第 82 部

             

            幸一は久美の横に身体を伸ばすと、ぐったりと俯せになったままの久美をそっと抱き寄せた。

            「あう・・・・・」

            「まだ痛いの?」

            「まだ・・・はぁ、はぁ、はぁ、・・・敏感になってるの・・・・・・」

            「こうしててもいい?」

            「そっと・・・・抱いてて・・・・・はぁ、はぁ・・・はぁ、はぁ、はぁ・・」

            幸一はそのまま少しの間、何も言わずに静かに久美を抱いていた。久美は自分があんなに感じるとは思っていなかったので、その精神的なショックも大きくて少しの間、どうして良いのか分からなかった。幸一の手が乳房に伸びてきた時までは覚えているが、そこから先が良く分からない。猛烈に感じたのは確かなのだが、記憶がはっきりしないのだ。

            「幸一さん・・・・」

            「少しは大丈夫になった?」

            「はい・・・・・でも・・・・・・・」

            「どうしたの?」

            「良く覚えてないの。夢中になっちゃって・・・・」

            「感じてくれて嬉しいよ」

            「私、嫌がってた?」

            「ん?どうして?」

            「なんか、『イヤイヤ』って言ってたような気がするの」

            「そうだね。でも、可愛かったよ」

            「分かんないの。どうして自分でそう言ったのか」

            「そんなものなんじゃないの?俺は夢中になってくれたことの方が嬉しいよ」

            「怒ってない?」

            「俺が?どうして?」

            「ううん、良いの。幸一さんが何とも思って無いなら」

            「凄く気持ち良かったんだ」

            「気持ち良かったって言うか、良く分かんないの」

            「気持ち良かったのも覚えてないの?」

            「うん・・・・・・・」

            そこの所だけ久美はウソをついた。ただ、素直に認めたくないという気持ちがあったのかも知れない。自分が暴走してしまったなんて・・・。

            「そうか、それじゃぁ、他の方法で感じさせてあげないとね」

            「幸一さん、私、こうやって抱いて貰うだけでもとっても嬉しいのよ」

            「俺もこうやって久美ちゃんを抱いていられるのが嬉しいよ」

            「だって、今週はいろんな事があったから」

            「そうだったね。ルポライターにつけられたりしたんだものね」

            「そう、それと毎田さんや山崎さんにも会ったし」

            「久美ちゃんにしては大冒険だったね」

            「まだ信じられないの。私がオーナーになるなんて・・・・」

            「そうだね。俺もびっくりしたよ。知ったのは一昨日だもの」

            「ねぇ、幸一さん」

            「ん?」

            「オーナーってなあに?」

            「会社の持ち主だよ」

            「どうしてそのオーナーになるのにいろんな人にあったり、挨拶したりしなくちゃいけないの?」

            「それはね・・・・・・・・・」

            幸一は頭の中を整理する間、久美をもう少し抱き寄せ、すべすべの背中から乳房の始まる辺りを何度も愛撫した。

            「あん、幸一さんたらぁ」

            「良いかい久美ちゃん、久美ちゃんは未成年でしょ?だからまず、山崎さんが久美ちゃんの後見人になって、それからオーナーになるんだ」

            「どうして?」

            「だって、久美ちゃんはオーナーの持っている会社の株を買うお金がないでしょ?」

            「そう・・・・・」

            「だから、まず久美ちゃんがお金を借りて、そのお金で山崎さんから株を買い取る必要があるんだ。その為のお金を貸してくれる人に挨拶して回ってるんだと思うよ」

            「そうなんだ。全然知らなかった。だって、いつも挨拶するとみんな山崎サントばっかり話をするから」

            「久美ちゃんがお金を借りる保証人に山崎さんがなっているんだね。つまり、久美ちゃんの借りるお金は山崎さんが返済を保証していますって言う意味だよ」

            「それじゃ、私が返せなかったら山崎さんが払うの?」

