第241部

「うん、なんかそんな気がするんだ。美菜ちゃん自身、長続きしないことを悩んでるみたいだけど、その理由は自分自身でも何となく分かってると思うよ」
聞きようによってはとても都合の良い解釈にも聞こえるが、菜摘はそれが晃一の本心だと信じられたし、菜摘自身の考えともほぼ同じだった。
「私もそう思うの、仲が良いわけじゃないからなんとなくだけど。美菜って見栄えがするから良く声かけられるでしょ?だから自然に付き合うのが短くなっちゃったんじゃないかって・・・」
「うん・・・・・。良い子なのになぁ」
「そうよ。あれで結構一途だったりするから」
悪口にならないようにお互いにフォローし合ったところで話は一段落した。短い沈黙が流れる。
そこで晃一は菜摘の背中を支えている左手で軽く菜摘の頭を引き寄せた。菜摘も素直に頭を晃一の肩に乗せると、晃一の方に唇を向けてきた。そのまましばらく静かにキスを楽しむ。
そして舌をゆっくりと絡め合いながら晃一は菜摘の胸へと手を伸ばしていった。しかし、それをそっと菜摘の手は制した。
「だめ」
ちょっとだけ唇を離して菜摘はそう言うと、再びキスをしてきた。
確かにチラッと時計を見ると、既に12時半近い。今から始めても15分しかない。ちょうど盛り上がっているところで止められるかどうか全然自信が無い。晃一だって会社に戻らねばならないのだから、さすがに晃一も無理だと思った。だから晃一はそのまま自由になる右手で菜摘の身体をそっと撫で始めた。
「ありがと」
再び菜摘が唇を離してそう言うと、今度は晃一の肩に頭を持たれ掛けたまま目を閉じた。
菜摘はこうしていることにとても安心した。晃一と二人だけ、しかし、安らぎだけが漂っている。優しく身体を撫でられているととても安心するし気持ち良い。心がとても落ち着くのだ。こうしていると、美菜や友紀のことを心配してやきもきしながら勉強していたのが馬鹿みたいな気がしてきた。
「どう?電車の中で、会ってくれる?」
晃一がもう一度聞いてきた。
「うん・・・・」
「よかった。それじゃ、電車に乗ったら直ぐに何両目か、送るね」
「うん・・・・」
「これで、もっと菜摘ちゃんに会える。嬉しいよ」
「うん・・・・」
菜摘は晃一に身体を撫でられながら、心から安心している自分を発見した。ずっとこのままで居たいと思う。このまま腕の中で眠れたらどんなに素敵だろう。少しの間だけ晃一の腕の中で安らいだ時間に身を置いていると、このままずっとこうしていたいと思う。
「菜摘ちゃん、静かになったね」
晃一は菜摘が話をしなくなったので菜摘に声をかけた。
「パパ・・・・」
「ん?なあに?」
「寝ちゃいそう・・・」
「数分で良ければ寝ても良いよ。起こしてあげる」
「ううん」
そう言うと菜摘は晃一の手を取ると胸の膨らみの上に導いた。制服に包まれた菜摘の小ぶりな形の良い膨らみが晃一の手の中に収まる。
「いいの?」
「うん・・・こうすると安心できるし、嬉しいし・・・」
菜摘はそう言うと晃一に乳房を撫でられる感覚に包まれることにした。晃一の手は優しく菜摘の膨らみをゆっくり撫で、合わせて背中も撫でてくれる。
「また会ってもらえる?」
「うん、いいよ。いつでも」
「よかった」
最初はそれで良かった。静かに胸や身体を撫でてもらうだけでとても安心できたし気持ち良かった。ただ、菜摘の身体は大好きな晃一に乳房を撫でられたことで少しずつ反応し始めた。だんだん身体が熱くなり、甘い感覚が少しずつ明確な焦れったい快感に変わっていく。もちろんそれは菜摘も気がついたが、そのままにしておいた。どうせ後数分だ。
晃一は菜摘の胸を撫でていると、次第に乳房が硬く張ってきたことに気が付いた。しかし、菜摘はじっと目をつぶったままだし、何も言わない。だから晃一はこのまま時間まで同じことをしてあげるつもりだった。
