ウォーター

第五百四十一部

 
「わかったよ。そっとするね」
『そっとしなくてもいいのに』
香奈は容赦なく言った。宏一は言い訳さえ許さない香奈の気性の激しさに今更ながら驚いた。本当は宏一が洋惠を引き寄せて始めたことなのだから宏一が悪いのだが、今の香奈は聞く耳を持たない。洋惠がすぐに電話を取らなかったし、宏一が話し始めたときに今はしてる最中だと言わなかったし、または宏一とするのを止めなかったことが気に入らないのだ。香奈はこっそり何かをされるのが大嫌いなのだ。
宏一は制服の中に手を入れて背中に滑らせると、洋惠のブラジャーのホックを外した。その途端、洋惠はぎゅっと脇を締めて抵抗するそぶりを見せた。しかし、洋惠を確実に生かせるのはこれが一番なので、宏一はブラジャーと肌の間に手を差し込んで前へと進めていく。
「・・・だめ・・・・・・いや・・・・・」
洋惠は小さな声で抵抗したが、宏一にはよく聞こえなかった。そして宏一の手が洋惠の乳房をゆっくりと包み込んでいくと、洋惠は更にいやいやをした。しかし、宏一は洋惠がブンブンしてると勘違いした。早くいきたがっていると思ったのだ。早くいって香奈の怒りを解こうとしているのだろうと思った。
「さぁ、感じてごらん」
そう言うと宏一は洋惠の手を包んでいる手をすぼめていき、先端の敏感な乳首を優しく可愛がり始めた。
「はうぅぅーーーーーーーーっ」
洋惠は絞り出すような声を上げて前かがみになり上半身を左右に激しく捻った。それは身体が勝手に動いたのだがブンブンそのものだ。洋惠の身体はギリギリで我慢していたときに膨大な快感を与えられて一気に絶頂に駆け上ろうとしたのだ。宏一は洋恵の乳房をしっかりと掴んだまま、洋恵の上半身を引き寄せた。すると、洋恵は今度大きく仰け反って声を上げた。そして宏一の肉棒がすごい力で締め上げられた。完全に達した。
「はぅーーーーーーーーっ・・・はうぅっ・・はうぅっ・・・・はうっ・・・はうっ」
もの凄い絶頂だった。洋恵は完全に上下の感覚が無くなり、頭の中が真っ白になって何も分からなくなった。香奈は洋恵の絞り出すような声から洋恵が絶頂したことを知った。
宏一は洋恵を後ろから抱き寄せて言った。
「香奈ちゃん、洋恵ちゃんは最高になったよ」
洋恵は宏一に優しく抱きしめられながら息を弾ませていた。しかし、まだ肉棒は深々と刺さったままだ。宏一はギリギリだったが、洋恵が可愛そうな気がして気持ちが入らずいかなかったのだ。
「洋恵ちゃん、疲れたね・・・・・」
「うん、大丈夫・・・・・センセ・・・」
「なあに?疲れてるだろ?何も言わなくていいよ」
香奈が聞いていると宏一が優しく洋恵に話しかけている。洋恵は声になるかならないかといった微かな声でうんうんと頷いている。香奈は洋恵が宏一に甘えている様子から、これでは罰にならない気がして更にカッとなった。そこに宏一が話しかけてきた。
「香奈ちゃん、これでいいだろ?」
『まだよ。もう一回。洋恵、良いわね?』
香奈としては洋恵に思い知らせたいと攻撃的になったのだが、さすがに宏一が割って入った。
「香奈ちゃん、洋恵ちゃんは言うとおりにしたんだよ。絶対最高になった。だから、もう良いんじゃない?それに、帰ろうとして支度まで終わった洋恵ちゃんを引き留めていやがるのに入れちゃったのは俺なんだ。もう許してあげてよ」
『だめよ。洋恵、もう一回。良いわね?』
