第99部


 「どう?不安定じゃない?」
「・・・・大丈夫・・・・」
「電話、できる?」
やはり何度受け入れても大きい。身体の中に巨大な肉棒がずっぽりと入っていると感じる。すると、身体の中からじわじわと快感が沸き上がり始めた。ぐずぐずしている時間は無いと思った友紀は晃一の言葉には応えず、携帯を耳に当てると菜摘を呼び出すことにした。
その少し前、菜摘と麗華の話は佳境に入っていた。麗華がどうしても聞いてみたかったことを菜摘が話し始めた。
「分かったわ。教えてあげる。でも、絶対みんなには内緒よ」
「OK」
「それで、何を聞きたいの?」
「何がそんなにおじさまの魅力なの?」
「そんなこと?」
「そんなことって、ナツも友紀も夢中じゃない?どうしてそうなるの?相手はおじさまだよ」
「麗華も話してみて分かったでしょ?何か感じなかった?」
「そりゃ、なんて言うか、大人って言うか、安心感て言うか・・・」
「そうでしょ?あの気持ちは高校生の彼じゃ無理よ。安心して甘えられるし、学校とは別だから全然関係無いし・・・」
「それはそうかも知れないけど・・・・」
「もしかして、アレも凄いから?」
「それは、確かに結構スッゴイし・・・・」
「そうか・・・・そう言うことか、安心しきって甘えながら最高にしてくれるってことか・・・」
「麗華もして貰えば分かるわよ」
「アタシが???ナツ、あんた、良いの?本当?」
麗華は驚いた。菜摘からそんなことを言うとは想像できなかったのだ。自分の好きな人に抱いて貰えなんて普通の感覚では言えるはずが無い。
「だって、今の私はどうこう言える立場じゃ無いでしょ?私がって言うより、もしそうなったらって話」
「ははぁん、あんた、私をおじさまにくっつけて、反動で友紀からおじさまを離そうとしてるね。それはだめだよ。その手には乗らないからね」
「でも友紀、来週きっと告られるよ」
「誰に?」
「3組の田中」
「そうか、あいつか・・・・うん、あり得る、あり得るよ、それは。確か、6組の・・・」
「そう、水野と別れて2ヶ月。バタバタしたみたいだけど、そろそろ気持ちの整理が付いて次に行きたくなる頃」
「高木に聞いたの?」
「うん、私と友紀が仲良いの、知ってるから」
「ありゃ、水野の方が悪いんだったよね」
「そう、大学生の家庭教師といちゃついてるところを目撃されて、バレた勢いでそのまま家庭教師と本当にできちゃって、後はどっちとも喧嘩別れ・・・」
「それじゃ、田中としては出直しで気合いが入っているわけだ」
「そう、友紀だってそのことは知ってるんだから、きっと今、田中に告られれば友紀だって簡単には断れないと思うよ。もともと人気はあるんだし」
「そうか、でも田中は友紀に彼が居るって知らないんだろ?」
「うん、そうみたい」
「あんたから高木には話してないんだ」
「うん、そう言う雰囲気じゃ無かったから・・・・・。それに高木は男子のことはよく話してくれるけど、女子のことはあんまり聞きたがらないの」
「それだけ?友紀と田中をくっつけたいと思わなかった?」
「それは・・・確かにちょっとくらい思ったけど・・・・でも」
「そう、それは友紀が決めることだからね」
「そうよ。それより心配なのは麗華の方よ」
「ほう、自分からくっつくように仕掛けといて今度は心配してるわけ?」
「そう。だって強敵だもん」
「何考えてんだか。安心しな。確かに気にはなってるけど、それだけだから」
「そうなの?それだけ?」
「そうだよ。おじさまって言うのに興味が無いわけじゃ無いけど、私のキャラじゃ無いな」
「そうなんだ」
その言葉には明らかに安堵感があった。麗華はそれに気が付いたが、取り敢えず受け流した。
「まぁ、ナツや友紀みたいにどっぷり夢中になってみたいと思ったりはするけど、そう言う恋愛って長続きしそうに無いし」
「そうかなぁ・・・・」
「そうだよ。少なくともアタシにはね。それにアタシは今、もう一回会うかどうか悩んでるんだから、それどころじゃないよ」
「もう一回、会うんだ」
「だから、それを悩んでるの。でもそれは、ナツに相談に乗って貰ったから。ありがとね。奢った甲斐があったってもんだ」
「それはどうも」
「はいはい、これで私の恋の話はお終い。後はナツに教えて貰わないと」
「まだなにを?」
菜摘が不思議そうに聞くと、麗華はグッと菜摘に顔を近づけてにやっと笑った。
