第34部
康司の家までの道のりは、康司にとってはどちらかというと気が重く、昌代にとっては緊張する時間だった。昌代は何気ない風を装ってはいるが、心の中は緊張しっぱなしなのだ。
今までは康司に無理矢理求められ、無理矢理感じさせられて、何度もいかされた。しかし、今の二人の関係はそれとは全然違う。果たしてそんな中で自分の求めるものがえられるのだろうか?
康司は家に着くと、昌代を直ぐに自分の部屋に入れた。いつ来ても片付いている部屋からは几帳面な性格が見て取れる。少なくとも、それまで昌代がつきあってきた男とは違う人種なのは確かだった。
さすがに緊張からか、部屋に入っても昌代は黙ったままだった。
それでも、
「どうするの?・・・・私・・・」
と言うと、
「こっちへ来いよ」
と言って昌代をベッドの上へと誘った。
「もう私、康司さんの言うことを聞く理由なんて無い・・・」
「嫌なら良いんだ。いつ帰ってもかまわない。でも、ここにいるのなら言うことを聞けよ」
康司はそう言うと、ベッドの横に立ったままの昌代をベッドに引き上げた。
「あんっ」
昌代は引き倒されるようにベッドに倒れ込むと、直ぐに俯せになって自分をガードした。
「そうだ、それでいいんだ」
康司は昌代が思い通りの姿勢を取ったことを確認すると、昌代の項に息をかけながら、
「怖がってるのかな?大丈夫。乱暴にしたことなんて無かったろ?」
と言うと、軽く項にキスをした。
ざわざわっとした感覚が昌代の首から背中を走り抜け、一気に中心部へと伝わっていく。昌代はじっとベッドに顔を埋めながら、康司のされるがままになっていく自分を喜んでいた。康司は一気に昌代を仰向けにして、制服をはぎ取って昌代の全てを貪りたいのをじっと堪え、昌代が望んでいるであろう様にじっくりと責めることにした。今までの昌代の様子から、たぶん燃え上がる前の身体を繋いでも昌代は満足しないだろうと感じたからだ。
それはカメラマンとしての精密な観察眼から得られた貴重な情報化も知れなかった。
「これから、どうすると思う?ん?言ってごらん」
康司は優しい口調ながら昌代に対しては強い態度で臨むことにした。そっと項をからかうように指を絡めながら耳元で囁く。
「わ・・わからない・・・・」
昌代は何故か逆らえない自分に不思議な気持ちで、少しずつ康司の世界に引き込まれていった。
「分からないの?本当に?」
「ぬ・・・脱がす気?」
「それは当たってる。その気で来たんだろ?それならそうしてあげなきゃ」
「・・・・・」
「でも、どうやって脱がすか、それが問題なんだなぁ」
「・・・わか・・・らない・・わ・・」
「そう、本当に分からない?」
「うん・・・」
「そう、それじゃぁ、少しずつ教えてあげる」
「少しずつ?」
その瞬間、昌代は康司が何をやろうとしているのか悟った。
「そうだよ、少しずつ教えてあげる」
「また焦らす気?」
「ほう、どうして焦らすって思ったのかな?『また』って、この前は何に焦れたのかな?教えて欲しいな?」
「それは・・・・」
昌代はこの会話のトラップに引っかかったことを悟った。まさか、この前の自分は康司の肉棒が欲しくて我慢できなかった、などと言えるはずもない。
「教えてくれる気になったらいってね。待ってるから」
そう言うと康司は昌代のスカートを軽く捲り上げ、慌ててスカートを押さえる隙を突いて尻から指を差し込んだ。昌代は『あっ』と思ったが、パンツの上からなのでさほどの刺激はない。
「大丈夫、時間は十分にあるんだ。急いで思い出さなくても良いよ」
康司はそう言うと、ゆっくりと指先で円を描くように動かし始めた。
昌代はさほどの刺激がないことに安心しながら、これからどうしようかと考えた。このままではせっかく思い切って康司と同じ立場になったのに、康司の思い通りにされてしまう。それは昌代のプライドが傷付いた。しかし、同時に康司に思い通りにされてみたい、またあの震えるような快感に貫かれたい、と思ったことも事実だった。
「んっ」
昌代がぴくっと動くと、
「もう感じてきたのかな?まだ始めたばかりだよ」
そう言うと康司は指にほんの少し力を入れた。
昌代は、かろうじて身体が反応するのを押さえることができた。
それを康司は少し意外に思ったらしい。
「そうだね、そう簡単に感じたんじゃ、面白くないものね」
と言うと、また単調な指の動きを再開した。しかし、その言葉は昌代のプライドを刺激した。
「私が感じるのを楽しんでるわけ?」
昌代がそう畳み掛けると、
「女の子が少しずつ感じていくのを見るのは男の幸せなんだぞ」
と康司はあっさりと白状した。
そう言われてはそれ以上何も言えない。ふと気が付いたときには、自分の身体が先程よりも更に熱くなり始めていた。『もう、康司さんの指に身体が慣れてるんだ』そう思ったとき、昌代は康司がより身近になったような気がした。
「あれ?少し濡れてきたかな?」
そう言いながら康司は、指先で昌代の秘心を掻き分けるようにしてみた。
「うっ」
「ごめん。痛かった?」
昌代が身体を縮めたので康司は慌てて指を引っ込め、再び同じ動作を繰り返し始めた。
「だ、だいじょうぶ?」
「痛かったろう?ごめんね」