その言い方から、洋恵はまだ香奈の怒りが解けていないのだと分かった。今は宏一を受け入れてしまった後悔よりも香奈の怒りを静める方に意識が向く。香奈は頼りがいのある優しい友達だが、怒らせるとものすごいことになるからだ。
「うん・・・・・・・・わかった・・・・・」
これには宏一の方が驚いた。
「洋恵ちゃん、良いの?本当に?もういうとおりにしたんだから良いんじゃないの?」
「でも・・・・・まだ香奈が・・・・」
『ほら。洋恵だってそう言ってる。宏一さん、もう一度よ。洋恵、今度はちゃんといくって言いなさい。良いわね?』
「そこまで言わなくても・・・」
『宏一さんは黙ってて。洋恵、その代わり、今後洋恵がどれだけ宏一さんに会おうと私は関係ないし、好きにすれば良い。私も宏一さんを怒ったりしない。それでどう?』
「わかった・・・・・・」
洋恵が小さな声で言った。
『どう?宏一さん、もう一度してあげて。できるでしょ?』
香奈は洋恵と一緒に宏一に抱かれた経験から言っているのだ。宏一は、きっと洋恵の中に出していたとしても、香奈の言うことに違いは無いだろうと思った。
「洋恵ちゃん、それじゃ、前からおいで」
宏一はそう言うと、洋恵から肉棒を抜き去り、洋恵を前から跨がせた。
「そう、ゆっくり、そう、そのまま、いいかい?ゆっくりおいで」
宏一が洋恵を気遣っている様子が香奈の気に障ったが、言うとおりにするのだから仕方ない。少しすると小さな吐息のようなものが聞こえて静かになった。
『宏一さん、どうなの?』
「良いよ。洋恵ちゃんの中に入った」
『それじゃ、もう一回最高にしてあげるのよ』
「分かった」
『でも今すぐはさすがに無理だから、洋恵が最高になるまでもう少し話をしていようか』
「いいよ」
『あのね、もう一つ、相談て言うか、話したいことがあって』
「うん」
宏一は洋恵の腰を引き寄せて肉棒の位置を調整した。洋恵の身体がビクンと反応し、肉棒が感じやすいポイントに当たったことが分かった。更にゆっくりと引き寄せると洋恵の身体が軽く仰け反り、洋恵も腰を絞るように押し付けてくるのが分かった。洋恵はゆっくりとその動きを繰り返し始めた。
『あのね、私のことなんだけど、良い?』
「うん、もちろん」
『こんな時じゃないと聞けないから言うけど・・・・・・・・・・・私の身体ってどう?感じやすいの?入れてると気持ち良いの?』
「ちゃんと答える前に聞くけど、どうしてそう思うの?それを教えて」
『だって・・・・・・・』
香奈も自分のこととなるとさすがに言い難いようだ。しかし、これは香奈が始めた事だ。きちんと話して貰わなければならない。
『私を脱がすまでは・・・・・その・・・・すごい本気って言うか、その気がすごいのに、終わったらなんか、簡単て言うか、こんなのじゃ違うって言うか・・・・なんか、予想外だったって言う気がしてるんじゃ無いかって思って・・。正直に言うわね。私のあそこって気持ち良くないの?』
「でも、それって彼と喧嘩してたとか、その前のことだって関係するだろ?」
『だから聞いてるの。だって・・・・・・もう、正直に言うわ。一人だけじゃないんだもん・・・・・・』
洋恵の息づかいが荒くなってきた。洋恵の身体が熱くなり、腰の動きは更にゆっくりになってきた。どうやら、声を我慢している様子も伝わってくる。そして肉壁はぎゅっと肉棒に絡みついてズリズリとしっかりと扱き始めた。かなりの強さなので、洋惠は必死に声をこらえているようだ。
「分かった。香奈ちゃん、きちんと話してくれてありがとう。香奈ちゃんが話してくれたんだから、俺も正直に言うね」
