第151部



そこはスイートなのでかなりの広さがあり、窓は壁一面の大きな物だ。
「うわー、もっときれい。すっごぉーい!」
菜摘は窓から見える雄大な景色に吸い付けられるように窓へと走って行った。正に晃一が雑誌で見た景色そのものが外に広がっている。雄大な景色とはこういう事を言うのか、と晃一も驚いた。眼下に広がる湖は実際はかなり大きいのだが、視界がとにかく広がっているので余り大きく見えない。しかし、首を回さないと湖の全景が見えないほど広大だ。
「凄い・・・・・・・大自然てこう言うのを言うんだ・・・・」
菜摘はしばし時を忘れて窓の外の景色に見入っていた。晃一が後ろから近づいて菜摘の背後にぴったりと付くと、ちょっとピクッと動いたが何も言わなかった。そして菜摘は甘えるように少しだけ体を晃一の方に倒してきた。そのまま晃一は両手を菜摘の前に回していく。
菜摘はじっとしている。そして晃一の手が菜摘の身体の前に回り、腰からゆっくりとお腹を這い上がっていっても何も言わずじっとしていた。そして、晃一の手がお腹から胸へとゆっくり上がってくると少し息を乱したようだがまだじっとしている。とうとう晃一の手は菜摘の胸の膨らみを両方とも掌の中にすっぽりと包み込んだ。堅い膨らみをそっと包むがまだ何もしない。
「だめ」
菜摘は小さな声で言った。
「菜摘ちゃん、好きだよ」
晃一が耳元で囁くと、熱い吐息が項にかかって菜摘の身体にずぅ〜んと甘い感覚が走った。そして晃一の手が優しく服の上から膨らみを撫で回し始める。菜摘は今、この瞬間から二人だけの時間が始まることを実感した。明日、この部屋を出るまでもう時間を気にする必要がない。タクシーが来る時間を心配する必要もないのだ。『これからパパと二人だけ』その言葉を心の中で呟いてみる。そして心が急速に晃一に傾いていった。
次第に晃一になでられている部分からあの感覚がわき上がり始めた。菜摘はこの感覚に夢中になりたいと思うが、今はまだ夢中になるわけにはいかない。
「だめ・・・・パパ・・・・今始めたら・・・・・」
菜摘は窓の外を見ながらそう言ったが、じっとしたまま動かなかったし嫌がらなかった。ただ、少しずつ息が荒くなっていく。そして、晃一がほんの少しだけ膨らみをクッと揉み上げた瞬間、菜摘の身体はビクッと大きく震え、そのまま菜摘はくるっと振り向くと晃一の首に手を回し、晃一に向いて目をつぶってきた。
そのまま二人は抱き合ったままキスを楽しんだ。晃一が差し込んだ舌の周りを菜摘の小さな舌が逃げ回るようにしながらもあちこちから絡んでくる。それは、晃一だけでなく菜摘も今まで我慢していたことをはっきりと示していた。
晃一の手が菜摘の細い身体をゆっくりと撫で回していたので菜摘は上半身全体がとても気持ち良かった。菜摘は身体がどんどん熱くなってきたが、今はそんなことを気にするよりそのままキスを楽しむ方が先だ。すると、背中を撫で回すだけでは満足しなくなったのか、晃一の手が菜摘の前に回って膨らみを再び包み込むと膨らみを揉み回し始めた。菜摘は晃一の首に回していた手でそれを掴んで押さえ唇を外して、
「ああん、だめ、止まらなくなっちゃう、ああぁぁぁぁぁ」
と晃一の唇を項で受け止めながら喘いだ。はっきり言えば、すぐにでも服を脱ぎ捨ててベッドで愛して欲しいのだ。
「パパ、お願い、食事に行くんでしょう?これ以上されたら私、ああぁぁん、だめぇ、だめよぉ」
首筋となで回されている乳房からの快感に必死に耐えながら菜摘が懇願した。
晃一もこのままでは食事に行けなくなることは分かっていたが、どうにも止まらない。とにかく菜摘が可愛くて仕方が無いのだ。