しかし、一度火が付いた菜摘の身体は時計など関係ないかのようにだんだんと焦れったさを募らせていく。菜摘はそれに気がついたが、どう考えても時間が無いことは明らかなので時間まで感じていない振りをすることにした。
「パパ、今何時?」
「えっと、12時34分だね」
「うん・・・・・」
菜摘は返事をしたが、身体はどんどん感覚を盛り上げていく。少しずつ菜摘の息が荒くなってきた。そうなると、さすがに晃一も気が付く。
「おっぱい触るの、止めた方が良い?」
「ううん・・・・あん」
菜摘はそう返事をしたが、感じ始めているのは明らかだ。そうなると、晃一ももう少しだけ先をしたくなる。なんと言ってもあの菜摘の乳房が手の中にあるのだ。
「菜摘ちゃん、おっぱいをちょっとだけお口で可愛がってもいい?時間はちゃんと守るよ」
「・・・・・・・・でも・・・」
さすがにもう数分しかないので菜摘は戸惑った。
「いや?」
「ううん・・・・・そんなことない」
菜摘だって嫌なはずが無い。
「それじゃ」
晃一は菜摘の制服のジッパーに手をかけると、そっと引き下ろして制服を大きく開き、ブラジャーを露わにした。
「どうするの?」
「ごめん、ちょっとだけ外すよ」
そう言うと晃一は左手を制服の中に差し込んでブラジャーのバックストラップをパチンと外した。
「あんっ」
菜摘はもう何も言わなかった。菜摘の気持ちは既に晃一に可愛がって欲しいと切り替わっているので、時間を守ってくれるなら、少しくらいは良いだろうと思ったのだ。ただ、制服を着たままでブラジャーを上手く付け直せるだろうか、と思った。
晃一は菜摘の身体をそっと少し倒し、ブラジャーを首元にずり上げた。晃一の目の前に綺麗に半球型に膨らんだ小ぶりの乳房が現れ、その先にちょこんと乳首が載っている。寝ている時でも綺麗な膨らみだが、やはり身体を起こしていると素晴らしいカーブだ。この乳房は晃一が最初から丁寧に時間をかけて開発してあるので、どのように触ると菜摘がどう反応するかは知り尽くしている
晃一はそっと口を近づけた。菜摘は目をつぶっていたが、晃一の様子は分かる。今はただ、時間が無いので焦らさないで欲しいとだけ思った。
すると、晃一の舌が菜摘の乳首を軽く倒し始めた。焦らさずに直ぐに乳首を舌が可愛がり始めたのだ。菜摘の身体に小さな衝撃が走る。
「あっ、あっ、あっ、ああんっ」
菜摘は晃一が焦らさずに初めてくれたことを喜んだが、この刺激だけでは足りない。もう心のスイッチは入ってしまったのだ。晃一はしゃぶりつくのでは無く、つんつんと舌の先で乳首を可愛がっている。時間が無いので遠慮しているのかも知れなかったが、それは菜摘にとってもう思いやりでは無く迷惑だった。思わず菜摘が言った。
「も、もっと」
そう菜摘が言ったと同時に、菜摘の左の乳房は晃一の右手に掴まれ、同時に右の乳首は晃一の口の中にすっぽりと吸い込まれた。
「はぅーーーーっ」
いきなり大きな快感が菜摘の身体を貫き、大きく仰け反った。そのまま全身を快感が走り回る。菜摘は一瞬夢中になったが、快感に押し流されていく意識の中で『止まらなくなるっ』と思った。更に晃一は菜摘の右の乳房に移って乳房ごと大きく吸い込み、口の中でモグモグしながら右手の指で左の乳房の唾液で濡れた乳首をコロコロと可愛がり始めた。
「あああーーっ、ああっ、ああぁぁーっ、あうーーーっ、だめぇーっ」
一気に強烈な快感を与えられた菜摘は止まらなくなる恐怖に一瞬嫌がったが、秘核が疼いて両足を激しく擦り合わせ始めた。菜摘の身体は晃一に全てを支配されたかのように快感に満ちあふれてしまって菜摘自身どうにもできない。
「いやぁぁぁ、だめぇぇぇっ、あああぁぁぁっ、だめよぉーーっ」
