第40部

 亮子は心の中で再び康司に惹かれていく自分を感じていた。自分には無い豊富な経験と知識を持ち、自信を持って振る舞う康司はやはり魅力的に感じる。特に、今の自分にとって欠くことのできない技術を持っているとなればなおさらである。

康司と話をしているうちに亮子はグァムで康司に愛されたときの記憶が蘇ってきた。自分でも少しびっくりしたのだが、自分の最初の男としては十分に上手にリードしてくれただけに、身体が反応したらしかった。

これから先、もし康司と何度か会うことがあり、もし抱かれることがあっても帰国後から今日までの間に自分がしたことを康司に告白するときが来るかどうか分からないが、自分が必要とするときにはやはり近くにいて欲しいと思う。身勝手だがそれが亮子の本心だった。

康司はまず以前に行ったレンタルラボとは違うラボに予約の電話を入れ、空いていることを確認すると亮子と向かった。手続きを済ませて部屋の中に入ると、康司はまず空調と機器の電源を入れて部屋が一定の条件になるのを待つ。

「部屋の温度まで揃えなくても良いって言う話なんだけど、やっぱりいきなり現像すると色調がずれるような気がするんだ」

康司はそう言うと、

「ところで、フィルム、持ってきた?」

と聞いた。

「うん、これ・・・」

亮子は少しだけ申し訳なさそうに康司にフィルムをごっそりと渡した。

「えーと、どれだっけな・・・あ、これか、よし」

「康司さん、フィルムを見ただけで分かるの?」

亮子は少し驚いて康司をまじまじと見上げた。

「え?ははは、俺だってパトローネを見ただけじゃわかんないよ。実は小さい印を付けてあるんだ。ほら、こことここに線が付いてるだろ?」

「え?これ?こんな小さいの?」

「うん、パトローネ同士を擦り合わせてつけるから、あんまりはっきりとは見えないけど、俺さえ分かれば良いんだからね」

「すごーい。で、どれからするの?」

「まずはこれ、アキちゃんは写ってないけどね。これで様子を見るんだ」

「部屋の写真?楽しみだな」

「・・・でもね、もう少し待った方が良いと思うんだ。まだ部屋の温度も一定になってないし、機械も安定してないから」

「そう、どれくらい?」

「30分くらいかな?」

「分かった。それくらい待つから」

「それじゃ、こっちに座って」

亮子はその康司の声が少し緊張していることには気が付いたが、康司の隣に座って方を引き寄せられてから初めて康司のしたいことが分かった。

「アキちゃん、会いたかった・・・」

「康司さん・・・」

康司は亮子の小柄な身体を引き寄せると亮子に唇を重ねた。

「・・んんっ・・・ん・・・」

亮子も素直に康司に応じ、二人は帰国後初めてキスをした。最初、康司はそっと唇を重ねてきただけだったが、亮子が素直に応じてくるので次第に舌を入れ、亮子の口の中で舌を追いかけ始めた。

「んっ、はぁ・・・・うっ・・・んぷっ・・・くちゅっ・・」

亮子も次第に康司の求めるがままにディープキスを楽しんでいく。亮子は自分が素直に康司に応じていることが少し不思議で少し楽しかった。更に康司がTシャツの上から亮子の胸を撫で始めると、

「ダメ、康司さん、ダメ・・・」

と少しだけ抵抗した。しかし、その抵抗はあまり本気ではないような気がした。

「まだもう少し待った方が良いんだ。その間だけ、良いだろ?」

「そんなぁ、ああん、許して・・・」

亮子は康司に触られるのが嫌だったわけではないが、途中で自分にブレーキがかからなくなるのが怖かった。今は康司が大切な存在なので、できるだけ康司の好きなようにさせたいのだが、個室でソファや椅子があるとは言え、ここはただの現像室だ。

「それじゃ、そっとゆっくりするから」

康司はそう言うと、亮子をゆっくりと自分の膝の上に横たえて上からキスをしながら優しく膨らみを撫で始めた。

「ああん、こんなぁ、・・・・んんっ、康司さん・・・・やっぱり、チュッ」

亮子は康司に翻弄されていく自分を感じながら、その状況を楽しんでいる自分も気に入っていた。

「こうするだけなら良いだろ?」

「だって・・・そんな事されたら・・・・」

「大丈夫、ほら、嫌じゃないだろ?」

「嫌じゃないの。でもね、だんだん身体が・・・・アン」

「どうしたの?」

「言わせる気なの?」

亮子はそう言うと、康司の首に手を回してキスをせがんできた。康司はその亮子の身体の下に左手を回し入れて支えると、ゆっくりとTシャツをスカートから引き出して右手を中に入れた。

