第21部

 

「電子キーだからね。無くさないようにしてね」

「暗証番号とかじゃないの?」

「暗証番号は他の人に見られて覚えられたら役に立たないだろ?以前は暗証番号を使ってるところもあったけど、今のはみんな電子キーなんだって。これがマンションの玄関とこの部屋の鍵を兼ねてるからね」

「パパ、このテレビやソファとか、全部パパが買ってきたの?」

「ううん、不動産屋さんでカタログを見て選んだだけだよ。買ったんじゃなくて、部屋とセットになっていたり、レンタルなんだけどね。それと、部屋の掃除や洗濯なんかのホームサービスも頼んじゃった。週に1回部屋を綺麗にしに来てくれるよ。頼めば食事も準備してくれるらしいけど」

「すごーい、こんな部屋入ったこと無い。うちとは大違い。うちはここと同じくらいかもっと狭いのに3人で暮らしてるのよ」

「仲良く暮らすには広くない方が良いよ」

「絶対広い方が良いよ。いつも妹とけんかばっかりだもん」

「みんながそれぞれの部屋を持って、そこに入っちゃったらけんかもできなくなるよ。食事の時間だけ顔を合わせたら後はずっと会わなくなるよ。その方が良い?」

「うーん、でも、やっぱりけんかは嫌。広い方が良い」

「ここは俺と菜摘ちゃんの二人だけだし、時々しか来ないから生活感がないよね。一応一通りはそろえてあるけどね。菜摘ちゃんの部屋はベッドルームだけど一応机や小さいけど本棚もあるよ」

「ええっ?私の部屋もあるの?」

「うん、一応ね。でも、家族が心配しない程度にしか使えないから、あんまり意味ないけど」

「そんなことない。どこどこ?」

菜摘は目を輝かせて晃一の手に抱きついた。晃一が廊下を通って入り口に近い部屋に連れて行くと、確かに7畳ほどの部屋にベッドと大きめの机と座り心地の良さそうな椅子、そしてテレビと小さな本棚が置いてある。

「これ、全部私が使って良いの?」

「うん、菜摘ちゃんが来た時に、自分の場所があった方が良いだろ?」

「うわぁ、パパ、ありがとう。でも凄い・・・・・・・って言うか、夢みたい・・」

菜摘は自分のためだけに用意された空間を初めて手に入れて感動していた。家具と言えるのはベッドとテレビと机だけの殺風景な部屋だが菜摘の目にはただの部屋ではなく宝石のように映っている。一人で考え事をしたい時、勉強に集中したい時、静かに泣きたい時、ここでは一人の時間が無限に手に入る。

「パパ・・・・・・ありがとう。パパと私の秘密の部屋だね。嬉しい・・・・」

そう言うと菜摘は静かに晃一に身体を寄せてきた。

「菜摘ちゃん」

「パパ、ありがとう。大好きよ」

「菜摘ちゃんが喜んでくれて嬉しいな。思い切って借りて良かった」

そう言うと晃一は菜摘の顎に指をかけそっと上に向かせる。菜摘は静かに目を閉じた。

晃一は菜摘をそっと抱きしめながらキスを始めた。最初は唇だけ、そして舌をゆっくりと差し込んでいく。菜摘はうっとりと晃一の求めに応じ、最初はゆっくりと、そして次第に情熱的に舌を絡め始めた。そしてお互いが口の中を求め尽くすと、晃一の舌は菜摘の首筋へと移っていく。

「ああぁん、パパぁ、いきなりそんなにしたら、パパ、もっとそっとぉ、ああぅん、だめぇ、いきなり感じちゃうからぁ、だめぇ、声が変になるからぁ、だめよぉ、ああぁん」

そう言いながら菜摘は首筋を晃一に擦りつけるようにして甘えながら軽く喘ぎ始めた。明らかに前回より感じるのが早い。菜摘は感じ始めたことを喜びながらも、このままでは汗臭い身体を晃一に探られることになると思った。しかし、なかなか晃一から離れる気にならない。とにかく心地良いのだ。

