第206部

晃一は美菜の様子がはっきりと変わったのを優しく身体を撫でていて分かった。なんと言うか、食事の後に美菜の身体に触った時は、直ぐに柔らかく晃一に身体を預けてきたのに今は固い感じがする。
「美菜ちゃん、嫌になった?」
晃一は素直に聞いた。嫌ならこうしていても意味ないし時間の無駄だ。
「ううん・・・・・・嫌じゃ無い・・・・・けど・・・・」
「けど?」
「・・・・・・よくわかんない・・・・・」
晃一自身、本当に友紀を抱いてしまって良かったのかどうか分からなかった。友紀が腕の中に居たからと言って結果的には直ぐに抱いてしまったのだから言い訳などできるはずも無い。美菜に嫌われたのなら、正直にそれを受け入れるしか無いと思った。そうであれば謝ることさえ美菜には苦痛だろうから。
「ごめんね・・・・・・・」
しかし、思わず晃一は謝ってしまった。言わずには居られないと言った方が正しかったかも知れない。
「ううん・・・・・・・・」
美菜もそう言ったが、その後の言葉が続かない。
ただ、見てしまったからと言って自分が晃一から離れてしまえばどうなるのか?あの様子から考えると、友紀が今までの美菜の代わりに納まるだけかも知れない。そうなれば美菜は友紀に追い出された格好になってしまう。そうなると美菜自身の晃一へのプライドは保てるかも知れないが、それはそれで腹が立つのも確かだ。それに友紀は美菜が晃一に抱かれているのを見た上で晃一に抱かれているのだ。と言うことは、美菜に対する対抗心と取れなくも無い。だからここで自分だけ離れてしまうと言うのはおかしい気もする。
『要は、おじさまの気持ちじゃ無くて私の気持ち次第って事ね・・・・・』美菜は晃一の手が髪を優しく撫で、背中を通っていくのを感じながら思った。『私がどうしたいのか、それをはっきりさせればいいんだ、それだけか』
美菜は今の自分の気持ちを過去の自分と比べてみた。自分を抱いた彼に失望した時の自分と。自分の好きなように美菜の身体を触り、入れるだけ入れて終わってお終い、そんな彼と。すると、その時の失望感とは何か違う気がした。あの時は、明らかに彼の気持ち中に美菜という存在がいなくなっていることに気がつき、寂しさを感じた。しかし、晃一に抱かれた時もそうだったが、今でさえも晃一は美菜のことを気遣ってくれている。少なくとも晃一は自分といる時はいつも優しい。それは明らかだ。
美菜はますます分からなくなってきた。もちろん、このまま晃一から離れてしまっても晃一は受け入れるだろう。果たして、それが自分の望む結果なのだろうか?美菜は晃一に聞いてみることにした。
「おじさま・・??」
「なあに?」
「もう一度聞いても良い?私のこと、どう思ってる?」
「美菜ちゃんのこと?」
晃一は正直に気持ちを伝えなければと思った。
「とっても綺麗だし、可愛いし・・・それに、なんて言うか、頼ってくれる気がして嬉しい、かな・・・・・。それに、エッチしていてとっても楽しい。美菜ちゃんの気持ちの支えになってる気がしたし、思い込みかも知れないけど・・・」
「ううん、違う」
「ちがう?」
「なってる。なってた、かな・・・・。おじさまは確かに支えになってた・・・・」
「過去形なんだ。今は?」
「わかんない・・・・・・。でも、こうしていても嫌じゃ無い・・・・」
「うん・・・・・・・ありがとう・・・」
「ありがとう?どうして?」
「だって、正直に気持ちを教えてくれてるでしょ?それって嬉しいことだよ」
「そうか・・・・・そう言う考えもあるんだ・・・・・・」
晃一に指摘されて、こう言う状況になってさえ、晃一に心から自分の気持ちを正直に伝えている自分に気がついた。離れることで自分を守ろうとしていない自分に。
「私もう少し、こうしていてもいい?」
「もちろんだよ」
晃一に髪を撫でられ、背中を優しくさすってもらっているとやはり安心するのだ。美菜はそれに気がつくと、身体の力を少し抜いて晃一にそっと寄りかかった。
「美菜ちゃん・・・・・」
「なに?」
「ありがとう」
