第275部

「ホテルに着いて何時ごろだったの?」
「よく覚えてないけど、すぐに夕ご飯に行ったから・・・・6時か7時・・・・」
「二人きりになっても何にもしなかった?」
「キスはしたと思うけど・・・・・たぶん・・・・でも、すぐに夕食に行った」
「どんなホテルだったの?」
「山の上にどーんと立ってるホテル。洞爺湖が目の前にあって、部屋は上から下まで窓があって、とにかく素敵なホテルだった」
「それはおじさまが選んだの?」
「そう」
「それで、どこかのレストランに行ったの?」
「ホテルの中の、ね。鉄板焼きっていうところで、フォアグラとかステーキとか食べた」
「そんなに凄いとこ行ったんだ」
「ねぇ、食事ってゆっくり食べた?」
「うん、どういうこと?」
「ううん、やっぱり大人なのね。だって、高校生や大学生なら簡単に済ませて直ぐに部屋に行って脱ぎたがるでしょ?」
「そうなの?私、わかんない・・・・」
「そうか、とにかく、いいなぁ。素敵なムードだもん」
美菜は言葉に気を付けながら、自分が早くその立場になりたいと思った。
「ねぇ、何着て行ったの?」
「え?だって、土曜日に学校が終わってからすぐに行ったから制服」
「なあんだ、制服かぁ」
「だって、仕方ないじゃん。着替えて行く時間なんてなかったから」
「そうなんだ」
「学校出てタクシーに乗って羽田に着いたらすぐに飛行機に乗ったから」
「いいなぁ」
話を聞いている美菜を見て、菜摘は何となく皆が羨ましがっているというよりは自分もそうなりたいと思っていると直感した。
「ねぇ、夜を一緒に過ごすってどういう感じ?聞かせて?やっぱり徹底的にするの?」
美菜が目をキラキラさせて聞いてくる。
「そんな・・・・・、でも、やっぱり違う感じがした。ゆっくりって言うか・・・、落ち着いた感じ・・・かな?」
「直ぐに脱いだ?脱がされた?」
「パパがそっと脱がせてくれた」
「やっぱり焦らしながら?」
「うん、でも、我慢できないほどじゃなかったから」
「結構きわどい下着だった?」
「そんなには・・・・・でも、一応は・・・・・」
菜摘はそう答えた。もともとそんなにきわどいのは持っていないからだ。
「やっぱりね。それじゃ、きっとすぐには裸にされなかったわね?じっくり楽しまれちゃったでしょ?」
「それは・・・・そう・・・・・」
「菜摘は身体がきれいだからいいわよね。下着になっても裸になっても気にならないでしょう?」
「そんなことない。私だって恥ずかしいよぉ」
「それじゃ、どんな格好でおじさまを楽しませたの?言いなさい」
「それは・・・・・・・・」
「早く」
「制服はジッパーだけ外して・・・・・・・パンツの中に指を入れられて・・・・それで汚しそうで・・・スカートを持ち上げてパンツを脱いで・・・・」
「うわ、やっぱり本妻さんは違うんだ。凄い恰好」
友紀が言うと、美菜も反応した。
「乱れた制服姿ってやつ。たっぷり楽しまれたんだ。それで?」
「パパがそっと指でゆっくり・・・・・下を・・・・・それで声が出て・・・・」
「それを見ながらおじさまが楽しんだんだ。嫌らしい・・・・・。立ったまま?」
「ううん、膝の上」
「良いなぁ、それだと思いきり甘えられるもんね」
「ううん、それだけじゃなかった」
「ってことは?」
「スカートまで汚しそうだったから・・・・そしたら立たされてスカートを脱いで・・・・・それで・・・」
「もっとすごい恰好になったの?」
「・・・・・・」
菜摘はコクンと頷いた。
「それって?」
「スカートを脱いで反対向きでソファに上がって・・・・・」
「うわっ。下だけすっぽんぽんになったってこと?上はまだでしょ?それで後ろ向きに?」
「やっぱりホテルだからよ。ホテルだからそんなことできるんだ。時間がたっぷりあるもん。すっごくいやらしい恰好・・・後ろから丸見え・・・・」
友紀と美菜はあまりの嫌らしい二人だけの時間に圧倒された。
「それで、いっぱい指や声で焦らされて・・・・・」
「それで?」
「やっと裸にされて・・・・・それからベッドに・・・・・・そして、胸を指で焦らされて・・・・」
「いっぱいおねだりさせられた?」
「ううん、あの時はもともとおねだりしないって決めてたから」
「どういうこと?おじさまはおねだりさせるのが好きなんでしょ?」
「でも、パパの好きにして欲しかったから私からはおねだりしないって決めてたの。でも、我慢できなかった・・・・」
「そうなんだ・・・・。やっぱり二人のつながりの深さが違うんだ・・・・」
「でもダメだった。我慢できなくなっていっぱいおねだりしちゃった・・・」
「ねぇ、なんて言ったの?」