「だめ・・・・お願い・・・・ああぁぁっ、そんなにしないで・・・・・・あぁぁぁん、もうだめぇ」
菜摘の喘ぎはどんどん大きくなっていく。もう限界だった。
しかし、そこで晃一は気合いで菜摘の身体から離れた。まだ菜摘はくるっと後ろを向くと息を弾ませている。
「ごめんね」
「はぁ、はぁ、はぁ・・・・もう・・・・ううん、良いの。私も嬉しかったから」
菜摘は乱れた制服を軽く直した。
「それじゃ、先にご飯に行こうか?」
「はい」
晃一は菜摘の腰に手を回し、菜摘は晃一の腕を掴んで部屋を出ると夕食に向かった。もちろん、エレベーターの中で二人きりになると、短い間だけキスを楽しんだ。キスをしながら菜摘は自分が濡れ始めたことに気づいた。
「ねぇパパ、食事は早めに切り上げても良い?」
歩きながら菜摘は晃一にそんなことを聞いてきた。
「どうしたの?」
晃一は、まさか菜摘が早く部屋に戻りたいと思っているなどとは気づかずに、体調でも悪いのかと思って聞き返した。
「ううん、そうじゃないけど・・・・・」
菜摘は晃一の鈍感さにあきれ果てながらも言葉を濁した。
そんな中途半端な会話をした二人だったが、いざ席に着いてみると部屋と同じような雄大な景色とこじんまりとしたブースの作りに驚き、喜んだ。席からでも湖がすぐそこに見える。
「菜摘ちゃん、おなか減ってないの?簡単なものにする?」
そんなことはなかった。店に漂う良い香りが菜摘の胃袋を刺激している。そこで、
「簡単なものにしたら、早く食べ終わるの?」
と早く部屋に帰ることに拘っていた菜摘は一応聞いてみた。しかし、
「いいえ、時間はほとんど同じでございます」
シェフがそう説明したので、菜摘は晃一に任せることにした。
「ねぇパパ、それじゃ、パパにお任せする。おなか減ってるから」
「それじゃ、せっかくだからこれにしようか」
と晃一は店のおすすめのプレミアムディナーコースを注文した。しかし、注文してから晃一も気になったと見え、
「終わるのは何時頃になりますか?」
と聞いた。既に時間は7時半に近い。たぶん店のスタッフは少し奇妙に思ったかもしれないが、さすがに表情には出さない。ただ、こういうリゾートホテルはゆったりと時間を過ごすためのものなので時間を気にする客は明らかに少ない。さすがにそれに気がついた菜摘が、
「ねぇパパ、私たちって時間のことばっかり話してるね」
と言うと、
「そうだね、ま、ここについたんだから後は気にせずに楽しもうか。急いで食べて10分か20分を節約してもしょうがないよ。明日はゆっくりできるんだから」
と晃一も心を決めたらしい。
「パパはここの料理も調べたの?」
「ううん、部屋だけ。おいしい料理が食べられるって言うのはあちこちに書いてあったけどね」
とシェフをちらりと見て言うとシェフも嬉しそうだ。
「どうして鉄板焼きにしたの?」
「ええとね、一つは友紀ちゃんと同じってこと。もう一つは魚介類と肉をおいしく出してくれる鉄板焼きって少ないってこと。それと、和食よりはお肉がどんと出てくる方が菜摘ちゃんは好きかなって思ったこと、かな?」
「そうね、最初に食事に連れてってもらったのもお肉だったもの」
菜摘は突然友紀の名前が出たので少し驚いたが、自分が友紀と同じかそれ以上にして欲しいと思っていたので何も言わなかった。ただ、少しだけ友紀のことをまだ覚えている晃一が気になった。
「そうだったよね」
「あのときはまだパパのことよく知らなかったから、私結構緊張してたな」
「俺だって」
「ねぇ、どうして私に声をかけたの?」
「いつ?最初?」