実は康司が指に力を込めたとき、昌代の茂みの毛が強く引っ張られ、それで昌代が痛みを訴えたのだった。康司にはまだそれがよく分かっていなかった。
昌代は自分の痴毛を弄られたとき、予想外のことだったので意識の集中が少し途切れた。その為、小さな痛みが治まると代わって自分を包み始めた快感に上手く対応することができなかった。
康司の指使いは昌代に痛みを覚えさせたためか、前よりもずっと優しくなってきている。それは昌代の身体にとって焦らしとなって昌代を包み始めた。
本当ならば、康司の焦らしは昌代に通じないはずだった。無理に快感を拒絶するのではなく、適当にこっそりと楽しんでいれば快感自体は大きくないのだから、それほど自分が夢中になるはずはなかった。
しかし今、昌代は康司の与える快感に翻弄され始め、そんな自分に戸惑いながら康司の思い通りになっていく自分を認めないわけにはいかなかった。
「・・・う・・・・うぅぅ・・・」
「ほうら、感じてきたんだろう?」
そう康司が聞くと、昌代は素直に、
「・・うん」
と頷いた。
「でも、まだなんだなぁ。分かってるだろ?」
「・・い、意地悪・・・・」
「意地悪じゃないよ。そうするのが一番感じるからなんだ。そうだろ?」
それは昌代にも分かっていた。そして、それを心のどこかで切実に望んでいたことも確かだった。しかし、素直に認めるわけにはいかなかった。昌代が黙ってしまうと、
「・・あれ?素直になったのに、今度は黙っちゃったのかな?」
そう言いながら指の動きをゆっくりと円を描くようなものから、指先でそっとこねるようなものに変えた。
それは昌代にとって恥辱の拷問にも等しい愛撫だった。まだ康司は冷静に昌代を見下ろしており、二人とも一枚も服を脱いでいない。しかし、昌代の尻は少しでも奥を掻き回して欲しくなって浮き上がりそうになっている。ほんの少しでも持ち上げるか、足を開けばとろけるような快感が手に入るのに、それができない。
昌代は自然にシーツを握りしめ、呼吸を整えながら、限界が来るまで我慢を続けるしかなかった。
康司はそんな昌代を心から可愛らしいと思った。普段は凛としていて弱みなどは見せない昌代が、自分の指使いに感じて必死に耐えようとしている。それは康司に男としての満足を与える光景だった。
「この辺りを可愛がるとどうなるかな?」
康司は少しだけ指先を下に下ろし、秘核を包んでいる小さなカバーの辺りをそっとこねた。
「あぁーっ、そんなっ」
「あれ?嫌なの?」
康司はわざと指の動きを元に戻した。昌代は下を向いたまま頭を左右に振り、嫌ではないことを伝えようとしたが、さすがに口ではまだ何も言えなかった。
康司は昌代の身体が思い通りに仕上がってきていることを確認すると、昌代にこれからするべき事を教えた。
「良いかい、我慢できなくなってきたら言うんだよ。強烈に感じさせてあげる。そうして欲しいんだろ?」
康司は昌代にこう言うことで、昌代を恥ずかしさを感じさせるつもりだったが、驚いたことに昌代は小さくだが、はっきりと頷いた。
「うん、良い子だ。可愛いよ。とっても」
康司は本当に昌代を可愛いと思った。そして、昌代が康司にこうされたいために自分に近づいてきたことを確信した。
康司は開いている左手で、昌代の項や背中を優しく撫でてやった。それが康司の昌代への愛情の表現だった。それは既に限界で我慢している昌代にとって、我慢できなくなるまでの時間を短くする強烈な愛撫となった。
「こんなに身体が熱くなってるんだね。我慢できなくなってきた?」
康司は優しく昌代の身体を撫でながら右手の指では相変わらず中途半端な可愛がり方をしていた。
「・・・だめ・・・もう、だめなの」
「我慢できなくなってきた?」
昌代は素直に何度も頷いた。
「それじゃ、可愛らしくおねだりをしてごらん?」
「お、おねだりって?」
「今頭の中で考えていることをそのまま言えば良いんだよ」
「なんて?」
「『もう我慢できません。お尻を持ち上げますから、パンツを脱がせて指で中まで可愛がってください』って言ったら?」
「いや、いや・・・それはいや」
「そうなの?言えばいいのに・・・」
康司はそれだけ言うと、時折指を秘核の直ぐ近くに持って行ったり、少しだけパンツの上から秘真の中に指を押し込んだりして昌代を挑発した。それは昌代に選択の余地など無いことを十分に思い知らせた。
「だめ、本当にもうダメなのよぉ」
「それじゃ、ちゃんとおねだりしてごらん」
「お、おねだりしないとしてくれないの?」
「そうだね」
昌代は少しの間じっとシーツを握りしめて耐えていた。しかし、一つだけ条件を出した。
「言うから、だから学校では黙っていて」
「良いよ。俺は学校でなんて、どうでも良いんだから」
「絶対よ」
「ああ、約束するよ。さぁ、おねだりしてごらん」
「もう我慢できません。お尻を持ち上げますから、パンツを脱がせて指で中まで可愛がってください」
昌代は康司の行った通り、正確に言葉を繰り返した。康司はこんな状態でも完全に記憶できる昌代はやはり頭が良いのだと思った。
「よし、お尻を持ち上げなさい」
昌代は言われた通り、くっとお尻を持ち上げて四つん這いの姿勢になった。