第27部

 「康司さん」

「なあに?」

「誰もいない?」

「うん、いないよ。撮影の時だって誰も見なかったろ?」

「本当?周りに誰もいない?」

「うん、いないよ。心配かな?ちょっと待って」

亮子を膝の上に横たえていた康司は一度立ち上がって周りを確認した。そして再び亮子を膝の上に横たえると、

「やっぱりいないよ」

と言ってもう一度キスをして、再び亮子の身体を優しく可愛がり始めた。

「康司さん、だめよ。こんなところで・・・」

「部屋に戻るの?せっかくこんなきれいな景色なのに」

「だって・・・・、誰か来たら・・・」

「大丈夫だよ。まだ誰も来ないよ。アキちゃんが教えてくれたんだろ?他の人が着くのは今日の夜になってからだって言ってたって」

「そうだけど・・・」

亮子にしても、今この景色から離れたくはなかった。もう二度と来れないかもしれない景色なのだ。太陽の日差しが赤く染まり始め、海の青と解け合って素晴らしい色になっている。グァムのパンフレットに載っている景色そのものだと思った。そこに今自分がいるのだ。少しずつ亮子の警戒は太陽の光に溶かされていった。

康司が亮子を抱き寄せ、ゆっくりとキスをしながら右手の指先で慈しむように上半身を愛撫していくと、少しずつ亮子の息が大きく荒くなってくる。今、亮子が一番求めているあの感覚がゆっくりと身体の中からわき起こってきた。亮子は素直にその感覚に身を沈めていくことにしたらしく、心持ち胸を突き出して康司の愛撫を歓迎していることを表した。

更に康司の指が小さな布地に覆われた可愛らしい膨らみを円を描くようにゆっくりとなぞっていくと、亮子の身体は素直に快感の芽を胸から育て、指が膨らみの頂上に届くとほんの数回の愛撫で頂が堅く突き出してきた。それを康司が指先で確認すると、

「んんっ」

と小さな吐息が亮子の口から漏れる。

潤んだ目で康司を見上げる亮子は、自分の身体が康司を待ち望んでいることを感じて嬉しかった。身体の中心にも潤いが満ちてくるのが何となく分かる。少し息を荒げてきた亮子は早くあの世界に入りたくなり、

「康司さん、ねぇ・・・」

と甘えた声を出した。

康司は優しく微笑むと、軽く指先で布地の下から突き上げてきている胸の小さな突起を撫で転がすように愛撫する。

「アン・・・・康司さん、ねぇ、焦らさないで・・・」

と亮子は更におねだりをしてくる。亮子の表情に満足した康司が亮子の首の後ろに手を回して紐の結び目を解き、さらに背中の小さなフックを外すとぷくっと膨れた乳房が目の前に現れた。すでに先端は尖り、康司のたっぷりとした愛撫を待っている。康司は亮子の乳房を本当に綺麗だと思った。まるで芸術品でも鑑賞するかのように慎重に指先を乳房の上に這わし、裾野の方からゆっくりと指で撫で上げて行くと、頂上に近づくにつれて亮子の反応が鋭くなる。日本にいる間はずっとブラジャーの上からしか触らなかったので、触られる感覚が敏感に開発されたらしい。ツーっと指で撫で上げて乳首のすぐ横を通ってまた裾野に下りていくと、

「はあぁぁぁぁ、ああんっ、意地悪しないで、ああぁぁ、はああぁっ、ああんっ、いやあ、早くぅ」

と可愛らしい声でおねだりをしながら身体をねじって何とか快感を手に入れようとする。

「それじゃ、こうしてあげる」

康司は両手で一気に乳房を包み込み、裾野から堅い膨らみを揉み上げる。

「あぁぁーーーっ、声が、出ちゃうぅ」

亮子の身体がぴんと伸び上がり、さらに大きく仰け反る。

「ほら、ここをどうして欲しいの?どんな風にして欲しいのかな?」

「ぁぁああああぁぁーーーっ、早くぅーっ、お口がいい」

亮子は声を気にして必死に押し殺しながら感じている。しかし周りには誰もいないので康司は安心し、更に亮子を優しく攻めていった。心地よい風が亮子の小さな声を流し去っていく。