「うん」
「だって菜摘ちゃん、びしょびしょだったから」
「それじゃ、誰だってびしょびしょだったら声をかけるの?」
菜摘は意地悪な質問だと思いながらも晃一を問い詰めた。
「そんなことしたらストーカーになっちゃうよ。いっちばん電車で最初に偶然席を入れ替えたってこともおっきいと思うよ。それで顔を知ってたから、だろうな」
「そうか・・・・出会いなんだ・・・・」
「そうかもね?」
「出会いか・・・・・」
菜摘は言葉をしばらく噛み締めてから、
「おいしい料理が食べられると良いな」
とぽつんと呟いた。
それでも、簡単な前菜に始まって焼きたてのフォアグラが入ったサラダや近海の海の幸を使ったグリルが次々と出されると二人は時間を忘れてシェフの提供する鉄板によって食材が最高の料理へと変わっていく様に見とれて最高の味を楽しんだ。いつしか晃一は日本酒を飲んだりワインを試してみたり、と完全に食事に無注意になっていったが、菜摘も同じように食事を楽しんでいたので二人とも時間の過ぎるのを忘れていた。そしてメインのコースは晃一はロース、菜摘はヒレを注文し、暖かいミディアムレアと言う難しい火の遠し方も絶妙に焼き上げるその味の素晴らしさに魅了されていった。
そして会話が弾み始めると止めどもなく次から次へと話が出てくる。もう時間を気にする必要がないことも手伝って、いつしか二人は料理に箸をつけるのも忘れて会話に夢中になっていった。
そして突然それに気がついた菜摘が、
「あ、パパ、今何時?」
と聞いたので晃一も慌てて時間を確認した。
「9時を回っちゃったね」
「パパ・・・後は・・・・・ね?」
というと、晃一もそれがわかったらしく、
「うん。あの、すみません、お勘定をお願いします」
と言って会計を済ませて店を出た。
もちろん、また二人はエレベーターでキスをしたが、今度の二人はしっかりと抱き合って身体を密着させたキスだった。
部屋の入り口で晃一がカードキーを取り出していると、
「パパ、部屋に入ったら、今は何もしないで」
と菜摘が言った。
「え?どういうこと?」
「先にシャワーを浴びて良い?」
「もちろんだよ」
「それじゃ、先に入ってくる」
菜摘はそう言うと、晃一が開けたドアから先に入り、荷物を持つと振り向きもせずに直ぐにバスルームに入っていった。しばらくして菜摘の声が聞こえた。
「うわぁ、外が見える」
バスルームから外が見えるのだ。晃一がふと外を見ると、既に真っ暗で遠くに僅かな明かりが点々と見えるだけだ。しかし、菜摘にはそれが珍しいのだろう。レイクバスビュー付きの部屋にしておいて良かったと思った。
「菜摘ちゃん、ゆっくり入って良いからね」
晃一がバスルームの入り口から声を掛けると、
「はぁ〜い」
と返事が返ってきた。
時計を見ると9時半近い。食事を楽しんだので当然だが、晃一も少し時間がもったいないと思った。本来ならこの時間だと第二ラウンドが始まっていてもいい頃だ。既に肉棒にはかなり力が入っているのは自覚していたが、あんなに菜摘が喜んでいる以上晃一は菜摘に旅を楽しんでもらいたいと思った。
だが、菜摘は意外に早く20分ほどでバスルームから出てきた。まだ制服姿のままだ。
「あれ?もう出てきたの?お風呂から外の景色を楽しんだ?」
「うん、すっごく綺麗だった」
「でも、こんなに早く・・・・・・」
「パパもお風呂に入ってきて。今お湯を入れてるから。ホテルのお風呂って中で洗わないといけないから毎回お湯を抜かないとだめなのね」
菜摘は自分が早く晃一に抱いて欲しくて早めに切り上げてきたことを悟られないように話題を別に振った。