            「そうだよ。だから久美ちゃんがお金を返せるまでは、実質的に会社は山崎さんが見ることになると思うよ。そうしないと危なくてお金なんて貸せないよ」

            「そうなんだ・・・・、だから・・・・・」

            「どうしたの?」

            「ううん、山崎さんが『これから長いつきあいになる』って言ってたから」

            「そうだね。久美ちゃんが大学を卒業して、働き始める位までは山崎さんが実質的にはオーナーだね」

            「幸一さん、私と英二が学校に行くだけのお金、貰えるの?」

            「もちろんだよ。久美ちゃんの借金はそんなのとは全然違う額だから」

            「いくらなの?」

            幸一は考えた。額を教えても良い物かどうか。

            「それは、久美ちゃんがオーナーになったら自分で調べればいいじゃない。でも、その数字を理解するには一生懸命勉強しないとダメだよ」

            「はい、分かりました」

            久美はそう言うと、細い身体を幸一に少しすり寄せた。

            「ねぇ、久美ちゃん」

            「なあに?」

            「久美ちゃんは今回のこと、どう思ってるの?」

            「う〜んとね、最初は変な人がつけてきたりして、何か分けの分からないことが起こってて怖かったの。でも、山崎さんに話を聞いて何か少し分かってきた気がする」

            「そうか、ひょっとしたら久美ちゃん自身は、本当はオーナーになるのはイヤなのかも知れないと思ったものだから」

            幸一はそう言ったが、本心は久美が幸一の手の届かない所に行ってしまうのが寂しかったからだ。

            「ううん、嫌じゃない」

            久美ははっきりと言い切った。

            「だって、私にはお父さんが残してくれたものだって思えるから」

            「柳部長が?」

            そう幸一が言ったので久美はハッとした。幸一は全てを知っているわけではないのだ。山崎からもこの件については余り口外しないように言われている。

            「ううん、なんでもない」

            「どうしたの?」

            「ううん、幸一さんに迷惑がかかるかも知れないから」

            「俺に?」

            「そうなの。これにはいろいろ理由があって、山崎さんとお父さんの間での約束があったみたい」

            「そうなんだ。山崎さんは最初から柳部長に株を譲るつもりだったのか」

            幸一の推測は正確ではなかったが、久美は敢えて訂正しなかった。

            「うん」

            久美は短くそう答えただけだったが、幸一には久美が何か隠していることが分かった。しかし、久美がそう言うのなら仕方ない。

            「久美ちゃん、力になれることがあれば何でも言ってね」

            「幸一さん、私、こうしているのが一番幸せなの」

            「本当?」

            「そう。今日、ここに来るのがとっても楽しみで仕方なかったの」

            「そうか、良かった」

            「幸一さん、お願いがあるの」

            「なあに?言ってごらん」

            「私たち、まだこのままでいられる?まだここに来ても良い?」

            「もちろんだよ。久美ちゃんが来てくれる限りこのままだよ」

            「本当?私のこと、鬱陶しくない?」

            「そんなことはないよ。俺の方が心配したんだよ。久美ちゃんはオーナーになるんだから俺のことなんかどうでも良くなったかなって?」

            「どうして?私が?幸一さんを?何故?」

            「だって、いっぱい偉い人達と会ったりして・・・・・」

            「だから幸一さんにこうやって貰いたいの。凄く緊張するし、寂しいし、疲れるんだから」

            「そうなんだ。俺、よく知らないから。オーナーのこと・・・・」

            「だって、幸一さんに支えて貰わなかったら私は絶対高校にだって行き続けられなかったし、山崎さんにだってきっと会えなかった」

            「そうかな・・・??」

            「それに、・・・・・あの・・・・・」

            久美はちょっと迷ったがはっきりと言うことにした。