菜摘は余りに強い快感に、無意識に晃一の右手を掴んで引き下ろした。しかし、その菜摘の手は無意識に晃一の手をパンツの上に導いてしまった。晃一の手は素早くスカートの中に入るとパンツの中に滑り込み、一瞬で茂みを通り越して菜摘の秘唇の中に埋もれていく。
「あうぅっ、ああぁぁぁっ、そこはだめぇぇっ」
菜摘はそう言ったが、両手は晃一の首に巻き付いて晃一の頭を再び左の乳房へと導いた。
「あああああああーーーーっ、だめえぇぇぇぇーーっ」
菜摘の身体は本人の意思とは別に弓のように仰け反り、全てを受け入れようとしている。そこに晃一の右手の指がねっとりと潤い始めたばかりの秘唇の中を探り始めた快感が襲った。
「あうーーーーーっ、あああああああっ、あああぁぁぁーーっ、ゆるしてぇぇぇぇっ」
菜摘はもうどうにもならないと思った。頭の中では『学校に戻れなくなるっ』と思ったが気持ち良すぎてどうにもならない。晃一の右手の指は秘唇と秘核を優しく探り続け壮絶な快感を菜摘に与えていた。
「ああああぁぁぁぁっ、ああうあうあぁぁーーっ」
とにかく気持ち良い。菜摘の意識に霧がかかり、快感のみが菜摘を支配していった。
しかし、次の瞬間、一瞬にして全てが終わった。
「ああぁーっ・・・・あぁ?????」
晃一の口が乳房から離れ、右手がパンツの中から抜けていく。
「?????パパ・・・???」
菜摘は直ぐにおねだりをしようと思ったが、意識が戻ってきた。『そうだ、学校に戻らなきゃ』そう思うと、慌ててパンツを直してフラフラと起き上がった。
晃一はそのまま菜摘を立たせると、後ろを向かせた。菜摘が素早くブラジャーのカップを直すと同時に晃一がバックストラップを留める。
身支度は直ぐに終わったが、菜摘の身体はそういう訳にはいかなかった。菜摘は振り返ると晃一の首に手を回して抱きついてきた。
晃一は軽くキスをすると、
「時間だね」
と言った。時計を見ると12時43分だ。
「意地悪」
菜摘はそう言うと身体を晃一に擦り付けてきた。まだ治まらないのだ。
「菜摘ちゃん、時間だよ」
晃一が優しくそう言った。菜摘はよっぽど『遅れても良いからもう一回ちゃんとして』と言おうかと思ったが、ギリギリで我慢した。
「今度はもう少し早く・・・・しようね?」
「ばか、意地悪なんだから」
菜摘はまだ身体が治まらなかったが、それでも何とか晃一から離れると玄関に向かった。
「パパ・・・・ありがとう」
それだけ言うと、もう一度心のこもったキスをして菜摘は帰っていった。晃一は菜摘を見送ると、自分も会社へと戻っていった。
菜摘は授業ギリギリだったが、それでも遅れずに戻ることができた。ただ、学校の前にタクシーを止めるわけにはいかなかったので少し手前で下りて裏口に走ったため、息が弾んでいた。クラスメートにばれないように無理に息を整えるのが辛かった。
それに、午後の授業はとても怠かった。眠いわけではないのだが、まるで短距離走を繰り返したみたいに身体が重い。菜摘は授業に集中するのがとても大変だった。短時間だけ晃一に愛されたことから、もの足りなさと愛された喜びが複雑に渦巻いている。もちろん晃一がちゃんと時間通りに帰してくれたことが嬉しかった。そして、『部屋に着いて直ぐに服を脱いだら・・・どうなるのかな?1回くらいはいかせてもらえるかな?でも、今よりもっと怠くなるだろうな・・・』と思ったりして慌てて授業に意識を戻した。
しかし、短時間とは言え、晃一に会えた喜びは何物にも代えがたい。その満足感は菜摘から普段のストレスをほとんど消してしまっていた。そして、明日から毎朝晃一に会えると思うと、何となく安心できた。
夕方、菜摘は友紀と一緒に学校を出た。よくあることだった。しかし、今の菜摘は晃一に会えた後なので心が軽い。自然と笑顔が溢れ出る。
「菜摘、土曜日、ありがとう」
「うん、元気になれた?」
「今日はごきげんね。私もとっても・・・・・って、そんなこと言ったら却って心配するか・・・・」