「ねぇ、おじさまのっておっきいんでしょ?そんなに凄いの?」
「っ!!」
菜摘はここでそれを聞かれるとは思わなかった。慌てて取り繕おうとするが、良い返しが見つからない。一気に顔が真っ赤になったのが自分でも分かった。そこに麗華がたたみ掛けてきた。
「あんた、高木ともしてるんだから分かるだろ?どうなの?」
「それは・・・・・・・・」
「ほう、なんだい?」
今や麗華は完全にいつもの麗華に戻っていた。じっくりと聞き出すつもりのようで、さらに菜摘に近寄ってきた。菜摘は観念した。こうなるとどうにもならない。白状するしかなさそうだ。
「あのね・・・・」
「だからなあに?」
「これは私の個人的な感想だからね。他の人はどう思うか知らないからね」
「わかってるさ」
「それに、絶対みんなに内緒だよ」
「あぁ、さっきの私の話と一緒だ。アタシとナツだけの話。それで良いだろ?」
そう言われては逃げ場がない。
「わかったわよ・・・・うん、パパのは凄かった・・・」
「それって、大きさなの?テクニック?」
「両方」
「両方か・・・・。高木のは全然だめだった?そっちから聞かせてよ」
「そんなこと無い。最初は結構感じたもん。優しかったし、それに・・・・」
「そうだよな。気持ちさえあれば感じるもんね。でも、まだあるの?」
「・・・・あのね・・・・とっても固いの・・・・パパみたいにおっきくないけど固いの・・・」
「若さだね」
「それに、パパと違って終わってからも直ぐに何度でもできるし・・・」
「ははぁん、若いから回復力もあるんだ」
「そう、時間は短いけど、回数が凄いの」
「最初、何回した?」
「わかんないけど、5回くらいかな?」
「向こうが終わったのが?」
「そう」
「それで、ナツはどうだったの?」
「・・・1回かな・・・・ちびっっとだけど・・・」
「ギリギリ1回か」
「みんながあっと言う間だって言ってたのが分かった」
「そうだろ?」
「うん、私、最初がパパだったからそんなもんだって思ってたけど、高校生って時間が短いってよく分かった」
「まぁ、気持ちの問題だからね」
「もちろんそうよ。最初はとっても幸せだったもん」
「それはそうよね・・・」
「麗華はどうなのよ」
「アタシ?」
「そう、ここまで話したんだから聞かせてよ」
「そうね・・・・、私だってみんなと同じさ」
「時間、短いんだ・・・・」
「そりゃ年下だもん。仕方ないよ。こっちがリードしないとね。上になってやっとってとこかな」
「そうよね。私みたいにずっと年上の彼に教えて貰うなんてそんなにないもんね」
「そうさ、だからみんな羨ましいんだよ」
「麗華も?羨ましいの?」
「私だって・・・・・・そうさ、やっぱり羨ましいよ。正直に言えばね。でも、自分で選んだ彼だから文句言うわけにもいかないし・・」
「だからいろいろ聞きたがるのね」
「そうだよ。あんたが羨ましいのさ。おじさまに戻れるかどうか分からないのに今の同級生と別れてでも、そっちの可能性にかけるほど好きだって言うのがね」
「ちょっと引っかかる言い方ね」
「だってそうだろ?」
「良いわ、麗華にだけは教えてあげる」
「なにを」
「私が最初にパパを振ったのは、怖くなっちゃったからなの」
「怖くなった?」
「うん、だって、パパとすると何度も何度もいかされちゃって、自分じゃこんなにエッチじゃなかったはずなのに、どんどん身体の方が欲しがるの。凄いのよ、自分でも驚くくらいに」
「ふぅ〜ん、そんなに凄いんだ」
「そう、気持ちは『もう十分』て思ってるのに、身体はもっともっとって欲しがるの」
「そんなに・・・・。焦らしのテクニックってやつ?」
「そうだと思う。感じ始めてもすぐにはしてくれないでしょ?それだと、身体が欲しがって欲しがってどうにもならないの」
「ねぇ、指で触られただけでいきそうになったって行ってたけど、本当の話?」
「うん、そうよ」
「ちょっと信じられないんだけど・・・」
「とっても上手にしてくるの。本当に気持ち良いんだもん。ぜんぜん乱暴じゃ無くて、私の感じ方を見ながら一番感じるようにしてくれてるみたいなの」
「女の子の身体に合わせて調節してるんだ。高校生には無理よね・・・」
「だから、指だって何だって凄く感じちゃって・・・」
「それで声と息でも、って事か・・・」
「感じたくなってるのに焦らされて、そこに、でしょ?どうにもならないのよ」