            「幸一さんから貰うお金で今も暮らしているの。あのお金がなかったら今だって直ぐに生活が壊れちゃう」

            「そうなの?山崎さんがくれて無いの?」

            「まだなんにも貰ってない。お金持ちみたいだから、もしかしたら言えばいいのかも知れないけど、今だって幸一さんのお金で暮らしているの」

            「そうなんだ。てっきり山崎さんが面倒を見てくれてるんだとばかり思ってたよ」

            「ううん、今の私には幸一さんが一番大切な人。それはこれからも同じ。絶対変わらない。今日も明日もこれからもずっと同じ」

            「それじゃ、来週からもここに来てくれる?」

            「絶対来る。幸一さんが来るなって言うまで」

            「久美ちゃん、嬉しいよ」

            「幸一さん、好き、大好き。ね、抱いて?」

            「久美ちゃん、好きだよ」

            幸一は久美を抱きしめると身体を回して久美の上になった。

            「ああぁぁ、こういちさん、嬉しい・・・・ああん、好き・・・・」

            久美は幸一の身体の重みを受け止め、唇を首筋で感じながら身体が炎に包まれていくのを感じていた。

            「ああんっ、幸一さん、そんなにされたら・・・・・アンッ、うぅっ、身体がまた・・・して欲しくなっちゃうぅっ」

            幸一は首筋をたっぷりと味わい、久美の喘ぎ声を十分に堪能してからお気に入りの乳房へと降りていった。

            「だめぇ、幸一さん、上手すぎるぅ」

            幸一が唇と指を使って乳房の周りからゆっくりと頂上を目指し始めると、久美は両手を頭の上に上げながら身体をくねらせて悶えた。幸一が久美のぷくっと膨れた乳房の先端に小さくツンと尖った乳首の周りを指先でそっとなぞると、

            「ああぁん、いやぁ、ちゃんとしてぇ」

            と久美が身体を捻る。

            「ダメだよ。こうやってたっぷりと感じさせてあげる」

            「あぁぁぁ、それは焦らすって言うのぉ」

            「それじゃ、これは?」

            幸一が乳房の裾野にそっと舌を這わせると、

            「それも違うぅ、ああぁん、嫌なのに気持ち良いのぉ」

            「久美ちゃんはこうやってだんだん感じるようになったんでしょ?」

            「だって、それは幸一さんがぁ、ああん、焦れったいぃっ」

            幸一は久美を焦らしに焦らした。久美はいつまで経っても焦らしているばかりの幸一に、なんと言えばいいのか分からず、幸一の思い通りに身を焦がしていった。

            すると、幸一はたっぷりと焦らし尽くした乳房から離れ、久美の足を開いてしまった。

            「嫌あぁっ、このままそっちに行っちゃだめぇっ」

            久美のそんな言葉が聞こえないかのように、幸一は久美の足の間に入ると、ぽってりと開いた久美の秘唇に顔を近づけた。

            「今度はこっちをしてあげるからね」

            「嫌あぁぁっ、声で焦らされるのはいやぁっ、それは嫌なのぉッ」

            「そうなの?久美ちゃんはいつだってこれでたっぷりと感じてるでしょ?それとも今日は感じないの?」

            「今日はとっても感じるの。そんなに声を出したらあそこに響くぅっ」

            久美は敏感になった秘核にたっぷりと幸一の息を掛けられ、更に声の振動で秘核を更に敏感にされた。

            「やっぱりこれは感じるんでしょ?」

            「イヤッ、感じないっ。絶対にっ」

            「そうなの?本当?」

            「感じないのっ」

            「ふっ」

            幸一は秘核に息を掛けた。

            「あぅっ」

            「ほうら、感じたでしょ?」

            「違うッ、反応しただけッ」

            「そうなの?こうやっても反応しただけ??それに、久美ちゃぁぁぁぁん、感じないのぉぉぉぉ、ってやっても?」

            「うぅぅぅぅーーー、か、感じてないっ」

            久美は完全に幸一のペースにはまってしまったことを悟った。これでは自分から感じることもできないし、自分で自分に我慢を強いているのと同じだ。幸一がふと久美の顔を見上げると、横を向いてギュッと唇を噛んでいる。余りこのままでいるのは可愛そうだと思わせる表情だった。