友紀は晃一に抱かれたことを菜摘に悟られるかとちょっと心配した。
「ううん、いいの。分かってるから。よかったね」
と言った菜摘の言葉は全て分かっているという意味合いしか感じ取れない。友紀は『これって公認の仲になったってことよね?』と思った。
「ありがと」
友紀は、もっと菜摘が探るような感じで詳しく知りたがるかと思っていくつかシミュレーションもしてあったのだが、菜摘が簡単に済ませてくれたことを却って不思議に思った。そんな友紀の気持ちを知らない菜摘は、今なら聞けると思って友紀に言った。
「それなら聞いても良い?どうしてあんなに落ち込んでたの?修羅場って・・・」
「ちゃんと話してなかったものね、菜摘には話しておくね」
そう言うと友紀は先週のことを話し始めた。既に友紀にとっては過去のことなので大して気にもならなくなっていたのだ。
「あのね、木曜日に両方を呼び出したの」
「両方って、田中と・・彼女・・・・」
「そう」
「どうやって?」
「私に教えてくれた子、中学の友達だから、その子を通して」
「良くそんなことできたね。その子に伝言して貰ったんだ」
「そう。もちろん怖かったよ。すっごく。でも、そうしないと泥沼にどんどん落ち込んでいく気がして・・・」
「それではっきりとさせたのね?」
「そう、ズバリ聞いたの。私って何なの、って。ま、そんなにかっこいい感じじゃなかったけどね」
実はその時の友紀は慣れない場にかなりおどおどしており、正直に言えばそのまま消えて無くなりそうな雰囲気だったことは黙っていた。
「それで、その子は友紀のこと知ってたの?」
「ううん、全然知らなかったみたい。最初から不思議そうな顔してたもん」
「それで田中が言ったのね、学校だけの彼女だ、って」
「ううん、そんな格好良い奴じゃないから。なかなかはっきり言わなくてね。学校の親しい友達だとか何とか言い出してさ、そんなわけ無いじゃん、あれまでしておいて。それに、目の前に呼び出されてるのによ?だからその子もやっと気が付いたって訳、二股かけられてたって」
「それで・・????」
「そこからはちょっと面白かったかな、今になって言えば。田中が言えば言うほどその子の顔が変わっていってね・・・・」
そう言っている友紀の表情はとても真剣だ。
「それはそうよね。その子は自分だけだって思っていたんだから」
「うん、それで最後はその子と二人で問い詰める感じになって・・・・・」
そこまで言うと友紀はだんだん言葉が重くなっていった。菜摘は友紀を見ていて『それはそうよね、彼を自分で追い詰めていくなんて悲しかったろうな』と思った。主役だと思っていた自分が脇役だったと自分で認めていくのだから、話せば話すほど悲しくなって行くに違いない。しかし、元気なく話していた友紀はもう一度元気を出すと菜摘に言った。
「ま、そういう感じでさ・・・・」
「最後はどうなったの?田中はその子と?」
「うん、そうなった、って言うか、・・・なんて言うか、私が学校だけってことになったから自動的にその子が彼女だってことになったって言うか・・・・、そんな感じ・・・」
「ふうん・・・・結局そうか。で、その子って、田中のことが大好きって感じだった?睨まれた?」
「それがね・・・・なんかちょっと違う感じで・・・」
「違うの?」
「うん、何となく気が付いていたんじゃないかな?一応田中と並んで座ってたけど、かなり離れてたし・・・そういう時って普通、わざとぴったりくっつくものでしょ?。それでね、次もあったのよ」
「次?」
「うん、木曜はそれで終わって、私はとにかく別れることにして出ちゃったんだけど、昨日、その子から連絡があったの」
「連絡?教えたの?」
「ううん、まさか。たぶん、田中から聞いたんだと思う」
「メール?」
「ううん、電話だった」