第九部

その週の水曜日からいよいよ夏休みに入った。この週末に出かける日がやってくる。水曜日に亮子は、康司といっしょに航空券を買いに出かけた。しかし、元気一杯で康司を引っ張っていく亮子に対して、康司はどことなく違和感を感じていた。実はこの時になっても、康司には自分が外国に行くという実感がなかった。二人はお目当ての旅行社を見つけ、中に入ると、亮子は迷わず番号札を取り、椅子に座ってじっと順番を待った。しかし、康司の方は何となく落ち着かず、あちこちでパンフレットを見たり、端末をいじったりしてウロウロしていた。しばらくして亮子の順番が来ると、亮子は康司を手招きし、二人はカウンターに座った。

「済みません、電話で予約した今野ですけど、グァム行きの航空券を買いに来ました」

「はい、今野様ですね。パスポートとご両親の許諾書はお持ちですか?」

係員は二人のパスポートと書類を受け取るとコピーを取り、端末を叩いて処理を始めた。康司は、いつ『高校生には売れません』と言われるかドキドキしていたが、亮子は堂々としたもので、平然と質問に答えていた。

「それでは今野様、お一人様のご予約でしたが、一人追加と言うことででよろしいでしょうか?」

「はい、その分を今日払います」

亮子は可愛らしいパステルカラーの財布からごそっと一万円札を出すとテーブルの上に置いた。

「ありがとうございます。確かにお預かり致します。少々お待ち下さいませ」

係員はそれを受け取ると、おつりと領収書を奥で作ってきた。

「旅行のご準備の際にご確認いただくパンフレットはこれ、旅行先で何か緊急事態が起こったときの連絡先と電話のかけ方はこれ、あ、日本語で大丈夫です、それと、今お渡しした領収書を当日必ずパスポートと一緒にお持ち下さい。領収書と航空券は引き替えになりますので、お忘れにならないよう、ご注意下さい。航空券は成田でお渡し致しますので、当日、当社のマークのカウンターまでお越し下さい。当社のものが搭乗券に引き替えて、帰りの航空券と一緒にお渡し致します。これがその控えになります。ご出発の2時間前にはお越し下さるようにお願い致します。当社のカウンターはJALさんの大きくLと書かれたカウンターの近くの窓際にございます。それでは、すべて書類はこの封筒に入れさせていただきます」

係員は立て板に水、と言う感じで一気に話すと、分厚い封筒を一枚渡し、丁寧に頭を下げた。亮子は旅行社を出ると、

「さあ、これで私の方の準備はおしまい」

とスッキリした顔で笑った。

「なんだか凄い勢いで言われたから、全然覚えきれなかったよ。アキちゃん、分かった?」

康司は、こんなに簡単に未成年の高校生二人が海外旅行できるというのが信じられなかったので、亮子に尋ねると、

「父がよく使う旅行社だし、最初の申し込み自体は会社の方からしているから。大丈夫、難しい事なんて何も言ってないから」

と悪戯っぽく笑った。パスポートを取るために戸籍だの住民票だのを集め、旅行社から出された親の許諾書に自分たちで判子を押したときはどうなることかと思ったが、パスポートさえ取れれば航空券の購入自体は難しいものではないらしい。

 その日は、そのまま二人で買い物をし、康司の行きつけのカメラ店に行ってレンタル機材の手配をしているうちに夜になってしまった。時間が余れば亮子を家に連れていくつもりだったが、どうやらその時間はないらしい。

「部屋に行ってる時間、無いね」

二人で通りがかりに見つけた松屋に入り、定食を食べながら康司がそう言った。

「明日行ってもいい?」

「ウーン、明日は予定があるから、明後日はどう?」

「分かったわ。何時がいい?」

「3時がいいな」

「分かった。じゃあ、家で待ってて。おやつも持っていくから」

亮子はニッコリ笑うと康司の腕をそっとつついて小さな声で言った。

「痛くしたら、ダメだぞ」

 

康司は翌日、駅の改札で昌代を待っていた。今は初めての海外旅行で頭がいっぱいだったので、昌代を抱きたいとは思わなかったのだが、昌代の方から電話をかけてきたのだ。どうしても今日、ネガを探したいという。そう言われれば康司としても断る理由もないので昌代の言うとおりにすることにした。

やがて昌代が現れ、二人で家に着くと、昌代は康司の部屋にどんどん入っていった。まるで昌代の方が抱かれるのを嫌がっていないようだった。何か変だとは思いながらも康司は昌代のあとから部屋に入った。