            そこで幸一は久美の膝をグイッと開いて胸の方へと上げ、大きくM字に開いて秘部を剥き出しにした。ぽってりとした秘芯が左右に開かれ、薄暗い部屋でも秘核と秘口がはっきりと見える。

            「さぁ久美ちゃん、手を使っていいよ」

            そう言うと幸一はわざと何度も息を掛けながら、秘唇の周りの秘毛の生え際辺りを舌の先でツンツンとつつくように愛撫する。

            「ああぁっ、それはいやぁっ、だめぇっ、我慢できないっ」

            久美は敏感にされた挙げ句に自分の手を使うように言われて更に焦れた。幸一の頭は掴んで秘部に押し付けるのに最高の位置にある。それをするとどれほどの快感が得られるのか分かっているだけに、思わず手が幸一の頭の方へと伸びていく。それを察した幸一がとどめの言葉を口にした。

            「久美ちゃん、早くしないと、止めちゃ・・・・・」

            「いやぁーーーーっ、あああぁあぁぁぁぁうぅぅっ、ああうぅぅっ、はうぅっ・・」

            いきなり久美の両手が幸一の頭をグッと掴み、凄い力で秘唇へと押し付けた。久美は背中が反り返るほど大きく仰け反り、両手だけではなく両足も使って幸一の頭を更にグイグイ秘部に押し付けてきた。頭の芯まで響く快感が突き抜ける。

            こうなったらとにかくもう感じるしかない。自分でも一番恥ずかしい姿で感じているのだ。幸一に後で何か言われる前に感じるだけ感じておくしかない。

            幸一は久美が上手に感じられたご褒美に、敏感にしたままとってあった乳房へと手を伸ばし、硬い乳房をしっかりと揉みほぐし始めた。掌の中で小さくて硬い乳首が踊る感触が素晴らしい。

            「うぁぁぁぁぁっ、あーーーーーーっ、はあぁぁっ、信じられないぃっ、しんじゃうぅぅっ、もっとぉっ、してぇっ」

            久美は声を上げて更に仰け反ったので、久美の身体がグッとベッドから浮き上がったほどだった。

            両手両足で幸一の頭を味わっている久美は頭の中が真っ白になって自分で何を言っているのか分からなかった。とくかく猛烈に気持ち良い。幸一の頭をごしごし擦り付ける度、乳房を揉まれる度に純粋な快感が身体の中を走り抜けた。

            しかし、秘唇に凄い力でしっかり押し付けられている幸一は全く息ができずに窒息しそうになっていた。久美は夢中になっているので幸一の呼吸なんて考えていない。

            「!!!!!っ!」

            幸一は全く息ができないことにどうしようもなかった。久美は完全に夢中になっており、まだ四肢の凄い力で幸一の顔面を秘部に押し付けている。そしてぽっちゃりとした久美の秘唇はたっぷりと潤いを満たして幸一の顔面をピッタリと塞いでいる。

            顔を引き離すどころか上下にずらそうとしても直ぐに元の位置に押し返され、

            「ああぁっ、そんなにしたらぁっ、ああうぅぅっ」

            と久美が声を上げ続けている。

            幸一はどんどん息苦しくなってきたが、『まるで溺れかけた時と一緒だな』と思い、何もしないことにした。海で溺れかけた時は慌てると還って水を飲んだりして更にパニックになる、それと同じなのだ。そう言う時はじっとひたすら我慢するしかない。

            すると、幸一の頭を抑え付けている力がスッと緩んだ。幸一の頭をごしごし押し付けてひたすら声を上げ続けていた久美が、ある程度満足し、幸一の頭が全く動かないことに気が付いたのだ。すかさず少しだけ顔を秘芯から引き離すと新鮮な空気が胸一杯に飛び込んできた。