第36部

 それでも康司は昌代が自分の肉棒に悶える姿を楽しみ続けた。

昌代は嫌がりながらも、どこかでそれを楽しんでいる自分がいることに気が付いていた。少なくとも、康司は自分を感じさせようとしてくれている。その気持ちは昌代にとって今一番欲しいものだった。

やがて康司は少しだけペースを上げた。自分でももう少し感じたかったのだ。しかし、それは昌代にとって想像以上の効果だった。

「お?また締まり方が強くなったか?」

昌代は自分の身体が早くも限界に近づいてきたことにびっくりした。どうして康司に抱かれると、こうも簡単に身体がいきそうになるのか不思議で仕方なかった。しかし、自分に残された時間はもう、あまりない。

「ああぁぁっ、早く抱いて。お願いよぉ」

「いきそうになってるのかな?」

「・・ううぅぅっ・・・・あああぁぁぁぁ」

「素直に答えた方が良いよ。どうなの?それとも、もっと焦らす?」

「そうよぉ。そうなのぉ、だからはやくぅ」

「それなら、ちゃんとおねだりしてくれれば直ぐにいかせてあげるよ」

「後でするから、だから早くっ」

「ダメ、しないのなら動くのを止めようか?」

昌代はこれ以上我慢できないと思った。そして、どうして康司を好きでもないのに自分は康司を求めるのだろうと思った。

「意地悪ぅ。い、いかせて。もう限界よぉ」

「よし、ほら、これでいけるかな?」

康司は立て膝の姿勢のまま、ピストン運動を再開した。

「ああぁぁっ、感じるぅっ」

昌代はぐっと仰け反って乳房を突き上げ、頭を左右に振って感じていることを示した。

「そうだ、入れたらまず、おっぱいを可愛がらなきゃ」

康司はピストン運動を止めると、膝で身体を支え身体を少し前に倒して昌代の乳房を両手でゆっくりとこねるように可愛がりながら再びゆっくりと腰を使った。

「あぁぁぁ、いいぃぃ、だめぇぇ、そんなのいやぁぁ」

昌代は夢中になれないもどかしさと押し寄せる快感に悶え続けた。『このままでは焦らされるだけだ』声を上げながら頭の隅でそう考えた昌代は、自分で身体を捻って何とかバックの姿勢に持ち込もうとした。そうすればピストン運動をするしか無くなった康司は昌代の身体を激しく愛するに違いないと思ったのだ。

「どうしたのかな?」

「こっちから、して」

「そうか、同じ姿勢ばっかりじゃ楽しめないものな」

康司は昌代の希望通りにバックの姿勢を取らせると、四つん這いになった昌代の後ろから再び貫いた。

「ぁぁああぁっ、ち、違うっ」

「そうか、こっちの方が良いのか」

昌代は康司が直ぐに動き出すものと思った。しかし、康司はしっかりと肉棒を差し込んだまま動こうとしない。

「う、動いて・・・」

「こうしてると、結構気持ち良いんだ。動くのは後でも良いさ」

昌代は『仕舞った』と思った。この姿勢では自分自身も焦れてしまう。康司だって自分の背中しか見えないのだから動くしかないはずなのだが、じわじわと快感を生み出している肉壁が肉棒を撫で上げる度にずーんと甘い感覚が身体を突き抜けていく。

「は、はやく・・・して」

「どうしてなのかな?そんなに急がなくたって良いだろ?」

康司は昌代が我慢できなくなっているのを見るのが楽しくなったらしい。ゆっくりと肉壁の中の肉棒の位置を変えながら昌代を挑発していく。

「ううぅぅぅ、ダメ、早く、ダメ・・・お願い」

「ちゃんとおねだりしてごらん。さっきみたいに、もっと嫌らしく」

「嫌、早くして。動いて」

康司はいきなり、昌代の腰から尻にかけて指をツーッと這わせてみた。

「はううぅぅーーっ」

昌代は全く想像しなかったことに上手く対応できず、ただ声を上げて仰け反った。

「ほう、敏感になってるんだ」

康司は面白がって指を何度も昌代の腰の辺りに這わせた。上手く昌代の構えるタイミングを外すので、昌代自身どうしても上手く対応できない。

「ああぁぁぁっ・・・・はううぅぅーーっ・・・・あうっ・・・・ああぁぁ」

昌代は声を上げる度に自分の腰に快感が溜まっていくのが分かった。しかし、声を上げたときに身体を動かし、ほんの少しでも肉棒を中に納めることができるのでこうされることで昌代自身ぎりぎりだが我慢することができた。