「あぁん、やっぱりぃ・・・・」

「いや?」

「ばか・・・」

亮子は恥ずかしそうに言うと、康司をぎゅっと抱きしめた。康司は亮子がその気になったことで、完全に愛することに夢中になっていった。ゆっくりと亮子の肌を探るようにして胸の布地へと肌を這い上がっていく。

「あ・・あ・・・アン・・・康司さん・・・・」

「なあに?」

「どこまでするの?」

「わかんないよ」

「最後まで行っちゃうの?」

「まだわかんない」

「ずるいぃ、あアン、そんなにゆっくりしないでぇ」

亮子は康司の愛撫が自分の身体が高まっていくのよりもゆっくりと進んでいく気がして、恥ずかしがった。そして、あの焦らされるもどかしさがじわじわと湧き上がってくる。

康司の手は亮子の胸の膨らみを探り当てると、円を描くように小さな膨らみをそっと撫で回し始めた。

「康司さん、ここまでにしておいて・・・」

亮子は康司の愛撫を楽しんで良いものかどうか、まだ迷っている。

「どうして?ほら、アキちゃんのここだって喜んでるみたいだ

よ」

康司はそう言うと、胸の膨らみの先端から布地を突き上げてポツッと飛び出してきた部分を指先で軽く転がした。

「あんっ・・・」

亮子は思わず小さな声を上げてしまったことに顔を真っ赤にした。

「ほら、感じたろ?」

「いじわるぅ」

「だから、ね?ここまでは良いだろ?ね?」

そう言うと、康司は丁寧に膨らみを撫で回しながらキスをした。亮子も、ここまで来たのだから胸までは許しても良いと思った。何よりも今は、康司に感じさせられる喜びをもう一度味わいたかった。

康司にはグァムに行く前にもブラジャーの上からさんざん焦らされた。あの時はグァムに行くまでは許さない約束だったから、最初は安心して感じていたのだが、何度も焦らされるうちに自分の方が我慢できなくなっていた。たぶん、康司の部屋でブラジャーに手をかけられても抵抗はしなかったと思う。

今回は帰国後初めて会ったと言う新鮮みがある上に、既にたっぷりと喜びを教えられてしまっている。亮子の身体が自然に

あの喜びを求めたのはごく自然な流れだった。

「康司さん・・・ねぇ・・・・」

康司の膝の上から見上げる亮子の目は少しずつ潤んできていた。

「なあに?」

「ねぇ・・・・まだ焦らすのぉ?」

「どうかな?アキちゃんが可愛らしくて、もっと焦らしたくなるかもね」

「いやぁ、ねぇ、康司さん、ねぇ」

「おねだりは?」

「やっぱり言うのぉ」

「もちろん」

「いやぁ、早くぅ」

「アキちゃんのおねだりが聞きたいな」

「あアン、もう、こうやって焦らすぅ」

「上手だろ?」

「上手すぎるぅ」

「それじゃ、おねだりを聞かせて」

「もう、おっぱいを揉んで」

「可愛いよ」

康司は右手をブラジャーのバックストラップに回すとパチンと器用に外し、そのまま亮子の左の乳房を右手の中にすっぽりと入れて優しく揉み始めた。

「ひゃ、ああぁぁぁぁ・・・・・・・」

亮子は必死になって声を堪えた。ぐっと歯を食いしばっていないと声が吹き出してしまいそうだ。それほど康司に与えられた快感は大きかった。

康司はゆっくりと亮子の乳房を揉みながら感触を確認していた。亮子の固く張りのある乳房はゴム鞠のようで、揉み心地が最高だ。先端のポツッと尖った乳首を指の間に挟んで優しく揉み立てると亮子はぐっと仰け反って喜びを表す。

歯を食いしばっている表情は苦しそうにさえ見えたが、夢中になってキスを返してくる仕草は快感が全身を駆け巡っていることを示していた。

「今度はこっちかな?」

キスが途切れたとき、ふと目が合った瞬間に康司はそう言った。亮子は一瞬不思議そうな顔をしたが、康司の手紙気の乳房に移った瞬間、その意味を理解して仰け反った。

「うううっ・・・・くぅっ・・・ううっ・・・はっ・・・・」

康司は亮子が乳房の愛撫に喜んでいるうちに、次の愛し方を考えていた。最早、これだけで終わりにしておくつもりはなかった。もうすぐ30分になるが、今は亮子を愛することに集中していた。そして、どのように愛せば亮子が先を求めてくるだろうかと考えた。

一つは亮子の胸を口で可愛がることだ。これならあまり嫌がられないでできそうだった。もう一つはスカートの中へと入っていくことだ。これは亮子が康司の指を受け入れればその先は康司の自由にできそうだったが、亮子がそれを望んでいない場合は拒絶される恐れがある。

康司は、亮子のスカートの中を可愛がっても大丈夫だろうと思ったが、念を入れて乳房から可愛がることにして、Tシャツをゆっくりと捲り上げて腹から唇を上へと這わせていった。

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