昌代は、部屋に入るといきなり自分から服を脱ぎながら、

「ネガはどこなの?」

と聞いてきた。

「机の上にあるだろ?」

「そう、机の上なんだ。ベッドの上でも良かったのに」

ブラジャーとパンツだけになった昌代は、自分から椅子に座ると机の上のネガを見始めた。

最初、昌代の勢いに押されて唖然と見つめていた康司も、下着姿になった昌代の姿を見ていつものペースを取り戻した。何と言っても昌代の完璧なプロポーションは男をそそる。大胆にくびれた腰とツンと飛び出した胸は圧巻だった。無言で昌代の後ろに立つと、ゆっくりとうなじを指でなぞったり、肩の方に指を滑らせてみる。本当は、亮子と旅行の準備のことがあるので今日は昌代を抱くつもりはなかった。レンタルする予定の機材を実際に手にとって確かめたかったし、時間があれば試し撮りもしてみたかった。そのつもりで今日は亮子に空けてもらっていたのだ。

しかし、目の前の昌代の身体はそんな気持ちとお構いなしに康司を誘惑していた。少し固い感じの幼さの残る亮子の身体に比べて、大人びた曲線を描いた昌代の身体は見るものの理性を吹き飛ばすのに充分な魅惑を備えていた。実際、先月から始まった水泳実習の時に遠くから望遠レンズで昌代を盗撮した写真がクラスを駆けめぐったこともあったくらいだ。写真自体は康司の撮るものに比べてあまりにもできが悪かったので康司は一別しただけだったが、それだけ昌代は、いや、昌代の身体は人気があった。

 ツーッと康司の指がうなじから肩をなぞっていくと、わずかに昌代の身体が反応したように見えた。もう一度、同じように攻めてみようと思い、指を動かし始めたとき、昌代がネガを一枚抜き取って康司に見せた。

「当たりだ。良かったな」

わざと康司は昌代の耳元でそっと囁いた。昌代がビクッとしてくすぐったそうに首をすぼめる。

「何だ、もう感じ始めたのか。まだ5分も経ってないぞ」

「し、知らないわ」

『まずい』と思った。昌代自身、こんなに早く身体が反応を始めたことに驚いていた。昨日、夕食の時間まで泣き続けたときは、もう二度と自分の身体が感じることなど無いだろうと思っていたし、感じる身体がイヤだった。昨日も電話してみたが、健一は嫌々話しているのがよく分かった。そして、次のデートの日を決めようと言ったが『もういい』と言われてしまったのだ。その途端、目の前が真っ暗になった。『もう会ってくれないの?』というと、『多分な』と健一は冷たく言い放った。そう言われては昌代は無言で切るしかなかった。そして自分の身体を呪いながら更に泣き続けた。その時、泣きながらベッドの中でちょっと触ってみたのだが、全く何も感じなかった。それだけが唯一の救いだった。

そして、健一と別れた寂しさから立ち上がるためには、康司に抱かれても自分の身体は感じなくなってしまっていると確認してみたくなった。本気で好きな恋人にあんな風に言われたのだから、身体は当然感じなくなっているはずだと思ったのだ。それを確認したくて康司に電話をした。それに、これで昌代の身体が反応しなくなれば、康司も興味を失ってしまい、昌代から離れると思っていた。

 しかし今の昌代には、何度も経験した、あの抗しがたい甘い感覚がゆっくりと身体の中に満ち始め、翻弄し始めていた。実は昌代自身も、康司の部屋に入った時点で自分の中に潤いが生まれていることに気が付いていなかった。しかし、正常な開発途上の高校生の身体は、朝からそのことばかり考えている間に自然に迎え入れる準備を始めていたのだ。

「ほら、もう反応を始めたぞ」

そう言いながら康司は肩からうなじを舐め上げる。

「んんっ、くっ」

「ほうら、気持ち良かったろ?」

昌代は何も言わずにネガを見ることに意識を集中した。何を言っても身体が反応しているのだからどうにもならない。このまま胸を攻められたら、どこまで我慢できるか自信が無くなってきた。ここに来る前に立てた予定では今頃、康司の愛撫に全く反応せずに次々とネガを探しているはずだった。そして最後に康司が諦めた時の捨てぜりふまで用意してあった。しかし今、昌代の頭の中は混乱し、康司の手がいつ前に回ってくるかを恐れ始めていた。