「また?」
「うん、美菜ちゃんがどういう結論を出すか分からないけど、俺の気持ちを受け入れてくれたし、聞かせてくれたからね」
「それってずるい・・・・」
「ずるい?」
「そんなにお礼を言われたら、気持ちが動いちゃう」
「そうか、駆け引きをしてるつもりは無いんだけど、ごめんね」
「分かってる。だから私もずるいのかも・・・」
「そうか・・・・・」
「ねぇ、キスしてもらっても良い?」
「うん・・・」
晃一は美菜の顎の下に指を掛けてそっと上に向かせた。端整な顔立ちの美菜が目をつぶっている。ドキッとするくらい綺麗だった。そっとキスをしていく。
美菜はそれを素直に受け止めた。そして、自分の気持ちがどう反応するかに集中した。そっと唇が触れるだけの優しいキス・・・・・、嫌では無い・・・・・と言うか、それだけでは不満だ。すると、晃一の唇が美菜の唇を少しだけ開くと、少しだけ舌を入れてきた。美菜は自分から舌を差し出してそっと晃一の舌に触れさせた。美菜の中で何か気持ちが反応した。そのまま晃一が更に舌を入れてきたので美菜も更に舌を絡めていく。
ねっとりとしたキスだった。美菜は『嫌らしいキス』と思った。気持ちがどんどん晃一に傾いていくのが自分でも分かる。求め合う、というよりは確認し合う、という感じだろうか?二人のキスはしばらくの間続いた。
やがて美菜が唇を離すと、晃一の肩に首をそっと乗せてきた。晃一に髪を撫でられるのがはっきりと気持ち良い。
「ねぇ、もう一回、してもらっても良い?」
「美菜ちゃん?」
美菜が言っているのはキスで無いことは明らかだ。
「ねぇおじさま、もう一回、できる?」
「・・・・・・正直、わかんない・・・・」
晃一は既に2回放出していた。もちろん、菜摘との時のように気持ちが乗っていればもう一回くらい全然問題ないのだが、この状況でははっきり言って自身が無かった。それは、晃一自身の気持ちが揺れている証拠でもあった。
「それなら、できなくても良いから、途中までしてみて。私に口でして欲しければ、するから・・」
美菜は自分の気持ちを確かめたくてそう言った。明らかに今の気持ちは晃一に対する嫌悪感より信頼と愛情の方が強そうなので、それを確かめてみたかったのだ。
「うん。わかった。でも、嫌な気がしたら直ぐに言ってね」
今まで髪と背中を撫でていた晃一は美菜の上体を少し起こすと、制服のジッパーにかけた。美菜はジッパーが下ろされて晃一の手がブラジャーのカップに触れるのを受け入れた。しかし、前ほど身体は反応しない。『やっぱり私の身体はおじさまを受け入れてないんだ・・・・・』そう思うと残念なような、ほっとしたような、変な気がした。
しかし、『それならそれで仕方ない。もう一回してもらったんだし』と思って気持ちを楽にしてしばらく触らせていると、やがて何となく胸が反応してきた感じがした。むず痒いような、気持ち良いような、中途半端な感じがする。しかし、気持ち良い、と言うのとは違う。
美菜は更に少し晃一にブラジャーを触らせてから、晃一の手を取るとスカートへと導いた。それは自分の身体が晃一を受け入れているのかどうか確かめてみたかったからだ。
「こっちも・・・・少ししてみて・・・・・」
晃一は何も言わずに美菜のスカートの中に手を入れると、少し美菜の足を軽く開いてからパンツの布地を探り当てた。
ピクッと美菜の身体が反応した。美菜は小さいがはっきりと快感が身体を走り抜けたのを知った。『あっ、私、感じてる?感じないんじゃ無かったの?どうして?』美菜は予想外の身体の反応に少し驚いた。
晃一の方は美菜のパンツを探った時、秘部が何となくしっとりとしている感じがした。そこで、何度か優しく撫でてから、指をパンツの一番布地が狭くなっている部分からそっと少しだけ布地の奥に指を差し込んでみた。すると秘唇の合わせ目までもうかなり濡れていた。
美菜はいきなりパンツの横から晃一の指が入ってきたので驚いた。
「ああっ」
はっきりと声を上げた。感じたのと驚いたのが同時だ。慌てて足を閉じたが、同時に膝を引き寄せたので却って晃一の指が自由に動けるようになった。
