第２８部

 

「うん」

菜摘は仰向けになると、晃一に向かって手を伸ばした。晃一が菜摘の胸に顔を埋めると、

「こうしてると赤ちゃんみたいね」

と言って菜摘が晃一の頭を撫でた。晃一はそれに応えるかのように、目の前の乳房を口に入れ、乳首をゆっくりと転がし始める。

「ああぁぁぁ、それをされるとぉ、ああん、パパぁ、気持ちいいぃ」

菜摘は軽く上半身を捻りながら悶え始めた。晃一が菜摘の足を開き、さらに膝を持ち上げても菜摘は嫌がらなかった。そのまま晃一は中指と人差し指を菜摘の中に入れていく。今度もきつかったが、菜摘はあまり痛がらなかった。

「ほうら、今度はそんなに痛くないだろ？」

「そう、不思議・・ああぁぁぁぁぁ、入ってくるぅぅぅぅ」

晃一の指は菜摘の中を探検しながらゆっくりと入っていった。菜摘の肉門は指２本は受け入れられるようになり、相変わらずきつく指を締め付けているが痛みは与えなくなったようだ。菜摘の肉壁はあちこちに出っ張りがあって、指をいろんな方向からぎゅうぎゅう押しつけている感じだ。

「少ししたら動かしてみるからね」

「うん、ああん、なんか変になってきた。あう、パパ、感じて来たぁ」

「もう少しだよ。まだちょっと濡れてないから」

「ああん、まだぁ？私、きっと大丈夫だよぉ？」

「うん、もう少しだけ待ってね」

菜摘の中にだんだん焦れったい感覚が湧き上がってくる。

「ねぇ、早くぅ、ああん、待つのはいやぁ」

「もう少しだからね」

晃一はそう言ってなかなか指を動かそうとしなかった。すると、指の周りにはゆっくりと温かい液体が満ちてくる。

「パパぁ、ねぇ、まだぁ？」

「菜摘ちゃん、それじゃ『指でずぼずぼして』って言ってごらん」

「いやぁ、そんなのだめぇ、早くぅ、パパぁ、ねぇ、ああぁぁ、早くぅ」

「まだ言えないってことは、菜摘ちゃんがその気になってないってことだよ。その気になったらちゃんと言えるからね」

「そんなことないぃ。ああっ、パパ、早く、早くぅっ」

菜摘はどんどん焦れてきた。身体の中に大きいものが入っている感覚が新鮮だ。そこからどんどん焦れったい感覚が湧き上がってくる。しかし、晃一が指を動かさないので菜摘は更に焦れてくる。

「お願いだからぁ、パパぁ、ねえってばぁ」

「言ってごらん」

菜摘は仕方ないと思った。これ以上同じことを繰り返していても時間の無駄だと思った。晃一の思い通りになるのは嫌だったが、それも晃一が喜ぶなら良いと思った。

「パパぁ、早く指でズボズボしてぇ」

「よく言えたね。良い子だ。ご褒美だよ」

晃一はそう言うと、ゆっくりと指を動かし始めた。

「ああぁぁっ、きたっ、やっぱりすごいっ、ああっ、あうぅっ、はうっ、はうっ、はうっ、あぁぁぁーーーっ、いきなりすごいーーっ」

菜摘はあっという間に晃一の愛撫に夢中になった。先ほどまでの痛みは既に鈍い痺れるような痛みに変わっており、与えられる快感のほうが圧倒的に強い。晃一は菜摘を傷つけないように気を遣いながら指に変化を付けて動かし、更に口で乳房もたっぷりと楽しんだので、菜摘を飽きさせるどころか完全に夢中にしていった。口の中で転がるように弾む乳首も、指をあちこちから締め付ける肉壁も、どちらも晃一にのみ差し出された少女の存在そのものだ。晃一は指を差し込んだ肉門の締め付けがきついので動かしていると腕がだんだん疲れてきたが、それでも菜摘が喜ぶように変化を付けながら更に愛撫を繰り返した。