しかし、康司は昌代の考える以上に狡猾だった。昌代の後ろからうなじ、肩口、肩胛骨、背筋の上の部分、と後ろの方ばかり念入りに愛撫して不意打ちで昌代の身体がピクッと反り返るのを楽しんだ。

後ろから攻められると意識の準備ができない。康司は、時々わざと間を空けて昌代の意識が防御できないようにしていた。そして、不意に甘い愛撫をあちこちに与える。

「はぅっ・・・はっ・・・ううっ・・・んっ」

昌代のくぐもった吐息だけがしばらく部屋に響いた。康司は満足するまでたっぷりと背中を愛撫し、軽く息をかけるだけで昌代の身体が仰け反るほどに昌代の身体が燃え上がるのを待って、そっと耳元で囁いた。

「ちょっと自分の胸を見て見ろよ」

くっ、と昌代が康司の吐息に反応して、言われたとおり下を向くと、そこにはまだ何も触っていないのにブラジャーの中から先端を尖らせて康司の愛撫を待っている乳房があった。

「尖ってるだろ。まだ触っていないんだぞ。どうしてこんなになったんだ?」

「そ、そんなこと・・・、くすぐったかったから・・」

「お前はこれをくすぐったいって言うのか?」

康司はそっと手を前に回し、布に包まれた先端を指先で優しく撫で回した。

「はぁっんっ」

「もっと優しくして欲しいんだろ?言ってごらん。してあげるから」

耳たぶを甘く噛みながら優しく言う康司の言葉がいきなり昌代の心に攻めてきた。

「い・・いや・・・」

昌代はいやいやをしながらも時折自分から耳元やうなじを無意識に康司に押しつける。

「ほうら、どんどん飛び出してくる。ここはもっとして欲しいって言ってるみたいだぞ」

康司の指は布に包まれた乳房をゆっくりと這い回り始める。しかし、その刺激はまだ弱く、焦れったさだけが体の中に溜まっていく。慎重に動いている指は先端の近くを何度も通るが、乳首の真上を撫で上げることは決してなく、昌代の身体の火を確実に燃え上がらせていった。

「いつものように言えばいいんだ。簡単なことだろ?」

「い・・や・・今日はそんな・・・つもりじゃ・・・ああん・・」

「どんなつもりだったんだ?抱いて欲しくて来たんじゃないのか?」

「・・・・・・う・・・・こんなのぅ・・・はっ・・・」

「言わないのか?まあ、いいさ。じっくり感じさせてやるからな。覚悟しろよ」

昌代は何とか身体の火を沈めようと他のことを考えてみた。健一の怒ったときの顔を思い出したり、喧嘩したときのことを思い出し、悲しさを使って康司の愛撫から逃れようとした。しかし、思い出している間は少し感じなくなるが、康司が耳元で囁き、うなじを舐め上げ、乳房をそっと握られるとスッと意識がそっちに行ってしまい、意識が戻った途端に更に激しく身体が燃え上がってしまう。

もうネガを見るどころではなかった。

「今、何を考えているのか言ってごらん。どうして欲しいんだ?」

「いやぁ、何も考えてない。何も・・・。だから終わりにして」

「何を言ってるんだ、お前。まだ始まったばかりだぞ。この前は焦らされてからどんなことをしたんだ。言って見ろよ。最後はどんなこと言ったんだ?」

康司の指はブラジャーを突き上げている乳首の周りをゆっくりと回り始める。

「・・・・う・・・・あ、ああ・・・そ、それは・・・」

「今日は我慢強いな。誉めてやるよ。それならこうしたらどうなんだ?」

康司は右肩のストラップを下ろし、そのままグイッと引き下げて昌代の右の乳房の上半分だけをむき出しにした。

「こんな事して欲しいんじゃないのか?少しだけしてやるよ」

肩口からきれいなカーブを描く乳房の上を一本の指が肩から膨らみの先端に向かってツーッと滑っていき、ギリギリのところで焦らす。

「いやぁっ、そんなこと、ああん、いやぁっ、だめぇっ」

昌代は我慢の限界に来ていた。頭の中では康司へのおねだりの言葉が渦巻いている。しかし、もう少し我慢できればきっと康司は興味を失って愛撫をやめると必死に自分に言い聞かせ、一秒一秒を何とか我慢し続けた。