「美菜ちゃん、濡れてる・・・・」
晃一がそっと差し込んだ指で美菜の秘部を少しだけ掻き回した。
「はうぅっ、ああぁぁぁっ、ちょっとおっ、そんなところからぁっ」
美菜は自分でもこんなに感じるとは思っていなかった。確かに予想外の所から触られて不意を突かれたのは確かだが、それでも予想外に早く身体が一気に熱くなっていく。ほんのさっきまで感じないのならそれで終わりにするつもりだった。しかし、今はまるでじっくり焦らされていたかのように感じる。
「ほら、もうこんなに・・・・・」
晃一の指が更に美菜の秘唇をそっと掻き回した。晃一の指はぬるっとした秘唇の間を掻き分けた。
「ああああぁんっ、そ、そんなにしないで。いきなりは反則よぉっ」
思わず美菜は晃一の胸にしがみついた。まだ自分でもどうしてこうなったのか分かっていない。頭の中はぐるぐる回っている。『何でこんなに気持ち良いの?さっきまで全然そんな感じじゃ無かったのに。あんなに気持ちが落ち込んでたのに』
晃一はこのまま指でそっと掻き回せば美菜はもっと感じると直感した。しかし、それで良いのだろうか?感じるからと言って快感で押し流すようなことをして、美菜の気持ちが流されてしまったら後で後悔するのでは無いか?そう思うと膝の上に素直に乗ってくれた少女をどうすれば良いのか迷ってしまう。
「美菜ちゃん、どうする?」
晃一は一度指をそっと引き抜くと美菜に聞いてみた。
「はぁ、はぁ、あん・・・・・ちょっとびっくりしたぁ」
「美菜ちゃん、もう感じる準備ができてたんだね」
「ちょっと待って・・・・・」
美菜は軽く開かれた制服を直し、スカートを伸ばした。
「うん、いいよ。慌てなくて良いから」
美菜は晃一の心遣いが嬉しかった。このまま続けても良いのか、改めてどうするか考えてみる。今の気持ちは今日、この部屋に来た時のような優しくして欲しい、感じたいというのとは少し違う。しかし、やはり晃一が作り上げる安心できる空間というのは美菜にとって圧倒的なのだ。気持ちが感じていないのに身体だけ感じると悲しさが湧き上がってくるのに、今は触られると安心してしまう。と言うことは、あんなことがあっても自分は晃一に心を許していると言うことなのかも知れない。
晃一は辛抱強く美菜の髪を撫でながら、美菜がどうしたいのか結論を出すのを待っていた。もしかしたら、美菜はもう二度と戻ってこないかも知れないとは思ったが、それならそれで受け入れるしか無い。気持ちが無い少女を身体が感じているからと言って無理に快感で押し流してみても後味の悪い時間が待っているだけだ。
「おじさま、もう一回聞かせて。私のこと、好き?」
「うん、好きだよ」
「どう好きなの?」
「なんて言うか、美菜ちゃんがここに来るのは安らぎを求めているんだと思うんだ。恋愛したいって言うより心の疲れをとりたいって言うか、上手く言えないけど安心したいんじゃ無いかなって思うんだ。だから、それならできるだけ美菜ちゃんが安心できるようにしてあげたいって思う。どっちかって言うと守ってあげたいって感じかな・・・・」
「それが『好き』なの?」
「そう、大切に守ってあげたいって言うのは『好き』と同じ気持ちだろ?」
美菜はそう言われて何となく納得したような気がした。正直に言えば、もしここで晃一に告られたとしても、美菜の方が困ってしまう。これだけのことをした後でも晃一と本気で恋愛する気は今の美菜には無いからだ。
「菜摘とは違うの?」
「・・・・・・・・・・」
そう言われると迷ってしまう気持ちがあるのも確かだ。
「ねぇ、言って」
「うん、違うね」
晃一にそう言われて、美菜は『やっぱり』と思ったが、何となくそれで良いような気がした。変に特別な存在になると独占しないと気が済まなくなる。それは美菜にとって別れの第一歩なのだから。
「私が甘えてもいいの?嫌じゃ無いの?」
美菜は自分の気持ちのポジションを探していた。そして、晃一は甘えられるおじさま、と決めた。