「ああぁぁっ、パパぁっ、凄い、凄いっ、ああんっ、どうして、どうしてなの？こんなに感じるなんてぇっ、あーっ、いいっ、良いのぉっ」

菜摘は仰け反って声を上げていたが、晃一が乳房を愛しやすいように気を遣っていたのか、無理に身体を捻るようなことはしなかった。そして菜摘は、『明日はどうなるか分からないから今日中に感じておこう』と思った。

「あぁぁんっ、さっきまでは感じなかったのにぃっ、パパのいじわるぅっ、あうぅっ、そんなにしたら壊れちゃうぅっ、あうっ、あううぅっ、お願い、ああんっ、パパぁっ」

菜摘は思いきり声を上げながら、指を出没される喜びをたっぷり楽しんだ。やがて二人が疲れて晃一の指が抜き去られた時、菜摘は頭がクラクラするほどだった。

「ぱぱぁ・・・・・・・・・」

息を弾ませながらぐったりした菜摘が甘えるように言った。

「菜摘ちゃん、ありがと」

晃一がそう言って仰向けで軽く息を弾ませている菜摘の身体を撫でながら全身を見渡すと、

「ああん、見ちゃいやぁ」

と恥ずかしがった。しかし、もう俯せにはならない。軽く手で隠してはいるが、菜摘の首筋から乳房、腰、そして茂み、さらに足まで、菜摘が微笑みながら晃一に晒すのは初めてだった。菜摘にしても、最初は刺すような視線を感じていたのに、今は優しく包み込むような優しい眼差しに身体を晒すのは、少し恥ずかしかったがとても気持ち良いものだった。晃一は起き上がり、

「菜摘ちゃん、そろそろ支度しないと」

と促すと、

「パパぁ、疲れた。起こして」

と言って菜摘は晃一のほうに手を伸ばしてきた。晃一が引き上げて菜摘を起こすと、素直に晃一の胸に抱かれてきた。

「シャワーだけ浴びたいの。良い？」

「うん、良いけど、あんまり時間がないよ」

「うん、分かってる。さっと汗を落とすだけだから」

そう言った菜摘は、ベッドのシーツを見た。すると、腰のあった辺りに小さなピンク色の染みを見つけた。『これがバージンの証か・・・』そう思うとちょっと複雑な気持ちになる。しかし、ゆっくりしている時間はない。軽くキスをしてから菜摘は全裸にスカートだけ身に付け、下着を持ってリビングへと一度戻り、軽くシャワーを浴びに行った。時間がないので首から下だけ軽く汗を流すだけだ。

その間に晃一も軽く身支度を調え、菜摘を送っていく準備をした。

シャワーから戻ってきた菜摘は、この部屋に来た時と全く同じ、ごく普通のまじめな高校生の姿に戻っていた。思わず晃一は、さっきまで菜摘が全裸で指を入れられ、声を上げて悶えていたのが本当だったのかどうかを確かめるため、菜摘を裸にしてみたいと思ったくらいだった。

ただ、部屋を出る前、菜摘はちゃんと心のこもったキスをしてくれた。晃一にしても、立ったまま菜摘を抱きしめてゆっくりとキスをするのは初めてだったので、細い身体が腕の中でしなり、菜摘の熱い吐息を確かめるのはつかの間の楽しい時間だった。

菜摘は晃一の車に乗った頃から、猛烈に疲れが襲ってきてあっという間に寝込んでしまい、晃一が公園の近くに車を止めるまで全く起きなかった。そして、軽くキスをして別れた後も、家まで少しふらふらと歩いて行った。疲れているというのもあったが、痛みが時折襲ってきて、歩き方が変になったのも事実だ。夕方の人通りの少ない時間で良かったと思った。しかし、菜摘は身体に痛みを感じても心が温かくなるような幸せを感じていたので、ほとんど気にすることはなかった。出血はあまりなかったことも幸いした。今日家を出る時は自分の身体がこんなふうに変わることになるとは思っても見なかった。しかし、晃一に全裸の身体を許したことさえ菜摘には楽しい思い出だった。

そして翌日、菜摘は早起きすると学校に向かった。昨日に比べれば痛みはだいぶ少なくなっており、歩くのには問題ない。菜摘はテストの間、思った以上に集中することができた。昨夜帰宅してから思い切って３時間ほど寝てから勉強を始めたのが良かったらしい。完全に疲れはとれて元気が戻っていた。