康司はこのままでは昌代が思い通りにならないのではないかと思った。確かに激しく感じてはいるが、まだ我慢できるらしい。これはある意味で康司への挑戦だった。ここで昌代を落とさなければ、この先どうなるか分からない。幸い、時間は康司の味方だった。

そこで攻め方を少し代えてみることにした。乳房への愛撫を中止すると、椅子に座っている昌代の足を開かせ、そのままパンツの上から茂みの辺りを撫で始めた。

一瞬、昌代は康司があきらめたのかと思いホッとした。しかし、次の瞬間、足を開かされ、康司の手がパンツの上に這っていくと、どうしようもない感覚が秘核から沸き上がり始めた。乳房を焦らされている間は何とかそっと両足を擦り合わせることで我慢できた感覚が、撫で上げられて何倍にもなっているのに足を開かれてしまうと自分から擦り合わせることができない。

「いやぁ、そこはやめてぇ、お願いだからぁ・・・、もう・・・限界よぉ」

康司は何も言わずに官能の火にあぶられていく昌代の表情を楽しんだ。あと一歩だ。

康司はパンツの一番奥の部分をそっとまさぐってみた。良く分からないが、秘核の近くのはずだった。今までの経験から、昌代は秘核をゆっくりと愛されるのが好きだと言うことに既に気が付いていた。

「あ、あああ、ああっ、そ、そこ・・・・」

とうとう昌代の口から何かが溢れ始めた。

「は、はあっ、そ、そこは・・・いや・・・・ああん・・・そっちは・・・・あ、あうぅっ・・・そこ、そこは・・・」

康司には昌代がおねだりを始めたように聞こえたが、昌代自身はこれでも嫌がっているつもりだった。しかし、声は甘い調子に変わり、目はうつろで何も見てはいなかった。康司は最後の仕上げに入った。昌代の中からはじっとりとしたものが溢れ始める。

パンツの上から秘核の近くを撫で続けながら、ゆっくりと耳たぶを甘く口に含み、上半分をむき出された右の乳房の上に再びそっと指を這わせる。そして、ねっとりとした口調で囁いた。

「ほら、そろそろ優しくしてあげるから。言ってごらん。どうして欲しいの?」

「はあうぅっ、ああっ、そ・・・それは・・・、はあっ・・・」

「おねだりしてごらん、我慢していた分だけ気持ち良くしてあげるから。今までで最高にしてあげるよ」

「いや・・・だめぇ、我慢できないのぅ、ねぇ、もう優しくしてぇ」

乳房の焦れったさだけでも秘核を愛撫される前の何倍にもなっていた。康司の優しい小さなささやきは昌代の頭の中に直接響いた。もうどうしようもなかった。

「そ・・・そこ・・ちゃんと・・・触って・・・・もっとぅ、お願い・・焦らさないで」

「どこなの?言ってごらん。すぐにしてあげるから」

「そこ・・ク・・クリ・アアッ・・乳首も・・・早くッ」

「こうして欲しかったのかな?」

「あああぁぁぁーーーーっ、はあぁぁぁーーーっ、くぅーーーっ、あーーっ」

康司がパンツの上から秘核の辺りにグッと指を差し込み、反対の手をブラジャーの中に差し込んで乳房を包み込み、指先で乳首をゆっくりと転がしてやると昌代の中で快感が爆発した。もう何も分からなくなるくらいの凄まじいものだった。

「これで満足した?」

康司がすぐに愛撫をゆっくり遠ざけていくと、昌代が激しくねだった。

「いやぁ、もっと、もっと続けて。今やめちゃ、いやぁっ」

康司はもとの口調に戻って言った。

「よし、もう少ししてやるから、それが終わったら全部脱ぐんだぞ。いいな」

そう言いながら、康司は再び昌代の身体を愛撫してやる。今度は焦らさない。一番昌代が気に入る強さだった。

「あうぅ、はあんっ、クッ、あう、はぁっ、はぁっ、ああーっ」

昌代はしばらく快感の波に翻弄され、とろけるような女の幸せを味わっていたが、それもすぐに終わりだった。突然愛撫が中止され、はっとする昌代に、

「さあ、今度は交代だ。脱がして口でしてもらおうか」

康司はそう言うと、昌代を椅子から立たせ、自分の前に跪かせた。

「ズボンとパンツを脱がせてしゃぶってくれよ。そうしたらすぐにいいことがあるぞ。おっと、その前にお前も自分で全部脱ぐんだぞ」

昌代にはまさに屈辱の言葉だった。康司はお構いなしに自分からシャツを脱いでいく。

「ほら、早くしないと、また最初からだぞ」

その言葉に昌代は敏感に反応した。もう二度とあんなに我慢することなどできないことは自分の身体が一番良く知っていた。まだ身体が熱く疼いているのは良く分かっていた。今は何も考えずに康司の言葉に従うほか無いと自分を無理やり納得させ、康司のベルトに手をかけてズボンを脱がせた。

