」
「すごく良い写真が撮れたよ。絶対だよ」
「ホント?思い切ってやってみて良かった」
「アキちゃんて、結構凄いんだね」
「何が?だって、本当に大切な時間だから、後悔したくなかったの」
「うん、良い写真ができるよ」
「康司さん、今度は砂浜に行きましょう」
「うん、良いよ」
「まだフィルム、ある?」
「大丈夫、任せといて」