第30部

 

菜摘は隣の駅に向かいながら、いつの間にか自分は一番遅れていたのに一気に先頭に立ったような気がした。なんとなくだが、意外とみんなの経験はあっさりとした単純なものらしいのだ。しかし、菜摘は友達が驚くような晃一の愛し方さえも愛情の深さのような気がして全然嫌な気がしなかった。

駅のホームに着くと、偶然結佳がいた。

「あ、ねぇ、ちょっとこっち」

そう言うと結佳は菜摘をホームの自販機の陰に誘った。

「バツイチだったんだって?よかったじゃない」

「うん、これから行くんだ」

「そうか、がんばってね。良い思い出になると良いね」

「うん、ありがとう。応援してくれて嬉しい」

「大丈夫。きっと上手くいくよ」

「結佳の時も上手くいった?」

そう言うと、結佳は更に菜摘を陰に引き込んで小声でささやいた。

「バカ、ここでそんな話するの?もう、私の時なんて大変だったよ。服にコーヒーはこぼすし皺だらけになるし、イヤリングなんて壊れちゃったんだから。プロレスやってたみたいだったよ」

「結佳の彼ってサッカー部だったっけ」

「そう、だから力が強いの。無理に押さえつけられた時は怖くて泣きそうだったよ」

「直ぐにベッドインだったの?」

「もちろん。彼の部屋に入って直ぐに脱いだ、と言うか脱がされたから」

「よくできたね」

「嫌がる暇なんて無かったもん。あっという間だった。はい、これでいいでしょ」

結佳がそんなことを言うのを菜摘はそれまで聞いたことがなかった。そしてそれは、たぶんバージンを卒業した少女達だけの会話なのだろうと思った。すると電車が来たので二人は乗ったが、結佳は降りる時に便利だからいつもの車両にいくと言って離れていった。

隣の駅に着くと、そこから新しいアパートまでの道のりは、急いでいるのになかなか着かない焦れったい道のりだった。菜摘は汗をかきながら急いで部屋に入った。静かな玄関に入るとかなりドキドキしているのに気が付いた。一週間会っていないだけなのに、嫌われたらどうしようと思う。

「パパ、こんにちは。来てる?」

「菜摘ちゃん、こんにちは」

リビングから優しい晃一の声がした。菜摘がリビングに入ると、晃一が優しい眼差しで菜摘を迎えてくれた。安心した菜摘は晃一の元に駆け寄った。

「パパ・・・・私・・・・・・」

そう言うと菜摘は晃一の胸に飛び込んだ。

「ごめんなさい・・・・、パパ」

「菜摘ちゃん、良く戻ってきてくれたね」

「パパ、居なくなっちゃうかと思った。ごめんね、私、大好き」

そう言うと菜摘は晃一の首に手を回し、目をつぶってキスをねだった。晃一の唇が重なると、今までの想いを全て伝えようとするかのように唇と舌と絡め合う。菜摘の小さな舌が晃一の舌にあちこちから一生懸命絡んできた。その動きに菜摘の気持ちが素直に表れている。菜摘は舌を絡めながら心の中が一気に落ち着いてくるのを感じた。やがて唇を離すと、晃一が言った。

「菜摘ちゃん、気持ちの整理はついた?」

「うん、もう迷わない」

「それじゃ、暑かったでしょ?まずは涼まないとね」

「うん」

そう言うと菜摘はリビングのソファに座った。もちろん、このまま脱がされても良いのだが、できればシャワーだって浴びたいし、晃一との時間なら話をするだけでも良かった。

「あ、パパ、また成績票もらったの」

「どうだった?」

「私もまだ見てないの。はい、パパ」

そう言うと菜摘は晃一に小さく折りたたまれた成績表を渡した。それを晃一が見てみると、前回より更に上がっている。

「おお、がんばったね」

「そう?何番だった?」

「200番ちょっと」

「やったぁっ」

「菜摘ちゃん、がんばったね」

「パパのおかげだもん」

「テストの時、痛くなかった?」

「うん、大丈夫だった。でも、土曜日に家に帰った時はちょっと痛かったの。でも、寝たら痛くなくなったよ。だからテストはばっちり」

「菜摘ちゃんがたくさん勉強したからだね?」

「もちろん。でも、あれだけ勉強できたのはパパが居てくれるからなの。私一人じゃ全然だめ。先週、パパから離れてみてよく分かったの。ぜんぜん勉強に集中できないんだもん」