しかし、晃一の手が胸を探り始めた時、ビクッとした感覚が身体を走り、思わず身体を離してしまった。嫌がっていないことを分かってもらおうと慌てて取り繕う。

「パパ、汗かいてるからシャワー浴びても良い?」

「うん、いいよ」

そう言いながらも晃一の手は制服のジッパーを探ろうとする。

「だぁめ、自分でできるからぁ」

「そうなの?脱がしてあげようか?」

「だめよ」

そう言って晃一の手を掴んで離させた菜摘は、晃一に機嫌を直してもらおうと、

「でも、後で優しく・・・脱がせて」

と言うと、晃一が微笑むのが分かった。

「シャワーは向かいだよ」

「うん」

「シャンプーとか、好きなのが分からないから一つしか置いてないんだ。後で買いに行こうか」

「うん」

菜摘はリビングに戻ってバッグを取ってくると、鍵をかけて服を脱ぎ始めた。心配はしていたが、確かにかなり汗臭くなっている。学校を出る時にデオドラントのウェットティッシュを使ったのだが、あまり効き目はないのかもしれない。菜摘は真新しいバスルームに入ると、思い切りシャワーを浴びた。そして丁寧に汗を流してから真新しいバスタオルに身体を包んだ。

このとき菜摘は、このままバスタオル姿で晃一のところに戻ろうかと思った。そうすれば服を脱ぐ必要がないから恥ずかしがることもない。菜摘はそう思い切るとバスタオルをしっかりと巻き付けたが、廊下に出ようとした時に自分から『優しく脱がせて』と言ってしまったことを思い出した。ああ言ってしまった以上、バスタオル姿で戻るのはなんか変な気がした。それに、いきなりバスタオル姿で晃一の前に行くのは、自分から早く抱いて欲しい、と言っているようなもので、晃一にリードされたい菜摘にはなんとなく違和感があったし、正直、足がすくむ。

そこで結局用意してきた下着に着替えると、その上から制服を着直した。シャワーを浴びる時にデオドラントを染み込ませたウェットティッシュを脱いだ制服に挟んでおいたので、着る時にはほとんど汗の臭いが気にならなくなっていたのが気を楽にした。

髪を乾かしてリビングに戻ると、晃一はラフな服装に着替えて菜摘を待っていた。どこに座ろうかちょっと迷っていると、

「菜摘ちゃん、こっちにおいで」

と言ってくれたので、素直にソファの晃一の右に座る。すると、自然に晃一の右手が背中から菜摘の右脇に回されて軽く引き寄せられた。

「パパ、私、汗臭くない?」

「全然?良い匂いがするけど・・・」

「それなら良いの。ちょっと気になったから」

「最初に聞いておくけど、今日は何時に帰る?」

「う〜んと、・・・8時・・・かな?明日模試があるから」

菜摘のその言い方には少しためらいがあった。だから晃一は聞き直した。

「試験があるのに8時で良いの?明日は試験だってこと、お母さんだって知ってるんでしょ?」

「・・・・・やっぱり7時・・・・」

「菜摘ちゃん・・・・」

晃一はちょっと言葉を強くした。

「ごめんなさい。でも、7時までは大丈夫。絶対」

「勉強は問題ない?」

「うん。大丈夫。そう、パパに見て欲しいものがあるの」

そう言うと菜摘は立ち上がって荷物の中からテストの成績を取りだし、再び晃一の腕の中に戻ってきた。

「ね?見て?この前の成績・・・・・」

「225番か・・・・」

「うん」

「何人だっけ?」

「284人」

「それじゃ、どれくらい上がったの?」

「30番くらいかな」

「ほう、そんなに・・・・。うん、偉いね」

晃一がそう言うと菜摘は破顔した。

「うん、パパに成績を見て欲しくてがんばったの。今日のこの時間を作るのだって、毎日1時過ぎまでがんばってるんだから大丈夫。明日の模試もきっと大丈夫」

「偉いね。菜摘ちゃん」

そう言って晃一は菜摘の頭を撫でなでした。菜摘は嬉しそうに頭を撫でられている。

「パパ、これ、持ってて」

「え?この紙を?」

「うん、そうすれば、次のを見せた時に成績がどうなったか直ぐに分かるでしょ?」

「いいの?」

「うん、そうしないと私、すぐに怠けちゃうから。お願い。パパが持っていてくれると思うとがんばれるの」

「分かった。それじゃ、大切に財布の中に入れておくね」

「パパのお財布の中か・・・、ちょっと恥ずかしいけど、嬉しいかな?」

菜摘は晃一に褒めてもらって嬉しかったのか、甘えたそうに晃一に自分から身体を寄せてきた。

「ね?パパ、だから・・・・」

「うん?」

「ご褒美」

そう言って晃一の膝の上にそっと身体を倒してきた。晃一が菜摘を膝の上に横たえると、菜摘は目を閉じて静かに晃一の愛撫を待っている。まず安心させるためにそっと優しいキスから始め、少しディープなキスをしてお互いの舌を絡め合ってから少しだけ首筋を攻めた。

