第28部

 康司はゆっくりと亮子の項を舐めながら形良く張った乳房を揉み、ゆっくりと腰を使っていた。この姿勢で腰を使うのははっきり言えば辛い姿勢だが、亮子が喜んでいるので中腰のままで亮子を愛し続けた。

「あぁぁ、こ、康司さん・・」

「どうしたの?」

「何かに掴まりたいの」

亮子も中途半端な姿勢で愛されるのは、素敵だが辛い姿勢だと思った。康司が亮子の身体を直ぐ近くの椰子の木に導くと、亮子は安心したように身体を預け、両手で木に手をついて身体を支えた。

そのころになってやっと亮子の肉壁の潤いが十分になってきた。康司はそろそろ腰を使うことにして、

「アキちゃん、動くよ」

と言うと、肉棒の長さを全部使ってゆっくりと出没を始めた。

「あぁぁぁぁ、ううぅぅぅぅーっ、だ、だめ、声が、声が大きくなるぅ」

亮子は快感のレベルが一気に上がってきたので木に掴まっているだけで精一杯になってきた。康司は亮子の乳房を揉みしだきながら肉棒に本来の役目を果たさせようとしている。

「あうぅっ、あうぅっ、はああぁぁっ、だ、だめぇっ、声がっ、声があぁっ」

亮子は自分の声が大きくなってきたので、離れたところまで聞こえるのではないかと気が気ではなかった。しかし、自分から肉棒を抜こうにも、前は椰子の木で後からは康司が肉棒を送り込んでいる。

亮子は逃れようのない快感の海の中でただ必死に気にしがみついて快感に耐え続けるしかなかった。

「アキちゃん、かわいいよ。綺麗だ」

「ああうぅっ、ああぁっ、はうぅっ、あああぁぁ」

亮子は自分の身体の中から覚えたばかりのあの感覚が湧き上がり始めたことに気がついた。『いっちゃいそうぅっ』頭の中でもう一人の自分が声を上げている。亮子はやめるなら今すぐにやめないと、屋外でいってしまうと言う、今までの自分からは信じられない体験をしてしまいそうになってきた。

だいたい、グァムまで来てセックスを楽しむ高校生など滅多にいるものではない。今回は撮影旅行ではあるが、セックスはもともと二人の旅行の暗黙前提になっているのだから。

そのために亮子は旅行前から康司の指を受け入れて身体の準備をしてきたのだ。

『どうするの?するの?やめるの?今すぐに決めないと引き返せなくなるわよ』

『だって、動けないの、ああぁぁ、康司さんのあれが凄いんだもん』

『外でいっちゃうわよ。早く、早くやめないと間に合わなくなるわよ』

『だめ、動けない。もう、ああぁぁっ、もう、もうだめになっちゃうぅぅっ』

亮子は迷っているうちに自分の身体が引き返せないところまで来てしまったことを認めた。今や亮子のきゅっとくびれた腰から可愛らしいお尻が康司に向かってツンと突き出され、康司の全てを受け止めようと必死に快感に耐えながらその時が来るのを待っている。

康司は足場が良くなかったので少し動いては足場を変えたり、肉棒の角度を変えたりしていたのだが、それが却って亮子には、夢中になれそうでなれない最高のテクニックとして感覚が盛り上がるのを早めたようだ。

「こ、康司さんっ」

「どうしたの?痛い?」

康司は亮子の声の調子が変わったので、痛がっているのかと思って思わず腰を止めた。

「ああぁぁ、いやあぁぁ」

「え?やめない方が良いの?」

康司は思わず聞き返して腰を再度使い始めたが、亮子に答えられるはずがなかった。しかし、亮子が何も言わないので康司は再度確かめようとした。

「アキちゃん、やめない方が良いの?このまま続けても良いの?」

「あぁぁ・・・うううぅぅっ、はああぁぁっ、くううぅぅっ」

亮子が少なくとも嫌がってはいないと言うことだけは分かったが、康司としてはちゃんと答えて欲しかった。亮子にしてみれば、これだけ身体を自由にさせているのだから自分がもっとセックスを望んでいることは明白だと思っていたが、康司はそれでは満足しないらしかった。