「もちろんだよ。全然嫌じゃ無いよ。美菜ちゃんが甘えたければそれで良いさ」
美菜は心の中で渦巻いている中途半端な気持ちが少しだけ整理されたと思った。だから、もう一度甘えてみることにした。
「下ろして」
そう言うと美菜は晃一の膝の上から立ち上がった。晃一は美菜が帰るのだと思った。寂しい気持ちはあるが、それが美菜の出した結論なら仕方ない。胸が締め付けられるような気がしたが、自分で作った結果なのだ。受け入れるしか無い。
「分かったよ。そっと立ってごらん」
晃一は美菜をそっと床に立たせた。
「美菜ちゃん、今日はありが・・・」
「見ても良いから」
晃一の言葉を遮った美菜は、晃一の目の前で服を脱ぎ始めた。あっけにとられた晃一はじっと見上げることしかできない。美菜はさっさと制服を脱ぎ、ブラを外すとスカートを脱いだ。脱ぐのを見せる、と言うのでは無く、まるでお風呂にでも入る感じで次々に脱いでいく。それを晃一はまるで映画のワンシーンを見せられているかのようにじっと見つめ続けていた。目の前で少女が裸になっていくのは常に新鮮な驚きを伴う。
「美菜ちゃん・・・・・」
ブラを脱いだ美菜はソックスを脱ぎ、とうとうパンツを脱いだ。そして胸と茂みを手でそっと隠しながら言った。
「おじさまも脱いで」
全裸になった美菜は晃一にそう言うと晃一の前に跪いた。何をするかは明らかだった。
少し驚いた晃一は、嬉しくなって立ち上がるとシャツを脱ぎ始めた。すると美菜は晃一の前にかがみ込んでベルトをぎこちない手つきで外し、スラックスのジッパーを下ろしてズボンを脱がせてくれた。しかし、今は美菜に肉棒を与える場面では無い。
「ありがとう、美菜ちゃん」
「ううん、後は終わってから考えることにしたの」
美菜はそう言って晃一を見上げた。晃一は上半身を脱ぎながら、先程友紀が言っていた『こう言う時、女の子は絶対後悔しないの』という言葉を思い出していた。晃一は自分も服を脱ぎパンツ一枚になると、かがみ込んだままトランクスの中に手を入れてきた美菜を優しく制して自分から裸になり、まだ完全な大きさでは無い肉棒にスキンを付けると美菜を再び膝の上に座らせた。
「気持ちを楽にしてごらん」
そう言って美菜にキスをしながらリモコンを押してソファを倒していく。美菜の一番好きな時間を与えるつもりなのだ。美菜はそれが分かると、心から安心して舌を絡め身体を任せてきた。
細い美菜の身体は軽い。ソファがベッドになると、晃一は美菜を抱き寄せて左手の二の腕で腕枕をして美菜の頭を乗せ、そのまま左手で乳房を可愛がり、自由な右手で優しく乳房や上半身を愛撫したり美菜の髪を撫でたりした。
美菜は晃一の愛撫を受けながら気持ちが楽になっていくのを感じていた。
「あん、私がこんな事平気でするなんて・・・・・・・さっきあんなことがあったのに・・・」
「こんなこと?」
「知ってるでしょ?私、見せるの苦手なの。見られるのはもっと嫌だし」
「そうだったね。でも、さっき見ても良いって言ったよ」
「おじさまは特別。それに見せるとか見られるって気持ち、無いし。私は裸になっただけ・・・」
そう、美菜は肌で晃一を感じたかったのだ。それがとても安心できることだから。美菜は身体をゆっくりと擦り付けながら甘い時間を楽しんだ。
「そうなんだ。でも、そう言うものかも知れないね」
「そう言うものって?」
「美菜ちゃんだって分かってるだろ?服を脱ぐのは本来見たり見られたりするのが目的じゃ無いもの。もちろん、途中のステップとしてははっきりあるけど、それはその先に行くためのものでしか無いから」
「うん」
美菜は返事をすると、顔を晃一の方に向けてもう一度キスを求めてきた。二人はキスをしながらお互いの肌の感触を楽しむ。晃一はその美菜にねっとりとしたキスを与えながらゆっくりと美菜の身体を自分の上に引き上げていく。美菜は素直に舌を絡めながら晃一の上に乗ってきた。肌が触れあうのが嬉しいらしく、もぞもぞと身体をわざと晃一に擦り付けている。そして上になると自分から足を開いた。