「ああっ、ううっ・・・あ・・・・うぅ・・・・はん・・・」

項から感じる感覚に流されそうになりながら、菜摘は素敵なご褒美だと思った。菜摘が声を少し上げたところで晃一は首筋から離れ、改めて菜摘を見下ろして胸へと手を伸ばしていく。菜摘は静かに晃一に胸を撫で回されると、少しずつ感じ始めたようだ。時折首をすぼめたり身体を少しだけ捻ったりする。

晃一は制服の上からまずたっぷりと膨らみを撫で回し、菜摘の身体のラインを服の上から確認し始めた。それは菜摘にも分かったらしい。

「パパ、そんなに見ないで・・・・」

と目をつぶったまま言った。

「恥ずかしいってことは、まだそんなに感じてないのかな?」

「ううん、身体がぼうっと熱くなってきたの。なんか不思議な感覚。あん」

菜摘は晃一が軽く服の上から乳房を揉んだので少し反応した。

「なんか、怠いの」

「それで良いんだよ。女の子の身体が愛される時の自然な準備なんだから」

「はぁぁっ、やっぱり恥ずかしい・・・・」

そう言って菜摘は少し乱れたスカートを直した。

「スカートが気になる?」

「うん」

菜摘は当然といった感じで答えた。

「でもね、どうせ直ぐに脱いじゃうものだよ?」

晃一が冗談めかしてズバリというと、菜摘はぱっちりと目を開けて、

「そりゃそうだけど。そうだけどね、でもぉ、もうパパったら」

と言って恥ずかしそうに笑った。今の会話で完全に菜摘が許す気になっていることが確認できたので、晃一も安心して菜摘を大人にできると思った。

「それじゃ、まず制服からね」

そう言って晃一が制服のジッパーに手をかけると、突然菜摘は緊張した。やっぱり簡単には脱げない。

「パパ、お願いがあるの」

と菜摘が言った。

「あのね・・・やっぱり、まずこの前と同じにして」

菜摘はまだ麗華たちに言われた『どうせ脱ぐんなら一気に脱いだ方が』という言葉に引っかかっていたのだが、いざその時になると躊躇ってしまう。それなら晃一の優しさに任せたほうが安心だと思ったのだ。

「先週と同じことをして欲しいの?」

「そう。お願い」

「わかった。任せておいて」

そう言うと晃一は、目をつぶってじっとしている菜摘の胸に手を伸ばしゆっくりとジッパーを下げてホックを外し、小さな布地に包まれた膨らみを優しく探り始めた。そっと触っていても晃一の手が菜摘の胸を探っていくと自然に制服が左右に分かれ、菜摘の肌とブラジャーが見えてくる。しかし菜摘は2,3度軽く袷を直した程度で、それ以上は何もしなくなった。明らかにちょっと肌が見えると直ぐに服を直していた先週とは違う。晃一は愛撫の手の動きを使って更に大胆に制服を大きく開いて菜摘の肌を晒していったが、菜摘は静かに愛撫を受けていた。

しかし、大人しくしているように見えてもその時の菜摘は、どんどん身体が感じ始めていて恥ずかしがるどころではなかった。

「んんん・・・んっ・・・はう・・・あう・・・・はぁう・・・・」

菜摘の身体から愛されているという喜びが湧き上がり始めた。菜摘は制服が脱がされていくのは分かっていたが、先週も同じことをされたのだし、まだ完全に脱いでいるわけではないと思うと、触られているこの身体がこんな短時間で勝手に反応し始めていることの方が驚きだった。

先週同じことをされた時は、最初ほとんど感じなかったのに、今は全然違う。明らかに晃一の手が肌に触れると気持ち良い。『パパに優しくしてもらってるんだ』と思うと気持ちが高まってくる。