『うん』
「でも、少し待ってね。これからやることがあるから」
『洋恵?そろそろなの?』
「うん、だいぶ良くなってきたみたいだよ。ね?洋恵ちゃん?」
そう言うと宏一はゆっくりと腰を絞るように動かしている洋恵をグッと引き寄せた。
「はうぅっ」
洋恵は歯を食いしばったが声が漏れてしまった。
『洋恵、そろそろね。どう?気持ちいい?』
香奈の声が残酷に洋恵に響いた。
「くっ、ううっ・・うっ・・・・」
洋恵は何かしゃべろうとするのだが、ギリギリまで来ているのか普通に話せそうにない。
『さぁ、いかせてもらいなさい。声を出しても良いわよ。ちゃんと聞かせて貰うから。宏一さん、最高にしてあげて』
「香奈ちゃん、これが最後だよ。これ以上は洋恵ちゃんは無理だからね」
『分かってる。そんなつもりじゃない。後で言うから。このままいかせてあげて』
何となく香奈の話すニュアンスが違ってきたような気がしたが、宏一とて肉棒を洋恵の中でゴリゴリ扱かれてだんだん余裕がなくなってきている。思わず軽く仰け反って肉棒を突き出してしまった。
「はうぅぅーーっ」
洋恵が堪らずに声を上げた。
「洋恵ちゃん、もう我慢できない?いっちゃいそう?」
宏一が聞くと、洋恵は宏一の首にしがみついてコクコクと頷いた。
「それなら、もう我慢しなくて良いよ。最高になろう。一緒だよ。声が出たって良いでしょ?香奈ちゃんも声が出るの、分かってるんだから」
洋恵が頷く前に、宏一は洋恵の身体を仰け反らせてからかがみ込んでぷくっとした乳房に吸い付くと舌で小さな乳首をねぶる。
「あうぅぅーーーーーっ」
洋恵がはっきりと声を上げると同時に、宏一はもう片方の乳房を揉みながらグイグイと洋恵の腰を引き寄せる。
「ああっ、ああっ、ああっ、だめっ、ああっ、ああっ、もうっ、ああっ、ああっ」
洋恵は乳房を可愛がられながら肉棒をグイグイ押し込まれてどうしようもなく駆け上がっていく。宏一は一切の手加減をせずにそのまま洋恵を押し上げていく。もう少し、もう少しで宏一も終わりそうだ。
しかし、もともと我慢していた洋恵の方が早かった。この体勢で洋恵が勝手にいくのは珍しいのだが、スタートの時点が違いすぎたのだ。
「良いよっ、洋恵ちゃん、もうすぐだっ」
「ああっ、ああぁぁっ、ああっ、あっあっあっ、いく・・はうぅぅうーーーっ・・・・・はうぅっ」
洋恵は我慢できずに先にいってしまった。
「はうっ・・・・・はうっ・・・・・ううっ・・・・うっ・・・・・」
しかし、洋恵が先にいってしまったとしてもギリギリまで来ていた宏一も我慢できない。洋恵を貫いて抱きしめたままごろんと横に回って正常位に移った。
「洋恵ちゃんっ、このまま出すよっ」
宏一は肉棒をグイッグイッと押し込んで洋恵の最高の締め付けを楽しみながら放出へと進んでいく。香奈は声の聞こえ方が変わったので態勢を入れ替えたのだと気が付いた。
「ああっ、ちょっと待って、まだ、ああっ、センセっ、まだ、ああっ、あっ、ああっ、ああっ、また、ああっ、ああっ、またぁっ」
最初だけ嫌がった洋恵も直ぐに夢中になって宏一の首にしがみついてきた。座位で貫かれた姿勢のまま横になったので洋恵の足は既にM字になっている。洋恵は足の裏で宏一の腰を挟むと、両足を全開にして宏一を迎え入れ、声を上げた。もう香奈のことは頭から消えていた。
「ああっ、センセっ、ああっ、深いっ、ああっ、あうぅっ、だめ、また、ああっ、ああっ」
