第273部

「それでね、電話に出たと思ったら『ごめん』て一言だけ言ってすぐに切れたの」
「ほう・・・・・・そうなんだ・・・・・・ナツ、間違いないかい?」
「うん、それだけ言ってすぐに切った」
「それならわかるよ。携帯が鳴り続けてれば友紀のことが気になって夢中になれないだろうしな」
「・・・・・・・・・・」
「でも、電源落とせば済むことを、ちゃんと友紀に謝ったんだ。それなら友紀も許してやれるかい?」
「・・・・・・・・気が付いた時はカッとなったけどね・・・・」
「そりゃ、あんたならそうなるだろうけど、でも気が付いたんだろう?ナツに悪気がないことを」
「うん・・・それは後で・・・・・・でも気が付いたから・・・・・ここで話してる・・・」
「そう言うことなら、友紀はもう許してるってことだ。そうだな?」
「うん・・・・・」
「それで、ナツ、あんたはそれからまだ続けたのかい?」
「ううん、帰った」
「一度盛り上がってからかい?」
「そう・・・・・直ぐに終わったから・・・・・」
「そりゃ、そこまで盛り上がってれば、すぐに終わるだろうさ。で、どうだったんだい?」
「・・・・良かった・・・・」
「だろうな・・・・・。それで?」
「帰ってから友紀に電話して・・・・怒られて・・・・喧嘩して・・・・・」
「それで今ここに居るわけだな?」
「そう・・・・・」
「何か友紀に言いたいことはないのかい?」
麗華は分かっていて菜摘にチャンスを作ってくれたのだ。菜摘はしっかりと友紀を見て言った。
「ごめんなさい。あんなこと・・・・・するべきじゃなかった。舞い上がってたんだと思う。嫌な気がしたでしょう?ごめんなさい」
菜摘はしっかり、ちゃんと頭を下げた。
「いいの。菜摘。分かってるから。菜摘が悪いんじゃないってことくらい」
友紀も菜摘を許す気になっていたのだ。
「よし、これで仲直りも完了だ。あんたら、本当に仲がいいね。たいしたもんだよ」
麗華がそう言ったところで雰囲気は一気に和らぎ、なんとなく解散ムードになった。
「それじゃ、あたし達は食べていくよ。よし、注文と行こう」
麗華がそう言い、ほかに何人かがそれに従ったが、菜摘と友紀と美菜はすっと立ち上がって軽く挨拶して店を出た。
店を出た3人はカラオケへと向かっていく。さっきまでは嫌で仕方なかったはずなのに、菜摘の気持ちは不思議に軽くなっていた。なんとなくだが胸の閊えが下りた気分だ。
「ねぇ菜摘、本当にいいの?」
友紀が聞いてきた。
「菜摘が聞きたいなら私たちはいくらでも話すけど、あなたは本妻さんでしょ?大丈夫?」
「うん、いいの。私も少し変な気はするけど、ずっと気になったまま妄想で悩むのも嫌じゃない?」
「それはそうかもしれないけど・・・・・・・」
「それに、私は美菜のことをもっと知りたいの」
「え?私?どうして?」
「何となく、だけど、パパは美菜を気に入ってるみたいだから」
「そう・・なの?」
美菜は意外そうに菜摘を見た。
「ちょっとちょっとぉ、こんなところで火花飛ばさないでよぉ」
「うん、そんなんじゃないから」
「そう?それならいいけど・・・・・。それに・・・・たぶんだけど・・・・・」
友紀は一度言葉を切ってから、改めて言った。
「これから3人できっちり、全部話したとして、きっと菜摘が一番だと思うんだ」
「一番?なにそれ?競争なんてしてないのに」
菜摘はちょっと意外そうに答えた。
「ま、とにかく入って話そ」
そこのまま3人はカラオケルームに入った。もちろんカラオケなどは全くする気がない。簡単にドリンクを頼んだだけだ。
「よし、それじゃ、誰から始める?」
友紀が口火を切ると、
「美菜から」
と菜摘が言った。
「いいわよ。どこから話すの?」
「友紀と美菜がお互いにってところから」
「あぁ、あれか。わかった」
美菜は軽く息をつくと、静かに話し始めた。
「私ね、おじさまに甘えたくて仕方なかったの。だって、彼って言うのと全然違うのに、とっても優しくしてくれるし、夢中にさせてくれるし、安心できるから。だから、菜摘にはちょっと悪いと思ったけど会うことにして菜摘に連絡したってこと」
「それじゃ、最初は美菜からなのよね?」
「もちろん。全部そうよ。おじさまから誘われたって言えば、たぶんさっき話した時だけだと思う。ま、あれも誘われたって雰囲気でもなかったけどね」
「それで、教えて、パパから手を出してくるの?」
「ううん、私が言わなきゃ絶対してくれない」
「そうか・・・・・」
菜摘はちょっと安心した。
「どうなの?安心した?」
「うん、まぁ・・・ね・・・・」