「やっぱり集中してやると違うんだよね。このまま成績が上がっていったらどうなるのかな?」

「うん、ちょっと楽しみ。だから、これからも家での勉強はしっかりやるよ」

「そうだね」

菜摘は報告することが終わったのでやるべき事が一つ終わったと思った。それなら後は一つだけだ。思いきって言ってみた。

「パパ、シャワー浴びてきても良い?」

「うん、汗を流しておいで」

「パパは?」

「さっき汗を流しちゃった。まだなら一緒に入れたのにね」

「なわけないでしょ」

「残念」

晃一の言葉を背中で受けて菜摘はシャワーを浴びに行った。まだちょっと怖かったが、今はどちらかと言うと楽しみという気持ちが強くなっている。なんと言っても、先週一度全裸になっているので、ほとんどは経験済みだという安心感がある。菜摘は丁寧に身体を洗いながら、晃一に愛される時を楽しみにしていた。そして、恥ずかしかったが初めて秘唇の中まで丁寧に洗った。先週、晃一にここを触られた時は、自分で丁寧に洗っておかなかったことを後悔したのだ。まさか両足を全開にしてじっくり見られて舐められるなどと思っていなかったのだから。

菜摘は丁寧に身体を洗ってから髪を洗い、隅々まで綺麗になったことを確認してぬるいシャワーを浴びてシャワーの後に汗をかかないように身体を冷やしてから上がって念入りに身体を拭いた。前回は制服を着るのをちょっと迷ったが、今回は迷わず新しい下着の上にデオドラントスプレーをかけた制服を着た。幸い制服はそれほど汗臭くない。今やは制服は菜摘にとって晃一に愛されるステップに必要なものだと言うことが分かっている。

菜摘は愛されるにしても、ゆっくりと順番にして欲しかった。いきなり裸になってベッドに入るのは菜摘の気持ちが追いついていかない。だから、最初優しく触ってもらってから制服をゆっくりと脱がされた方が菜摘も安心できる。菜摘は髪を乾かしながら、鏡に映る自分が少し変わったかもしれないと思って見つめていた。

菜摘は身支度を調えて戻ってくると、そのままソファに座っている晃一の膝の上に横にちょこんと座った。

「パパ、お待たせ」

そう言って軽くキスをする。

「ケーキ、買ってあるよ」

「ううん、後で良いの」

「そう。それじゃ、後で出すね」

「うん」

そう言うと菜摘は、膝の上に乗ったまま晃一をじっと見つめた。

「パパ、寂しかった?」

「寂しかったって言うか、怖かったよ。すごく。菜摘ちゃんがこのまま居なくなっちゃうかもしれないと思ったから」

「そんなこと、メールにはなんにも書いてなかったじゃない。心配してたなら教えて欲しかったのに。パパがそんな気持ちで居たなんて」

「だって、菜摘ちゃんにはプレッシャーをかけたくなかったから」

「もう、パパったらぁ。優しすぎよう」

「でも、こうやって戻ってきてくれたから嬉しいよ」

「私、すっごく悩んだの。だって、それまでは単に好きだって思ってただけで、年の差とかバツイチとか考えたこと無かったから。好きならそれで良いって思ってたし。それで、頭の中でぐるぐる回って気持ちがなかなかすっきりしなくて」