「こう?」

康司がつんと尖った乳首を優しく口の中に含むと、

「はうぅぅーーーっ」

と亮子は一度康司の頭を胸に抱きこもうとしたようだが、あふれる快感に再び大きく仰け反った。手の中で素晴らしい弾力で弾む乳房を康司は何度も揉み、舐め上げ、優しく愛撫し、声を押し殺しながら悶える亮子を夢中にしていった。

しかし亮子は少し夢中になると、直ぐに自分の格好が気になって素直に康司の愛撫を楽しめない。やはり外で上半身をさらすのはどうしても気になって仕方ないのだ。

「康司さん、お願いがあるの」

「なあに?」

「Tシャツを着ても良い?」

「え?どうして?」

少し康司は残念そうに言った。日の光を受けて赤く染まっている乳房と先端の可愛らしい乳首は康司を夢中にするのに十分なほど魅力的だったので、それをTシャツで隠すのはもったいないような気がした。

「やっぱり夢中になれないの。気になっちゃって。ねぇ、Tシャツを着ても良い?」

「いいよ」

康司が了承すると、亮子は直ぐにTシャツを上からかぶった。ただ、亮子にはかなりゆったりしたサイズなので、康司は簡単にまくり上げて中の乳房を露出させることができた。亮子にしても、いざというときには直ぐに隠せると言うだけで、安心感は全然違う。

亮子は康司とセックスしていると言うよりは、その場の雰囲気に酔っていた。素晴らしい景色と椰子の木の林を吹き抜ける風の音だけの世界。そして月明かりの中で二人だけの世界を作り、自分が愛されている。そう思うだけで身体の感度が上がってしまうのだった。

「康司さん、ゆっくり、ね?良いでしょ?」

亮子はこの時間をゆっくりと楽しみたかった。夕食がもう届く頃だったが、そんなことは全然気にならない。まだ海の向こうの空は少しだけ日の光を残しており、海は暗いのに空は少しだけ明るく、雲の色はオレンジとブルーが入り交じっている。

亮子は康司にキスをねだり、たっぷりと風に吹かれながら愛の儀式の始まりを楽しんだ。

「康司さん」

「なあに?」

「入れたいの?」

「・・・・うん」

「そっと、こっちからして」

そう言うと亮子は自分から四つん這いになった。康司は亮子が積極的に康司を求めてきたのだと思った。

「アキちゃん、こうするのが好きになったの?」

「ううん、ただこうしてみたいの。変?」

「そんなこと無いよ。ゆっくり入るからね。痛かったら言うんだよ」

そう言うと、康司は下を全て脱いだ。幸一だって恥ずかしいという気持ちはあったのだが、やはり全て脱がないと上手く動けない。亮子に少しでも感じてもらうために、康司はゆっくりと自分の肉棒を亮子にあてがった。

「良いわよ、入れて」

亮子の声がすると、康司はゆっくりと肉棒を入れていった。

「う・・・ううぅぅぅぅ・・・・ううっううぅっ」

亮子の押し殺した声が風に流されていく。康司にはほんの小さな声にしか聞こえなかった。亮子は敷いてあるシートの上を少しの砂が風に流されていくのをじっと見ていた。『この砂はいつからここにあるんだろう?』まだ肉棒が全て入っていないので、あまり快感が強くない時、亮子は砂を見つめながらそう思った。