「一緒だよ。良い?一緒だよっ、洋恵ちゃん、ああっ、出すよ。ああっ、ほうらぁぁっ」
「はうぅぅーーーっ」
二人はほぼ同時に果てた。宏一は二度目にしてはかなり多めの精を洋恵の奥に注ぎ込み、洋恵は温かいものが満ちてきた感覚と同時に全身を痙攣させた。
「はうっ・・・ううっ・・・・・ううっ・・・・・うっ・・・・」
二人の激しい交わりの声を香奈は耳まで真っ赤にして聞いていた。そして途中からこの前のように洋恵が羨ましくなってきた。洋恵の宏一への信頼は絶大だ。本当に身体の全てを差し出している。香奈は洋恵の声を聞きながら『いくら好きだからって、こんなに全てを忘れて夢中になれるものなの?』と思った。そこまで考えて、自分もかつて宏一に夢中になって愛されたことを思い出した。あの時は確かにすごかった。香奈はその時を思い出すと身体が熱くなってきた。
やがて静かになった二人に香奈の声が響いた。
「洋恵、終わった?」
「・・・・・・うん・・・・・」
宏一は先ほどと同じく、肉棒を抜くと洋恵の口に持って行った。
『洋恵、ありがと。無理聞いて貰ったね。実はちょっとむしゃくしゃしててさ、洋恵に当たっちゃった。ごめんね。ちゃんと私に断ってから行ったんだから洋恵は何にも悪くないのに・・・・・。実はさ、『わざわざ会って相談してるのに、こんなアドバイスじゃ何にもならない』とか言われてさ。本当にごめん』
香奈の声がスピーカーから聞こえていたとき、洋恵は先ほどと同じように宏一の肉棒をしゃぶっていた。
「ううん・・・・・んんんー」
今度は肉棒が完全に小さくなるまで滲み出してくる残滓を丁寧にしゃぶり取っていたので返事が少し間延びした。もちろん香奈には分かったはずだ。
「それじゃ香奈ちゃん、もう許してくれるんだね」
宏一が確認した。
『許すも何も、八つ当たりしたのは私だから。洋恵だってたぶん、分かっててOKしてくれたんだろ?洋恵、そうだろ?』
「・・・うぅん・・・そぉだと思った・・・・・」
洋恵は肉棒をしゃぶりながら返事をしたので少し声が変だったが、香奈はもう突っ込まなかった。
『やっぱりね。宏一さん、洋恵は私が八つ当たりしてるのが分かってて声を聞かせてくれたんだ。だから、今度は私が洋恵にお礼をしなきゃいけない』
「お礼?何をするの?」
『それは洋恵にしか言えないけど、きっと洋恵のためになるし、洋恵も喜んでくれると思う。真剣にお礼するから。洋恵、ありがと』
「今言わないの?」
『うん、後で洋恵に直接会って言うよ。洋恵、ありがとね。バイバイ』
香奈はもう一度そう言うと通話を切った。
洋恵は肉棒が小さくなるまで残滓をしゃぶると、ニッコリ笑ってからベッドから出て身支度を調えた。実は洋恵は、本当は少しだけ宏一とのセックスを自慢したい気持ちがあった。香奈に宏一と会う許しをもらいに行ったとき、香奈はもう宏一に合う気が無いと言ったが、その宏一の素晴らしさを自慢したい気持ちがあったから声を聞かせたのだ。ただ、それは誰にも言う気は無かった。
宏一はヘトヘトになるまで疲れさせたお詫びに、洋恵を大通りまで連れて行ってからお金を握らせてタクシーに乗せた。
宏一はそのまま部屋に帰る前に回転寿司とコンビニビールを買い込んで部屋に戻ると、一気に食べて飲んでからぐっすりと眠った。まだ8時を回ったばかりだったが、宏一は朝まで起きなかった。


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