そんな菜摘を見て、美菜はちょっとだけカチンときた。
「そう・・・でも、この先を聞いたらどうなるかわかんないわよ?」
「え?・・・・・どう言う・・・・・???」
「さっきは言わなかったけど、おじさまは、たぶん私だけにしてくれることがあるから。それは友紀に見られちゃったけどね」
「・・・・・・・・・・・」
「聞きたい?」
「・・・・・・・う・・・・・ん・・・・・」
「いいの?後悔しない?」
美菜は冷静に菜摘を見つめた。端正な顔立ちだけに結構迫力がある。
「うん・・・・話して。聞かなきゃいけない・・・・と思う」
「わかった。それじゃ話してあげる。友紀も話すのよ。良い?」
「もちろん」
「それじゃ、話すわね。おじさまはさっきも話したけど、いつもいっぱい焦らすでしょ?だからどうしても夢中になっちゃって我慢できなくなるから、してもらうと結構簡単にいっちゃうの。それは分かるわよね?」
「うん」
「3人とも一緒だもんね、そこは」
「そこは・・・・・・」
菜摘はいよいよ美菜の秘密を聞かされると思った。覚悟はできている。ここで聞いておかないと絶対後でまた後悔して妄想に悩まされることになるのだ。もうそんなのは絶対嫌だった。
「いつも私が先にいった後、少しおじさまに抱いてもらって甘えてるの」
「そうなんだ・・・」
菜摘はちょっとカチンときたが、ここで怒るわけにもいかない。
「それで、少しするとだんだん甘えたくなってきて・・・・、それは友紀の見た通り」
「あぁ、そう・・・・・」
友紀は聞かされている内容が内容だけに、相槌を打てるような打てないような微妙な雰囲気だ。
「それでもおじさまは指でそっと体を触って優しくしてくれるから・・・・・とくに背中が効くんだな・・・」
「・・・・・・・」
菜摘はじっと聞いている。いよいよ何かを聞かされそうだと思った。
「それで、これはおじさまに教えられたんだけど、甘えてて我慢できなくなると、おじさまの上になって、まず・・・・・胸を・・・・おっぱいを・・・・可愛がってもらうの」
美菜はさっきまでの勢いはどこに行ったのか、急に話がペースダウンした。
「そうなんだ・・・・」
菜摘は静かに聞いている。
「それで・・・・・そのあと・・・・・あの・・・・・・・」
美菜は顔を真っ赤にして黙り込んでしまった。
「ダメ、言えない。友紀、お願い、言って」
「私が言うの?」
「そうよ。やっぱり言えない」
「なんなの?」
菜摘が友紀に聞いた。
「美菜、いいのね?言うよ」
「うん」
「だからなんなのよ」
菜摘がしびれを切らすと、友紀は静かに言った。
「美菜はね、おじさまの顔の上に乗って擦り付けるのよ」
「っ!!!!!」
菜摘は驚いた。自分でもしたことはあるが、話の様子からだと美菜は自分からしているらしい。菜摘の場合は晃一にリードされて仕方なくという面もあるが、美菜は自分からしているのだ。
「だって・・・・すっごく気持ちいいんだもん・・・」
「それはそう・・・だろうけど・・・・・でも・・・・」
「美菜、自分からパパの顔の上に?」
「そう、なんか・・・・寝ているおじさまの上になって胸を口とか手で可愛がってもらうと、あそこが・・・・それで、私の身体、覚えちゃったみたいで・・・・・我慢できなくなるの」
「それで自分から?」
「菜摘、あんた、したことある?」
「あるけど・・・・・気持ち良いけど恥ずかしいし・・・・私からは・・・しない」
「一度教えてもらってから、あれをすると、なんか全部忘れて夢中になれるっていうか・・・・おじさまに教えられてうれしいっていうか・・・とにかく、そんな感じ」
「それで・・・・・いくの?」
「うん・・・・いっぱい・・・・胸もされながらだと確実に・・・」
「すごい・・・・・」
菜摘は絶句した。そしてふと美菜のスレンダーな身体を想像し『きっと、美菜がしたら奇麗だろうな』と思った。
「でもね、まだあるのよ」
友紀はさらに話を振った。
「美菜、次は自分で言って」
友紀が振ると美菜はうなづいた。
「それでね、実は・・・・・おじさまは私の中ではほとんど終わったこと無いの」
「え?」
「そうなのよ。私の中、きっと緩いんだと思う」
菜摘は自分からそんなことを言う美菜が分からなかった。
「それで、入れてもらっていってから、またおじさまの上でいって・・・・だから、申し訳なくて・・・・・だから・・・・・・・終わると・・・・・・・口で・・・・」
「そう、美菜は胸をされながらいっちゃってから反対になるの。それで口でするのよ」
友紀が冷静に補足した。
「・・・・・・・・」
菜摘は何も言えない。