「それは・・・・・・」
「言いなさいよ。私たちだって全部言ったし、何でも言うから」
美菜と友紀は菜摘のおねだりを聞きたがった。仕方ない、菜摘は正直に言うことにした。もちろん、あの夜のことははっきりと覚えている。それに、正直に言えば優越感もあった。ただ、さすがに声は小さかった。
「菜摘はおっぱいを揉んで欲しくて我慢できません。おっぱいを揉んでからおちんちんを入れてください・・・・って」
「・・・・・・・・・」
友紀も美菜も余りにストレートなおねだりに圧倒された。特に友紀は、どのように焦らされたらそんなことを言えるようになるのか、全然想像できなかった。そしてやっと友紀が口を開いた。
「菜摘、そこまで開発されてるんだ・・・・・・・」
友紀は自分があまりおねだりさせられたことがないということもあって、普段の菜摘からは想像もできない言葉を口にする菜摘の変貌に驚いた。そして、その言葉の裏側にお泊りならではの安心感と余裕を感じ取った。
「それで、いっぱいしてもらったのね?」
「うん・・・・してもらったというか・・・・・・・夢中になっちゃって・・・・」
友紀は不思議に思わなかったようだが、美菜は敏感に何かを感じ取った。
「してもらったんじゃないの?入れてもらったんでしょ?」
「夢中になってて・・・・・・・だから腰が勝手に動いて・・・・」
やっと友紀にもわかったようだ。
「菜摘、あんた、自分で動いてるの?おじさまは動かないの?」
「それは・・・・・いろいろで・・・・あの時は・・・・・嬉しかったし・・・・・とにかく我慢できなくて・・・だから・・・・・」
「それって、菜摘が下になっておじさまを抱きしめて自分から腰を、ってこと?」
「・・・・そう・・・・」
「菜摘・・・・・どんだけ開発されてるの?信じられない・・・・」
友紀が驚きのあまり声を失うと、美菜もそれに同意した。
「友紀、私たちもたっぷり開発されたって思ってたけど、菜摘は全然違う次元なんだね」
「そう、本当にすごい・・・・・、私とそんなに回数変わらないはずなのに」
「そうなの?」
美菜が驚いて言った。
「もちろん菜摘の方が多いとは思うけど、だって菜摘は週末にしか会わないし、旅行にだって北海道だけでしょ?」
友紀がそう言うと菜摘は静かに頷いた。
「そうなんだ・・・・・・」
美菜はそう言っただけだったが、心の中ではもし、自分が連れて行ってもらえたら自分はどうなるのだろうと思った。そして更に聞いてみた。どうしても聞きたかったことだ。
「それで、菜摘が動いておじさまは最後まで行くの?」
「それは・・・・・良く覚えてないけど、私からしてる時はパパは出さないことが多い、かも・・・・私が我慢できなくなってる時だから・・・・・・そういう時はパパにされるとすぐにいっちゃうから・・・・頑張って我慢して一緒にいくのがギリギリかも・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
友紀も美菜も菜摘の露骨な告白に言葉を無くした。聞けば聞くほど菜摘と晃一の濃厚なセックスの裏にある強いつながりを思い知らされる。まるで、今まで自分は最高に開発されていると思っていたものが菜摘の前では幼稚に感じられるほどだ。
「それなら、菜摘だけいっちゃったのね?それなら次もあったでしょ?」
「あの時は・・・・良く覚えてないけど、そのまま今度はパパにしてもらってから、少し休んで後ろから・・・・・」
その言葉に美菜は反応した。後ろからなら自分だって同じように開発されていると思ったのだ。
「後ろから入れてもらっておっぱいを揉まれたの?」
美菜はあえて露骨な言い方で菜摘に対抗した。
「そう・・・・そしてキスしてたけどだんだんできなくなって・・・・・」
「え?どういうこと?後ろから入れられたんでしょ?それでキス?」
「そう、振り返って・・・・・でも、だんだんできなくなってそのまま・・・・」
「そんな風にしてたんだ・・・・」
美菜は自分ではしたことのない後ろからとキスを同時に楽しむ方法に驚いた。そして、やはり菜摘にはかなわないのかと思った。
「それじゃあ、それからも何度もずっとやりっぱなしだったの?」
友紀も同じことを思ったようだった。少し呆れてそう言った。
「たぶん・・・よく覚えてないけど・・・・・後は甘えたり、してもらったり・・・で、パパに抱いてもらって寝たり・・・・・でも途中で起こされて、また入れてもらったり・・・・・」