「お前が脱いでからって言ったろうが」

容赦のない康司の言葉に、昌代はひたすら何も考えずに自分でブラジャーのバックストラップのホックを外してスルリと脱いで横に置くと、康司の目の前でゆっくりパンツを脱いだ。茂みが解放されて、ふわっと立ち上がった毛がゆっくり本来の姿を取り戻していく。全裸になった昌代が康司の前に跪くと、

「よし、少し口でしてもらおう」

そう言うと、康司は今まで昌代が座っていた椅子に座り、昌代の頭を両手で掴み、自分の股間に埋めた。

昌代は必死に何も考えないようにした。何かを考えれば自分が崩壊していくような気がして、自分のしていることを自分で認めるのが恐ろしかった。恋人に振られた翌日に、自分をレイプした相手の家で自分から肉棒をしゃぶっているなどとは考えたくなかった。

康司は昌代の頭が自分の股間に向かって上下するのをしばらく満足に眺めていたが、やがて、

「よし、立ってみろ」

と昌代を自分の正面に立たせた。少し顔を横に向けていたが、昌代の身体はきれいだった。この姿を想像して何人もの男子生徒が寂しく想像しながら満足しているのだ。ちょうど良い大きさの乳房は真っ直ぐ康司を向いて尖っており、先端は尖って康司の愛撫を待っていた。腰はなめらかだが大きなカーブを描いており、下腹部には少し薄目の茂みが康司の肉棒を待っていた。これらは全て康司の命令を待っているのだ。

ちょうど椅子に座っている康司の目の前に形のよい乳房があった。康司は軽く昌代の腰を引き寄せると、ゆっくりと乳房を両手で揉み、先端に舌を這わせた。

「あぁ、はぁっ、ん、んんっ、ああっ、はぁん、う、ああーーっ」

昌代の口からは止めどもない熱い吐息が溢れ出す。今や昌代は必死に康司の与えてくれる快感の海に溺れようとしていた。乳房を遠慮無く揉み上げられていると、次第に肉壁が反応を始め、再び我慢できなくなってくる。少しずつ足を擦り合わせていると、

「どうした。立っていられないのか?」

昌代の腰がもじもじと動き始めたことに気が付いた康司は、すかさずそれを指摘して昌代の羞恥心を高めていく。思わずはっとして、その時は腰の動きが止まるのだが、愛撫を再開されると、すぐにまた腰は怪しくうごめき始めるのだった。

「ああん、もう、ねぇ・・・、はうぅ・・・ねぇ・・・はやくぅ」

康司にゆっくりと胸を揉まれながら、昌代は自分から求め始めた。

「言えよ。ちゃんと言えたらしてやるから」

「もう、はやくぅ、ねぇ、わかってるでしょ、我慢できない」

「だから、言えよ」

「欲しいの。してぇ」

「そんなに疼くのか?もう我慢できないのか?」

康司は分かり切ったことの念を押した。

「早くぅ、もういいでしょ。入れるんなら早く入れて終わりにして」

とても自分の身体が待ちきれないとは言えなかった。

「よし、そう言うなら自分で入れて好きなように動いてみろ」

康司は椅子に座ったまま昌代を引き寄せ、昌代の足を開いて自分に向かい合ってまたがせた。

「そんな、ここじゃイヤ、ベッドで・・ねぇ」

「早くしろよ。我慢できないんだろ?」

康司は昌代の腰を引き下げるとそそり立った肉棒に当てた。

「あ、アアッ、ダメェ、こんな所でするぅ、アアッ、はいるぅ」

昌代は自分から無意識に位置を合わせるとゆっくりと腰を落としてきた。

「はあぁぁぁああぁぁっ」

既にたっぷりと潤っていた秘唇は、何の抵抗もなく肉棒を飲み込んでいく。もう、どうしようもなかった。昌代はベッドで思いっきり貫いて欲しかったが、康司はまたがった昌代を乗せて椅子に座っているだけで何もしない。康司を説得してベッドに入り直す余裕は昌代には望むべくもなかった。どうしようもない、と言った感じで自分からぎこちなく腰を使い始める。