「そうだね。それじゃ、入ってくるね」
晃一は菜摘の代わりにバスルームに入った。ただ晃一はシャワーだけだ。浴室からの景色も基本的には部屋からと変わらないのでちょっと見ただけで十分だ。手早く身体を洗ってから裸の上にガウンを着て部屋に戻った。
晃一は早く出てきたので菜摘が何か言うかと思っていたが、菜摘は何も言わず荷物の整理をしていた。
「パパ、上がったの?」
「うん、こっちにおいでよ」
晃一がソファに誘うと、菜摘は荷物を片付けて晃一の隣に座った。良い香りがする。
「良い香りだね。ホテルの?」
「ううん、乳液を家から持って来たの」
「菜摘ちゃん、お化粧するの?」
「ううん、昨日買ってきたの。パパに・・・」
「ありがとう。良い香りだ。素敵だよ」
「パパ、そっちに移ってもいい?」
「もちろんだよ」
菜摘は立ち上がると、いつものように晃一の膝の上に横向きに座ってきた。そして、二人は何も言わずにたっぷりとキスを楽しんだ。もうこれから先は何も考える必要はない。好きなだけ好きなことをすれば良いのだ。菜摘のと息が晃一にかかり、晃一の息が菜摘を刺激した。やがてゆっくりと唇を離すと菜摘は、
「少しお酒くさい」
と言った。
「ごめんね、嫌?」
「ううん、そんなこと無い。でも、酔っちゃいそう」
そう言って菜摘は笑い、またキスをねだってきた。今度はキスをしながら晃一は菜摘の身体を左手で支えて軽く倒し、ゆっくりと右手で撫で回していく。晃一は菜摘の胸の膨らみのカーブが大好きだった。小さめではあるが、ぷくっと膨らんでいるのがとても可愛い。それに、これから確認することになるが、感度も最高に開発してある。
晃一が胸を撫で回し始めると、また菜摘は息を乱し始めた。身体の中をあの感覚が走り回っているのだ。菜摘は晃一に愛撫されるのが好きだった。とても優しい撫で方で、ゆっくりとしているのに十分以上に気持ち良い。菜摘はだんだん秘部が疼いてくるのを感じながらも晃一の愛撫を楽しみながらキスをしていた。
やがてたっぷりとキスを楽しんだ二人が唇を離すと、既に菜摘の目は潤い目の下にぽっと赤い斑点ができていた。セックスフラッシュだ。晃一が静かに制服のジッパーを下げていくと、菜摘は目をつぶってこれから起こることに備えた。
いつもなら晃一は菜摘の制服のジッパーを下げた後、そのまま直ぐに胸の愛撫を再開するのだが、今日は違っていた。直ぐにリボンの下のホックを外してしまう。そうして制服を肩まで脱がせて菜摘の綺麗な上半身を露わにすると、右手で胸から方まで丁寧に愛撫を始めた。
「あん・・・」
晃一の繊細な動きの指が肩からブラジャーのストラップに沿って乳房まで下がってくると、菜摘は最初の声を出した。
晃一の愛撫は丁寧で執拗だった。敏感な乳首を敢えて避け周りに徹底的に愛撫を施していく。菜摘は目をつぶったまま晃一の焦らしにどこまで我慢できるか不安だったが、じっと愛撫を受け続けた。菜摘はなるべく晃一のしたいようにして欲しかった。だから極力おねだりはしないことに決めていた。ただ、どれだけそうできるかは自信がなかった。
晃一の手が菜摘の胸の谷間のブラジャーに包まれていない部分を丁寧に愛撫すると、菜摘は再び声を出した。
「あん・・・・あっ、ああぁん・・・・・」
「ここ、気持ち良いの?」
「うん」
菜摘は目をつぶったまま答えた。
「それじゃぁ、もう少ししてあげる」
そう言うと晃一は身体を倒しても全然変わらない菜摘の小さい谷間に更に丁寧に指を這わせる。
「あぁぁ、そんなにされたら、ああんっ、あんっ、ああっ」
菜摘はゆっくりと両足を擦り合わせ始めた。