「それがね、凄いのよ。おじさまのを・・・・全部口の中に入れて・・・・・」
「だって、・・・・すごく喜んでくれるから」
「そんな・・・・・うそ・・・・・・」
「嘘じゃない。おじさま、私の口だと必ず出すもの」
「うそ・・・・・・・・」
菜摘はすごいショックを受けた。晃一は菜摘が手と口ですれば何とか終わるが、口だけで確実に出すことなどない。もちろん、晃一と一緒に終わることもあるが、菜摘の方が気持ち良くなってできなくなってしまうことも多い。そんなときに晃一はいつも優しくしてくれるので菜摘も甘えているのだが、美菜のように必ず出すと言うのは驚きだった。正直、心の底では晃一は自分をいちばん好きでいてくれるのだから一番満足を与えているのは自分だと思っていたのだから。
「びっくりするでしょ?それに、美菜、口の中に全部入れちゃうのよ」
それもまた驚きだった。菜摘は晃一の肉棒は頑張っても1/3程度しか口に入れられない。だから幹の部分は手でしごいている。どう頑張っても全部など入るはずがないのだ。
「ぜんぶ?どうやって?」
「ちょっと辛いけど・・・・・頑張れば・・・・喉の方まで来るから・・・・」
「すごい・・・・・・・」
「そうでしょ?絶対無理だと思うわよね?」
「友紀、それを見たんだ・・・・・」
「そう。おじさまのを全部口の中に入れてた。で・・・・・おじさまが出して、美菜がおじさまのを口から出した時に口からあれがこぼれて・・・・・美菜が幸せそうな顔をして・・・・白いのが美菜の口から糸を引いて流れ落ちて・・・・うわ、思い出しちゃった・・・・」
「その時、美菜は口でしてもらってたの?」
「そう、我慢できなくて私が先にいっちゃったりするんだけど、おじさまは調整してるみたいで一緒に終わることが多いかな・・・・」
「『多い』って、いつもするの?」
「そうね、あれを覚えちゃってからは、だけど」
「うん、すごく自然だったもの。凄いことしてたけど慣れてる感じだった」
「友紀、凄いの見ちゃったんだ・・・・・」
「そう、ほんと凄かった。あの時の美菜の顔は絶対忘れない」
「そんなに凄い凄いって何回も言わないでよ。友紀だって凄かったんだから」
「美菜も友紀のを全部見たの?」
「そう。最初から。見るつもりなんてなかったんだけど、シャワーから出てきたら友紀はおじさまにしてもらってたからリビングに戻れなくて・・・・」
「菜摘、一応言っておくけど、私、はじめはその気なんてなかったの。信じてもらえないとは思うけど。でも、本当だからね」
「・・・・・・・・・」
菜摘は何も言えない。いや、言わないのだ。もちろん、本心では友紀の言うことを疑っている。
「この際だから正直に言うわ。菜摘からカードキーを借りたのは、おじさまの部屋で自分でしてみたかったからなの」
「自分でして・・・・?一人?・・で?まさか・・・」
「そうよ。だって、おじさまに本気になったら菜摘とまずいことになるでしょ?だから自分でして我慢しようと思ってたの。それで、一回はうまくいったの。誰もいない部屋だったけど、あのソファに座って一人でしたら幸せになれたもの。で、その次に行った時、おじさまの上に美菜が居たってこと」
「してたの?脱いで?」
やはり友紀は晃一のことが好きだったのだ。菜摘はもう、頭の中がぐちゃぐちゃになってきた。そして、だんだん何を聞いても反応しなくなってきたことを自覚した。
「ううん、服は着てたけどね。でも、絶対しっかり入ってた。美菜の肩をちょっと押しただけでびくって反応したもの。それで、おじさまにとにかく部屋で待ってるように言われて、そりゃそうよね、入ってるんだから。それで気になって・・・・見ちゃったってこと」
そこまで言うと友紀は、一度美菜を見て聞いた。
「美菜、全部言ってもいい?」
「もちろん良いわよ。ここまでばらしたんだから」
「菜摘、覚悟はいい?」
「もう、何を聞いても驚かないから大丈夫」
菜摘はそう答えたが、心の中ではまだ何か驚くことを聞かされそうな気はした。
「あのね、順番に言うわね。最初に見た時の美菜はおじさまの上にいたけど、同じ向きだったの。でも、次に見たときは向き合ってた。もちろん入ってる状態で」
「そうだったんだ・・・・・・」
「それで、おじさま、ゆっくりと美菜の服を脱がしていったの。おじさま、私にも同じことしたけど、私には自分で脱げって言うのに、美菜には服を脱がしてた・・・・・」
「そう・・・・私も友紀と同じ・・・かな・・」
菜摘は正直にそう言った。それくらいはここまで話した間柄なのだから問題ないと思ったのだ。