「あんっ」

「アキちゃん、全部入ったよ」

「く・・ううぅ・・・あ・・あぁぁ・・・・」

亮子の意識をゆっくりと快感が奪っていく。自分でもセックスに夢中になりたがっているのがよく分かる。一瞬、亮子は康司のセックスが上手なのだと思った。

「こ・・康司さん」

「なあに?」

「これ・・入れたままなんて・・・」

亮子の肉壁は少しずつ康司の肉棒の回りに液体を吐き出し始めていた。元々前戯は部屋の中にいた時からやっていたので、亮子の身体が濡れるのも早い。亮子の後ろから肉棒を差し込んだまま、康司は亮子が夢中になるのをじっと待っていた。

じっとしていても亮子の肉壁がゆっくりと動くので、亮子の身体の全てが知りたい康司には最高の時間だ。

「アキちゃんの中がどんどん濡れてくるのが分かるんだ」

「いや・・・いやぁ・・・早くぅ」

「どうしたの?」

「このままじゃいやぁ、早くぅ」

「アキちゃん、ゆっくりしようよ。今一気に動いたら、アキちゃんは痛くなって大変なことになるよ。俺も我慢してるんだ。もう少しだから」

「ああん、焦れったいのよぉ、康司さん、まだなの?」

「だいぶ濡れてきたけど、もう少しだけ待って。そうしたらゆっくりいっぱいしてあげる」

元々亮子がバックからの挿入を望んだのは、海の景色が見られると思ったからだった。海の色が時間とともに変わっていく様を愛されながら見てみたかった。しかし、砂を見ただけで後はそれどころではなくなってきた。身体が康司を強力に求めるので、海の景色を見ているどころではない。しかし、絶対にこの海の景色は見たかった。

「康司さん、お願い、動いて」

「ゆっくりだよ、いいね?」

康司は亮子の中を傷つけないように、ゆっくりと動き始めた。

「ううああぁぁ、ああああぁぁぁーーーっ」

とうとう望んでいたものが身体の中から湧き上がってきた。

亮子は必死にシートを握りしめて快感に耐えた。

「うあぁぁぁぁ、くうぅぅぅぅ、あああぁ、た、堪らないっ」

亮子はしばし快感の海の中を夢中で泳ぎ回った。康司がゆっくりと腰を使っているせいで快感の波と波の間が長い。康司は亮子が自分の肉棒に完全に夢中になっているのを幸せそうに見下ろしながら慎重に腰を使っていた。

 

「康司さん、お願い、身体を起こしてぇ、あああぁぁぁ、お願いぃ」

康司は亮子が乳房を可愛がって欲しいのだと思った。

「できるかな?そっとほら、起こしてごらん」

康司は亮子の腰を掴むと、ゆっくりと引き起こした。亮子は挿入されたまま身体をゆっくりと起こし、身体が前に倒れないように康司の手を前に回した。亮子は康司に支えて欲しかったのだが、康司は手をTシャツの中に入れて胸を探ってきた。

「ああっ、そんなぁぁ、海が、海がぁぁぁ」

亮子は康司に乳房を与え、ゆっくりと揉まれながら海を見た。見たこともないような空の色と濃いブルーの海が亮子を包み込む。

「康司さんっ、空の色があぁっ」

「綺麗だね。でも、アキちゃんも凄く綺麗だよ」

「ああぁぁ、康司さあん、素敵ぃ」

康司は亮子がセックスに夢中になっているので喜んでいると思ったのだが、亮子は少しだけ康司の思いとは違っていた。しかし、亮子みたいなかわいらしい女の子に挿入しながら乳房を揉んで声を上げさせているのだ。康司にとっても最高の時間だった。

康司は角度が変わったのであまり腰を大きく使えず、ゆっくりと小刻みに動きながらその動きに合わせて乳房を揉み、乳首を指で転がしていた。

亮子にとってはそれで十分だったが、康司は更に亮子の身体をぐっと自分に引き寄せ、ショートヘアの髪が風になびいている中に顔を埋めると、ゆっくりと首筋から項にかけて舐め上げた。

「ああぁぁ、そんなにされたら、海が見えないぃぃ」

亮子は3カ所からの責めに声を上げながら、快感でぼやける空の色をしっかりと記憶に刻んでいった。

 

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