おかげで模試には集中できたので何とか書けた。たぶん、今までよりも良い成績がとれると言う感触がある。菜摘は晃一の部屋に笑顔で入っていけるだろうという自信が持てたことが嬉しかった。

しかし、模試が終わって学校を出る時、いつものグループとは違う友達に呼び止められた時から波乱の時が始まった。その子は、以前仲が良かったのだが最近はクラスが遠くなったこともあり、自然に疎遠になっていた子だった。その子はいきなり菜摘を階段下のスペースに連れ込むと小声でまくし立てた。

「菜摘、ねぇ、聞いたんだけど」

「なに？」

「あんた、不倫してるんだって？」

「ええ？なにそれ？」

「妻子持ちのオジサマと不倫してるって聞いたんだけど」

「そうなの？」

一応菜摘はとぼけて見せた。

「うん、オジサマにあげちゃったって」

「何言ってんのよ。そんなことあるわけ無いじゃん」

「だって聞いたよ。昨日、彼の部屋に行ったって」

菜摘はここで考えた。完全に知らんぷりをすることもできるが、既に晃一とのことがばれていると言うことは、情報ルートを遮断しない限り完全にばっくれることは不可能だ。

「うん、行ったことは行ったよ」

「やっぱり。彼には奥さんがいるんでしょ？」

「知らない・・・・、って言うか、そんな雰囲気じゃないよ。部屋にも行ったけど、奥さんなんていなかったもん」

「何言ってんのよ。単身赴任ならいるわけ無いでしょ」

「だって社宅だよ。単身赴任て社宅になんていないんじゃないの？」

「そんなことどうして分かるの？いるかもしれないじゃないの」

「そうかなぁ・・・・、そんなこと無いと思うけど・・・・」

「確かめた？」

「・・・・・言ってない・・・」

「それじゃ、まず確かめなきゃ。知らないうちに不倫になってるかもしれないんだから」

菜摘はそう言われて初めて気が付いた。確かに、今までぼんやりと気にしていたが、晃一との時間が楽しくてそのままにしていた。

「もしかして、もうしちゃったの？」

「ううん、まだ」

「良かった。それじゃしっかりと確かめないと。後で後悔するのは嫌でしょ？」

「うん、わかった」

「よかった。菜摘って大人しいのに思い込んだら一途でしょ。遊ばれてるかもしれないと思ったから。気にしてるんだよ」

「ありがと。注意するよ」

「良かった。一緒に帰ろ？」

「ごめん、まだやることあるんだ」

「分かった。それじゃまたね。最近話してないから気にしてたんだ。お先に」

そう言ってその子は帰って行った。

確かに菜摘は今まで晃一が結婚しているのかどうか聞いたことはなかった。ただ、昨日のことから考えても、どう見ても結婚しているようには思えない。しかし、確かに単身赴任で一人だけなのかもしれないし、晃一みたいに素敵な人が結婚していないのもおかしい気がする。でも、あの優しい晃一と自分をだまして遊んでいる晃一というイメージが一致しないのも事実だった。

さっきまでは浮き浮き気分で晃一のアパートに向かえたはずなのに、一気に気が重くなった。菜摘だって不倫なんてしようとは思わない。それは相手の年が離れていようかいまいが同じことだった。