「辛かった?」

「うん、すっごく。全然勉強だって進まなかったし」

「そうか、やっぱり悩んでいたんだね」

「でも、木曜日の朝、偶然パパを見つけた時、はっきり分かったの。パパと一緒にいたいって」

「いいの?」

「うん、パパが好きだから」

「それって、告られたと思って良いの?」

「うん、初めてよ。私から告るの」

そう言うと菜摘は再び晃一にキスを求めてきた。そっとキスをしながら晃一が菜摘の身体をソファの上に横たえていく。晃一がスイッチを押したらしく、ソファがゆっくりとリクライニングしていった。半分ほど倒した状態で晃一は菜摘の制服のジッパーに手をかけた。

「・・・・優しくして・・・」

「もちろん」

「パパ、最後はベッドで、ね?」

「うん、わかってるよ」

そう言うと晃一は菜摘の制服を開いてブラジャーに包まれた胸に手を当て、ゆっくりと愛撫し始めた。

「ううん・・・・パパ・・・・そっとして・・・ね・・・・あ・・ん・・・」

「怖いの?」

「ううん、大丈夫。でも、そっとして・・・・」

菜摘は気持ちを楽にすると愛撫に意識を集中した。気持ちの上では既に先週と同じように愛されて感じている自分が頭の中にいる。

「少しずつ感じてくるから、焦らないでね」

「うん、私だけのパパ・・・」

晃一の手が菜摘の小さめの膨らみを優しく撫で始めると、菜摘の身体に熱い感覚が広がり始めた。今の菜摘には、晃一に胸を探られる感覚さえ嬉しいと感じた。

「パパ・・・・・感じてきたかも・・・・・はっ・・・う・・・・くっ・・・・はぁっ・・」

菜摘の口から甘い吐息が漏れ始める。菜摘は『パパに触られるの、好きになってきたかも。身体が喜んでる。ああん、また夢中になっちゃう。また我慢できなくなっちゃう』と思いながら晃一の愛撫を素直に受け入れ始めた。

「じっとしていればいいよ。身体が自然に反応してくれるから」

晃一の手は膨らみを優しく撫で回し、菜摘を二人だけの世界に連れていく。

「パパぁ・・・・ああん、なんか、ちょっと感じてきたぁ、あ・・ああぁ・・」

「良い子だ。そのままにしていてごらん」

「ああん、パパ・・・・、やっぱり恥ずかしい・・・私、感じてる・・・」

菜摘の声は明るく、身体は愛撫に反応してうねるように動き始め、自然に晃一の愛撫を少しでもたくさん受け入れようとし始めた。

晃一は優しく膨らみを布地の上から撫でながら、今日はどのように愛そうかと考えていた。少しずつ菜摘の膨らみが固く張り始め、横になっていてもはっきりと形が変わり、綺麗にブラジャーが盛り上がったのが分かった。今日は完全にお互いが同意の上なのだから、どのようにもできる。しかし、そう思うと却って迷ってしまった。

「菜摘ちゃん、今の気分は?」

「あぁん、そんな事言わないで・・・・・・。ドキドキしてる」

「今日はどんなふうにして欲しいの?この前と一緒が良い?」

「パパ、こういう時に女の子に聞くなんて・・・ちょっとサイテー」

「ごめんごめん、それじゃ、任せてくれるね」

菜摘は返事をする代わりにすっと目をつぶった。

「・・・・うん」

菜摘は晃一の手に意識を集中した。

晃一は菜摘の様子から全て任せてきたことを確認すると、ゆっくりと制服のジッパーを下げて大きくはだけ、上半身を露わにした。既に下着姿は3回目なので菜摘の身体のラインは見慣れてきているが、やはり何度見ても美しい。今日の菜摘は薄いピンクのブラジャーで、カップは上半分が少し小さめになっており、綺麗に膨らみのカーブが現れている。菜摘の持っているブラジャーの中では一番大人っぽいデザインだった。

