「それって、面白いですか?」
「面白いって言うか、でも好きな仕事だから楽しいこともあるよ。特にいろんな人に会えるのが楽しいかな」
「人に会うのが楽しいの?」
少し緊張が解けてきたのか、葵の口調が砕けたものになってきた。宏一は丁寧な口調よりこっちの方がすきだ。
「うん、凄くね。いろんな人がいろんな事を知ってるし、個性によって話し方も違うしね」
「はい・・・・・・」
「それに、この仕事だと、俺一人でいろんな事を決めてやっていけるから、面倒な会社の上司とかは居ないしね」
「はい・・・・・・・」
「そうか、葵ちゃんに会社の上司って言ったって良く分かんないよね」
「ごめんなさい」
「謝らなくたっていいよ。まだ中学生なんだから。葵ちゃんから聞きたいことはある?」
「その仕事、外国にも行くの?」
「うん、依頼があればね。俺は基本的に社員じゃなくて、派遣会社に登録して俺を希望する会社に呼ばれて仕事をする派遣なんだ。」
「どんな国に行ったの?」
「うーんとね、仕事で行ったのは、アメリカ、メキシコ、中国、ベトナム、ドイツ、フランス、イギリスって感じかな?」
「そんなにいっぱい?」
「実は、日本の会社の仕事で行ったアメリカの会社があちこちの国に事務所を持っていて、そのアメリカの会社の依頼であちこち行ったんだ。だから仕事の依頼元は一つなんだけどね」
「それで英語ができるの?」
「うん、まぁ、英語は大学時代にアメリカ人の友達が居たから英語は使ってたけどね」
「英語以外は中国語もできるって・・・・」
「うん、そうだね。中国で仕事している間に覚えた」
「外国語ができるのって楽しいの?」
「もちろん、いろんな人と話すのは楽しいよ。ぜんぜん違う文化を持った人達だからね」
「そうか、いろんな人と話すのが好きって言ってたっけ」
少しだけ雰囲気が和らいだ気がした。宏一の目の前に座っている葵の服装を改めて見てみたが、やはりピシッとしたクラス委員といった感じで、全然隙が無い。見るからに優等生だ。葵の身長は由美より少し高いくらいだが、由美のようにかわいい系ではなく、どちらかと言うと結衣に近い美人系だが、スラッとした結衣よりも大柄に見えるし、一見して賢そうというか、はっきり言えばきつい感じだ。
「うん、メンタリティって言うか、ありがとうとかごめんなさいとか、そういう感じは世界共通だけど、その表し方とか会話とかは国によっていろんな文化による違いがあって面白いよ」
「ふうん、もっと話して」
余り外国の話に興味を持たない洋恵と違って、葵は積極的に話を聞きたがった。これだけ興味を持っているのだから、留学とかも考えているのかも知れない。
「俺の話はいくらでもするけど、俺にも葵ちゃんのことを教えて」
「私のこと?何を聞きたいの?」
急に葵は構えた感じになった。
「もし、聞かれたくないこととか、言いたくないことがあったらそう言ってね。なるべく葵ちゃんの嫌がることは聞かないようにするから」
「そんな風に言われると・・・・・・」
葵はデリカシーのない言い方だと思った。それでは、まだ何も聞かれてないのに、最初から回答を拒否して居るみたいだと思った。
「うん、家は洋恵ちゃんの近くなの?」
「ううん、ぜんぜん違う。小学校も違うもの」
「そうか、洋恵ちゃんとはそんなに仲良しじゃなかったんだね」
「仲良しじゃないって言うか、親しくはなかった・・かな。一年生の時は同じクラスだったけど、あんまり話したことはなかったから」
「それで、今回のことは洋恵ちゃんが葵ちゃんに家庭教師を付けないかって言ったの?」
「・・・・・・そう。洋恵から」
「それを聞いて、どう思った?」
「意味がわかんなかった」
「それで、どうしたの?」
「洋恵に聞いた」
「それで?」
「なんとなく、わかった」
「何て言ってたの?」
「それは、私からじゃなくて洋恵から聞いて」
葵はきちんと話を分けた。これは確かに宏一が洋恵に聞くべきなのだ。
「そうか、分かったよ。今度洋恵ちゃんが来たら聞いてみる」
「洋恵は良く来るの?」
「続けて来たり、しばらく来なかったり、いろいろだね」