聞きながら友紀は細かいことを聞いているのがだんだんばからしくなってきた。どうせ菜摘にはかなわないことはよくわかった。きっといろいろな方法で何度も何度も求められ、徹底的に身体に教え込まれたのだろうと思った。そして、自分も神戸で晃一にあの晃一の上で腰を上下させるやり方を教えてもらったのだと思いだした。
「そうして朝まで?」
「途中でパパにお風呂に入れてもらった・・・・・」
菜摘は静かにそう言った。しかし、そこは友紀が反応した。
「あ、それは私も・・・・似たような感じだった・・・・たぶん、だけど・・・・」
「朝風呂を二人で?」
美菜が聞くと菜摘は、
「朝って言うか、朝の前って言うか・・・・、パパが日の出がきれいだって言うから・・・・まだ少し暗かったかも・・・・」
「私の時は夜だったけど・・・・ポートタワーのライトがきれいだったから・・・」
美菜は友紀まで菜摘と一緒になって言うので、自分だけ取り残されたような気になった。だから話を先に進めた。
「それで、日の出を一緒に見たんだ」
「うん・・・・・たぶん・・・・・・・・なんとなく明るくなったのは覚えてるけど・・」
「たぶん?て覚えてないの?せっかく二人で見たのに?」
「よく覚えてないの・・・・・・」
「ははぁん、入れられたからね?」
今度はすかさず友紀が突っ込んできた。
「うん・・・・」
「それじゃぁ、お風呂に入ったって意味ないじゃん」
「あの時は・・・・それよりももっとして欲しいことがあって・・・・」
「なんなの?」
「ほかの子にしたこと全部してって言った・・・・・」
「してくれた?」
「ほとんどもうしたって言われたけど、まだのもあったから・・・・」
「それじゃ、これはこの子にしたって言われた?」
「パパはそんなこと言わない。でも・・・・だからかな?私は全部してもらったって思ってる。友紀のも美菜のも・・・・」
「そうなんだ・・・・・・やっぱり菜摘は特別かぁ」
友紀はため息をついた。ただ、菜摘が『友紀と美菜』と言わずにわざわざ『ほかの子』と言った理由までは気が付かなかった。
「でも、最近のはどうかわからないんじゃない?」
美菜が反論するように言ったが、菜摘は、
「さっき聞いたのは全部してもらったこと、ある、と思う…。私はそんなに夢中にならなかったと思うけど・・・・」
「そうなんだ・・・・」
今度は美菜の方がため息をついた。それを見ていた菜摘は、これ以上続けても意味がないのではないかと思った。ここまでで十分自分が一番大切にされているのはよくわかったし、証明できたからだ。
「ねぇ、まだ続ける?まだ話した方が良い?」
そう言われると友紀も美菜も黙り込んでしまった。
「もう止める?」
その言葉は勝ち誇った勝者の言葉のように響いた。それに反応した美菜は思わず言った。
「ううん、聞かせて。お泊りの時はどんなのか聞きたいから。私、おじさまにお願いしてるし」
「そうなの?」
菜摘はちょっと驚いた。美菜は最初、会うのは晃一の部屋だけと約束したからだ。
「ごめん、模試でAランク取ったら連れてって欲しいってお願いしちゃったの」
「パパはどう言ったの?」
「わかったって。OKなのかどうかは分かんないけど。ねぇ菜摘、良いでしょ?お願い、良いでしょ?」
「だって美菜は・・・・・・」
「わかってる。自分で約束破った。それは認める。ごめんなさい。謝る。だから改めてお願いするの。許して」
美菜の言い分は明らかに勝手だった。菜摘にはそんなことを許すわけにはいかないと思った。だから断ろうと思ったが、ふと友紀を見ると明らかに心配している。菜摘にはどうして友紀が美菜のことを心配しているのかわからなかった。これまでに晃一とお泊りに行ったのは菜摘と友紀だけ、それも、どちらも晃一が彼の時だった。だが、美菜は違う。いろいろ言っているが、要するにセフレでしかないとも言える関係なのだ。
「菜摘、お願いだから」
美菜はさらに頼み込んできた。その時、菜摘はふと美菜がこれでグループを抜けるということを思い出した。これからはもう美菜のことは麗華に相談できない。
「保留ね」
「だめなの?」
「保留って言ったでしょ?」
「これだけ頼んでも?」
「うん、保留。それで良いでしょ?却下してるわけじゃないんだから」
そう言われてしまうと美菜はそれ以上言えなかった。もともと自分の中で勝手に楽しみにしていただけで、菜摘がダメと言えば晃一だって絶対ダメと言うのは分かり切っているからだ。
「いつ、どっちか決めてもらえるの?」
「パパと相談してから。それでいいでしょ?」
もちろん美菜には選択の余地などなかったから静かに頷くしかない。美菜には菜摘が何故すぐに結論を出さないのか理解できなかった。しかし、断られたわけではないのだからまだ希望はある。美菜はそう思って頭を切り替えることにした。