始めはどう動いて良いのか分からずに、焦れったくて仕方なかったが、やがて自分の腰の使い方が分かってくると康司の上で昌代は激しく悶え始めた。感じ始めると、快感と引き替えに体がだるくなり、次第に動けなくなってくるが、康司は腰を動かさずに乳房の方を揉んだり舐めたりしてくるので、昌代は必死に腰を使って快感を追い掛け続けた。

あの橘昌代が自分から跨ってきて腰を使っている。乳房は康司の目の前で揺れ、口の中で乳首を転がすたびに熱い声が漏れている。感度も最高に良い。康司にしてみれば、昌代のこれ以上はないと言う痴態を存分に楽しみながらも、自分は何もしないで昌代の肉壁を楽しめるのだから、これ以上のセックスは考えられないと思った。

「はぁっ、ああん、はうぅ、ああっ、くっ、ああぁーっ」

昌代はありったけの力を使って康司の上で乱れた。もうここまで来たら嫌がっても仕方がない。後はすることだけして帰ればいいのだ。しかし、感じれば感じるほど身体が動かなくなってくる。激しい快感と同時に焦れた不満が溜まってくる。何度ももっと上を目指したが、どうしてもそこまでたどり着けない。その間に体力はどんどん消耗していく。とうとう最後には康司の上で動けなくなり、行きそうでいけない身体をぐったりと康司に預けた。

「どうした?もう終わったのか?」

「お、お願い。ベッドに連れて行って。いけないのに行きたいの。お願い・・・ベッドに連れてって・・」

その言葉は、既に康司に全てをまかせたものの言葉だった。

康司は跨っている昌代を下ろすと、軽々と抱き上げてベッドに運び、

「それにしてもお前の身体はきれいだな。ズコバコするだけじゃもったいないぜ」

そう言ってベッドに横たわった昌代に覆い被さり、再び乳房を揉み上げ始めた。

「ああん、そんなことぉ、アアッ、気持ちいいけど、我慢できないぃ、早く入れてぇ、ねぇ、康司さん」

昌代はおねだりを続けながら康司の愛撫に翻弄された。身体の火は猛烈に燃え上がり、今は満たされることだけしか考えられなかった。

「康司さん、か。仕方のないやつだな。今日は何を考えてここに来たのか知らないけど、自分の身体がどうなっているのかよく考えろよ」

康司はそう言うと、昌代の足を開いて間に入り、昌代の膝を胸まで引き上げた形でゆっくりと挿入した。剥き出しになった秘部は足が邪魔しないので一番奥まで挿入できる形だ。

「あ、アアッ、ああぁぁぁぁーーーっ、はぁッ、はぁッ、す、すごいッ」

昌代はとうとう待ち望んだ形で欲しいものを与えられ、感じることだけに意識を集中した。昌代の肉壁も喜んでいるかのようにしっかりと康司の肉棒をしごいている。

「おう、いつもより気持ちいいぞ」

康司も昌代の締め付けが気に入ったようで、だんだん動きを早くしていった。

「あうッ、あうッ、イイッ、いいの、そのまま、アアッ、持たない。ああーっ、どうして、こんなにぃ、あぁぁぁぁーっ、良すぎるぅーっ」

昌代は3分も経たないうちに絶頂が近いことを白状した。その声を聞いた康司はわざと挿入をゆっくりにした。

「いやぁ、ああん、あうぅっ、これもいい・・・けど、もっとぅ」

昌代はゆっくりとした深い挿入にも充分感じていたが、今は何より行きたくて仕方なかった。

「ああ、いいの。このまま、まだ・・でも、欲しい。もう少し、早く・・・して。おねがい、もっとぅ」

昌代は快感に満たされながら、康司に先をねだった。既に自分から足をいっぱいに引きつけ、秘部を康司に向かってクイッ、クイッと突き上げ、両手は康司の首に回して身体を擦り付けている。