葵はそれを聞いて洋恵の話を思い出し、『最近は来てないって事なんだろうな』と思った。そして、頭の中では香奈が言っていたことを思いだしていた。同級生の女の子の中では姉御肌で絶大な信頼をみんなから得ている香奈でさえも洋恵から宏一を取ろうとしたと言うのは、葵にとってもちょっとショックだった。確かに目の前に居る大人はステキな感じではあるが、同級生から横取りしてまで手に入れたいと思うだろうか?そんなことをすれば、学校でどうなるのか分かりきっているのに、と言うのが葵の正直な感想だった。
しかし、宏一の話を聞くのは面白い。生の外国の話など、なかなか聞くことが無い葵にとって、宏一は外国に開いた窓なのだ。
「葵ちゃんは外国に行ってみたいと思う?」
「うん、いきたい」
「それなら、高校になったら留学とか考えてる?」
「そう、考えてる。短期留学か長期かは分からないけど、してみたい」
「ふうん、どこに行きたいとか、あるの?」
宏一は聞きながら、きちんと自分なりに将来のことを考えているなんて、やはり女の子は大人だな、と思った。
「やっぱりアメリかかな?」
「そうなんだ」
「違うの?宏一さんはアメリカじゃない方が良いって思うの?」
「ううん、今はオーストラリアとかニュージーランドとかに行く子も多いって聞くから。葵ちゃんはアメリカなんだね」
「そう、オーストラリアは季節が反対だもの。夏休みに行ったって、寒くて外に出られないなんて嫌だから」
「確かにね。それじゃ、アメリカって広いけど、どこに行きたいの?」
「宏一さん、オススメとかある?」
だんだん葵の口調が気取らない感じになってきた。葵は自分で話していて、一昨日会ったばかりなのにこんな話し方をする自分が少し不思議だった。
「そうだなぁ、どんな風に過ごしたいかって問題だと思う。西海岸、つまりロスアンゼルスとかなら周りにおんなじように来ている日本人がたくさん居るから、きっとそんなに不自由なく過ごせると思うんだ」
「LA?それは嫌」
「え?どうして」
「だって、日本人の友達を作りに行くんじゃ無いもの。アメリカに行ってまで日本人と話すなんて無駄だと思う」
「偉いね。実は俺もそう思うよ。それと、ロスアンゼルスをLAって言うのは日本人の癖だけど、アメリカ人には通じないことが多いからね。覚えといて。都市がたくさんあるのにアルファベッド2文字じゃ多くの都市を表現できないから、普通は3文字使うんだ」
「はい、・・・・それならどこが都市が良いの?」
「アメリカの伝統に触れたければ東海岸。自然に触れたければ中西部かな」
「東海岸て、どこ?ニューヨーク?」
「ニューヨークもそうだけど、ボストンとかワシントンDCとかフィラデルフィアとか」
その日はそんな話で二人は時間を潰した。そして、9時になる頃、葵は帰って行った。
葵が帰ってから、宏一はこんな過ごし方で良いのだろうか?と思った。しかし、それは次第に分かることだろうから、今は静かに葵と話しているのが良いのかも知れないと思った。
翌日、宏一は朝から暇だった。時々こう言う事がある。今日は打ち合わせに外回りをする必要も無いし、館内の工事も順調で、時々業者が部品を取りに来るものの、特に工事でのトラブルも無かった。ただ、さとみは在庫をチェックしたり伝票を持ってあちこち行ったりして忙しそうだった。宏一は昨日のことを謝ろうかと思ったが、会社で謝るとまたさとみに睨まれそうなので、メールを一つ送った以外は静かにしていた。
その他、工事管理に関する社内の打ち合わせはあったが、工事の進捗状況管理がきちんとできているので何も言われなかった。こう言う時はのんびりとカフェで時間を潰してから由美に会いに行くかと思って時間通りに会社を出た。定時ジャストに先に帰ったさとみも予定があるのか、何も言わなかった。
しかし、宏一がいつものウィークリーマンションに向かっているとき、さとみからラインが入った。最初の行に『埋め合わせの件』と明記してある。宏一はドキッとして二行目以降を一気に読んだ。
『宏一さん、埋め合わせの件ですけど、金曜日の夜は空いてますか?しっかり埋め合わせて欲しいんですけど?』
宏一は直ぐに返事を送った。『ごめん、金曜日は予定があってダメなんだ。土曜か日曜ならどこにでも、何でもするけど、どうかな?』
すると、しばらくしてから返事が来た。『その言葉、しっかりといただきました。それでは、土曜日はランチからお願いしますね。夜は泊まっていって』