「そう言うことか。何となく分かってきたよ。でも、どうしてそこまで我慢させられる訳?」
「それは・・・おねだりしないとしてくれないから・・・・恥ずかしくて・・・」
「ははぁん、男ってみんな一緒だね。女の子に恥ずかしいこと言わせて喜ぶんだ」
「だから、どうしてもギリギリまで我慢しちゃって・・・・」
「完全におじさまのペースに乗せられてるんだね」
「・・・でも、テクニックで身体が気持ちより先に行くっておかしいでしょ?だから、ちょっとパパと距離を置いて自分でもう一度パパのこと、考えてみようと思ったの。そんな時にちょうど高木君から告られたから・・・・」
「何だ、単なる避難場所か・・・」
「そう言われると・・・・・、でも、そうかも知れない。あの時はパパから離れることしか考えてなかったから。だから、高木を好きになろうとしたの。その時は結構本気だったよ」
「でも、上手くいかなかったって事か」
「そう、一回そう言う関係になるまでは良かったんだけど、だんだん悪いところが見えて来ちゃって・・・・」
「フィルターみたいなもんだからね、最初は。恋が楽しくて、素敵な人だって思い込もうとして、良いところばかり見つけるから」
「そうよね・・・・。私、だから正直に謝ったのよ」
「勘違いだったって?」
「まぁ・・・・そんなとこかな・・・・好きな気持ちはあったんだけど、どうしても違うって言うのが消えなくて・・・・」
「それで高木は未練たらたらだったわけだ。そして、ナツも気が付いたってわけだ。おじさまをテクニックじゃなくて本当に好きだったって事が」
「そう・・・・・・好きなの・・・・」
「本気なんだね。今の彼を振って一人になっても、じっと待つだけでも良いって思えるくらいに」
「そう。その方が良い。自分の気持ちに嘘をつくって辛いから」
「やっぱりナツだね。思い込んだら一筋ってわけだ」
「自分でも不思議だけどね・・・」
「ううん、そんなこと無いよ。自分の気持ちに正直になってみただけだろ?何にも悪いことなんてないじゃない」
「そう言ってくれるの。嬉しいな・・・・ありがと」
「こっちこそ。ちゃんとナツは友紀の邪魔なんてしないでじっと待ってるんだから偉いよ。今日はナツの話が聞けて良かったよ。アタシの方が相談に来たのに」
「私も麗華のことが聞けて良かった」
「アタシも気持ちに整理が付きそうだよ。これなら明日、おじさまに会わなくたって良いくらい」
「キャンセルするの?」
「ううん、もう一度会ってみる。相談を持ちかけたのはこっちだし。ちゃんと話しておくよ。心配しなくて良いって」
「うん」
「それに、ナツの話を聞いて、もう一回くらい会ってみたいって言うのもあるしね」
「ふふふ、麗華までパパにメロメロになるかもよ?」
「それはないって。安心しな」
「そうよね」
そう言うと菜摘はにっこりと笑った。その時、麗華は始めて気が付いた。最初に会った時の菜摘の表情は今と全然違う。
「ねぇ、今気が付いたんだけどさ・・・」
「なに?」
「最初は自分のことでいっぱいいっぱいだったから気が付かなかったけど、あんた、今日何かあったの?」
「えっ?」
菜摘は驚いた。マンションのことを麗華に気付かれたかも知れない。
「だって、会った時、あんた凄い顔してたよ。暗くて悲しそうでさ」
「それは・・・・・・」
菜摘は黙り込んでしまった。さすがに麗華といえども話せることではない。
「まぁ良いよ。いろんな事があるだろうしね。ここまで話してくれたんだから」
麗華は自分から話を切り上げてくれた。どうやら話さずに済みそうだ。
「うん、また後でちゃんと話すよ」
「分かった。ありがと。それじゃ私、帰るわ」
「うん、麗華、がんばってね」
「ありがと。ナツもね」
「うん」
そう言うと麗華と席を立つと、菜摘は麗華と別れてバス停の方に向かった。そしてまだ麗華の後ろ姿が見えている時、菜摘の携帯が鳴った。驚いたことに友紀からだった。
『どうしたんだろう?まさか、バレて怒ってきた?』いきなり不安になったが、出ないわけにもいかない。渋々という感じで電話に出ると、
『菜摘?』
といつもの友紀の声が聞こえてきた。その調子からは怒っている感じはしない。少し安心した。
「うん、どうしたの?」
『ううん、どうしてるかと思って』
菜摘はとにかく平静を装って話し出した。取り敢えず、このままだと安心して話せないので一応念を押しておく。