しかし、昌代の身体の動きが大きくなってくると、康司にもそれはばれてしまった。

「なんか、扱かれてる感じが気持ち良いな」

康司はそう言うと、指での愛撫を一切止めた。

「いや、続けて・・・・」

昌代は四つん這いのまま、少し後ろを向いて康司におねだりをした。

「うん、今するから」

康司はそう言ったが、何もしない。昌代はじっと待っていたが、康司が動こうとしないので更におねだりをした。

「お願い。動いて。もう我慢できない」

「直ぐにするよ」

「早く・・・」

「うん」

康司はそれでも動こうとしなかった。昌代はもう、頭が狂いそうだった。昌代の肉壁からは液体がしみ出し、康司の激しい動きも受け止める用意ができている。

「あぁぁぁ、お願いだからぁ、動いてぇ」

「ズボズボして欲しくて我慢できません、だろ?」

康司は時折、クンと腰を送り出して昌代を挑発した。

「あぁぁ、いやぁぁ、早くぅ」

「言えないの?」

「ズボズボして・・欲しく・・・いやぁ、言えないぃ」

「そうか、それじゃ、自分で動いてみろよ。こうすれば感じるだろ?」

康司は昌代の腰を掴んで動き方を教えるようにゆっくりと昌代の身体を前後に動かした。

「ひゃぁぁぁぁぁっ」

昌代はやっと訪れた快感にシーツを握りしめ、必死になって快感に耐えながら楽しんだ。

「さぁ、後は自分で動いてごらん」

しかしその時間もあっという間だった。

「や、やめないで」

「ダメ、後は自分でやりなさい」

「上手くできないから、お願い」

「だめ」

昌代は最初、じっとしていたが、やがて自分で少しずつ動き始めた。

「そうだ、もっと大きく動いて」

「ああぁぁ、き、気持ち良いぃ」

「こうするのも良いモンだな」

康司は昌代が動き出したので満足した。そして昌代を見下ろしながら、

「あの橘昌代が、なぁ」

とふと言葉を漏らした。すると、

「いやぁ、やっぱりいやぁっ」

と昌代が動くのを止めた。

「恥ずかしがらなくても良いだろ?もう恥ずかしがっても仕方ない状態になってるんだ。第一、恥ずかしがったって我慢

できないんだろ?」

「だってぇ、ああぁぁ、いやぁ、勝手に腰が、腰が動くぅ」

後ろから挿入されているために、昌代には康司の肉棒しか感じるものがない。前から入れられていれば康司を見ることも

できるし、抱きついたり甘えたりすることもできるが、この姿勢では肉棒しか感じることができない。『おっきくて、長くて、あぁ、どうしても感じるっ』昌代は自分の身体が喜びの声を上げているのを抑えることができなかった。

「ほうら、また動き始めたろ?」

昌代の身体が再び前後に動き始め、肉棒を味わい始めたのを確認すると、康司は満足したように声をかけた。

「はああぁぁっ、ダメ、止まらないのぉ」

昌代は康司が見下ろしている視線を想像しながら身体を前後に揺すり、肉欲の虜になっていった。康司はそれに併せて軽く腰を前後に動かし、昌代の快感を倍増させてやる。

「ああぁっ、ああうぅっ、はあああっ、ああぁぁーっ」

昌代は声を上げながら夢中になって身体を動かし、康司の与えてくれた快感を貪り続けた。

やがて昌代の身体に最高の瞬間が近づいてきた。しかし、昌代はそれを黙って動き続けた。しかし、昌代の肉壁が少し堅くなってきた感触を敏感に捉えた康司は、

「いきそうになってるんだろ?ん?」

と昌代の腰を両手で掴んで止めてしまった。

「・・いや、お願い、ね?良いでしょ?早く、早く」

「ちゃんと『いかせてください』って言わなきゃダメだろうが」

「う、う、うぅぅ・・・・」

「言わないなら・・・」

昌代は瞬時に反応した。もうこれ以上身を焦がすような想いはいやだった。康司の思い通りであろうが、とにかく自分の身体がいきたがっているのだ。

「いかせてください、ね?、いかせて」

「よし、いかせてやる」

康司はダイナミックに腰を使い始めた。

「はああぁぁぁーーっ、ううぅぅぅーーーっ、あうっ、あうっ、あうっ」

昌代はシーツを握りしめながら必死に快感に耐えてその瞬間が来るのを待った。康司が腰を力強く使い始めてからは、その時は直ぐにやってきた。

「ああああぁぁぁーっ、うーーーーーっ」

昌代の身体がぐっと仰け反って硬直した瞬間、康司は肉棒を一番奥にまで送り込んでぐりぐりと腰を回し、肉壁が絡みつくのを楽しんだ。

「あぁ、あ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・」

昌代は身体がぐったりとシーツに沈み込むと、尻を突き上げて肉棒を納めたまま放心状態になっていた。

「どうした?まだ俺は終わってないぞ」

康司は固い肉棒で昌代を貫いたまま次の動きに入ろうとする。

「待って、お願い、少しだけ待って。はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・」

「それじゃぁ、上を向いて貰おうか」

そう言うと康司は肉棒をいったん抜き去り、昌代を仰向けにしてから再び肉棒で貫いた。

「ぁぁああ・・」

昌代はぐったりとしたままそれを受け入れた。昌代はこのまま2回目が始まると思ったが、康司は身体を入れ替えて昌代を上にした。

「アン、下になりたいの・・」

「まだ動けるだろ?次はこれだ」

そう言うと康司は腰を突き上げた。

「ああっ、まだ、まだ早い・・・」

「そうかな?本当に?」

康司は更に腰を突き上げて昌代の身体の反応を見る。

「あんっ、あっ、ダメ、もう少し待って、ああっ」

昌代の身体は再び感じ始めていた。

「どうだ?我慢できなくなったら手を突いてさっきみたいに身体を動かすんだ」

康司はそう言いながら、時折肉棒を突き上げて昌代を誘った。最初昌代は康司の上でじっと肉棒が入ってくるのを我慢していた。しかし、自分でも我慢できる筈が無いことはよく分かっていた。やっと少し身体が回復したばかりだったが、昌代の身体は早くも次を欲しがり始めていた。

 

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