晃一は指を丁寧に這わせながら菜摘の身体に火を点けていく。菜摘の身体はどんどん反応を強くし、軽く足も擦り合わせ始めている。

「あう・・・・うっ・・・・・ううっ・・・・パパ・・・・うぅぅ・・・くぅっ・・・」

菜摘の身体はどんどん感じ始めているようだが、晃一はブラジャーの上からでも乳首の辺りには一切触らない。それは菜摘の身体がどんどん感じている時には不要な愛撫だ。ここを取っておけば後で菜摘を徹底的に焦らす時に都合がよい。晃一は乳房を指先で可愛がるだけでその先には進もうとしなかった。

「ああん、パパぁ・・・あうぅん、はぁぅ、パパぁ・・・・ああん・・・」

菜摘の声が次第に焦れったいものになり、先に進みたがっていることを伝えてきた。もちろん、菜摘自身もそれに気付いていた。菜摘は早く晃一が先に進んでくれないと、身体どんどん我慢できなくなってきているので、また恥ずかしいおねだりをしてしまいそうだと思った。だから晃一には早く先に進んで欲しかったのだ。

「菜摘ちゃん、感じてきたんだね」

「うん」

「嬉しいよ。それじゃ、次はこっちだね」

そう言うと晃一はスカートをそっとまくり上げた。ブラジャーとおそろいの薄いピンクのセミビキニのパンツが見えた。高校生にしてはかなり大胆なデザインで、完全に男に見せることを意識したデザインだ。以前、買っては見たものの、ほとんど身に付けていなかったものだった。

「あっ」

菜摘は一瞬、手でスカートを押さえたが、晃一はその手を優しく外すと、菜摘の足を開いてパンツの上から秘唇の上辺りを優しく愛撫し始めた。

「ああぁぁっ、それをされたら・・・ああんっ、いきなりそっちはぁっ・・・あんっ、あう・・・ううっ、はうぅっ・・」

菜摘は晃一の興味が胸から秘部に移ったことで、更に感じながらもじれったさを募らせた。菜摘としては、あのままブラジャーを外して乳房を可愛がって貰えると思っていた。乳房はまだたっぶりと予感を与えられただけで、感じる所は全然愛されていない。

「ああんっ、パパぁっ、もうそっちをされたらぁっ、ああぁんっ、はうぅぅ、あん、あん、身体がぁ、あぁんっ・・・・あうぅっ、はうぅっ」

菜摘は何回か足を閉じたが、そのたびに晃一に優しく足を開かれ、次第に足を開いたまま感じることを覚え始めた。ただ、ベッドの上と違って服装が気になるだけに足を開いたままじっと感じるしかないので、感じてはいても夢中になれない。しかし、身体はパンツの上からの愛撫でも感度を上げてきて我慢できなくなってくる。

「パパぁ、この格好はいやぁ。もっと優しくして」

菜摘は更に先を望んだ。

「もっと感じたい?」

「・・・・うん、焦れったいの・・・」

菜摘は恥ずかしそうに言ったが、さすがに早くベッドに行きたいとは言えなかった。それを言ってしまって『もう我慢できなくなったの?』と言われるのが怖かったのだ。

「それじゃね、ちょっと感じさせてあげる」

晃一はそう言うと、右手を菜摘のパンツの中にそっと差し込んだ。

「あんっ」

菜摘はいきなり手を入れられて驚いたが、それ以上は何も言わなかった。最早我慢できなくなっていたのだ。晃一の指は菜摘の茂みの上を通り越すと、既に奥から濡れ始めている秘唇の中に中指を少しだけ差し込んできた。

「いきなりそれをするぅ」

菜摘はそう言ったが、全く嫌がらなかった。奥まで一気に指を入れられたわけではないので痛みもない。

「そうだよ。まず指でちょっと感じさせてあげるね」

そう言うと晃一は指先を微妙に動かして愛撫する場所を探り始めた。

「あっ、あっ、あうっ、はうぅっ・・・」

菜摘は晃一の指が、秘核の近くの微妙な位置を探り始めたことに気付いた。晃一の指は菜摘の秘核の近くを探り当てると、ゆっくりと動き始めた。