康司は肉棒のリズムを変えると亮子が反応することが何となく分かってきたので、わざと挿入をゆっくりにしたり、逆に早くしたりして亮子の反応を探った。

すると亮子は、

「い、いやあぁぁぁ、ああぁ、だめぇぇ、こ、康司さん・・・」

と言いながら腰を更に突き出してきたり、

「ああっ、ああっ、うぐぅっ、はあっ、康司さんっ」

と声を上げながらぐっと仰け反ったり、と康司の腰の動きに忠実に反応し始めた。

そこで康司は亮子をもっと最高にしてみようと腰の動きを常に変え始めた。それは亮子にとって、快感の海に流されていればよいと言うのではなく、快感を追い求めても直ぐに中断されてしまうのに直ぐにまた新しい波に飲み込まれる、夢中になれそうでなれない、最高の焦らしだった。

「いやあぁっ、康司さんっ、お願いっ」

「痛いの?」

康司が一瞬腰を止める。

「違うの、違うのっ、お願いっ」

そう言いながら更に腰を突き出してくる。最初のうちは二人とも中腰だったのに、何度か亮子が腰を突き出してきたので、そのうちに亮子はこれ以上腰を突き出せなくなってきた。それでも康司は時々動きを止めたり、ゆっくりと焦らしたりする。

亮子はもう、何も考えずに夢中になりたかった。身体の中のあの感覚がもやもやしたままなのはどうしようもなく我慢できない。とうとう亮子は康司におねだりを始めた。

「康司さんっ、もっと、もっとっ」

「どんな風にすればいいの?」

「いっぱい、いっぱいがいいっ」

康司はググッと肉棒を奥の一番狭いところに押し込む。

「こう?こうすればいいの?」

「ああっ、あああっ、あうぅぅっ」

「ちがうの?」

実は康司の方も、あまり強く動き続けると終わってしまいそうになっていた。何と言っても亮子の締め付けは素晴らしい。実はわざと亮子に聞くふりをして、中にいる時間を延ばしていたのだ。

「ああぁっ、いやあぁぁ」

「やっぱりこうかな?」

「ああぁぁっ、あうっ、うーーっ、はうぅっ」

「ちがうの?」

「ああぁん、だめぇっ、それはいやっ」

「やっぱりこれがいいんだね?」

亮子にしてみれば、身体がこうなっているからには、とにかく康司に力強く出没して欲しかったが、康司は直ぐに動きを変えようとする。それは夢中になりたいのにさせてくれない、地獄のような快感だった。康司が気を遣ってくれるのは嬉しいが、今はもう、ただ夢中になりたかった。

とうとう我慢できなくなった亮子は、砂浜という誰が来るか分からない場所で康司にはっきりとおねだりしてしまった。

「お願いっ、やめちゃいやっ、夢中にさせてっ、いかせてえぇっ」

そう言った亮子は頭の隅っこで『誰も日本語なんて分からないわよね?』と言い訳をしていた。康司は亮子がはっきりとした言葉を口にしたことに満足すると、一気に腰を使い始めた。

「ぐぅぅああっ、ああぁっ、それっ、そのままあっ、お願いっ」

亮子の肉壁がぎゅっと締まり、最高の瞬間を亮子の身体の中に爆発させる。その刺激で康司の肉棒も先端の傘をぐっと開き、最後の瞬間に肉壁を更に強く刺激した。

「ううぅーーーーっ」

康司も最後の瞬間を迎え、亮子の身体を後ろからぎゅっと抱きしめると、右手で左の乳房を、左手で右の乳房を揉みながら、腰を亮子のお尻に押しつけてぐりぐりと肉棒を更にねじ込み、亮子の奥の奥に精を放った。