『待ち合わせはさとみさんに合わせるから指定して。どこに行きたいか、教えてくれれば手配するよ』
『予約とかは要らない。合ってから話すから』
『了解。楽しみにしてる』
『よろしく・・・』
最後の転々が少し気になったが、ここでこれ以上気にしても何も良いことはない。宏一は土日まで埋まってしまったことと、由美を泊めたら、さとみとの待ち合わせのために午前中に由美を部屋から出さなくてはいけないことが気になった。それと、さとみが泊まっていって欲しいという理由も少し気になる。しかし、これもなんとかなるだろうと思って頭を切替えた。
そして宏一がいつもの部屋に着くと、由美がニコニコして玄関まで飛んできて宏一に抱きついてきた。
「おぉっ、元気だね。何かいいことあったの?」
「はい、宏一さんのおかげです。嬉しかった」
由美は宏一の胸でスリスリしている。
「どうしたの?話してよ」
「はい、でも、もう少しこのまま」
由美は更に何度もスリスリしてから顔を上げると、今度はキスをしてきた。そのまま宏一は由美を抱きしめて項へと唇を這わせていく。
「はあぁぁぁぁぁぁ、ダメで、その気になっちゃいますぅ、我慢できなくなりますぅ」
「どうするの?また勉強してからにする?」
「ああんっ、勉強も教えて欲しいのにぃ」
「それじゃ、先ずは勉強だね」
「いじわるですぅ」
由美は悪戯っぽく睨むと、ちょこんと椅子に座った。もちろん、勉強を始めれば途中からどうなるかは分かりきっている。由美は『今日はどれくらい焦らされるの?』と思った。
宏一は由美を座らせると、後ろから耳元で囁いた。
「ねぇ、それで、どうだったの?英語の勉強の成果は?」
由美はくすぐったそうに首をすくめながらも、笑顔で話し始めた。
「宏一さんに教えてもらったとおりでした。主語が複数だって事に気が付くかどうかがポイントで、私、グループの代表で発表したんですけど、きちんと説明して正解を出せたのは私のグループだけで、みんなとっても喜んでました」
「やっぱり」
「それで、先生に聞かれたんですけど、こう言う分かりにくい主語がどうして見分けられたんだって。それで私は無理に訳すと意味が分からなくなるから見直しましたって答えたんです。そうしたら、そうやって何度も同じ部分を分かるまで読み返すのが大事だって褒めてもらいました」
「由美ちゃん、そしたら英語が好きになったかな?」
宏一はそう言いながら由美の脇から手を入れてお気に入りの膨らみを掌の中に収めた。由美は素直に受け入れながらも、甘えた声を出した。
「ああん、まだですぅ。もっと話したいですぅ」
その声に、宏一はまだ由美を褒めていなかったことに気が付いた。
「うん、由美ちゃん、よく頑張ったね。きっと家でも復習したんだね。偉いよ。大好きだ」
「嬉しいですぅ。帰ったときは疲れてて、眠っちゃいそうになったけど、がんばりました。だからご褒美が欲しいですぅ」
宏一はゆっくりと掌の中の膨らみを揉み回し始め、項にツツーッと唇を這わせる。
「どんなご褒美が良いの?」
由美はそれを首筋を宏一に差し出してたっぷりと味わった。
「それは・・・・・・まだ言えません」
そこで宏一はわざと意地悪した。
「それじゃ、今日はもう英語の勉強は良いのかな?」
その途端、由美がピクッとした。
「それとも、早くベッドで由美ちゃんが大好きなお勉強をする?」
「私が好きなお勉強って・・・・・・」
「最初ドキドキして、だんだん気持ち良くなって、最後には我慢できなくなって恥ずかしいおねだりをしちゃうお勉強だよ」
「そのお勉強は・・・・・」
由美はなんと言って良いのか分からなかった。宏一の言い方が余りにも失礼な気がしたからだ。だから宏一が言ったのを訂正したいとも思うが、結局同じ事なのだから訂正する必要は無い気もする。
そうしている間に、だんだん乳房が反応して焦れったくなってくると同時にボーッとなって身体が熱くなってきた。由美はしばらくどうしようか考えながらも、自然に乳房の感覚に身体を任せてしまった。
「どっちのお勉強が良いの?」
「どっちも」
「どっちもしたいの?どっちが先が良いの?」
「それは・・・・・・・・・・・・・」
「どうする?どっちからお勉強する?」
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