そこに麗華が現れた。

「ナツ、ランチに行くよ」

それは報告会が始まるという予告だった。慌てて菜摘は麗華を近くのスペースに連れ込んだ。

「ごめん、実はね・・・・・・・」

菜摘はとりあえず、まだロストしていないことを告げた。

「・・・それで彼が、痛くなってテストに響いちゃいけないからって」

「分かった。それ以上は聞かない。で、それじゃ、いつ行くの？」

「これから・・・・・たぶん・・・」

その言い方に麗華は引っかかった。麗華の知っている菜摘だったらもっと楽しく言うはずなのだ。

「どうしたの？」

「うん・・・・・・あのね、ちょっとパパに確かめたいことがあって・・・・・」

「もしかして、奥さん？」

「うん・・・・麗華も気づいていたんだ」

「何となくだけど、最初に聞かなかったなぁって。それで悩んでるんだ」

「悩んでるって言うより迷ってるって言うか、躊躇ってるというか・・・・」

「でも、何で今頃・・・誰かに何か言われたの？」

「うん、結佳に『不倫してるの？』って・・・・」

「結佳か・・・、そうか、それで気になったんだ・・・・」

「うん、私、自分のしてることが不倫だなんて思ったことなかったからさ」

「でも、結佳は何でナツのこと知ったんだろう？」

「『聞いた』って言ってたよ」

「分かったよ。まかせな。報告会のことはいつでもできるから、とにかく良く聞いて納得することだね」

「うん・・・・・・ありがと・・・」

「ランチ、行く？」

「ううん、これから行ってみようと思って」

「そうか、がんばんな」

「ありがと」

「明日、報告会ができると良いね」

「それはないと思うけど・・・・」

「どっちにしても、私達は応援してるから」

「ありがと」

「テストも終わったんだ。がんばれナツ」

「うん」

麗華が行ってしまうと、菜摘はしばらく考え込んでいたが、重い足取りで晃一のアパートに向かった。学校からの道はだいたい分かっていた。普通に歩いて２０分くらいの距離だが、考え事をしながら歩いて行ったので３０分近くかかってしまった。もしかして自分は間違った道に入り込んでしまったのではないか？とんでもないことをしているのではないか？と思うと気が気ではない。ただ、何となくだが、昨日自分の中では完全に晃一に身体を許してしまった後なので、どちらかというと晃一の近くにいたいという気持ちが強いことも確かだった。

それでも、『もしパパが結婚していたら、どうしよう？』『行くのを止めようか？』『パパに確かめてみる？』『確かめてどうするの？』『もし結婚していたら、それでも許せる？』自分の中にいろんな質問が渦巻いている。ただ、じっと怖がっていても仕方がないと言うことだけは分かっていた。だから、気は重かったが晃一のアパートの電子キーを開け、部屋の中に入った。

まだ晃一は来ていないようだった。とりあえず殺風景な部屋のエアコンを入れ、じっとソファに座ってテレビを点けてみた。時折ふと、ここまま帰ってしまおうかと思ったりもする。しかし菜摘はそのままじっとしていた。一つには晃一が好きだと言うことがあったし、自分の勘を信じたいと言うこともあった。更には、昨日たっぷりと晃一に愛されたという熱い感覚がまだ身体のどこかに残っていると言うこともあった。そして、今のままなら勉強にも力が入るし晃一に優しく新しい世界も教えてもらえる、全てが上手くいっているという実感があるのも事実だった。

ただ、昨日、あれだけ激しく感じて全てをさらけ出しただけに不倫という言葉は完全に菜摘の想定外で、いつの間にか自分が加害者になっているかもしれないという恐怖はぬぐえなかった。

そんなことは全然予想すらしない晃一は、菜摘が部屋に入ってから３０分ほどしてからやってきた。慌てて菜摘はテレビを消した。

「やぁ、菜摘ちゃん。早かったね。遅くなってごめんね。ちょっとお昼になってからお客さんが来ちゃってね」

「ううん・・・・・・・・」

晃一は最初、菜摘が無口なことに気が付いたが、緊張しているからだと思って気にしなかった。

「お昼は食べた？」

「ううん、食べてない・・・・・」

「何か食べに行く？」

「ううん、いいの・・・・・・」

「それじゃ、冷蔵庫に飲み物が入ってるから持ってこようか」

「いい・・・・・・・」

その頃になって晃一は菜摘の様子がおかしいのに気が付いた。ソファに座っている菜摘の直ぐ横に座ろうと腰を下ろすと、菜摘がすっと間を開けた。

「どうしたの？」

「・・・・・・・・」

「何かあったの？」

「・・・・・・・・・・」

晃一は絶対何か良くないことが起こったのだと思った。

「分かった。良かったら聞かせてくれる？」

晃一が菜摘を心配したのを感じたので、菜摘も気持ちを決めた。