康司に抱きしめられて仰け反った亮子は、いく瞬間に視界の隅の空の色が薄いオレンジになっているのを脳裏に焼き付けながら最高の瞬間を手に入れて硬直した。

「うぅぅぅぁぁぁぁーーーっ、はあっ、はあっ、はあっ」

少しの間ぴったりとくっついていた二人は、絶頂の余韻がお互いの身体の中に消えていくまでの短い時間を結合したまま楽しんだ。康司の肉棒の根元をときおりビクッビクッと亮子の入り口が締め付け、まだ固い肉棒から最後の一滴まで滴を搾り取ろうとする。

康司はそれをしっかりと肉棒で感じながら余韻を楽しんだ。亮子は身体の力が抜けたのか、ゆっくりと木の根元にしゃがみ込んでしまった。康司は肉棒を抜き去ると、そっと身体を支えて起こしてやる。

「だいじょうぶ?」

「はあっ、はあっ、はあっ、大丈夫。でも、きつかった」

「部屋に戻ろうか?」

亮子は弾んだ息で返事をするのが辛いのか、答える代わりに部屋へと向かった。最初康司は、亮子を支えてゆっくりと歩いていたが、途中まで来ると亮子は康司の手を振り切っておぼつかない足取りのままで部屋へと小走りに急いだ。

「どうしたの?」

康司が聞くと、

「付いてこないで。大丈夫だから」

そう言うと一人で部屋へと急いだ。しかし、Tシャツしか着ていない亮子は何も持っておらず、鍵を持った康司が部屋に着くまで入り口でじっと待っているしかなかった。康司が鍵を開けると大急ぎで中に入り、そのままバスルームに走る。

「アキちゃん、どうしたの?大丈夫?」

康司はバスルームの入り口で声をかけたが、亮子は返事をしなかった。しばらくするとシャワーの音が聞こえ始めたので、康司はリビングに戻った。

やがて出てきた亮子は、

「何でもないの。気にしないで」

と言うと、何もなかったかのように落ち着いていた。

「そう?気持ち悪くなったのかと思って心配したんだよ」

「男の人には分からないの。大丈夫だから。さぁ、食べましょう」

亮子が既に冷め始めている夕食に康司を誘った。二人がいない間に届いたらしく、ベッドとテレビの間に折りたたみのテーブルがセットされており、そこに亮子が注文した夕食が並んでいた。

亮子がオレンジジュースを康司に注ぎ、

「さぁ、ちょっと冷めちゃったけど、美味しそうよ」

とナイフとフォークを手にして食べ始めた。

亮子が注文したのはロブスターのグリルと牛・豚・鳥のステーキ盛り合わせ、それにスープを2種とサラダとソフトドリンクだった。亮子はロブスター、康司はステーキ、と言うことらしく、亮子は既にロブスターにナイフをつけている。

康司はロブスターの方にも少し興味があったが、大人しくステーキを食べ始めた。何と言ってもステーキ3種はかなりのボリュームがあるので、康司としても挑戦したかったからだ。

ただ食べ始めて分かったが料理はどれもかなり冷めており、たぶん二人が部屋を出て海岸に向かってから直ぐに届いたものらしかった。

「ごめんね。焼きたての方が美味しかったのに」

「ううん、気にしてない。それにこれ、美味しいもの」

亮子はバスケットに盛られているサービスのパンを頬張りながら答えた。

「まぁ、1時間近くも出てたから冷めるのも仕方ないけど」

「えぇっ?1時間も外にいたの?」

「気がつかなかった?」

「うん、全然知らなかった」

「だって、外に出たときはまだだいぶ明るかったのに、今はもう真っ暗だよ」

「そうか・・・そうよね。でも、綺麗だったな、夕日」

「アキちゃん、海なんて見てる時間、無かったんじゃない?」

康司が少し意地悪してそう言うと、

「そんなこと無いわ。とっても綺麗だった。ずっと見てたもの」

「そ・・・・そうなの・・・」

康司はそう言われて逆に少し落ち込んでしまった。海を見ている時間がなかったのは康司の方なのだ。康司こそ、ずっと亮子ばかりを見ていた。康司が見た夕日は亮子の白い肌に反射した色ばかりだった。

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