菜摘は肩まで制服を脱がされると、晃一の指が上半身全体を何度も丁寧に動き回る感覚に、まるで制服を完全に脱いでしまったかのような感覚に包まれた。

「菜摘ちゃん、綺麗だよ」

「パパぁ、この前と違うの。んふっ、なんか違うの、ああん」

「感じて良いんだよ。菜摘ちゃんの身体が感じることに慣れて始めてるんだ。もっともっと感じて良いんだよ」

「パパ・・・少し怖い・・・・」

「大丈夫。怖かったら言うんだよ」

「うん」

「菜摘ちゃんが良いって言わない限り、これ以上脱がしたりしないから」

晃一はここで制服を脱がしても菜摘は何も言わないだろうと思ったが、菜摘を安心させたくてそう言った。

「うん」

菜摘は明らかに安心したようで、身体から少し力が抜けたのがよく分かった。しかし、晃一の愛撫自体は最初の時のように単純なものではなく、あちこちを丁寧に刺激して菜摘の身体をどんどん燃え上がらせていく。ブラジャーの上から指で先端を目指していきながらギリギリで先端には触らない。そしてまた裾野の違うところから先端に向かって登っていく。菜摘は与えられそうで与えられない快感を自然に追い求め、自分から乳房を突き出すように身体を仰け反らせていった。

「んんん・・・・んふぅ・・・あ・・・・・ああん・・・・・んんんっ・・・はぁぁん・・・・」

何度も何度も同じことを繰り返していくうちに、だんだん菜摘は我慢できなくなってきた。先週、ブラジャーの上から乳首を可愛がってもらった時の記憶が身体に残っている。身体からあの時の感覚が予感となって湧き上がってきた。

「パパぁ・・・・・・・・・ねぇ・・・・・・・パパぁ・・・・・・」

とうとう菜摘の口から甘いおねだりの声が出始めた。晃一は菜摘の身体が予想通りになっていることに安心すると、更に感じそうで感じない強さで菜摘を追い込んでいく。菜摘は先週は簡単に手に入った感覚が、ギリギリで何度も焦らされることに焦ってきた。まだ焦らされること自体に慣れていないのだ。とうとう我慢できなくなった菜摘は、

「パパぁ、早くぅ、いやぁ、焦らさないでぇ・・・ああん、そっちに行っちゃいやぁ」

とはっきりとおねだりを口にし始めた。晃一は触っていないのにブラジャーの上に現れ始めた突起の回りをそっと撫でながら、

「菜摘ちゃん、どうして欲しいのかな?」

と言った。

「この前と同じにしてぇ、ねぇ、パパぁ」

「同じにしてるよ。優しく女の子の身体を愛するのはいろんな方法があるんだ。して欲しいことがあったらはっきりと言ってごらん」

「だってこの前はぁ、あああぁぁん、だからそれはいやぁ」

「いやなの?」

「イヤじゃないのぉ、お願い、もう少し、ああん、この前みたいなのが良いぃ」

晃一は一気に菜摘を追い込んだりしなかった。少しずつ少しずつ菜摘を感じさせ、次第にどうにも我慢できないところまでゆっくりと時間を掛けて追い込んでいく。菜摘が我慢の限界に近づいたと感じると、わざと愛撫を乳房から遠ざけて菜摘の感覚が少し戻るようにし、それからまた追い込んでいくのだった。菜摘のブラジャーの中ではまだ可愛がられていないのに淡い色の乳首がつんつんに尖ってきた。

「ああぁぁん、パパぁ・・・・あうぅぅ・・・うううっ、はうっ・・・お願い・・・パパ」

菜摘は我慢できなくなってきた身体をなだめるため、自然に身体を捻ったり仰け反ったりし始めた。かなり感じてきている証拠だ。

「菜摘ちゃん、服が皺だらけになっちゃうよ。このままでも良いけど、どうする?」

晃一がそう言った時、菜摘は完全に制服のことなど忘れていた。もちろん制服を脱ぐくらいは覚悟の上だ。だから、

「脱がせて」

と言うと、晃一のリードで直ぐに腕を抜き去ってしまった。本当のところを言えば、菜摘はリビングなどで服を脱ぐつもりはなかった。やはり脱ぐのは部屋を暗くしたベッドの上だと思っていた。しかし、今の菜摘はそんなことは完全に忘れていた。無防備に上半身が下着姿になった菜摘は本当に綺麗だった。晃一は直ぐに両手で乳房を揉み立てたい欲情に駆られたが、菜摘を驚かさないようにそっと愛撫を進めていく。しかし、制服を脱いだ菜摘にしてみれば、更に晃一の優しい愛撫による攻めに晒されることになった。肩に自由に触れるようになったので、今度は感じやすい項へも指が這い回ってくる。