「こうか?」

康司が深々と挿入したまま奥をタタタと細かく貫いてやると、昌代の反応が一気に高まる。

「ああっ、ああぁぁぁっ、ダメッ、いっちゃうぅ」

一瞬、昌代が嫌がったようなので康司が動きを止めると、昌代は不自由な姿勢ながらも自分から秘部を康司に突き上げ始める。

「いやぁ、やめちゃぁ。ああん、もっとぅ、深いのがイイのぅ」

「どうして欲しいんだ?いきたいのか?それとも焦らして欲しいのか?」

康司はククッと突き入れたり、ゆっくりと出し入れしたり、深々と差し込んでじっとしたり、昌代がいきそうで行かない寸前を楽しんだ。

「ああぁぁぁっ、いやぁ、やめちゃ。もう、許してぇ、もう、これ以上我慢できない。このままいっちゃいそう。ね、もう、いい?いいのぅ?」

康司は昌代の身体が限界に来たことをさとると、一気に深々と大胆に何度も出没して最後の瞬間を与えてやる。

「はぁっ、アン、アン、それ、いいっ、ああーっ、もう、ダメェ、いっちゃう、あーーーーっ、くっ、もういくぅぅぅーーーっ、あーーーーっ、うっうぅぅぅーーーっ」

昌代の身体がもう引き返せないところまで来たことが分かったので、康司が挿入を早くすると、昌代は仰け反り、一気に登りつめていく。

「ああっ、そのまま、いくから、いくから、ああっ、あっ、あっ、ああぁぁぁあああーーーーっ、うっ、あ、ああんっ、あぁ、う、うぅぅ」

それまで必死に康司の挿入に合わせて腰を使っていた昌代は一瞬、身体をピクッと反り返らせると反応が鈍くなった。康司が挿入をゆっくりに変えてやると、明らかに余韻を楽しむ甘いと息になり、ゆっくりと身体を康司の方に寄せて甘えるようにすり寄せてくる。

 しかし、康司はそのままでは昌代を許さなかった。軽く痙攣を繰り返しながら締め付けている肉壁から一度抜き取り、そのまま昌代の身体を俯せにすると、まだギンギンに立っている肉棒を尻から再度挿入する。

「ああん、まだよぅ。そんなに、しないで・・・ああっ」

昌代は嫌がったようだったが、自分から尻をクッと持ち上げると康司の肉棒を受け入れ、そのままの姿勢で康司が動くのを信じて待つ。

「お、腰が上がってるじゃないか。まだ欲しいのか。また中が動き始めたぞ。分かるか?自分で擦ってるんだぞ」

「いやぁ、そんなこと言わないで。ああん、動いたら、だめぇ、今、いったばっかりで、ああん、だめよぅ、すぐにいっちゃうからぁ」

「こっちはもっと動かないといかないんだよ。これくらいは動かないとな」

康司は遠慮無く腰を動かし、自分が満足するように動き始めた。

「アアッ、待って。もう少し待ってぇ。ああっ、いっちゃう。まだダメェッ」

昌代は尻を突き上げた四つんばいの姿勢から両手をついてグッと体を反らせると、再び絶頂を極める体制に入った。康司は手を昌代の前に回して形の良い乳房をグッと揉み込み、昌代の声を更に搾り取る。

「ああーーっ、いっちゃうぅっ。くぅぅっ」

昌代の身体が一気にピンクに染まり、更に高い頂上に昌代を押し上げた。

 それから、康司は立て続けに何度も昌代を頂上に連れて行った。高校生の体力は二人に際限なく絶頂を与えるかのようで、1時間経ってもまだ二人はお互いの快感をむさぼり合っていた。

やがて、康司が汗でびっしょりになった身体を昌代の隣に横たえると、昌代はしばらく保身したかのように余韻に浸っていたが、息が突然荒くなると一気に泣き出した。

康司は何もせずにしばらく息を整えていたが、昌代の泣き声が少し落ち着いた頃を見計らってゆっくりと抱き寄せると、昌代は何の抵抗もせずに康司の胸の上で静かに泣き続けた。康司はただ、そっと昌代の髪を撫でていた。

しばらくすると昌代が静かになった。そして、ぽつりと、

「このままでいて。お願い、大人しくなるから。今はどこにもいかないで」

それだけ言うと、康司の胸の上で目を閉じた。今、昌代の身体は満たされていた。昌代は自分の身体が康司を求めていることを認めないわけには行かなかった。もう健一に抱かれることもないだろう。康司に抱かれるのと感じ方が全く違うのだ。それならば、しばらくは康司に大人しく抱かれた方がいいと思った。そこまで考えて、無意識のうちに健一を忘れようとしていたことにやっと気が付いた。

 

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